今まで国会で原発ゼロについて議論が行われていなかったが、今月から始まる国会で争点となるかもしれない。


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■安倍政権では原発ゼロはできない

 1月10日、小泉元首相や細川元首相らが中心となっている原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)が原発ゼロ法案を提案し記者会見を行った後、原発ゼロ基本法を国会に提案予定の立憲民主党エネルギー調査会との公開対話集会が衆議院議員会館の多目的ホールで行われた。
 
 記者会見では、小泉元首相が「安倍政権で原発ゼロを進めるのはもう難しい」(AERAdot.2018.1.10)と発言し、これまで安倍政権を直接批判していなかった小泉元首相が批判へと踏み込んだのは興味深い。
 また、自民党にもゼロに賛同する議員はいるなど興味深い発言をしていたという(原自連からの発言)。この発言通りになるかは、ふたを開けてみないと分からないが、本当に自民党のなかから脱原発議員がでてくるのか注目だ。

 原自連の法案だけでなく立憲民主党も原発ゼロ基本法の提案を予定している。いつ提案するか明確ではないが、ポイントは、国会で論戦が始まった場合に各党の立ち位置が明確になることだろう。


■各党の立ち位置に注目

 対話集会では、「これまで内部に脱原発に反対する議員を抱えていたのが民進党(民主党)の弱点だった。小池(百合子都知事)さんのおかげで瓢箪から駒となり民進党が分裂し立憲民主党ができたことで提案が可能となった。これは歴史的な意味がある」と原自連の河合弁護士が話していたように、ゼロ法案を出せなかったのは民進党内部で合意できなかった、つまりは、本気でゼロをめざしていない国会議員が少なからずいたからに他ならないからだ。
 
 希望の党だけでなく公明党も原発ゼロを公約に掲げたていた。特に希望の党にはすぐにゼロと考えている議員とゼロにはさせたくない議員が混在しているように思えているので党としてどのような態度をとるのかが問われるだろう。
 
 希望の党と民進党の統一会派が協議されているが、安保法制への対応がことなりすんなりと進んでいないが、原発への考え方で一緒になれるのかの疑問も残る。どうなるか。


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■なぜ「即ゼロ」ではないのか

 一方で立憲民主党の法案内容も気になる。内部では議論が重ねられ原自連にも示しているようだが、現状では公開されていないため詳細が分からないが、東京新聞の報道によると、下記が骨子だという。

 ●政府は、速やかに全商用原発の廃止を目標とする
 ●原発の運転期間延長を認めない
 ●運転は、原子力以外のエネルギー源を最大限活用しても安定供給確保に支障がある場合に限定

 対話集会では「即ゼロ」ではなく、「速やかに」や条件次第で再稼働を認めていることに曖昧さが残っていると原自連から指摘されていた。なぜ「即ゼロ」ではないのか?

 立憲民主党エネルギー調査会からの説明では、原発は電力会社の自由な経済活動のひとつであり、法律で止めると憲法違反になると法制局に指摘されたとことでこの表現になったとしていた。

 このことに対して河合弁護士は、ドイツでも問題になり訴訟になったが正当な補償をすればできるとの結論になっている。補償はこれまで動かしてきたのだから国民全体で負担すればいい。法制局の言いなりではだめだ。民主党政権の時に青森県との約束があり、即ゼロができなかったが、約束には国が当事者になっていない。何よりも当初から事情が変わっている。契約時と変わっていれば損害は弁償するとしても変えていいと民法ではなっているから可能だと発言していた。このあたり解釈はどちらが正しいか判断が付かないが、国会での論戦に期待したいところだ。


■経済面から再エネにシフトは世界の潮流

 原自連からの発言で、最も注目したいのは、日本の再生可能エネルギーのリソースも技術も世界トップ。進めないのは政治障がいがあるからだ。今や経済的にも再生可能エネルギーにメリットがある。原発に頼ると日本経済的に沈む。今や環境面ではなく、経済面から原発を選択せず自然エネルギーにシフトしているのは世界の潮流との指摘だった。

 中国でもコスト面から原発よりも再エネを優先していると12月4日にNHKクローズアップ現代「中国"再エネ"が日本を飲み込む!?」で放送していたように、再エネへのシフトができてない日本のエネルギー政策を根本から考え直す時期だろう。いつまでもベースロード電源として原発を推進していては、指摘のように日本は経済的にも沈んでしまうかもしれない。再エネは土地の利活用ができる地方が有利で地方経済の活性化にもつながる。このことも国会で議論して欲しい。

 対話集会はこのような興味深い話が多くあった。国会のなかだけでなく、国内各地で、それこそ国民運動になるように同様の対話集会をしていくことが、立憲民主党の「草の根からの政治になるようにも思えている。