April 30, 2006

島本理生 著作書評

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石田衣良 著作書評

goahead2005 at 13:06|この記事のURL

January 30, 2006

米国産輸入牛肉


既に出回っている730万トンについて

・追跡調査の必要はない

・そちらは安全性に問題ない

という二つのポイントを政府が自信を持っていえる理由はなんだ?

たまたま抜き出した箱に明確にわかる骨そのものがあったのだろう。
たまたま抜き出さなかった分になぜ混入していないと言えるのか?

「日本向けの牛肉にそんな規制がかかっているとは知らなかった」と
米国の検査官が言っているのに危険部位が混入していないとなぜ
言えるのか?

しばらく外食で肉は食べられない。


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January 29, 2006

皇室問題は「人権」問題ではなのか?

今国会で提出される皇室典範改正問題だが、突き詰めるとこの問題は
皇室にいわゆる「人権」があるかどうかということに他ならない。

伝統を重んじればその重さに犠牲になる人がいる。普通に考えて男系
だけでひとつの家系がこれほど長く保たれると生物学的にも通常は
ない。そこには人の意思を無視し、皇統を保つという「意志」に基づ
いた人権侵害が継続的にあったと思ってよいはず。

昔はそれでもよかった。天皇はいわゆる「人」ではなかったのだから。
伝統に順ずることも「人」ならぬ「やんごとなきお方」としては
耐え忍ぶ必要もあったであろう。

しかし・・・・

皇室典範擁護派の中には「皇統はGHQも不可侵であった貴重な伝統です」
という幸せな意見を展開している人もいるが、GHQは「天皇家を人にする」
しかも、天皇陛下自らに「人間宣言」をさせるという、それまでの
皇統という伝統の価値を無価値にし、そこに人権問題を持ち込むという
大きな時限爆弾を埋め込んだ。この意味をわからずしてこの問題を論ずる
ことはできない。

もう皇室は「人」という価値に基づいた「装置」なのである。
したがってすべての皇室問題は人権に配慮した形で進められなければ
ならぬ。

今、男系天皇しか認められぬと主張する人たちよ。
あなたたちはなんたる権限を持って「人たらんとする現皇族」にそれを強
制し、求めるのか?

それとも皇族はいまだ伝統のみに支配され人間宣言をしながらも人権を
認めることのできない種族であると主張するのか?


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January 24, 2006

監査法人の監査は誰がやるのか?

しゃれではないが表題のような疑問が日本でも出てくる時代になった。

アメリカでエンロン、ワールドコム問題を契機に内部統制に関する
法律(サーベンス・オクスレー法:SOX法)ができ、日本でも2008年
3月から日本版SOX法(J-SOX法)が施行される予定になっている。

日本でのJ-SOXへの関心はいままで今ひとつだったが、これからおおい
に取り上げられることとなるだろう。図らずも?「絶好の」タイミング
でライブドアが日本でエンロン役を引き受けることとなる。

こういう「活きた事例」がないと話は盛り上がらないということか。
かくしてアメリカ型企業統治・企業監査スタイルがスムーズに日本に
取り入れられることとなる。

以前、アメリカからの年次改革要望書についてエントリーを書いたこと
があるが、あの「拒否できない日本」のなかでも触れられていた会計制度
の件は見事に実現の方向へ向かっていると言えるであろう。

今、思えばなぜ自民党は先の総選挙で堀江氏を公認にせず非公式な応援
に留めたのか。あまり陰謀史観にとらわれるべきではないとは思うが・・。

関係ないが、J-SOX法が施行される際には対象を一般企業だけでなく、
政党、政治家、政治団体、特殊法人、独立行政法人のように政・官の
領域まで是非適用範囲を拡げてもらいたい。金の流れや内部統制を
「見える化」し、外部チェックされるべきはこういう領域こそだろう。

これを機に内部統制のモデル国家となることを国を挙げて宣言しても
いいし、民主党が本気で政権を狙うならばこういう切り口でアピール
するのもいいのではないか。まず民主党が率先することが必須条件だが。
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January 23, 2006

東証問題(その2)


「東証コンピューター、耐用年数過ぎていた」

これはやはり完全に東証の過失による人災。

ライブドアショック、マネックスショック、個人投資家による小口取引
の増大なんかは「周辺事態」でしかないですね。むしろ「穴」をあぶり
だしてくれて感謝すべきかも。


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January 19, 2006

IT業界今年の10大予想(その1)

予想です。今年に限らず今後2〜3年かけてになりそうなものも
ありますが・・・。

1)ソフトバンクグループとUSENの躍進
  過去のエントリーにもありますが、この2社は通信系からメディア
  企業へのステップを着実に進めており、コモディティ化が進む通信
  プラットフォームの上にサービスとして収益を上げる仕組みを構築
  している。具体的には加入者からお金を徴収するビジネスモデルを
  脱して広告等の別のレベニューストリームを呼び込む用意が進んで
  いる。又、携帯電話事業への参入も売り上げ・収益性の伸びに寄与
  する。USENも(方式にオプションはあるだろうが)携帯事業に
  参入する可能性があると見る。

2)携帯電話のIP化が進展し、音声通話価格の下落が始まる。
  現在の日経ビジネスにもあるが、技術的にはもう可能であとは
  ビジネス主体とモデルの問題。iPodに無線LANとSkypeが内臓されな
  いと言い切れるか?

3)2)に関連するが、iPodは徐々にPDA化・携帯化する。
  OSはウィンドウズモバイルではないだろうが・・。ビデオ対応で
  終わりではない。どこからでもiTuneに接続し、各種サービスを
  受けられるようになっていく。

4)ナンバーポータビリティをきっかけとした携帯各社のシェアは
  あまり変わらない。

  電話番号ではなくメールアドレスが変わることがユーザビリティの
  鍵。

5)パーソナルディスプレーに画期的な商品が汎用型で出る。 (今年は無理か)

  ヘッドマウント型ではなく、より自然な利用形態のもの。いつまで
  もディスプレーが端末に付属している時代は徐々に変化する。

前半はマス・モバイル系に偏ったが、続きはまた。後半はエンタープラ
イズ系を中心に。


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システミックリスク

(気がついたら随分エントリーしていなかったなと・・)

それはそれとして、

東証が場中に取引を強制的に止めたという前代未聞の出来事が昨日
起きたが、これについて思ったことをふたつ。

ひとつめは証券取引というグローバル市場への影響も含めてミッシ
ョンクリティカルの際たるシステムがなぜこれほど余裕のない設計
になっているのかということ。

以前、 「東証誤発注の背景」 というエントリーで書いたが、東証の
システムの問題は処理できる注文件数や約定件数だけではなく、
受発注のレスポンスタイムにも大いにある。スケーラビリヒティの
面でも通常はシステム増強のためのリードタイムも十分に考慮して
大きめのバッファをもってシステム規模の設計が為されるべきところ
だが、東証の場合、「想定外」の事態とはいえ、処理件数が一日二日
で倍になったわけではないのにこの体たらくは醜態以外の何物でもない。
東証の西室会長はライブドアがどうこう言う前にまず自らの責任を痛感
すべきである。

特に問題の本質が「注文数が増えた」ということ以上に「約定処理が
できない」というクリアリングとのバックエンドにあるというのは
個人投資家が増えて小口の取引が増えたとかライブドアショックとか
以前に純粋な東証の危機管理の問題である。

ふたつめに、同様の危機管理の問題で言えば、事情説明のためとは
いえ具体的な処理・約定可能件数を公表するのはいかがなものかと
思う。今回のことで東証のシステミックリスクレベルが丸裸になった
わけで、意図的にアタックしようと思えばどの程度で東証を落とせる
かという妙な情報を開示してしまった。そんな一国の証券取引市場が簡
単に落とせるかと思う人も多いかもしれないが、事実、東証のアラートで
一般株主がパニック売りに走って指数が下がったという前例ができた以
上、意図的に下げたい勢力が下げたい時に何かをしかけることはそれこ
そ今後は「想定内」だと思ったほうがよいのではないか。海外から束に
なってかかられた結果、壊滅的な影響を受けた市場が過去にないわけ
ではないのだから。

結論を言うと、
1)東証は取引時間は厳守すべきである。今でも時短をすべきではない。
2)システムは逐次増強ではなく、一気にかつ大幅に増強すべき。かつ
レスポンスタイムまで含めた抜本的なシステム更改を考えるべき。
3)システム処理能力の情報は非公開にすべき。
ということである。

現在は日本市場に利用価値があるからいいが、利用価値がなくなってき
たら良からぬことを考える輩が出てこないとも限らない。当面は信用買
もさることながら、「意図的な調整局面」の兆候がないか信用売残の推
移にも注目しておこうと思う。まあ、上がれば下がるし、下がれば上がる
のが相場の常であるが。

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December 20, 2005

国土交通省の責任は??(マンション強度偽造問題)


なんだか一斉強制捜査だ、オウム事件以来の規模だと騒いでいるが、
この問題では国土交通省が「認定」したといわれる構造計算ソフト
がいとも簡単に一建築士によって偽造されたという事実が結構軽ん
じられているような気がしている。

当然、経済設計などという適当な概念で手抜き施工をしたり、知っ
ていながら販売していた人が悪く、責められるべきなのはそのとお
りだが、国土交通省がいかにも「責任の所在」を追及する側に回っ
ていることには違和感がある。

ERIやイーホームズからすれば、「国の認定ソフトがまさか偽造
されているとは思わないからチェックが甘くなった」と言えるし
施工事業者からすれば建築確認書が降りたからそれにしたがって
施工したのだと強弁しようと思えばできないこともない。

さかのぼっていくと大元の責任の所在が国土交通省にもあるとは
いえないだろうか。税金で救済措置を発表したことで迅速な対応を
とっているかのように見せている国(国土交通省)だが、国民の目
を巧妙にそらしているとしか思えない。


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December 14, 2005

東証誤発注問題の背景

一部外資系証券会社が混乱に乗じて莫大な利益を得て、その正当性や
企業倫理にも話題が飛び火している本件だが、外資系証券トレーダー
の知り合いの弁では

「前々から指摘されていたシステムの脆弱性に対して必要な措置をと
らなかった東証の責任は大きく、今回の件で外資系証券会社は東証に
対してある種『懲罰的な』行動をとったと言える」

ということだった。この意見が証券トレーダーの総意とは思えないが
前々から東証のシステムに対するトレーダーのフラストレーションは
非常に大きかったとのことである。私から見ると東証はまだましで
ヘラクレスなどは取引する場に値しないと思っているほどだが、彼ら
からするとNYSE(ニューヨーク証券取引所)やNASDAQの発注から確認
までのラウンドトリップレスポンスタイムを1とすると東証のそれは
数十倍から100倍の時間がかかるのだと言う。

それにしても「懲罰的」とは、やはり後付であぶく銭を正当化してい
るような言い草にしか見えない。発行済み株式数をはるかに超える
買発注をイレギュラーと知りつつ意図的に行ったことについては倫理
違反であるとの謗りを免れないであろう。

実は、私が本件で注目しているのは別のところにある。なぜみずほ証
券が発行済株式数を超える売り注文を場に出すことができたのか?と
いう点だ。個人が行う場合、強制的にそんな注文を出すことはできな
い。なのに、なぜみずほ証券はそんなことができたのか?証券会社は
やろうと思えば発行済株式数をはるかに超える莫大な空売りをしかけ
ることができるということなのだろうか?

証券会社の自己勘定売買用のシステムでだけできる取引がある、しか
も時間内にそれができるというのは取引に関するイコールフッティン
グの観点からはとても大きな問題なのではないだろうか?証券取引法
で「見せ板」と呼ばれる意図的な架空注文への処罰規定が強化される
とのことだが、今回のことで証券会社は発行済株式数を超える数の
架空注文をやろうと思えばできるということが判明した。
今回はそれを東証のシステムの不具合で引っ込めようと思ったのに
できなかったらカモになったわけで、そうでなければきちんとした
価格と数量で儲ける目的で大量の売買注文ができたということだ。

株式市場は個人投資家の大量流入で空前の投資ブームだ。ボーナス
シーズンを当て込んで投資特集も大々的に組まれている。しかし、
このあたりのカラクリが解明されていないと個人投資家はいつかの
時のようにカモられて終わるだけなのではないか?

今回、みずほ証券と東証から金を巻き上げた外資系証券会社にも
同じことができるシステムがあるのであれば、自己責任による安全な
取引など、少なくとも個人投資家には望むべくもない。


と書いた後に
UBSなど6社全額返還へ 株誤発注の計168億円
というニュースがはいってきた。ますます怪しい。
悪者になって余計なシステムの裏を嗅ぎまわられる前に恭順の意を
示してあとはお咎めなしを狙っているのでなければいいが。
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December 04, 2005

性犯罪、幼児犯罪防止と予備罪


予備罪という言葉がある。文字通りまだ発生していないが発生に
ついて予見可能になった段階で抑止しようという考え方で、現代
の日本では、殺人や放火、強盗、通貨偽造のような重大な犯罪に
ついてのみ非常に限定的にしか適用されていない。

なぜなら戦前の治安維持法といった悪法のおかげで予備罪イコー
ル「個人の思想を自由を侵すもの」「警察権力を必要以上に強く
するもの」という固定観念が強いからだ。特に弁護士、弁護士
出身の国会議員にこうした懸念をもつ人々が多い。

しかし、昨今の子供・幼児向け犯罪の多発を考える時、この領域
については予備罪の適用を拡大すべきではないかと思っている。
もはや子供・幼児向け犯罪は殺人や放火、強盗、通貨偽造と並ん
で重大な抑止策を講ずるべき領域とはいえないだろうか。

たとえば、幼児ポルノについては販売を目的としない単純所持は
現在では違法ではないが、これは本当に妥当と言えるのか?
もちろん共謀罪のように大きく予備罪の網をかけることには私も
慎重なスタンスだが、こと犯罪がいったん発生した場合に、その
犠牲者がいたいけな弱者であり、犯罪者の邪悪な意図が成立する
可能性が高い場合は、通常よりも防犯としての予備罪適用を厳格
に行ってもよいのではないか、と思うのだがどうだろうか?

ニュースで犠牲になった子供さんの様子を聞くたびに同じ年頃の
娘を持つ一人の父親として本当に心が痛む。ご両親の無念さは
いかばかりであろうか。これから大きく未来が開けていくであろ
う年代で、まったく理由が理解できない犯罪者の論理で子供を
失ってしまう。

こんなことが本当に許されていいのであろうか?私は凶悪犯罪を
犯して社会の安定に対して重大な挑戦をした以上、その犯罪者は
通常の人権を主張する利益を喪失したと考えている。もう彼らは
ある領域においては人権の主張ができなくすべきだ。だって
ある人(被害者)の人権を侵害したのに、自分の人権保護だけ
主張するなんて認められない、絶対に。

「起きてからでは遅い」、そういうことはあると思う。
子供向け犯罪というのは、これからの日本で予備罪的であっても
抑止しなくてはいけない領域だ。

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November 27, 2005

「通信と放送の融合」の今後-STB(セットトップボックス)時代の終わり

「高速無線でTVやパソコン、家庭内で接続・来夏にも商品化 」(NIKKEI NETより)

ロケーションフリー戦略を進めるソニーも当然入っていますが、この
技術が何を意味しているかというと、

1)ブロードバンドが安く家庭まで普及した。
2)そこまでコンテンツが配信できれば、あとは家庭内の無線LANで
  好きなロケーションと好きなデバイスに中身を飛ばすことができる。
3)しかも、それが広帯域対応になり、家庭までの光ファイバーによる
  伝送スピードと家庭内ローカル伝送にスピードのギャップがなくなった。

ということをベースに

4)PCがセットトップボックスとしてホームターミナルになり、
  UWB(通称:ユーダブ)が関連デバイスをつなぐ。

5)TVとディスプレーは別系統の進化をこれから始める。
  (ディスプレーは無線LANとIPv6対応に対応し、ホームターミナル
  から端末識別できる機能さえあればよくなる。)

6)ホームターミナルはPCの形をとる必要もないので、それは家庭用
  電化製品や現在ネットに接続されている機器が代用することにも
  なるであろう。

来年の夏、利用者の手元で通信と放送が融合する環境が整いつつある。


November 24, 2005

次の消費税率アップ前に耐震強度偽造は再発する

住宅ローンの一定の割合を10年間所得税額から控除しますよ、だか
ら家を買うなら今のうちですよ、という住宅ローン減税というのを
政府が数年前にやった。

今なら10年間控除できますが、来年からは控除期間が短くなります
よ、という「追い込み」もあった。中には施主自らが契約とローン
実行をせかした例もあった。

あの時期に建売住宅・マンションを買った人は少なくないと思う。
しかも無理なローンを組んでだ。

こういう政府がグルになった消費促進をやると今回のような歪みは
必ず出てくる。建てる業者側も無理して建てる輩が出てくることは
予想がついたことだ。

次は消費税率があがる時に「家のように大きな買い物をするなら、
消費税が上がる前に限りますよ。この差はバカにならないですよ」
という営業トークがあって、訳ありの新築格安物件が出回ることに
なるに決まっている。

私には今回のことがたった一軒の設計事務所と一部のディベロッパー
だけがやっているとは到底思えない。日本中で同じような建物は無数
に存在すると思う。マンションだけではないはず。通勤ルートにある
あの家だってあの家だって、駆け込みであっという間に完成し分譲さ
れた。

実際の大地震という「テスト」で判定を下すにはあまりに代償が大き
い話だ。

November 22, 2005

憲法改正問題と皇室女系問題、そして靖国問題

以下、あえて「祭」られる危険性を覚悟でタブーに触れる。

私は常々皇室というのは現在の日本国憲法の精神を純粋に希求
し、体現することを国民に身をもって訴えることに大きな存在
意義があるのだと受け止めている。また皇族の方々もそれが自
らの使命だと考えていると(大変勝手ながら)思う。

だからこそ平和を希求し、国民が健康でおだやかな生活を営む
ことを趣旨とする各種式典に参加しているのだと。

だからこそ、多くの税金から皇室費用を捻出し、世俗から一種
隔離してでも純粋に憲法の理念を追求する理想的な日本国民の
象徴(モデル)としての生活を送っていただいているのであろ
うと。又そうあることが国民の間で一定のコンセンサスを得て
いるのも、国民は日々の生活に追われて必ずしも憲法の理念を
追求する生活は送ることはできないが、皇室に理想を投影し
皆で自然とその存在を称えるているからなのだと。でなければ
戦後世代が圧倒的になった現代において、英国王室のように
ゴシップにまみれることなく国民から深い敬意と共に親しまれ
ていることの説明ができない。(私は皇室に対してとりわけ
深い思い入れがあるわけではないことを断っておく。ゆえに、
客観的にこの文章を書いているつもりであり、またそうだから
こそある方面の人々からすると配慮なく淡々と書きすぎている
ように見えるかもしれない。)

その姿勢から垣間見えるポリシーの中で最も強いものは、戦争
の永久放棄なのではないだろうか。そしてそれは先代の天皇陛
下に暗黙裡に課された太平洋戦争に関する戦争責任故であるよ
うな気がしてならない。皇室は明示的には「お言葉」を出さな
いが、その(日本国憲法の理念を純粋に追求する)姿勢を以っ
てある種の贖罪を続けているような気がするのだ。

このように考えると表題の3つの論点にある種の方向性が生ま
れる。

まずは憲法改正問題だが、国際貢献や集団的自衛権の観点から
憲法9条問題が多く取り上げられる。それはそれでいい。
しかし、現行の日本国憲法の理念を純粋に体現し希求するとい
う姿勢をとっている皇室に対して、誰がポリシーの変更を説明
し、納得させることができるのだろうか。そこに皇室の意思は
まったく反映されなくてもいいのだろうか?憲法改正は皇室の
あり方、行動規範を変えることを意味しないのだろうか?
私はこの点に非常に違和感を感じる。ある種、贖罪にも見える
ストイックな理念の体現姿勢にも関わらず、「憲法を改正しま
したから、今後は自衛隊の国際派遣式典においてもお言葉を頂
戴し、激励していただきたい」と誰かが言ったら皇室は納得す
るであろうか。

実効性はともかく、世界中で一切の戦争行為を放棄すると
いうことを理念として掲げる国があってもいいのではないか?
お国のためには生命を投げ出すことも尊い、他国の領土や人の
生命を奪うことも大義がある、そういう異常な状態を肯定して
しまう恐ろしさがあるからこそ、戦争は否定されるべきだし、
日本はそれを声高に主張し続ける権利と義務を持った数少ない
国ではないか?皇室は行動を通してそうしたメッセージを発信
し続けているのではないか。そう考えると安易に改憲論を進め
ることはどうかと考える。

次に女系天皇を容認するかということだが、少なからぬ人々が
万世一系の男系皇統を絶やすべきではないと言う。これにも
疑問を感じる。シャーマンあるいは神格化されることが皇室の
機能であった時代には遺伝子の継承たる男系の維持には意味が
あったかもしれない。しかし、今の皇室はそういう存在ではな
い。歴史的にも本当に万世一系であったかどうかも証明はでき
ないし、実際の系譜には女性天皇の時代も何度もあった。今更
神話的な皇統の系譜を形式的に維持することに何の意味がある
のか。前述のように、現在の皇室は国民統合の象徴(モデル)
であって、その意味では国民が皇室を自ら、および日本国民
全体のモデルであると思える限りにおいてはそれが男系であろ
うと女系であろうと機能的には際立った差異はないように思え
る。

最後に靖国問題だが、すべては現在、皇室が靖国参拝を行って
いないという明確な事実に帰結すると思う。
私の考えが正しければ、現在の靖国神社というものの位置づけ
が日本国憲法の理念にそぐわない存在であるとみなしているか
らこそ、理念の体現者たる皇室は参拝できないのではないだろ
うか。もちろん、皇室も宮内庁もこれを明示的なメッセージで
発信はしない。しかし、そう考えるととてもクリアにその
行動が理解できる。確かに靖国は戊辰戦争以降、国のため(正
確には皇室側としての国なので、戊辰戦争時に幕府側の戦死者
だった人は逆賊として祀られていない)に命をなげうった人を
祀った場所であり、本来ならばその精神の因って立つところの
皇室が参拝しないのはおかしな話である。ではなぜ?と考える
と、やはり皇室が現行憲法の精神をその行動原理として自らに
課しており、その規範たる憲法と靖国の理念は並存しえないも
のであると皇室が考えているからに他ならないと思うのだ。

近い将来、憲法が改正されて海外における一定の武力行使が
認められたとしよう。また、その戦闘で戦死した自衛隊員?が
(本人の意思に沿うか反するかはともかく)靖国神社に祀られ
たとしよう。天皇陛下や皇室は靖国に参拝するであろうか。
私はおそらくしないと思う。そういう静かな自己主張があると
今の皇室を見ていると思うのである。


皇室の深い思い、苦悩すべてを伺うことは到底できないが、
今、議論になっていることを日本人としてどうとらえるべきか
を考える時、皇室の姿勢と日本国憲法の理念の関わりはある種
の解をわれわれに示唆しているように思えるのだが、どうであ
ろうか。




「通信と放送の融合」の本質(その6)-楽天問題最終章

「銀行側からTBSと楽天に妥協案が提示されましたけど、何か
コメントでないんですか?」というメールを多くの方にいただいた。

しかし、このエントリーのシリーズを最初から読んでいただければ
(かつ「楽天 敗北へのカウントダウン」シリーズも)
おわかりのように、この話はもう最初から結論が出ている。

ポイントを以下にもう一度まとめたい。

・通信(ネット)と放送の融合と言われていることの本質は放送事業
 者(及び電通等の広告代理店)が、現在ほぼ独占状態にあるスポン
 サー企業の広告宣伝費、販売促進費を通信(ネット)系事業者が
 分捕りに行っているということに他ならない。

・そういう観点から考えると現在、コンセプトとして正しいアプロー
 チをしているのはUSENのGyaoと最近発表されたソフトバンクの
 TV Bank構想だけである。潜在的には今後、日本市場に導入される
 であろうアメリカのTiVoのビジネスモデルだが、これはまだ日本で
 の具体的な事業展開イメージが発表されていない。

・コンテンツに特定の紐付けを行うことは利用者の枠を狭めることに
 なり、得策とは言えず、むしろ地上波テレビコンテンツ、映画
 コンテンツに可能な限り広い網をかけることが利用者の選択肢を
 拡げ、ひいては新たな広告媒体としてのクリティカルマス獲得への
 近道を意味する。

・コンテンツサービス事業者で月々の利用料、Pay Per View課金を
 行うのは敗北シナリオである。理由は日本の消費者は無料で高品質
 な地上波テレビコンテンツに慣らされており、欧米のように
 CATVや衛星放送サービスがデフォルトで「コンテンツは有料」とい
 う素地のある土壌ではないからである。この傾向は日本だけでなく
 アジアの消費者でより顕著になる。(スカパー、WOWOW、その他の
 有料コンテンツ配信サービスが日本では伸び悩み、ほとんどが成功
 とはいえないのは、このためである。)
 
・よってコンテンツサービス事業者は広くかつ限りなく無料に近い価
 格でコンテンツを提供し、収入はむしろ集めた加入者の属性情報を
 加工することにより、自らを新たな広告媒体(メディア)とする
 ことによって得る広告収入モデルを志向するしかない。

・つまりネットで今の地上波TV局のビジネスモデルを再現するので
 ある。新しいモデルが違うのは、利用者の属性情報をデータマイニ
 ングしてよりタイミング良く、気の利いた広告がさまざまなデバイ
 ス経由で送られてくるため、従来の広告よりも投資効果が高いこと
 である。ROIに敏感なナショナルスポンサーがこちらにシフトするこ
 とは明らかである。

・一方、TV局はディストリビューションの物理的なチャネルが早晩
 電波からネットに移行することを強く意識しなければならない。
 地上波デジタルという言葉があるが、2011年にはもう「波」の
 ビジネスに頼る必要はない。地上にある光ファイバーベースのネッ
 トワークが十分に「波」のオルタナティブとして育っている。
 TV局は自らネット事業を行うか、ネット事業者と提携・買収する
 か、いずれも行わずに番組制作会社に専念しつつ、新興ネットメデ
 ィア事業者から広告宣伝費収入のレベニューシェアを受けるモデル
 をイニシアティブのあるうちにネットメディア事業者に飲ませるか
 を選択しなければならない。

 地上波デジタルサービス対応などに投資している場合ではない。危険
 を冒して上場したのは地上波デジタル化投資のためのやむにやまれぬ
 手段だったのはわかるが、もはやその意義は消滅しつつある。今とな
 ってはせっかく手にした資金は新たな市場で広告利権を有効に確保す
 るために使われなければ株主説明責任を果たすことは今後できない。

・総務省は「波」のビジネスをベースにした行政や消費者誘導を早期
 にあきらめ、ブロードバンドネットをベースにした新たなビジョン
 を策定しなくてはならない。そして空いた周波数帯を携帯だけでは
 なく、カーナビ、無線LAN技術、その他今後登場する各種モバイル
 サービス端末すべてに等しく配分し、それらの高機能化を促さなけ
 ればならない。家電メーカーは消費者やキー局の地方ネット系列局
 が、地上波デジタルのためになんか誰も新規投資をしないことを
 早く意識し、むしろ家庭内でTVとPCのディスプレーをシームレス
 で使えるデバイスやパーソナルディスプレーの開発に集中した方が
 良い。(SANYOやパイオニアの経営陣がこのエントリーを見ていたら
 一発大逆転のヒントはここにある。総合音響家電メーカーである
 必要はないが、この領域で生き残れれば十分に復活の目はある。)

・今後のキーワードは「タイムシフト」「プレースシフト」
 「デバイスシフト」である。ユビキタスと大括りにされるこれらの
 コンセプトだが、利用者に明確にイメージさせるためには従来の
 「いつでも、どこでも、誰とでも、どんな端末ででも」求める情報に
 アクセスし、コミュニケーションを可能とすることが求められる。

・日本における通信(ネット)と放送の融合像はプッシュ型コンテン
 ツ配信をTVコンテンツが担い、プル型のコンテンツ収集をネット
 のRSSベースの検索技術が担う。これらは近い将来、「パーソナ
 ルポータル」という形で「利用者の手元」で融合する。
 繰り返す、融合の場はコンテンツ提供者サイドではない、利用者の
 手元で両者は真の「融合」を果たす。

(提供者側で融合をさせようとするあらゆる試みはすべて失敗する。
 楽天はここを見間違っている。ライブドアは間違いに気がついたが、
 次の手が打てていない。ソフトバンクはじっくりと両者の動きを見
 て、最善の手を見出した。まさにプロ野球参入の時と同じである。)

・上記の考察からコンテンツをプッシュ、プル両サイドで利用者の手
 元で融合させる事業者が次世代の覇者である。具体的なキープレー
 ヤーは、USEN・ソフトバンク(ヤフーではない。ヤフーが従来
 型ポータル事業を志向する限り、パーソナルポータル陣営には勝て
 ない)、インデックス、グーグル、TiVo、アップル、アマゾン、
 eBay、Skype、イーアクセス、CCC、各種ネット広告事業者、
 自らのメディアとしての可能性にいち早く目覚めた携帯電話サービ
 ス事業者、消費者属性情報を効果的にデータマイニングし、ダイレ
 クトかつマイクロマーケティング広告につなげることができる、か
 つ属性情報と個人情報を峻別して安全に管理することができる
 データ管理・加工事業者

 「だけ」であろう。NTTグループが勝ち組に残れるかどうかは
 ドコモの携帯事業リソースを固定ネット系とどれだけ一体的に提供
 できるか、上記のプレーヤーと効果的なパートナーシップをどれだ
 け早期に確立できるかにかかっている。すでに出遅れているが
 今後一年以内にUSEN、ソフトバンクレベルに追いつくビジョンが
 出せれば、融合サービス提供事業者として、新たなメディア企業
 として生き残りができる。ダメだった場合は、「相変わらず月額利
 用料で食っていく旧世代ネットサービス事業者」としてジリ貧にな
 るであろう。

・マス系のネットサービスは近い将来、広告収入を前提に限りなく
 無料に近くなっていくことを余儀なくされる。携帯電話料金も通話
 に関する料金は5年から10年スパンで無料化に向かうことが避け
 られないであろう。

・もちろん、無料では利用しない消費者も多く存在する。
 それは有料でもいいから、自分の属性情報を提供し代わりに絶え間
 なく広告を受けるのが嫌だという層である。マス消費者のネット系
 サービスの利用動向は将来的には二極化するであろう。

長々と書いたが、私は今後楽天がTOBをしようと、それが成功しよ
うと失敗しようとあまり関心がない。面白おかしく取り上げることは
するかもしれないが。

ただ、楽天は少なくとも通信と放送の融合という観点からは最初の
段階でボタンを掛け間違っている。そもそものアプローチが誤りなの
である。

「3年後、『三木谷の言っていたことは正しかった』と誰もが言う
時代が来る」と三木谷氏は言う。でも、あえて言う。3年後そういう
人は誰もいないと私は確信している。


 


企業がスポンサードする学校授業について

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 12/1号 [雑誌]


創刊号ということで買ってみた。
世界中のメディアをテーマ毎にインデックスして複数の見解を
チェックするということはすでにネット上でのクルージングで
ある程度達成できているものの、どうしても言語リテラシーの
関係上、英語メディアに偏ってしまうのが欠点だった。

これから自分を多言語化できない以上は紙媒体とはいえ、こう
いう試みはうれしいところ。定期的にチェックする雑誌に組み
入れることにした。

で、気になった記事のひとつがドイツで導入が進む企業スポン
サード授業のことである。

最近の公教育で問題になっていることに、

・設備の老朽化
・カリキュラムの陳腐化
・教師のスキル向上
・(PTAだけではない)地域コミュニティの巻き込み
・社会性(社会教育)の導入
・英語教育の有効性

というものがある。確かに元リクルート社にいた民間校長が
はじめた「よのなか科」やワタミ社長が理事長を勤める私立
高校の例などで、従来なかったような民活型のプロジェクト
があること、そしてそれが一定の成果をあげていることは
見聞きしている。

しかし、それはあくまでもその個人のビジョンに頼る部分が
大きく、限られた制約のなかで一部の学校で実験的に行われ
ているという域を出ない。

記事によるとドイツでは企業が冠講座を持つことでこうした
問題点が前向きに解決され始めているという。もちろん
公教育という視点と私企業のスポンサードの意義のバランス
が難しいことには違いないが日本でも検討していいのでは
ないかと思う。

トヨタが「企業活動のグローバリゼーション」というテーマ
で外国人スタッフにより英語の授業を行う、松下がデジタル
ビデオカメラで町の様子を映してこようという社会科の授業
をやる、新日鉄が「鉄のできるまで」という理科・物理の
授業をやる。

どうだろうか?会社の数だけスポンサード授業のアイディア
が無数に沸いてこないだろうか?もちろん、大企業ばかりで
ある必要はないと思う。地場の企業が土地の歴史や地理、文
化についても授業をスポンサードして行ってもいい。

元々、企業は自社の新入社員育成のためにいろんなカリキュ
ラムを開発しているはず。であれば、それを部分的にディグ
レードして高校以下用のカリキュラムに作り変えることはそ
れほど難しいことではないはずだ。ノウハウだって企業内育
成専門スタッフだって抱えている企業が沢山ある。

政治家、関係省庁はぜひこれをバックアップすべきだと思う。
企業向けスポンサード減税、参加社員のサポート等で積極的
にこれを促せばよい。少しくらいは教材に企業の宣伝が
入ってもいいではないか。

公立で難しければ私立校からでもよい。まずは導入して効果
測定をすること。ルールやガイドラインを整備しはじめると
いうことが重要だと思う。

文部科学省がない知恵をひねるよりも、こういう教育という
フィールドにこそ「市場化テスト」や「民活」が導入されて
しかるべきだと思うがいかがであろうか?

大事なことは子供が目を輝かせて授業を受けるかどうかなの
だから。




November 20, 2005

腕の残像(ギエム最後のボレロ)

sylvie GUILLEM


肩の付け根から手先までをしなやかに保ちながら大きく腕を振ると
「振った腕の残像がはっきりと見える」と言うと「そんなバカな」
と言われるだろう。

しかし、シルヴィ・ギエムの演技はまさにそうであった。

普通の人間の関節と関節の間にさらに関節があるとしか思えない
なめらかな手足の反り。意識は極限まで残っていながら無駄な力が抜
けてスピーディーに残像の先の線を描く指先とつま先。

こればかりは実際に見ないと実感できない。
私もこの驚きを表現するのに下手な言葉を紡ぐような野暮はしたくない。

もっと何回分もチケットを取るべきだった・・・。




November 16, 2005

「通信と放送の融合」の本質(その5)-ボーダフォンのMVNO開放

「携帯電話回線貸し出し、2年以内に10社程度を検討=ボーダフォン社長」
(ロイター:Yahoo News)


苦労の末に別周波数帯での携帯事業参入を果たしたソフトバンクや
イーアクセスには気の毒だが、免許交付まで総務省からボーダフォ
ンはこの件の発表を止められていたのではないだろうか。

有力コンテンツホルダーにとって携帯はマーケティングツールとし
て非常に有効だ。CATV各社だけでなくUSENやアップル(iTMS)
あたりは検討してもいいビジネスモデルだ。

加入者数でドコモ、auに水をあけられているボーダフォンにとっては
これ以外に取りうる手段がないことは明らかだったが、こういう形で
800Mhz帯をMVNO事業者に開放するに至ったのは皮肉なことだ。

アメリカではディズニーなども参入を表明しているので、サンリオや
エイベックス、ソニー(SCE-PSP)、任天堂などの有力キャラ保有企業
や、ファッションブランドが参入しても面白い。日本ではシャネル携帯
を買う女性も結構多いのではないか。

マーケティングツールとして検討する企業は早めに着手したほうがいい
だろう。

通信系でNTT東西、コムあたりはドコモが卸を出さないのでFMC
ソリューションが十分に展開できなくてあせっているようだが、さすが
にボーダフォンに卸をもらうわけにもいかないので、ここでも
グループフォーメーションと求心力のなさにNTTグループは泣かされ
る可能性がある。

日本の携帯事業にとっては、そして放送その他コンテンツメディアと
通信事業者の融合という局面では非常に面白い事例だと思われる。

IT(情報技術)投資促進税制廃止論の間抜けさ

「IT減税、情報セキュリティーに限定し存続へ・経産省方針」
(NikkeiNetより)


「ファクスの購入などセキュリティー向上に関係ない機器の購入は
減税対象から外す」ってそもそもパソコンやファックスの購入を
「IT投資」として定義していたことに笑ってしまう。

じゃあ、こういうFAXを企業が導入した場合はセキュリティ向上のた
めの投資じゃないんでしょうか?

こういう議論をしている政府税制調査会というのは本当に「世の中を
わかった人」がメンバーとして議論しているのか疑う。

今後、(仮称)日本版SOX法(内部統制法)への対応を2008年3月
期までにすべての上場企業、上場準備企業が迫られるということが
明白なのに、そのためのERPソフトやプロセス監視ソフト、データ
ベース強化投資が莫大なものになることがわかっているのにこういう
認識がない。個人情報保護法のことだけしかまだ彼らのアンテナには
引っかかっていないようだ。

経団連等の財界団体は早めに対応したほうがいいと思うのが。

「通信と放送の融合」の本質(その4)-ソフトバンクの仰天計画

世界の番組ネット配信 ソフトバンク計画 来春から「TVバンク」(CNETより)

これによると「映像コンテンツ(情報の内容)を持つ世界各国のテレ
ビ局などと提携し、インターネットでパソコンに放送並みの高画質で
番組を配信する新たなサービス「TVバンク」を来春から始める計画
を明らかにした。近く台湾で新会社を設立し、東アジアを軸に世界で
新サービスを展開する計画だ。」

ということだが、本当に実現可能だろうか?

通常テレビ局はその国の放送法や通信法の類でその国での放送事業に
ついて認可されているが、この計画ではそういうテリトリーの概念を
完全に超越すると宣言している。

たとえば、アメリカのディスカバリーチャネルを日本で放送する場合
日本での放送事業者は日本での放映権というライセンスを購入してい
る。ソフトバンクが設立する会社はマルチテリトリーでインターネッ
ト経由で放送(配信)する権利を獲得するということだろうか。

著作権法や出演者の肖像権、二次配信化権の処理等、権利関係だけで
も相当な力技が要求されそうであるが、そのような権利を一括処理・
管理できるだけの製作・著作権を保有した放送事業者がそうそういる
とは思えないが、これについてはソフトバンクからの詳細発表を
待ちたい。

ところで、こんな大きな構想をなぜ台湾で?という気がするが・・・。
相変わらず、構想はでかいな。楽天がやろうとしていることよりも
もっと大きな網を私ならかけるよということなのだろうか。

個人的には疑問符沢山という感じだが。


goahead2005 at 12:56|この記事のURLComments(0)TrackBack(1)

村上ファンドのマッチポンプ的危うさ

「村上ファンド、TBSに「6%強の株保有」と通告」
(NikkeiNetより)


まったく芸コマな動きをするところだ。
ファンドが適時報告義務を緩和されていることを逆手にとって
タイムラグで稼いでいる。これでは昨日の大量株式保有報告書の
提出も、このために布石としてわざとアナウンス効果を狙ったもの
としか考えられない。

要はいったん高値で売り抜けて、また下がってきたところで買いあさ
ったというわけか。まだまだTBS株では二度三度おいしい目がある
と踏んでいるらしい。昨日書いたジェットストリームアタックにでも
参加するつもりか。これこそ楽天よりも「濫用的」に買っているでは
ないか。

政治家は妙なM&A規制に走るよりも、こういう行動を規制しないと
急増する素人個人投資家がどんどんマッチポンプに踊らされ、嵌め込
まれて資産を失うであろう。

村上さん、ちょっとやりすぎでは?
市場はあなたのオモチャじゃないんだよ。


November 15, 2005

楽天 敗北へのカウントダウン(その4)

「村上ファンド、TBS株の大半を売却 高値で売り抜けか」
(asahi.comより)


この記事の終わりに「TBSに対しては、楽天が19%超をすでに確
保。今後、村上氏の持ち株が加算されれば3割に近づくとの観測もあ
ったが、このTBSへの「プレッシャー」は薄まったことになる。」
とあったが、これは本当にそうだろうか?

以前から磯崎氏のブログ 等で、いわゆる「ジェットストリームアタック」
(このネーミング好きです)といわれる楽天に続く2段目、3段目の
買収者がいた場合、TBSの買収防衛策は本当に機能するのか?とい
う考察がなされているが、可能性がないとはいえないだろう。

いわゆるゲーム理論的に動くかどうかはともかく、USENやサイバーエー
ジェントのように楽天の三木谷氏に好意的なネットメディア事業者も
いるのは確かであり、TBSを共有できた場合、それなりにメリット
が彼らにもある。

村上ファンドでマッチポンプで高値売り抜けを仕掛け、個人投資家が
少なからず嵌め込まれたことは間違いないだろうが、「嵌め込み後の
乱高下した押し目で意図的に買っている」層がいてもおかしくはない。

5%ルールからしてもあわせて応援組が黙って保有できる株式は10%
未満だろうが、このジェットストリームアタックが本当に実現するなら
ば、楽天にも勝機が見えてくる。

そうなると、またエントリー名に「か?」を復活させるということに?


November 14, 2005

ロイドジョージと小泉首相

以前、書評で紹介した「千尋の闇」という本は第一次大戦時の英国
アスキス内閣での暗闘を舞台にした話で、そこで主要登場人物と
同じアスキス内閣の閣僚として若き日のロイド・ジョージが野心家
キャラとして登場する。

このロイド・ジョージという政治家、後世の評価としては毀誉褒貶
あるのだが、先の総選挙以来、小泉首相との共通点を指摘する論調
を散見する。

いわく、「演説の天才でポピュリズム政治の体現者」「既成の抵抗
勢力を人民からの圧倒的な支持によって打ち壊した。」とか。
やや彼が支えたアスキス自身と混同した評価もあるが、要はうまく
国民の支持を捉えて数々の改革をやったということらしい。

ロイド・ジョージはそうしていろいろなものを「改革」し「壊し」
たあげく、自ら新しい社会に飲まれて地位を失っていく。

小泉氏がどういう思想的バックボーンによって彼のいう「改革」を
行っているのかわからないが、私には彼のやっていることは多分に
財務省のシナリオに乗って行われているように思えてならない。

なぜなら彼の言う「小さな政府」はどうもセーフティネットの脆弱
な国民自己責任社会を志向しているように見えるし、三位一体改革
は財務省の権益は侵さないようにしながら、リスクを地方にぶん投
げているようだ。ODAは縮小し、郵政公社は「あのような」やり
方で民営化する。そこには責任逃れと国債安定消化、長期金利コン
トロールという複雑な連立多元方程式を解こうと苦心する財務省の
サポートにという動きが見てとれる。

もちろんそこに高い公共性と国家ビジョンが見えればよいのだが、
どうにも他の省庁と国民にリスクをかぶせて自分たちはのうのうと
生き残ろうとする省益だけが見え隠れするから性質が悪い。

ロイド・ジョージが官僚にその人気を利用されたように、小泉氏が
その人気とキャラに期待する「何者か」に使い捨てされないとは
誰も言い切れない。ポスト小泉とて同じこと。

「ウケ」狙いの政治家は常にそれを利用しようとする勢力に利用さ
れるだけだ。早く単品の課題で勝負する政治家ではなく、国家大計
の中で次の「経営ビジョン」を語れる政治家を国民は出さなくては
いけない。




November 10, 2005

楽天 敗北へのカウントダウン(その3)

「ヤフー社長、TBSの買収防衛に協力の用意」
http://www.asahi.com/business/update/1110/069.html

以前書いたエントリーでヤフー・ソフトバンク系の動きを予想して
いたが、とうとう動き出したようである。

なぜこの時期に動き始めたのか?理由はわかりやすすぎる位単純な
ことだ。それは無事、ソフトバンクが総務省から携帯事業免許を
もらうことが確実になり、もうおとなしくしている必要がなくなった
からだ。

TBSは月末までに楽天に回答書を送る予定だが、それを待たずして
大勢は決しつつある。

残念ながら、楽天にもう逆転のシナリオは存在しない。

November 09, 2005

「IT企業」の真贋(Web 2.0企業のビジネスモデル)

非常に示唆に富んだ記事を読んだ。

我々は予想屋になる必要はないが、大きなトレンドがどちらに
向かっているのか、常に「背中に」風を感じていられるセンス
を養うことが重要だと思う。

俗に「IT企業」と名乗っている会社が本物か、これから期待
できるかを見分けるのにも役立つ視点だろう。

「Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル」
http://japan.cnet.com/column/web20/story/0,2000054679,20090039,00.htm
http://japan.cnet.com/column/web20/story/0,2000054679,20090424,00.htm

November 07, 2005

アクセス数バースト!!

サイトのアクセス数が22時以降急激にあがっているので
「これはエントリーの内容で何か地雷を踏んで2ちゃんねるで『祭り』
にあっているのでは?」とビビっていたら、どうやらYahoo Financeの
インデックス投資家グループの掲示板にどなたかがリンクを張った
ようでした。びっくりした。

楽天に貼られていたらもっと大変なことになっていたかも。
ろくなこと書いてないからな。

インデックスは長期保有には向くと思いますよ。落合会長にお会いした
時に「僕は(誰とは言わないが)短期的な株価対策だけを考え、策をうつ
多くのIT企業経営者達をどうかと思うし、自分とはスタンスが違う」
と話していたのが印象的でした。

三木谷社長もマネーゲームをやっているとは思いませんが、せっかちな
性格が災いしていると思う。

通信事業者、放送事業者をプラットフォーマーと割り切って自社の
競争力とパートナーの競争力を最大限に共振させようとする落合さんと
コンテンツとプラットフォームそれ自体を取りにいっている三木谷さん。

「鳴かぬなら」という俳句で孫さん、堀江さん、三木谷さんのキャラ比較
をする記事は多いが、そういうところに落合さんはまず出てこない。

その「出てこないことの凄み」をよく考えるべきかもしれない。

しかし、Yahooの影響力はすごいな。


インデックスの戦略ポジショニング(「通信と放送の融合の本質あるいは楽天敗北へのカウントダウン)

二つのエントリー記事シリーズが当然だが段々融合してきた。

インデックス。
日経ビジネスでもタイムリーに特集され、TBSと楽天の一件にも
絡んできた。

この会社、通信(ネット)と放送の融合という点でUSEN同様、
「接着剤企業」として非常に機能している。

INDEXの戦略ポジショニング








インデックスはファイルを見ていただくとわかるようにポジショニ
ングが絶妙である。というのは一足飛びに地上波放送局の持つ広宣費、
販促費「利権」を分捕りにいかない方針を取り、まずは

1)得意の携帯コンテンツ事業により放送局の番組と連動した携帯サイ
トを構築し、番組を見ながら携帯サイトでリアルタイム視聴している
視聴者向けの特典を配信する。この特典は当然ながら、そのTV番組を
リアルタイムに見て、その場で携帯で応募した視聴者しか得られない。

これによりDVRを使ったタイムシフト視聴ではなく、TV番組のリアル
タイム視聴の価値を上げ、ひいてはリアルタイム視聴時の広告価値も維
持するという提案をし、うまく放送局と手を組んだ。VODや二次配信
をもくろんで手を組もうとする通信系企業よりも放送局にとっては手を
組みやすく、広告利権を脅かさない「可愛い奴」である。

つまり前回のエントリーに書いた「タイムシフト」「プレースシフト」
「デバイスシフト」
をあえて封印しながら、あえて放送局の都合に
寄り添った、かつ自社のコアコンピタンスを最大限に活かした協業提案
をしている。

TBSにとっては物販で緩やかな連携がとれるアマゾンと並んで可愛い
パートナーであり、資本の論理をブイブイ言わせてくる楽天排除のため
の貴重なカードだ。

この手法で放送局および電通等の広告代理店と着々と関係を深めている。
これが第一ステップ。(ちなみにインデックスは電通出身の役員も受け
入れている)

2)ただ、いつまでもリアルタイム視聴だけを応援しているわけではない。
独自にコンテンツを集め、編成ノウハウも蓄えつつある。日活やタカラ
との提携・買収、来年のサッカーワールドカップの携帯向け配信権獲得は
そのためだ。

インデックスはこうして通信(ネット)と放送の融合を最も抵抗がない
と思われる形でソフトランディングを図っている理想的な接着剤企業で
ある。(落合会長の深謀遠慮がこういうところに発揮されている)

ライブドア、楽天はどちらかといえば自社側からの論理で協業提案して
いるのに対して、インデックスは相手側である放送局の怯えをうまく
解消するソリューションを提案してパートナリングを行っている。

時間はかかるが、現時点では最も有効な融合プランを取っていると言って
いいだろう。

以前、SBIの北尾氏の謎かけを「電通とソフトバンク」が組むと予測した
が、携帯事業参入のための認可取得でおとなしくしなければいけない
SBの代わりにインデックスが楽天の野望を阻止しつつある。

次のステップはそれでも三木谷氏がパワープレイに走るかどうかだが、
可能性は限りなく低い。もう「楽天はムリ」という市場コンセンサスが
出来つつある。ここで一部報道にある1000億円の増資は自殺行為
だろう。ここはTBSに引き取らせるか、インデックスをエスクロー
として活用するしかないのではないかと思われる。

November 03, 2005

「通信と放送の融合」の本質(その3)

「テレビ対IT、幹部らが討論 思惑の違い鮮明に」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/culture/update/1103/001.html

相変わらずネット側企業は「ネットでも番組配信できるようになった
以上は関心を持つのは当たり前」「テレビが顧客にリーチする能力は
魅力的」と言い、テレビ側は「文化が違うので融合ではなく提携だろ
う」と一歩引いた構えだ。

この議論でいつも問題なのは、この融合が常にサービス供給者側から
論じられていることである。本当に融合させるためにはサービスを
受ける消費者サイドの利便性や利用形態からアプローチしなくては
いけない。

TVという受像機、いわゆる箱に向かってなにがしかのエンターテイ
ンメントサービスを受けるということはDVR(ハードディスク内臓
ビデオレコーダー)等でタイムシフトが起きても利用形態という点で
は相変わらずメジャーなポジションにある。だからこの利用形態は
できるだけ崩さないほうが良い。その上で、いつの間にかテレビを
眺めながらネットに抜けていく、いつの間にかモノを買っていると
いうような利用形態を実現させなければならない。

その上で、更に今後のキーワードである「タイムシフト」「プレー
スシフト(ロケーションフリー)」「デバイスシフト(携帯でもゲー
ム機でも映像コンテンツを見れる)」
を実現させる方向に誘導
していくものでなければならない。

そういう観点から「通信と放送の融合」はむしろ新しい家電によって
消費者サイドで実現される可能性が高いと思うが、現時点でこれに取
り組み、3つのシフトを実現しているのはソニーだけだと思う。今後
もデバイスベースで融合は進むと私は予測する。





楽天 敗北へのカウントダウン(その1)

「楽天、1000億円増資へ 財務強化、株価下落に歯止め」
http://www.sankei.co.jp/news/morning/03iti003.htm

今の時点では他の媒体に出ていないので、これが本当ならば産経の
スクープということになると思うが・・・・。

しかし、「やっちゃった」という感じ。

これが本当ならば禁じ手と思われるエクイティファイナンスに手を
出したことになるので、株価はまた下落するであろう。そして
更に低いレンジでボックス相場にまた入ることになる。(理由は
買い集める勢力が出てくるから)

1000億円増資というのもまた中途半端な。
三木谷氏もゴールドマンサックスもどうしたのか?
これで株式時価総額がほとんどTBSとイーブンになるところまで
下がり、株式交換でも楽天が主導権を握る経営統合は困難になる
であろう。

タイトルから「か?」を取り、正式に「楽天 敗北へのカウントダウ
ン」になりました。

goahead2005 at 14:06|この記事のURLComments(0)TrackBack(1)

November 02, 2005

楽天 敗北へのカウントダウンか?(その4)

「TBS社長、安定株主策続ける意向 楽天新提案に否定的」
http://www.asahi.com/business/update/1102/118.html

TBSの井上弘社長は2日、同社に経営統合を提案している楽天が
「TBSが安定株主作りをやめれば、同社株を買い増さない」と表
明したことについて、「理解ある株主に株を買ってもらうのは当然
のことで、やめろと指摘されるようなものではない」と語り、安定
株主対策を継続する意向を示した。

(以上 第一段落をAsahi.com記事より引用)

「市場にあるものをなぜ買ってはいけないのか?」と会見で言った
のは三木谷社長だったが、それが通るならTBSが同じ理由で
安定株主化工作(実効性については私は懐疑的)をなぜやってはい
けないのか?ということになるだろう。

こういう「TBSが安定株主作りをやめれば、株を買い増さない」
というロジックは冷戦時代の米ソ間の核兵器開発凍結が進まなかっ
た時と同じロジックであり、最近では北朝鮮が使っているのと同じ
レベル。

敵対的買収がうまく行かないといわれるのはゲーム理論で言う
「協調」という選択肢をあらかじめ欠いた「繰り返し型の囚人のジ
レンマ」に陥るからで、もし最後に「協調」にたどり着いたと
しても、それまでのフェーズが、「片方が目的を達成しようとする
と、他方が利益を損なわれる」ケースが多いので、最終的にプレー
ヤーのどちらか、あるいは双方が(財務的あるいはブランド的に)
傷むか、状況全体が傷む(この場合、統合した会社が市場で競争力
を失う)という悲劇しか残らないからである。

ということで、楽天はこのなんら生産的ではないジレンマから脱す
べく、いち早く「協調」という選択肢を取ろうと呼びかけているが、
なにせ最初のアクションが中途半端だったので、TBSに「別に協
調しなくたってうちは困らないもんね」という穴熊に入られて
うまくいかない。

日に日に敗色濃厚である。どうも楽天が財務・ブランド的に価値を
失ってきているようだ。(でも株価はあがっているのは?→こちら

タイトルの「敗北へのカウントダウンか?」の「か?」を取ろうか
な。

November 01, 2005

猪口さんのドレス


閣僚任命式に臨む猪口新大臣の舞踏会ドレスにはややのけぞってし
まった。青い鏡餅にみかんが乗ってるかと思った。
投票を受け付けるプラグインがあれば同感の人がどのくらいいるの
か貼り付けてカウントを取りたい気分である。

本会議で小泉チルドレンの中でもひときわ元気に小泉さんに拍手する
姿や外国記者クラブでの英語スピーチにもややのけぞったが・・。
(記者クラブの時は片山さつきさんの恐ろしく低音かつ日本人英語発
音のほうが印象深い)

あとは就任早々、「死刑実行のサインはしない」と言ってあわてて
撤回した法務大臣。前の方もイタかったが、今回も危うい感じ。

いいんですけどね、今回は「安倍晋三育成内閣」(by 日経新聞)
らしいですから、サブキャラは。

でもなんだか寒いものを感じる。。。。

首相、官房長官、外務大臣の靖国神社参拝揃い踏みが実現しそうだし
なぁ。


October 31, 2005

楽天 敗北へのカウントダウンか?(その3)


「TBSは過剰防衛」安定株主対策に抗議へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051031-00000010-mai-bus_all

実効性はともかく釘を刺しておくという意味では、今回の楽天の抗議
は正当なものだ。 (参考:「安定化株主工作って?」)

TBSの「安定株主」とされる企業が今の時点で何をもってTBSに
株式の長期保有を約束できるのか?彼らは株主に対して明確な説明を
するべきだ。

ただ、戦局としては既に「ごまめの歯軋り」という感じではある。
TBSの長期化戦術は有効に機能しつつある。あの井上氏というTBS
社長は、持株会社化、他企業との提携推進等、フジテレビの日枝氏より
も思った以上に周到に準備をしていたケンカ上手な方のようである。




goahead2005 at 14:19|この記事のURLComments(0)TrackBack(2)

インフレターゲットについての素朴な疑問

インフレターゲットというのは数年前からデフレ対策として言われてき
た言葉で、最近は米国FRB次期議長に内定したバーナンキ氏の持論とし
て改めてマスコミに出始めるようになってきた。

数年前の議論ではインフレターゲットのようにインフレ率を人為的に
コントロールすることは事実上ムリで、実際には設定したターゲット
数値をオーバーシュートしコントロール不可能になる恐れがあるので
やるべきではないというのが国内エコノミストの主張であった。
元日銀の木村剛氏もそう言っていたように記憶している。

しかし、日本は既に中央銀行である日銀が市中から国債を買い上げる
いわゆる買い切りオペをおこなっており、数値目標はさておき、
事実上のインフレターゲットを日銀は採用しているといってもよい。

これをバーナンキ氏就任によってより日米中央銀行が協調路線をひいて
くるということになると、ゼロ%金利を維持している現在の低いインフ
レターゲット政策は中長期的には緩やかに長期金利上昇に向けて動く
ということになる。

庶民としては長期の借金をしない、投資的にはジム・ロジャースでは
ないが商品市場への投資が有効ということになっていくのだろうか。

ケネディ大統領の父親はウォール街の靴磨きの少年が今日の株価を気に
し始めたことから株式バブルを察知し、全資産を株式相場から引き上げ
て難をのがれたと言う。今の日本は雑誌に「株を始めよう!」特集が
毎号組まれ、一方で退職間近の団塊の世代向け株式投資セミナーが
活況であるという。今の日本はバブルがはじける直前か?あるいは
空前の株式相場前夜か、一体どちらであろうか。


goahead2005 at 13:53|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

楽天の株価(下げ止まりからボックス相場へ?)

今までに書いてきた私の観測シナリオがもし正しければ、そろそろ
楽天の株式を一定の割合で取得しようとする勢力が現れるはずで、
そうなると楽天の株式は一定のレンジでボックス相場になると思われる。

今の楽天株価下落の理由は楽天がTBS株買い増し資金をエクイティファ
イナンス(増資、MSCB等)で行い、一株あたり価値が希釈するという
観測からだが、先のエントリーで書いたように私はその可能性は低いと
考えている。(1100億円を株取得に使った途端に自社のMarket Cap
が1800億円も減るという状況でエクイティファイナンスを考えると
したら三木谷氏はおかしい。)

一方、対抗上の観点からはTBSないしはTBSの意向を受けた企業、
あるいはこの混乱に乗じてTBS、楽天双方に影響力を持とうと考える
第三の勢力が楽天株式を買い占めることが予想される。ただし、これも
先のエントリーで書いているように、こうした動きは楽天の買収等を
目的としたものではなく(実際、特定株が7割近くを占める現在の楽天
の株主構成では不可能)交渉を有利にする、あるいは自社のビジネスを
拡大するために楽天の顧客ベースを利用することを目的としたものなの
で、最高で数%(一桁台)に留まると思われる。

以上が、楽天株価がそろそろ一定のレンジで下げ止まり、買われるとい
うボックス相場を予測する理由である。

☆このエントリーは一連の楽天の企業活動の分析から買収局面を予測し
ているものであり、株式の取得等を推奨する目的で行われているもので
はありません。したがって株式売買にあたってはそれぞれの自己判断と
リスクに基づいて行われるようにお願いいたします。


October 29, 2005

TBSの株取引、売り手・買い手の正体めぐり憶測

「TBSの株取引、売り手・買い手の正体めぐり憶測」
(YOMIURI ONLINEより)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20051028i214.htm

今の時点で少々のやり取りがあっても体勢には影響ないが、
「1株あたり、前日終値を281円上回る3481円で取引された。」
というプレミアムの付き方は一体なんなんだろうか。

************************************************
「外国人株主が売り、楽天が買った」
「TBSに協力的な投資家が別の安定株主に売った」
など、異なる見方が錯綜(さくそう)している。
************************************************

とあるが、どっちにしても合理性を欠いた市場行動であることは
間違いない。




October 28, 2005

安定株主化工作って?

「TBS 安定株主60%超へ」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20051028/mng_____kei_____002.shtml

TBSが安定株主化工作を順調に進めているとあるが、考えてみると
この安定株主化って今の時点で何も意味がないし、何を持って安定株主
と言えばいいのだろうか。

この安定株主という方々は
「いやあ、TBSさん。うちはおたくの株を長期保有します。絶対に
他には売りませんよ。はっはっは。」と言っているのだろうと思うが
一体、誰が何の権利で現時点でコミットできるのか。

こうした会社は株主総会で「どんなに高値がついてもTBS株は売却
しません」ということを多数の賛成を以って決議したわけではないだろ
うし、そんなことは現実的にできない。

例えば、楽天が現在の株価の10倍の値段を提示してTOBをかけた
場合に、それでも売らない理由を自社の株主に説明する完璧なロジック
など存在しない。

そういう意味で、安定株主なんて言葉もそういう株主も(資本系列グル
ープ間を除くと)理論上は存在しない。逆にそういうことを自社株主に
断りなくTBSにコミットしたとしたら、それこそ株主代表訴訟の対象
になってもおかしくない。
(まあ、それだけで訴えられることはないけど)

まあ、実際にはそんなにアカウンタビリティに困るほどのプレミアムを
楽天が乗せられる可能性は低いのだが。


楽天 敗北へのカウントダウンか?(その2)

(前回のエントリーで思わせぶりなまま終わってしまったが、)

昨日、またSBIの北尾氏が楽天問題でコメントをした。

(ZAKZAKより引用:元URL http://www.zakzak.co.jp/top/2005_10/t2005102702.html )

楽天問題について、記者団が「何かお考えがあるのでは」と問いかけ
ると、「そんなことをやっている暇はないくらい忙しい」。無関心を
装いつつも、「一般論」として「敵対的買収は、企業風土、文化が違
う中では難しい。失敗する可能性が高い」と指摘した。

ニッポン放送の経営権をめぐる攻防では、北尾氏は「騎士」としてフ
ジテレビを助け、ライブドアによる買収を阻止した。今回も“姫”救
出に向かうのかとの見方には「ノーコメント」。

だが一方で、「私にはいいアイデアがある」として、「あるところが
協力し、あるところが乗り気にさえなれば、完全に楽天の意図をくじ
くことができる」などと意味深発言も。

(以上、引用終わり)

そんなことやっている暇はないと言いつつも一家言あるところが北尾
氏らしいところ。このお方が関心がないわけがない。

で、前回の続きだが、この北尾氏の最後のコメントの「あるところ」
をあえて埋めると「電通が協力し、ソフトバンクが乗り気になれば
完全に楽天の意図をくじくことができる」が正しいだろう。

電通は9月の第三者割り当てを引き受けて以降、言うまでもなくTB
Sの大株主である。ここの意向を無視して通信と放送の融合ビジネス
なんて悔しいが成立しない。それは以前のエントリーである「通信と
放送の融合の本質」でも触れたように、今後のビジネスの本丸が
現在地上波TVが圧倒的に独占している広告宣伝費、販売促進費の
奪い合いだからで、電通はいまのところその流通のクリティカルポイ
ントを握っているからだ。

今のところ、電通はTBSのパートナーとして楽天がいいとは思って
いないようである。それは先日アマゾンとの協業スキームを演出して
みせたところにもある。また、今週発売の雑誌には「楽天が来たら
TBSは面白くなくなる」とか「社員が一斉拒否」等の見出しが目に
つくが、このあたりオピニオンコントロールを仕掛けていても
おかしくない動きが垣間見える。(彼らにそんな世論操作ができるの
か?と思っている人もいるかと思うが、十二分にできる。最近も
彼らの仕掛ける韓流ブームで沢山の人々が踊らされたのがいい例だ。
総選挙の際のメディアの報道トーンが偏っていたことも疑ってみた
ほうが良い。)

電通は勝手に広告宣伝費や販売促進費を自分でコントロールしようと
する事業体がいては困るのだ。だから通信と放送の融合は電通の利権
を阻害しないように、かつ自分達がコントロール可能な形態で行い
たいと考えている。楽天のTBS買収なんて許すわけがない。

ただし、電通はコントローラーあるいはフィクサーであって表舞台に
出ていくことはしない。だから全面に出る事業者を必要とする。電通
は今、この期に乗じて楽天を逆に攻める事業者に手を回しているはず
だ。それが今回はソフトバンク(正確にはヤフー)だと見ている。
ネットビジネスにおいて電通とヤフー・ソフトバンクは密接な関係を
持っている。そして今回、楽天のビジネスドメインを狙いにいく(楽
天という事業体を狙いにいくのではない。有利子負債が5000億もある
会社を会社ごと背負おうと思う会社はいない。あくまでも楽天の持つ
ビジネスモデルと顧客を取りにいくという意味である)動機がヤフー
ジャパンには十分にある。電通は追手でTBSの安定株主工作に協力
し、楽天との統合は意味がないというプロパガンダを打ちつつ、搦め
手からは楽天本体をネット業界再編の波にさらそうとしていると思う。
両方が互いに相乗効果を出すシナリオだ。

色々とやり方について書くと差し障りがあると思う(まあ、こんな弱
小ブログ見ている人はほとんどいないが)ので書かないが、遠くない
将来、楽天に対する第二幕があく可能性があると思う。北尾氏があの
ようなことを言うのは楽天に対する予告であり、水面下ではもう準備
は進んでいるのだと思う。

楽天はうまく取得株式を引き取らせる方向で動いたほうがいい。
TOBなんて仕掛けたら楽天への仕掛けが本当に始まるだろう。
三木谷氏がどんなに優秀で調整能力が高くても、今の楽天に二正面作
戦を取るだけの余裕はない。





October 26, 2005

楽天 敗北へのカウントダウンか?

今朝の報道で楽天がTBS株を20%近くまで買い増ししたとあった。

これで楽天は「敵対的」との批判を逃れられない。そしてそれはほぼ
この買収劇が楽天の敗北に終わることを意味している。
以前のエントリーで「楽天株はいい押し目」と書いた時期もあったが
もうそれはないだろう。

一方、TBSは想像以上に有利なポジションである。TBSがやるべき
ことは二つだけ。

1)諮問委員会で今回のことを「敵対的」と認識・認定しておく。
2)これ以上、楽天が買い増した場合は日興への新株予約権による
  対抗措置をとる「用意がある」とアナウンスする。

以上である。これに対して楽天は何ができるだろうか?

1)ここで買い増しを止めて時間がかかっても対話路線を続ける。
2)対話路線をあきらめて敵対的TOB(パワープレイ)に移行する。

1)をとった場合、TBSは急ぐ理由はないので、引き伸ばしにかかる
であろう。株主安定化措置を講じつつ、一方で今回のAmazonとのような
別の協業スキーむを発表し、「別に楽天である必要はない」という周辺
世論を醸成すればよい。楽天がそのうちに財務的に塩漬けを許容できな
くなり、交渉のイニシアティブをTBSが握ることができる。

2)をとった場合はどうか?

楽天の三木谷社長は「TBSが対抗措置を発動すれば資本市場における
汚点であり、株主から訴訟を起こされるだろう」と牽制しているが、
実際に株主から訴えられるのは三木谷氏のほうが先になる可能性がある。

「敵対的と認定された場合、対抗策を発動するぞ」と言っている相手に
対して中途半端なシェアを獲得し、五月雨でTOBに移行し、かつその
資金調達をエクイティファイナンスでやって株式価値を希釈化させれば、
TBSが対抗策をうつ前に三木谷氏自身が楽天株主から訴えられる。更
にTBSが本当に対抗策を発動し、楽天株式の価値が二重に毀損された
場合、株主の怒りはTBSではなく三木谷氏に向くであろう。

こうした状況を考えると、私は楽天がゴールドマンサックスと考えてい
る資金調達はエクイティファイナンスではなく、TBSの遊休資産を先
付けで担保にするLBO(レバレッジドバイアウト)であろうと思う。
三木谷氏自身が株主代表訴訟を免れ、かつTOBで既存株主がアカウン
タビリティを保てないくらいにプレミアムをつけた価格を提示するだけ
の資金調達を行うにはそれしかない。ただ、その場合TBSも同様の
資産を担保に資金調達をして対抗してくるであろうから、その場合は
財務的に余裕のあるTBSが有利である。楽天は時価総額こそTBS
より高いが、所詮は期待値によってRevenue MultipleがTBSよりも高
いからそうなっているのであって財務を含めた基礎体力が勝っているわ
けではないのだ。

しかし、ここで楽天が気をつけなくてはいけないのは実は電通の動きで
はないかと思う。(思わせぶりになってしまったが、続きを書く時間が
ないので、また改めて・・)



October 17, 2005

「通信と放送の融合」の本質(その2)

続きです。

7)地上波放送コンテンツが狙われるわけは、日本においては地上波
  TVコンテンツが一番消費者の日常の活動(特に可処分時間の消
  費)に溶け込んでいて、かつ無料なので心理的な障壁が低いから
  だ。したがってそういう心理的な障壁の低いアプローチコンテン
  ツは仕掛けを少し工夫するだけで消費活動に誘導することが可能
  だ。そういう意味で消費行動を誘発するエサとして日本ではこれ
  ほどの対象の広がりと日常生活に溶け込んでいるものはない。

8)最初に書いたように「通信と放送の融合」と呼ばれる現象は究極
  的には通信事業者による放送事業者の囲い込みではない。むしろ
  放送事業者が囲い込んでいるスポンサー企業群の広告宣伝販促予
  算を誰が握るかということであり、放送事業者は現在の時点でそ
  れらを抱え込んでいるからこそターゲットにされるのだ。パワー
  ゲームでスポンサー企業の予算を分捕ることもできないわけでは
  ない。しかし、それはコスト的に失うものも多い。なぜなら
  既得権益を守ろうとする地上波放送局と広告代理店は今現在「メ
  ディア」という権力を握っているスーパーパワーであり、敵に
  回すのは得策ではない。ではどうするのか?

9)ニッポン放送に買収をしかけたホリエモンは当初の目的を達した
  とは言えないし、「通信と放送の融合」について納得のいく説明
  ができなかったと言われた。それもそのはずである。本当は
  莫大な広告宣伝販促費を既存メディアと新メディアを両方握った
  自分が最も最適な形で移行・共存させ、最適化したいなどという
  最終ビジョンをあの時点で話すことなどできるわけがない。
  本当はわかっていなかった可能性もあるが、ホリエモンは実は感
  覚的には見通していたと思うし、現に裏ではそういう発言もして
  いた。

10)地上波放送局が持つ機能はコンテンツ制作だけではない。編成
  機能もあれば広告営業もあるのだが、今後のインターネットや携
  帯の持つリアルタイム、ダイレクト広告機能のことを考えると後
  者の編成・広告営業機能は新メディアで代用可能だ。しかし製作
  機能がなくなることはまずい。ここだけは高品質を保てるだけの
  キャッシュフローを保ってやらないと競争力を失ってしまう。質
  の高いコンテンツはスポンサーの評価も高いので高額な広告枠販
  売ができて大丈夫ではないかとも思うのだが、全体的に放送局の
  収益が落ちてきている昨今では低いレベルで制作費をクロスサブ
  させるよりは全体的に安定したキャッシュを供給してやる必要が
  ある。競争力が落ちてからではまずいのだ。ここに通信系IT
  企業が地上波放送局を早く囲い込もうとするメカニズムがある。
  
  ☆☆閑話休題☆☆
  楽天はいかにも融合し、共同持株会社を作れば双方にメリットが
  あるとTBSに持ちかけているが、それは「方便」でしかない。
  共同持株会社では楽天のキャッシュフローをTBSの本業たる
  放送コンテンツ制作にクロスサブさせることはできない。事業体
  として一体化させなければダメだということは三木谷氏はよく
  わかっているはずだ。もしわかっていなければTBS経営陣も
  株主も納得させることはできず、ライブドアの二の舞に終わる。
  
  もし楽天とTBSを上場させた状態のまま共同持株会社の形態に
  こだわるならば、事業会社間で配当の形でキャッシュを循環させ
  る必要があるが、これは効率が悪い。かと言って現在の両社の
  株式をバイバックして持株会社を設立するのは恐ろしい額のキャ
  ッシュがいる。三木谷氏がショックを和らげようとしているのは
  理解できるが、早晩今の提案内容では行き詰るはず。TBS経営
  陣としては「既に持株会社形態をとっているTBSのストラクチャ
  ーを活用してTBS持株が楽天の株を相当数持って配当の形で楽天
  のキャッシュを吸い上げたほうが三木谷さんの言っている融合系
  の実現とネット系企業から放送事業へのキャッシュシフトには
  いいのでは?」という逆提案もできるかも。たぶん今頃TBSでは
  スポンサーファンドを探してパックマンディフェンスを企画して
  いるはず。うまくいかなくても楽天と株式交換して取り戻せば
  いい。また近い将来に楽天株は急上昇するだろう。今日はいい押
  し目ということか。

(その後、楽天のファイナンスが苦しいということで、エクイテ
  ィファイナンス必至ということなのでどうなるか予断を許さず。
  MSCBで、乱高下??)

11)現在、消費者属性情報を本業で収集できている通信系IT企業
  がいくつかある。その中で代表的なのが楽天、アマゾン、eBay、
  そしていつの間にかITMSを通じて流通事業に出てきたAppleと
  いったマス向けeコマース企業。次に検索エンジン系ポータルで
  あるGoogle、Yahoo、MSN、3つめは携帯事業者である。属性情報
  への依存度と既に収集した情報の密度の高さから考えてより既存
  メディアへの意欲や親和性が高いのはeコマース系であろう。
  しかし検索系でもGoogleは特殊な動きをしている。
  キーワードは「パーソナル指向」である。

12)今まで書いてきたように今後は消費者の消費行動をできるだけ
  パーソナルな活動領域で捕捉してそこでの属性情報を蓄積するこ
  とがより効果的な広告宣伝メディアとなる必要条件である。そう
  いう意味でネット上の特定のところに情報を集積してそこにアク
  セスと広告を誘導するといういわゆる「ポータル」事業というの
  はこの流れに逆らう動きとなる。もちろん各社ともパーソナライ
  ズ機能の強化には力をいれているが、ポータルサイトの価値を維
  持することとパーソナライズしたサイトの機能強化を両方とも最
  適化していくのは相当なジレンマがあるはずだ。そこを考えると
  検索系でパーソナライズを本格的に指向しているのはGoogleで
  ある。今後はeコマース系とGoogleがどのように連携、合従連衡
  しながら、かつ地上波放送コンテンツを取り込みながらパーソナ
  ル・ダイレクト広告メディア市場を形成していくかが焦点になる。

  ☆ポータルとパーソナルポータルの対立の構図についてはまた
  別の機会に触れたい。

つづく・・・かな。


「通信と放送の融合」の本質

楽天の動きを契機にまた「通信と放送の融合」というキーワードがメデ
ィアをにぎわわせている。この動きは「融合」という言葉で錯覚しやす
いが本質的には「消費者属性情報を誰が握り、広告宣伝費と販売促進費
という大きなマネーフローを誰がどのように握るか?」という点に帰結
する。

よって単に企業間の合従連衡のパターンがどうかとか融合したビジネス
がどうつくれるかという表面的な議論では事の本質はつかめない。

言い古されていることも多いことを承知で少し謎解きをする。

1)現在のマス4媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)はスポンサー企
業の広告出稿、イベント等のSP費用によってコンテンツを製作・編
成して収益を得ている。これはメディア媒体がスポンサー企業の広
告宣伝販促行動にとって効果的だという前提(いまや幻想)によっ
て支えられている。しかし、マス4媒体を通じて流れる広告は最終
消費者に必ずデリバリーされているわけではない。また、消費者の
属性に応じた効果的な広告のデリバリーが行われていない以上、ス
ポンサー企業にとってのROIは低位安定するという宿命がある。

2)インターネットと携帯の普及はスポンサー企業が媒体から最終消費
者の属性を得ることができれば、より購買行動に結び付けやすい広
告宣伝販促をダイレクトにリアルタイムにかつ選択的に流すことを
可能とする。

3)楽天やアマゾンといった新興IT企業(かつ現時点で馬群を抜けてと
りあえずの勝ち組になっている企業)は自社のサービスを利用して
いる消費者の性別・年齢・住所・関心事・過去の購買履歴という消
費者属性情報を莫大に蓄積している。他のインターネットメディア
も少なからずそうである。この属性情報は広告宣伝販促を行おうと
するスポンサー企業からすれば喉から手が出るほど欲しい「お宝情
報」である。とにかく企業ブランドを広めればよいと考える企業は
除いて、直接広告の受け手に購買行動を取らせたい企業にとって、
マス4媒体ではリーチし得ない消費者にダイレクトに繋がることを
可能とするインターネットと携帯は新しいメディアだ。そうなると
ROIに敏感な企業ほどネット広告・携帯広告にシフトしていくこと
は自明である。放送局の収益がさがって、新たなメディアが収益を
  伸ばしているのはそういうことだ。

4)ところが、現在のIT企業はまだこの可能性を十分に開花させてはい
ない。自社のサービスを通じて得た消費者属性情報はもっぱら自社
のサービスをさらに利用させることに活用されている。
しかし、もう彼らは気づいてしまった。  

5)現在の日本の広告宣伝費・販促費市場は約5兆円。この、今までマ
ス4媒体に独占されてきた莫大なマネーフローを自分達のフィール
ドに寄せることができたら・・・・。そしてそれは可能なところま
で来ているのだ。自分達が従来のマス4媒体に成り代わるメディア
企業になればよいのだから。

6)消費者の可処分所得・可処分時間には限界がある。IT系のサービス
が今後いくら便利になろうとも、最終消費者から「引っ張れる」金
には限界がある。既に通信キャリア系IT企業が音声ビジネスやイ
ンターネット接続サービス+αのサービスを提供しているが、これ
らは競争と価格低下で数年以内に無料か公共財として限りなく安い
サービスに成り果てる。よって今、勢いのあるIT企業とはこうし
た無料化へ向かうインフラサービスの上で展開するプロダクトを持
っている企業であり、属性情報を着々と蓄積している企業である。
さりとてこうした企業でも利用料、手数料収入には限界がある。時
代とともにインフラサービスの二の舞になって価格低下圧力と過当
競争によって収益が圧迫され始めることは見えている。となれば5
兆円市場を誰がいつ巧妙に自社収入として取り込んでいくかが鍵に
なっていくことは論を待たないであろう。

長くなりそうなので、一度切ります。
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