武蔵野市は、平成29年4月に「武蔵野市景観ガイドライン」を策定。その中身を伝えること、さらにまちづくりのヒントになる「市民向け手引き」についての意見を求めるためのワークショップを続けている。
 そのひとつであるワークショップが11月25日に武蔵境のスイングビルで開催されたので、様子を拝見させてもらった。

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■ワークショップだからこそできる

 一口に景観といっても、人それぞれに価値観は異なり、どのような景観が良いかは異なり、時には対立することもある。景観がいい悪いは数値では表しにくく、主観的に判断せざるを得ないからだ。

 なるべく多くの人が不快と思われ心地良いと思える景観、それも地域事情に合わせてものをつくりあげていくには、同じ価値観を持てる人が時間をかけて広まっていくしかないのだと思う。

 このことを考えると、どのような景観がいいのか。その景観を進める、あるいは守るには何をすればいいのかを参加者同士で話し合う今回のようなワークショップ形式は適切な手法だ。

 行政が説明して、参加者が質問する一般的な説明会では、行政対参加者の対立構造になりやすく、結局行政が悪いとなってしまうことが少なくないからだ。参加者がそれぞれの意見を尊重する対話を進めていくこのような手法は、もっと他の分野でも広めてほしいとも思った。

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■テーブルファシリテーターの配置

 今回のワークショップでの特徴的なのは、テーブルファシリテーターが各テーブルに配置され対話をリードしていたことだ。参加者だけで行うこともできるが、顔見知りになる、参加した楽しみを持ち変えるといった目的であればそれでもいいが、今回は一定の目的があるからこの方式を選んだのかは分からなかったが、どのテーブルも話は活発で進行はうまくいっていたようだった。やはりファシリテーターの力は大きい。


 もう一つ特徴だったのは全体の流れを、模造紙に枠で最初から示し全体の流れを分かりやすくしていたことだ。

 その流れは、 

「どのような景観まちづくりをしたいのか」
「自分たちでなにができるのか」
「市の支援は何があったらよいか」
「市民向け手引き(案)の内容の過不足は?」

 というもの。

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 このような枠組みを最初から書いてしまうと話の流れが読めてしまうことになり、参加者がレールに乗せられたと思わないか少々心配をしてしまった。ワークショップで何が正解か、良いか悪いかの判断はつかない少し気になったところだ。印象としては、各テーブルでの話は活発だったので問題はなかったのだろう。


■ワークショップのポイント

 この枠には、行政への支援を求める前に自分たちで何ができるかを考えてもらうことにしていたのは、このワークショップのポイントだろう。景観は行政が守るものでなく、そこに住む住民同士で守っていくものだからだ。今回のワークショップがそのきっかけになればと思えた。

 今後は、もっと参加者が増えること。なるべく近隣同士で参加できるような環境も考えていくことも必要なのだろう。期待したい取り組みだった。

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 今回のワークショップのもうひとつの目的は、「市民向け手引き」について、意見をもらうもの。議論がそこまで到達していないグループもあったが、分かりやすく、文字は少なくとの指摘は、私のレポートも含めて参考になる意見だった。
 この手引きは手に取ってもらうために、小さな版型で、イラストや図版を多用する予定だという。サンプルがモノクロであったが、フリーペーパーのような体裁で「手引き」とは思えないようなデザインだった。こちらも期待をしたい。


【参考】
武蔵野市 景観ガイドライン