吉祥寺地区の医療問題の解決へ向けての動きがなかなか進まない現状が明らかになった。

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■議会、医師会も問題視

 4月23日に武蔵野市議会会派代表者会議が開かれ、市から説明があったことで分かった。
 これまでの経緯は「病床激減 吉祥寺地区の病院事情」にまとめている。ここ4年間で病院の廃院などがあり合計134の病床が吉祥寺地区では減少してしまい大きな問題となっていた。

 その後、武蔵野市議会に市民からは「吉祥寺地区の医療と病院機能の維持に関する陳情」が提出され、継続審議の結果、全会一致で採択され、議会は「東京都保健医療計画改定にあたり、武蔵野市の地域医療資源を適正に配分することを求める意見書」を全会一致で可決した。議会として、病床数が減少している吉祥寺地区の医療について懸念を持ち、改善が必要と判断したことになる。
 また、武蔵野市医師会長から「吉祥寺地区新病院建設早期実現のための要望書」が市長あてに提出され、医師会も改善を求めていることも分かった。


■課題は残ったまま

 この問題を解決するには、耐震基準への適応も含めて老朽化している78床の森本病院と127床の吉祥寺南病院を建替え病床数を増やすことが考えられる。だが、森本病院用地は吉祥寺の繁華街にあり救急車の出入りが難しいことなどから現地での建て替えが難しいこともあり、両病院を共同で吉祥寺南病院に隣接した土地で新病院を建設し180床程度の新病院の構想がこれまでに示されている(以前は200床だった)。

 しかし、新病院の構想を実現するには、現在の都市計画の用途地域の変更などが必要で、周辺住民合意のうえで地区計画を作ることが求められるのだが、民間である病院のために都市計画を変更していいのか、大義はどこにあるのかなど先に示された課題は残されたままだ。

 今回報告があったのは、市は平成29年度内に方向性を出すとしていたが、年度内でできなかったために報告されたもの。現状の構想のままで進めるのか、代替え案も含めて検討をするとしていた。

 
■近い将来、吉祥寺地区で病床が不足する

 これまで吉祥寺地域の病床数は、東京都北多摩南部医療圏(武蔵野市、三鷹市、府中市、調布市、小金井市、狛江市)の総量で考えられ、減ったとしても総量を超えているため増やせるかは分からない状況だった。しかし、今回市が示した資料には、この医療圏ではなく、患者所在地で計算したところ、吉祥寺地区の必要病床数は、2025年で335床、2040年で437床と推計できるとしていた。

 この推計を前提にすると、病床は今以上に必要と考えられ、病院の建替えによる病床数の増が求められることになる。課題は多いが、進めていくしかないのだろう。

新病院を建てるためには、用途地域の変更や地区計画の策定に2年半はかかる見込み。新病院の規模がどのようになるかも見通せていない状況を考えると、病床不足解消まではまだまだ時間がかかりそうだ。
 
※写真は新病院の予定地。現在は駐車場。手前の井の頭通沿いと奥の住宅街は用途地域が違うため、現状のままですべてを使って大型の建物が建てられない。そのために変更が必要となっている

【参考】
病床激減 吉祥寺地区の病院事情 (2017年08月03日)