「にのや~ん」
シャッターをくぐったら、にのやんはおもくそ準備をしている最中だった。
トイレを借りて戻ってきたら、「就職活動することにしてん」とにのやんはいきなり話を切り出した。
これまで面倒くさい人間関係を避けて「自営業」を続けていたのにどうしたんだろうと僕は少し驚いた。また、本気で「蕎麦屋」の修行をするのかなとも思ったらそうでもなかった。
にのやんは毎日ドーナツを揚げながらもひそかに「仕事」を探していたようだ。
今回見つけたのはタンカーの調理師で、日本近海で活動するタンカーの乗組員に毎日食事を提供するスタッフの募集を見つけたようだ。
乗組員って言っても、14~5人だから調理スタッフは1人で十分。そう、1人で気楽に仕事ができる環境で、仕事のサイクルは「3ヶ月船に乗って1ヶ月休み」らしい。もちろんその3ヶ月の間乗りっぱなしってワケじゃなくて何カ所かは寄港する。
さすが、また面白そうなのを探してきよるw
実はにのやん、海上自衛隊にいた経歴があるから船には免疫がある。年齢がどうかなって心配していたけど、その経験は有利に働くと思うな。
採用されれば「ドーナツ屋きんぞう」は閉店する。
ちょっと寂しい気もするが、そうなれば企業に就職することになるし、ドーナツを揚げているより収入は増え、リスクは減る。
そして、これまで不特定多数のお客さんにドーナツだけを提供してきた環境から、毎日決まった人たちにいろんな料理を提供することになる。
ほんと、ガラリと変わるよね。
◎◎
『僕ならどうするだろう』
「ドーナツ屋きんぞう」の立地や雰囲気が好きだったので、少しだけ妄想したことがある。何もかもタイミングが合っていたら後を継いでいたかもねぇ。(ごえ家w)
なんやかんやで、また走って経過を聞きに行かないといけない用事ができたw
そこでの就職が決まればさすがのにのやんもスマホを持つようにするらしい。
これまで携帯電話を1度も持ったことのない46のオッサンに、はたして使えるのかw
もちろん、就職が決まらなければドーナツ屋は続ける。



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