いよいよ、今年の夏の旅の目的だったムシャーマが始まる。

波照間島の5つの集落が、3つの組に分かれて、
行列や踊りの出し物などを1日かけて行う、
豊年祭とお盆のお祭りが一度に来たような、島あげての大イベント。




朝ごはんを済ませた私とXさんは、
知人の島んちゅのいる組の集合場所へと向かう。

2日前のリハーサルがあった日、知人の島んちゅから、
「見るだけじゃだめよ〜」といわれて、リハーサルに参加し、
夕べの飲み会で参加する行列の踊り担当の人にも会えたので、
話は早い。

すでに島の人たちは、めいめいの衣装に着替えて集まってきている。

「おはようございますー、よろしくお願いしますーー。
 どこに並んでいたらいいんですかぁ?」

など話したり写真を撮ったりしているうちに、三線の音楽が鳴り始める。
それにあわせて踊っているうちに、知らない間に行列はスタートしていた。

気がついたらもう出し物の舞台である公民館が見えてきている。
公民館の敷地内まで踊りながら歩くわけだけれど、
さほど距離はないのに、もう汗だくだ。




踊りの出番が終わったので、
知人やZさんと合流し、各組の棒術と太鼓が披露される場所へと移動。




050818b波照間島、ムシャーマ(2)


棒術は、高校生くらいから30代の男性が行う。
2人一組、5ペアが、農民と武士の戦いを表現した演武を繰り広げる。





050818c波照間島、ムシャーマ(3)



気合の入った掛け声、棒と棒がぶつかる音、
近くで見ていると迫力が伝わってくる。

ムシャーマ一番の見せ場といってもいい。

世の中、ジェンダーがどうこうとか言うけれど、
やっぱり、こういうのは男性がやるからこそカッコイイと思う。





ちなみに、午後の出し物の踊りの大半は女性だ。

ハレの舞台で輝いている異性の姿を見て
恋に落ちることってあったんだろうなって、思ったりもした。




それ以外に、獅子舞や、行列での子どもの集団、運営係など、
老いも若きもそれぞれに役割があるようだ。

みんなでやり遂げるお祭り・・・そんな印象だ。







午前中の出し物の最後に公民館の広場で「念仏踊り」が行われると
いったん解散となる。
みんな、めいめい自宅に戻ってお昼ご飯なのかな。






050818d波照間島、ムシャーマ(4)

午後は、舞台での踊りや狂言、獅子舞だ。







あいにく雨が降ってきた。
Xさんの傘を借りる。彼女は雨合羽。用意がいい。


050818e波照間島、ムシャーマ(5)

午後の出し物も、各組が順番に行う。
伝統的な衣装を身につけて・・・。
ずっとずっとこうやって伝統が守られてきているんだなー。




本来なら、野外ステージ手前に引かれたゴザが観客席になるのだが、
今日は雨で濡れてしまっている。

その周りを囲むように、立ったりしゃがんだりめいめいの格好の観客が
遠巻きに舞台を観る。
ステージの目の前に人がいないって、やる方はちょっと寂しいかもね。

突然の雨に、ちょっとだけ恨みたい気持ちもわいたけれど、
豊作を願うお祭りの日の雨。
神様の恵みだと思えば、気持ちも軽やかになる。




出し物の後半になって、ようやく雨がやんできた。





050818f波照間島、ムシャーマ(6)



予定の出し物が全て終了したら、退場行進。
朝の行列になり、
また一組ごと朝のそれぞれの集落のスタート地点へと戻って行く。










もちろん、私たちもまた踊る。
日が傾いてきたといっても、まだまだ日差しは強い。
また大汗かくのだった。

でも、気持ちいい!楽しい!充実感!




これで終わりかと思ったら、
それぞれの集落ごとに、もう一度行列があるらしい。

集落内を周るのだ。
みんなけっこうくたびれモードになってきている。
だけど、最後までやることが大事なんだろうな。

私の参加した組は、集落を周った後、
いったん解散して、めいめいリハーサル場所まで移動。

そこで、みるくを囲んで老年女性がクバの扇で風を送りながら何か歌いはじめた。
その後、そこでまた棒術と太鼓。




再び雲行きが怪しくなってくる。

太鼓が終わって、衣装を脱いだり片付けたりするために
みんなが集落の公民館に向かっている途中、
とうとう雨が強く降り始めた。

でも、空は明るい。

虹が出るかも?と待っていたら、
ひとしきり雨が降った後、うすーくだけど、
ちゃんと虹色の弧を描いて灰色の空にかかった。

虹は神様の祝福、ときいたことがある。
がんばった人たちに、そして、私自身にも
「お疲れ様」と言ってくれているみたいだった。



このあと、棒術の人たちは、ここでまたもう一度演武をする。
朝の行列、公民館で、午後の行列、集落で、そして今一度・・・
もうかなりくたくたなはずだ。

だけど、みんないい顔して、大きな声で、最後の一回を締めくくった。

お疲れ様。




・・・素泊まりだったはずが、宿から連絡。
宿のおじいがオードブルをわざわざ石垣から取り寄せてくれたというのだ。
ありがたい。
Xさんと宿に戻る。

すでに宿のお客さんたちが集まって食事が始まっていた。
宿にはほとんど寝に帰っているだけだったので、
スタッフの人ともお客さんとも何をしゃべっていいんだか・・・

島んちゅたちに、「後で反省会一緒にどうぞ」と誘ってもらっていたので、
食事したらゆんたくもそこそこに、またXさんと集落に戻る。
愛想ない人だったかもな・・・すんません。




集落でもすでにメンバーは集まっていた。
もちろん大半が島の人。

「島外の観光客なのに、祭りにも、こういう会にも受け入れてもらえてうれしい」
と、先輩格の人に伝えると、
「こうやって、一緒にお祭りを盛り上げてくれると、こちらもうれしい」
と、笑顔で応えてくださった。

ありがたい話だ。
この島に来ると、人とのご縁、人の温かさをいつも味あわせてもらう。

この島に限ったことではないのだと思う。

だけど、私にはこの島にたまたま知り合いがいることから、
島の人たちの暮らしやコミュニティに触れることができて
そこから学ぶことが多いのだ。

外から見ただけではわからない島のこと、
もっといろいろ知りたいし学びたい、そう思うのだ。



そんなこんな思ったりしながら、
今夜もまた飲み&語り合いは、延々と続くのだった・・・