旅日記2014年冬:喜如嘉の芭蕉布と自然布ツアー 2日目(3)



午後は、大宜味村環境改善センターにて、
芭蕉を含めた自然布に関する講演とシンポジウムが行われた。
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講演会では、
若い頃から各地の染織の産地を巡り、記録してこられたひろいのぶこ氏より、
大麻布の栽培から糸作りまでなどの貴重な記録画像の紹介があった。

また氏が単なる観察者でも記録者でもなく、
作り手と同じ目線から素材や作業、作品を見て、
時に実際に作業を体験することから見聞きし得た作り手の生き様や思い、
その素材がある地域の技術や製作の知恵なども興味深かった。

ひろい氏の体験して聞き書きするというアプローチも
自分が旅の体験の記録としてやっていることに共通点があり、
なんだかうれしい気持ちになった。

作業をやっている人と同じ向きに立ち、座り、
時に「やらせて」と体験すること、聞き書きすることを通して、
見ているだけでは文章にもできないと体験の大切さを知ったのだという。

旅には必ずといっていいほど何らかの体験の機会を入れている私としては、
とても共感する。



そのような形での作り手との関わり・対話は、
端から観察して聞きたいことだけを聞くというフィールドワークとも違い、
「作り手の代弁者」や「体験の語り部」というイメージを抱いた。



ひろい氏は、
「訪ねていらっしゃい」と言ってくれたある高齢の作り手の元へ、
他の様々なことと重なって訪問を先伸ばしにしていたところ、
やっと行けるチャンスができた時には
その方は作ることができなくなってしまっていて後悔した
という思い出も語られた。

私は小浜島のおばぁの顔を思い出した。

昨冬・夏訪ねて2回の体験織りをした際に、
毎回体験織り以外のご指導までいただいたり、
様々な資料や作品も拝見し、
様々なおしゃべりを通してその方の生きてきた道のりもうかがった。

夏、2回目の訪問の最後に、
「また年が明けたらいらっしゃいね」と言われたのだった。

時期をはっきりおっしゃったわけではないが、
ご高齢なことを考えると
「先伸ばしにして後悔しないように、今年も行かないとな」と思うし、
お元気な内に
もっとその方の生きてこられた軌跡やその島の文化、
染織の技術や知恵に触れたいと思ったのだった。



休憩時間に外の空気を吸いに出た。

雨は上がっていた。

センターのすぐそばにも、芭蕉畑があった。
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喜如嘉には、
内地の地方に行けば家々のそばに田んぼや野菜畑があるのと同じように、
生活の場の至る所に芭蕉畑があるのだった。