介護保険料の次期保険料について、武蔵野市の基本的な考え方が示された。値上げは避けられない見込みだが、問われるのはサービス内容と市民が望むかだ。


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 介護保険料は、基本的に自治体ごとに異なり(一部事務組合もある)、サービスを拡充すればその分、保険料が上がる仕組みだ。3年ごとに事業計画を作り、その内容によって保険料が算定されるため、現在、各自治体では平成30年(2018年)〜32年(2020年)の事業計画(第7期)を策定中だ。

 武蔵野市は、11月6日の市議会厚生委員会に第7期介護保険計画の中間のまとめ(案)を報告し、3パターンのサービス内容の概要と保険料の見込みを示した。今後、パブリックコメントなどで市民意見を聞き事業計画をまとめ、保険料については議会に提出して決められる(介護保険条例)。
 

■3パターンの保険料と内容 

 武蔵野市は、中間のまとめ(案)に下記の3パターンのサービス内容と予想される保険料を示している。

のまとめ案【パターン1】
医療介護の運携をさらに推進するため、介護老人保健施設を中心とした高齢者サービと障害者サービスが連携した地域共生型の施設を整備する。
・現行の居宅サービス水準を維持する。
・都有地の活用により、医療系居宅介護サービスを併設した介護老人保健施設を新たに1施設整備する。

※保険料=6000〜6200円


【バターン2】
パターン1に加えてさらに、在宅の中重度の要介護者を支える方策として医療機能を併設した小規模多機能型居宅介護施設の整備を行うとともに、一定の施設ニーズに対応するため、本市の地域特性に応じた介護施設を整備する。
・看護小規模多機能型居宅介護事業所を2事業所整備する。
・地域密着型の特別養護老人ホーム(小規模)を1施設整備する。

※保険料=6100〜6300円


【パターン3】
パターン1.2に加えさらに、今後の認知症高齢者中重度介護者の増加に対応するため居住系サービス整備を積極的に推進する。

・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を1施設、介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)を1施設整備する。

※保険料=6300〜6500円


 武蔵野市の第1号被保険者(65歳以上)の基準月額保険料(第6期)は5960円。多摩26市で最も高く、都内でも高額の部類に入る。この額から40〜540円が上がることになる。


■決めるのは市民であり議会

 実際には介護保険の基金から取り崩して補填することで下げることや武蔵野市は、所得に応じて保険料が細かく18段階に分けられているので、個人差があり、このままの額とはならないが、基本的には値上げになることに違いはない。

 しかし、各パターンにあるようにサービスを拡充することでの値上げとなる。実際には他の細かなサービスがあるので、これだけで決まるのではないが、総じて拡充される面が多いことが先の委員会の報告では分った。パターンを見ると個人的にはどれも必要に考えらる。となるとパターン3となり最も高額な保険料となってしまう。どう考えればいいのか…

 介護保険は、保険料が上がってもサービス拡充を求めるのか。サービスはほどほど、あるいは縮小して保険料を下げるかが問われており、それは、自治体ごとで判断するものだ。つまり、市民、議会意思がどちらを選ぶかが、今、問われている。これはどこの自治体でも同じだ。市民がどのように考え、議会が最終的にどのように判断するかも含めて注目して欲しい。



   ◆

 余談だが、予想される保険料額を示す自治体は少ないようだ。具体的な予想される保険料の額が分らないと議論が難しい。このことを考えると3パターンを示している武蔵野市の事例は、他自治体の参考になりそうだ。


 図は、2017年11月06日厚生_高齢者福祉計画・介護保険事業計画中間のまとめ案.pdf より。写真はイメージ