昔からコミカライズが好きでした。
テレビ番組や映画とは少し違うし、
がっかりさせられる事も多かったけど
逆にまったく違った世界観をみせてくれたり
テレビが未放映だったり映画の公開前だったりすると
予告編のように期待をふくらませてくれる
そんな楽しみもありました。

特に特撮物のコミカライズを
探すようになったのですが
そのきっかけは10年ちょっとくらい前、
大阪日本橋にあった一軒のプレミアコミック専門の
古本屋さんに入ったことでした。
その店は「枚方映研」という
大阪の同人グループが出していた
古いコミカライズの復刻同人誌を扱っていたのです。

「枚方映研」は当時様々な理由から
コミック化されそうもない古い漫画を
少数限定で復刻していたのですが
やがてヤフオクに高額な出品が相次いだことから
「著作権を無視し暴利をむさぼる悪徳グループ」
みたいなイメージがついてしまいました。
僕は直接付き合いが会ったわけではないけど
入手困難なため忘れられかけていた雑誌や付録本の漫画を
もう一度世間に知らしめた事は
おおきな功績だと思っています。
ただあまりにも著作権に対する考え方が
甘かったなとは思いますが
インターネットがようやく普及し始め、
著作権の意識が大きく変わる端境期であったころなので
まだまだ意識が低かったんでしょうね。
goutenhyousi
前振りが長くなりましたが
その「枚方映研」から復刻された
漫画海底軍艦です。
少年ブック昭和39年新年増刊号付録です。







「海底軍艦」については
このブログを見てくれる人には
改めて説明の必要もないでしょうけど一応。
「海底軍艦」は昭和37年12月に
東宝系列で公開された映画です。
特撮を担当したのが「ゴジラ」で有名な円谷英二。
旧帝国海軍の軍人である神宮寺大佐が南海の孤島で
日本帝国再建のために
密かに海底軍艦の建造を進めていたところ
折から1万2千年前に太平洋に没し、
地下深く生き延びたムー帝国が
地上を再び植民地にするため侵略を開始します。
かつての上官や日本に残した一人娘の説得を受け
神宮寺大佐は超潜水艦轟天号を
出撃させることを決意するのでした。

映画への想いはまたの機会に書きますが
この映画にコミカライズがあるとは
思いもしませんでした。
表紙や内容を見ると轟天号の艦首近くの
回転カッターが2箇所しかありません。
(映画では3箇所)
メカデザインをした小松崎茂さんの
初期デザインは2箇所なので
この漫画は映画制作の初期段階の
プロットで書かれているようです。

mudanateikouhayameyojinnguuji
まあ、時代を考えるとこんなものかも知れないけど
あんまり上手な絵ではないですね。
人物は吉田竜夫と堀江卓を足したような顔をしています。
美形でファンの多いムーの皇帝閣下は
堀江卓の書く女性っぽいんだけど・・・
ちょっとこれはないんでないの?
ムー帝国の描写は昔で言う土人!
のような地味な服を着ていて
かつほとんど人は登場しません。
映画でのモブシーンなんて何それ?って感じです。
あとまいふぇばりっと神宮司真琴は登場しません。
その代わりに映画では高島忠夫さんが演じた畑中進が
神宮司進として神宮寺大佐の息子となっています。
まあ、ムー皇帝を見たら
真琴も登場しなくてよかったとは思いますが
当時の少年向け漫画は
あまり女性キャラが重要視されていなかったという
いい見本ですね。

goutensidou
メカは頑張って書いてます、
というのは伝わってくるんだけどね。




goutenvamanda
マンダは竜ではなく蛇です。
これも初期設定は巨大な蛇だったんですが
辰年の公開にあわせて竜に変えられたそうなので
ここでも初期設定に基づいて
描かれているのが分かりますね。

とはいえ、実に178ページという
付録本とは思えないボリュームに驚かされます。
100ページを超える付録本なんて
めったにないもんね。
平成ゴジラ公開の頃に竹書房から
古い怪獣漫画が相次いで復刻されましたが
マンダは登場しなかったため海底軍艦も復刻されませんでした。
ぜひどこかで再収録してほしいなあ。