島はぼくらと (講談社文庫)
辻村 深月
講談社
2016-07-15


内容(「BOOK」データベースより)

瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。



面白くて、読みやすくて、1日で読了してしまいました!!
男女高校生4人をメインとした、島における青春群像劇…群像ではないか。
非常に爽やかで、これは島に行きたくなってしまうような、良いところを切り取って描いているような感じです。

もっと、狭い世界なりの嫌〜なエピソードくるのかな?と思いましたが、そんなに無かったですね。
村長が病院誘致を拒否してることくらい?
いやーやっぱり病院が無い島ってあるんですね。当たり前だけど、ちょっとびっくりします。
今回もシングルマザーの蕗子さんの娘が、一瞬、大病なんじゃ?!っていう描写になってびびりますが、(実際は勘違いだった)そういう時に医者が居ないとなると…恐ろしいことです。
居るのが当たり前、なんて思っちゃダメなんですね。
実際に目の当たりにしたり友人の体験談で聞いたわけではありませんが、都内でも病院のベッドに空きがなくて救急車を受け入れてもらえないといった話は聞きますが
医者がいなかったら、それ以前の問題ですね…

第1章では、島に変な「物書き」の男がやってきて、幻の脚本を探してるとかなんとか言って島の中を嗅ぎ回ります。 不穏な空気はビンビンでてますが、実はそんなに大した事件にならず、物書きの男は本土に帰って終了。
第2章では、シングルマザーの蕗子さんの話。元オリンピック選手でチヤホヤされたものの、既婚者相手の妊娠を機に地元を捨てて、シングルマザーに住みやすい島に移住した話。
確かに島の人間が代わり代わりに子供の面倒みてくれて、すごいなーって思いました。島すげぇ。
保育園落ちた日本死ねって言ってる人は島に行けば良い。(適当に言ってます、ごめんなさい)
…でもかならず障壁みたいなのが生まれると思うんですけど、どうなんですかね?
特に育児に関しては、ベテラン勢があーでもないこーでもないって言ってきそうで、うざったいとかそういうのもきっとあるんだろうな、と。
でもまぁシングルマザーで色々お世話になっていたらそうも言ってられないか〜。実際、子供にとっては良い環境だろうなぁ。なんて。
少なくともこの小説の中では、島の人々はわりとスバラシイ。

次の章はコミュニティデザイナーと村長の話。ヨシノさんという、色んな地域に派遣?されている地域の便利屋?のような人の話。
いや〜なんて表現したら良いんだろ。便利屋ではないんだけど、私の理解力不足でどうもこのコミュニティデザイナーが何をやっているのか分かりかねるので…
あとちょっと美化しすぎだよなぁ、なんて思って読んでたら巻末コメントで、そもそもこの本は著者があるコミュニティデザイナーの方と知り合ったことで書かれた小説のようで。
だったら確かに汚くは描けないよなぁなんて思い、納得^^;

最後の章は、あるおばあちゃんの遺品を、もう島を出て行った人にと退けられないかと画策する高校生4
人の話と、この島に残る衣花(きぬか)の話。
キヌカは、網元の子供だからずっとこの島にいなきゃいけない。大学に進学もできない。っていう。
私だったら出ちゃうなぁ。親と喧嘩して出ちゃう。
でも、キヌカは心底この島が好きなんだと思う。

そして主人公4人の人間関係。少し都合よすぎるなー!!なんておばちゃん思っちゃいます。
NHKの朝ドラにできそうな爽やかな話です。
都会育ちの私は、嫉妬混じりで読んじゃいました。