兵庫県太子町議会の議場を自習室として開放する試みが始まった。稼働率が高くない施設の有効活用として注目したい。

■稼働率の低さ

 太子町は2015年に新庁舎を建設したさい、稼働率の低い議場を多目的に使えるように当初から設計をしていたことからこの試みへとつながった。議場は移動式の机と椅子で床はフラットにしてあり、議会のある日以外に美術展やコンサート、講演会などにも使えるようになっている。

 しかし、これらのイベントは年間を通してみると開催回数は少なく、稼働率を大幅に上げるまでにはなっていなかった。そこで、同じ庁舎にある交流スペースでは中高校生などが夜遅くまで自習していることから、議会事務局の発案で議場を自習室にしてはどうか、となり今年から議会のない夏休みの間のみで議会事務局職員がいる時間だけと限定して試行が始まった。

 今回は8月24日までの平日、中学生以上を対象としての試行。それ以降も実施するかは現状では未定だ。


■神聖な場所vs税金の効率的な使い方

 この試行が始まった背景には、税金を使う以上、稼働率を上げるべきとの発想があったことが大きい。そのため議員からの反対はないそうだ。

 また、議場を使うことで議会や町政への関心が高まることも期待しているそうだ。実際に自習している人に聞くと、気が引き締まるそうで、勉強がはかどるのかもしれない。

 稼働率の低さは多くの議会でも同じではないだろうか。その背景には、議場は神聖な場所だから議員以外は入れないといった発想があることを聞く。一方で太子町議会のように税金を使っている施設だからより多く使ってもらうとの発想もある。どちらが良いかも含めて、議会は誰のためにあるかで考えるべきだろう。

 議場でコンサートというのはよくあるが、自習室というコストもかからない試みは参考となりそうだ。

【参考】
神戸新聞NEXT 開かれた議会!? 太子町の議場開放、自習室に(2018/7/24)

写真は武蔵野市議会の本会議場。椅子と机は固定式で段差がある