サイド戦で土地を抜くという行為は理論上はあり得るハズなのだけど、
実戦でやるかと言えば普通はやらない。

これは、大体の人がマナバランスがあまり変わらないような
サイドボーディングをしているからである。
そして、重いカードをサイドインする場合は土地を一枚追加する、
という手法を用いる人は少ないけれども存在する。

残念ながら、今回書くのはそういうことではなくもう一歩進んだ話だ。

あなたは土地の枚数は「自分のデッキ」のせいで決まるものだという先入観がある。
自分のクリーチャーとスペルのラインナップを見て、
土地の枚数は決めるものだと思っている。

今回のテーマはそうではなく
「相手によって最適な土地の枚数が変わる」という考え方だ。
言いなおせば、ほとんどスペルの重さが変わらなくても、
相手によって土地の枚数は変わることがある、という考え方だ。

相手によって、サイド後に土地を増やしたり減らしたりした方がよい。
そして、メインデッキの土地の枚数も想定する相手によって変わる。

結論から書くと
・自分はクリーチャーを使って、相手のクリーチャーに対抗する場合は土地を増やすべき
・自分はクリーチャーを使って、相手の除去に対抗する場合は土地を減らすべき
・自分は除去を使って、相手のクリーチャーに対抗する場合は土地を減らすべき


この3つだ。
具体例から説明しよう。
クリーチャーばかり入っている緑赤ビートというデッキを、今俺は使っている。


緑赤ビート
メインデッキ サイドボード
4《ラノワールのエルフ》
4《極楽鳥》
4《絡み根の霊》
4《紅蓮心の狼》
3《ファイレクシアの変形者》
4《オキシド峠の英雄》
4《高原の狩りの達人》
4《地獄乗り》

3《電弧の痕跡》
8 森
7 山
4《銅線の地溝》
4《根縛りの岩山》
3《ケッシグの狼の地》
省略

クリーチャーが31枚入っているのもどうかと思うが、土地26枚というのもさすがにどうかと思っている。こんなことになってしまったのは、現状がとにかく「クリーチャーが死なない」からだと思っている。クリーチャーが死なないせいで「クリーチャー>除去」という関係が出来てしまった。不死クリーチャーのせいで、火力のような普通の除去の価値は著しく下がってしまったので、俺はほとんどのカードをクリーチャーで占めるデッキを使うようになった。土地がなぜこんなに多いかは、これから書くことにしよう。

現環境で仮想敵となるのはこんなデッキだ。

渡辺雄也の「青白《秘密を掘り下げる者》」をリプレイ!
http://mtg-jp.com/reading/kajidigital/003137/

現在、猛威をふるっている青白Delverだ。
このデッキの意味がわからないところは2つあり、
「ロクな除去が入っていない」ことと「除去でクリーチャーが死なない」ところである。

たぶん、このデッキをサイカトグの時代に見たら、なんじゃこりゃって感じだ。48
呪禁のせいで相手の本命クリーチャーはまったく除去れないし(除去しても《ムーアランドの憑依地》で帰ってくる)、相手も本命のクリーチャーを除去ってこない。(バウンスしてくるか、《はらわた撃ち》でザコしか除去できない)。

一応、マナリークや《蒸気の絡みつき》といった相手に対処するカードが入っているが、これは別に相手を除去するためではなく、相手の逆転を防ぐために入っているだけだ。とりあえず、相手の驚異を取り除いてリソース勝ちするための「除去」ではない。

このデッキは「クリーチャー>除去」という状況を作ってしまった最たるデッキであり、要するにクリーチャーを出して殴って勝つだけである。俺はこのデッキに勝つために、とりあえず同じようなマナ域でかつ相手より殴り値の高いデッキを使うことにした。これが緑赤ビートを使う理由である。

さて、クリーチャーを出して殴るだけのマジックを何度かやってみると、
「事故ったら死ぬ」という状況に合う。相手が止まらないからだ。しかし、事故ってなかったら勝つ自信もある。「相手よりクリーチャーが強い」という確信があるからだ。

クリーチャーと土地しかないマジックは実際そういうことになる。
※本来マジックは、ブロックによる消耗戦がクリーチャー同士で行われるハズだったが
 近代マジックでは攻撃側が圧倒的に有利であり、ブロックが成立しないので消耗戦は起こらない。
 そのため、事故ったら負けるという状態がとても顕著になっている。

こういうマジックで勝利する方法は「相手より強いクリーチャーを用意し、土地を増やす」ことである。クリーチャーは強く、事故らないようにすれば勝てる。この青白DelverVS緑赤ビートに於いてものすごく極端な話をすると、こんな展開+ドローでも勝利できる。

T1 ラノワールエルフ
T2 絡み根の霊、ラノワールエルフ
T3 高原の狩りの達人
T4 地獄乗り、《ケッシグの狼の地》をセット
以降、全部土地をドロー。

これはギャグではない。相手にカウンターがなければこれで勝ててしまう。相手はまったく除去がないのだ。相手はまったくこっちのクリーチャーに対処してこない。だったら、こっちは「出足さえよければ追加のスペルは必要ない」。ということは「土地を増やして事故る確率を減らす」べきである。つまり、出遅れさえしなければ勝てるということだ。

このことから、自分はクリーチャーを使って、相手のクリーチャーに対抗する際は土地を増やすべきである。ということになる。

※出遅れないことを、リソースの多さより優先するという戦法は、オフェンシブマリガンを多用する現代の戦術からもわかる。多くのプレイヤーは手札を少なくしてでも、出足の良さを優先する。このことをデッキ構築の段階から考えれば、後半のドローを薄くしてでも、土地を濃くして序盤の土地事故を防ぐというデッキ構築は現代マジックの理にかなっていると思う

今回のサンプルである緑赤ビートがなぜ土地26枚という構築になったかと言うと青白Delverなどのデッキと何度も対戦するうちに、出遅れのリスクを減らす必要が出たためだ。出遅れさえしなければ、べつにスペルの数は必要ない。当初は24枚だった土地が、どんどん増えてこうなったということである。


では、残りの2つについて説明していこう。

・自分はクリーチャーを使って、相手の除去に対抗する場合は土地を減らすべき

これは要するに、全滅させられないようにクリーチャーを増やせという意味である。95
相手がクリーチャーである場合は、出遅れないために土地が必要であるが、相手が除去である場合は、全部除去されないために追加のクリーチャーが必要になる。

追加のクリーチャーを入れて、土地を抜くべきである。これはべつに土地を抜いて事故れと言ってるわけではない。あなたが考える「本来のスピード」は、除去によって阻害されるのだ。除去によって阻害された場合はスピードよりも、手数が重要になる。そのため、多少は出遅れてでも、クリーチャーを多く用意できるようにしなければならない。

相手が除去、というのは具体的には青黒コントロールなどが相当する。タイタンというクロックはあるものの、それさえなければ多数の除去でなんとかするデッキだ。こういう相手にスピードで対抗して、それでもアッサリ勝てるのならば、べつに土地を減らす必要はない。それは「相手が除去」という状況ではないからだ。(たとえば、こっちのクリーチャーが呪禁ばかりで相手が除去れないようだったら、相手は除去ではない。むしろ相手は「タイタン」であり、カウンターでその速攻のみ防げばよい)

そうではなく、相手に全部除去されるかもしれないというときに、この考え方を用いるべきである。相手は除去によって試合を長引かせるが、長引いてもアドバンテージで上回らなければ勝てない。だったら、こっちはクリーチャーを濃くして、アドバンテージで上回れないようにするべきである。


・自分は除去を使って、相手のクリーチャーに対抗する場合は土地を減らすべき

これは同じ考え方である。
自分は除去を使うことで「スピードを遅くする」ことを狙っている。
ということは手数の勝負になるわけであるから、土地を減らすべきである。

これはあくまで「あなたはクリーチャーを使っていたが、除去に変える」場合に用いるべきだ。そしてもうひとつ言えば、除去の種類が(破滅の刃などの)「アドバンテージを得られない」除去の場合に用いるべきだし、さらに言えば、「長引きさえすれば勝てる」のならば、べつに土地を減らす必要はない。たとえば、タイタンなどの相手より強いクリーチャーを用意していて、そこまで生き残れば勝てるのならばべつに土地を減らさずともよい。むしろ、この考え方は「タイタンによって相手のクリーチャーに対抗」しているため、クリーチャーによってクリーチャーに対抗するという考え方だ。

ややこしく感じるかもしれないが、「除去でクリーチャーに対抗するときに土地を減らす」という考え方は
「相手より強いクリーチャーは用意できないが、除去はある」というときに用いるものである。

相手を遅くしても、手数で勝利できなければ勝てない。
そのためには土地を減らすべきだということだ。


もう一度纏めよう。
・自分はクリーチャーを使って、相手のクリーチャーに対抗する際は土地を増やすべき
・自分はクリーチャーを使って、相手の除去に対抗する場合は土地を減らすべき
・自分は除去を使って、相手のクリーチャーに対抗する場合は土地を減らすべき


この考え方はリミテッドでも使える。
俺はGP神戸でサイドからの土地の増減を何度も行っている。

http://blog.livedoor.jp/gobasan/archives/5900839.html
http://blog.livedoor.jp/gobasan/archives/5903488.html

相手が除去デッキなのか、クリーチャーデッキなのかにより土地の枚数を変えている。
相手に除去が有効な場合は除去を入れて土地を切り詰めている。
そして、自分のデッキの都合で土地を増やしたのがミスで負けたりもしている。


このことは、経験により「距離感」のような感覚で身に着いてくる。
あなたはおそらく何気なく「土地が少ない気がする」「多い気がする」という感覚で
デッキ調整を行ってきたと思う。

俺も一緒で、結局は試合後の感覚で土地の枚数を決めている。
しかし、そのときにほとんどの人は土地の枚数の決定要因は「自分のデッキ」のせいだと思っている。

それだけではない。
土地の枚数は相手によっても決まる。
この三則はそのことを証明するための第一歩と考えている。


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