武蔵野市は、道路の舗装のひび割れ、街路灯やガードレールなどの不具合をLINEで市民が市へ通報できる道路通報システムを9月2日から試行的に実施する。

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 迅速、手軽に市民から通報してもらうことで道路管理をより効率化する狙いがあり、市民との協働事業として行うもの。
 これまでは電話などで市民から連絡することができたか、LINEを使うことで位置情報と同時に写真を送れることができるため市も状況を把握しやすいメリットがある。

 通報するには、武蔵野市のLINE市公式アカウント「@musashinocity」を友達登録し、トーク画面から「道路の情報提供」アイコンをクリックし、写真を送る。ただし、送られても状況により判断されるため必ず市が補修を行うとは限らない。

 通報された結果などについて市のサイトで公開するとしている。

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■実施まで時間がかかったが期待
 
 同様のシステムは、千葉市が実施している「ちばれぽ」(ちば市民協働レポート)が知られている。2013年7月から試行が始まり、「My City Report for citizens」として他の自治体でも導入できるシステムとなっている。他にも海外のシステムをベースに開発された「FixMyStreet Japan」もあり、こちらも複数の自治体で採用されている。

 これらは道路だけでなく、公園のベンチの不具合など「困った」ことを地図で表示することで、自治体だけでなく、困ったことに対応できる市民が自ら対応することもできるものだ。例えば、ベンチの修理ならできる市民自ら修理して「困った」ことを解決する。

 すべて市にお任せではなく、市民協働で解決することが可能となるシステムで、無料の専用アプリを使うことで参加が可能となる。道路管理の効率化だけでなく、管理コストの削減にもつながるとされている。

 これらのシステムのもともとの考え方は、オープンデータ、あるいはオープンガバメントと呼ばれ、2009年に就任したオバマ前アメリカ大統領が提唱したことで広まり、日本政府も2010年にIT戦略本部が立ち上がり、政府、自治体の透明性を高める、市民参加を促すことを大きな目標に進めてきた経緯がある。川名も2013年6月議会の一般質問で同様のシステムの導入を提案していた。それからずいぶんと時間がかかり、他市でも導入しているのが現在だ。

 LINEを使える市民だけが対象とはなってしまうが、気軽に情報を伝えられるシステムであり、ICTを活用した協働事業として期待したい。


【資料】
2019年08月22日建設_道路通報システムの試行的導入について.pdf
 
※画像は上記資料より