武蔵野市議会は3月12日の本会議で「選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書」の審議を行い、賛成多数で可決した。近く、関係機関に送付される。


 意見書は3月4日の総務委員会で「選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書を国に提出することを求めることに関する陳情」を審議し賛成多数で可決したことにより、議員提出議案として議案となったもの。

 意見書の内容は下記。自由民主・市民クラブ会派のみ反対だった。





選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書

 2018年2月に内閣府が公表した世論調査において、夫婦同姓も夫婦別姓も選べる「選択的夫婦別氏(姓)」を導入するための法改正に賛成・容認と答えた国民は66.9%となり、反対の29.3%を大きく上回ったことが明らかになりました。年代別に見ると、多くの人が初婚を迎える30〜39歳における賛成・容認の割合は84.4%に上ります。また、同年3月20日の衆議院法務委員会において、夫婦同姓を義務づけている国は、世界でただ一国、日本だけであることを法務省が答弁しました。

 世論の強い要望があり、また世界的な男女同権の潮流に反しているにもかかわらず、現在でも我が国では夫婦がそれぞれ生まれ持った姓を名乗り続けることが許されていません。夫婦のどちらかが改姓をしなければ婚姻できない現制度では、改姓に伴う煩雑かつ膨大な事務手続、望まない改姓による苦痛、事実婚による婚姻の形骸化、非婚化や少子化などさまざまな問題が生じています。法的根拠のない旧姓と、戸籍姓との煩雑な使い分けは、管理・事務側での手間とコストの増大を招いています。

 また、通称併記による対応は、改姓した側の婚姻状態を知らしめることになりプライバシー侵害につながります。

 何よりも夫婦同姓は「日本の伝統」ではありません。1876年日本の民法において初めて夫婦の姓のあり方が規定されたとき、武家の慣習に倣い「夫婦別氏(姓)」と定められました。ところが1898年、明治政府は非常に差別的な家父長制の「家制度」のもとで「夫婦同氏(姓)」を制定。この家制度は戦後間もなく廃止され、婚姻は「家に入るもの」では
なく「両性の合意のみに基づいて成立するもの」と再定義されました。

 そこで1970年代から約40年にわたり、選択的夫婦別姓の導入が議論されてきました。1996年2月法制審議会で民法の一部改正の答申に続き、1999年11月に施行された男女共同参画社会基本法でも選択的夫婦別姓は中心的な政策課題とされましたが、いまだに法改正に至っていません。

 また、2015年12月の第一次別姓訴訟の判決文で、最高裁は夫婦同姓を定めた民法750条の規定を「合憲」としながらも「この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないというべきである」と述べました。しかし3年が経過した現在も、依然として国会審議は進んでいません。

 以上の観点から、婚姻制度の形骸化・非婚・少子化などの問題を少しでも解決するために、男女同権の理念に基づく選択的夫婦別姓の導入は急務と言えます。

 よって武蔵野市議会は、貴職に対し、選択的夫婦別姓の法制化を求め
ます。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


衆議院 議長
参議院 議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣    あて





意見書はこちら

【参考】
武蔵野市議会  選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書を採択へ(2019年03月04日)

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