「日本の人間の安全保障指標」発表シンポジウムに参加した。SDGsを道具として誰も取り残されない社会のために何をすべきか、数値目標を活用して実現していこうとのテーマだった。

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■誰も取り残されない社会への指数

 指標は、2011年に設立された市民団体、NPO法人「人間の安全保障」フォーラムのプロジェクトチームが2018年から作成を始め、その成果として今回発表された。各界の研究者が中心となり、公のデータを総合的に活用して指標化している。

 プロジェクトは、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)の数値だけでは不十分なため、日本国内の貧困や格差、差別、排除の実態を数値として加味して日本国内において、誰も取り残されない社会を作ることが目的だ。

 今回発表されたのは、「母子家庭の子どもの貧困」「就学援助受給割合」「育児と仕事の両立」「待機児童数」「経済的理由で家庭を持てない青年「貧困高齢者」「若者の引きこもり、無業者」「同一労働同一賃金」「日本語の学習支援が必要な外国人」「無戸籍の子」「セクハラ、パワハラ」「過重労働による過労死」「障害者の雇用機会」「LGBTへの偏見、法的地位」「原発事故避難者への差別」「外国人差別、へイトスピーチ」「低賃金の外国人労働」などのデータを元に「命指数」「生活指数」「尊厳指数」に数値化。
 さらに、「生きがいを感じることは何か」「どんな時に孤独を辛いと感じるか」など感情についてもアンケート調査を行い指数化をしている。
 そして、それぞれの部門ごと、総合で順位付けをして自治体の実態を明らかにするものだった。


■ランキング

 総合指数を都道府県でランキングすると、

 1位 福井県
 2位 長野県
 3位 富山県
 4位 島根県
 5位 山梨県

  となっていた。ちなみに東京都は15位だ。

 ランクを5つに分けて地図に落とし込むと下記の画像となっていた。

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 地理的な要因があるかなどは、今後の課題となるようだ。また、子ども、障がい者、高齢者など細分化したデータが必要との提言もあり、さらに指数を細分化していくとも必要と言える。
 特に区市町村別でも考えたい内容なので、今後に注目したいプロジェクトと言える。


■自治体の目標

 国や自治体は何をすべきか? モノを作ることや経済価値を高めること、一部の人のために事業を進めるのではない。
 全ての人の満足を得ることはなかなか難しいが、一部の人の満足でなく、誰も取り残されないという社会を目標にする、そのためにSDGsやこの人間の安全指標をひとつの指標として考えていくことが今の時代だからこそ、必要と思えてならない。政治や税金は社会的に困難を抱えている人のために、まずはあるべきではないだろうか。

 武蔵野市など多くの自治体では、将来の自治体の姿を描き、そのために総合計画(長期計画)を策定している。絵に描いた餅とも言われることがあるが、今回の指数を参考にした将来の姿と実現ができているかを評価できる数値化も計画に織り込むべきではないか。
 そう思えてならないシンポジウムだった。



【参考】
NPO法人「人間の安全保障」フォーラム