埼玉県議会は、7月6日の本会議で「放課後児童クラブの職員配置基準等の堅持及び放課後児童支援員等の処遇改善を求める意見書」を可決した。国が配置基準の緩和を考えているなか、今後に影響を与えそうな意見書だ。



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 国は、学童クラブ指導員(放課後児童支援員)の資格要件をするよう省令を出し、この6月議会で武蔵野市議会など多くの自治体で条例が改正されている。実施的に資格要件が緩和されることは、当面の間はない見込みだが、今後は40名の支援の単位ごとに2名の有資格指導員を配置することが緩和される可能性が残されている。緩和されるとなると保育の質の低下、安全性が保たれないなどが懸念され、保護者や指導員から反対の声が上がっている。

 そのなかでいち早く埼玉県議会がこの意見書を可決した意味は大きい。議事録が公開されていないので提案などの詳細は分からないが、関係者に聞くと自民党会派から提案されたという。秋以降、他の議会でも同じような意見書が広がるかしれない。以下が意見書の内容だ。
(写真はイメージ)


【参考】
埼玉県議会 平成30年6月定例会 意見書・決議






放課後児童クラブの職員配置基準等の堅持及び放課後児童支援員等の処遇改善を求める意見書

 放課後児童クラブは、保護者が就労等により昼間家庭にいない児童に、放課後等に安全に安心して生活できるための遊び及び生活の場を提供し、その健全な育成を図るものである。児童の安全を確保するためには、児童を見守る職員の体制が万全である必要がある。

 そのため、放課後児童クラブで突発的な事故等が生じた場合、それに対応する職員のほか、その職員以外の児童に対応する者が必要になるなどの理由から、職員の複数配置が必要とされている。また、放課後児童支援員等については、研修等により資質を向上させていくことが必要とされている。これらの職員の配置等については国が基準を定め、市町村が放課後児童クラブに関する条例を定める際に従うべき基準とされている。

 一方、地方分権改革の提案募集において、全国的に放課後児童クラブの人材不足の深刻化により支障が生じているとして、当該従うべき基準の規制緩和を求める提案が地方から国に提出された。これを受け、国は、当該従うべき基準を参酌化することについて、今後、地方分権の場で検討することとしている。

 仮に、当該従うべき基準を緩和して職員が1名で多くの児童を受け持つことになった場合には、放課後児童クラブの安全性が低下するおそれがある。そもそも放課後児童クラブの運営にとって最優先すべきことは児童の安全の確保であり、このための最低基準として当該従うべき基準が定められたものである。これを単に放課後児童クラブの人員の確保が難しいという理由から緩和すべきではない。

 また、放課後児童クラブにおける児童の安全を確保するためには、放課後児童支援員等の量的な確保とその質の向上が不可欠である。そのため、国においては経験等に応じた処遇改善を進めるための事業を始めたが、その要件が厳しいことから事業の活用が進んでおらず、放課後児童支援員等の処遇の改善はいまだ不十分な状態である。

 よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。

 記

1 放課後児童クラブの職員配置基準等に係る従うべき基準については、児童の安全が確保されるよう堅持すること。

2 放課後児童支援員等について、給与等の処遇の改善の更なる対策を推進すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



平成30年7月6日

埼玉県議会議長 齊藤正明

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
少子化対策担当大臣
男女共同参画担当大臣
地方創生担当大臣  様