旅日記2014年冬:喜如嘉の芭蕉布と自然布ツアー 3日目(2)



本日は終日芭蕉ワークショップ。

私が今回のツアーで一番楽しみにしていたメニューだ。

昨日は雨でくすんでいた芭蕉布会館の裏山のカンヒザクラも
今日はピンクと緑の色合いが美しい。
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芭蕉布会館の入り口に、詩人 山之口貘の「芭蕉布」という詩の碑がある。
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  全文は、芭蕉布事業協同組合のブログに掲載あり
  http://bashofu.ti-da.net/e5295702.html

平良美恵子氏が詩に関する解説をしてくださったが、
メモを取り忘れて数日経ったら思い出せない(涙)

個人的に印象に残ったのは、
いざり機で、お母さんが芭蕉布を織っていたということ。

かつて芭蕉の織りは特別な技能ではなく、
暮らしの日常の中に、当然のごとくあったということ。

そういえば、
からむし(かつては大麻布が庶民の衣類だった)の福島県昭和村でも、
昔は各家庭に娘の数だけ機があった、と
おばあさんが話してくださったっけ。

おばあさんによると、
機織りが好きな娘もいれば、苦手な人もいたようだ。

女性なら誰でもできるというよりも、
衣類を自前で用意するためには誰でもやれないと、
ということだったのだろう(=織りができねば嫁に行けない)。



午前中は苧剥ぎ(うーはぎ)体験。

喜如嘉で一番広いという、畳1500枚分の芭蕉畑に向かう。
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(男性の中にも、ツアー中ずっと着物の方もいた)



案内された先には、すでに地元の方々により、
いくつか芭蕉は切り倒され苧剥ぎができるように葉も落とされていた。

そして、剥いだ皮が品質により4種類に分けられることを説明するために、
そのサンプルも用意されていた。
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右端から、「うわーはー(上皮)」「なはうー(中苧)」「なはぐー(中子)」
そして、左端が「きやぎ」。

一番芯に近い4種類目の「きやぎ」は「染色用」と聞いた。

その場では、
なぜ、一番内側のやわらかくて細い繊維なのに染めるのか?と
疑問に思っていたが、
帰宅して手元の資料を紐解くと、納得の理由が見つかった。

  「(前略) とてもやわらかくきれいに見えるが、
  『なはぐー』と混ぜて織ると茶色に変色して村ができるため、
  主に染色糸として利用される」

  (「喜如嘉の芭蕉布」  大宜味村立芭蕉布会館)

なるほど、そうなのか!



班に別れて地元の方のご指導の元、苧剥ぎを行う。

まずは口割(くちわい)から。
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前日の雨もあってか、皮を剥いだはしから水がしたたり落ちる。
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一枚一枚剥ぐときも、
剥いだ皮から繊維のある部分の皮を剥がす際も、
上に引っ張りながら、丁寧にしかし一気に剥がしていくことがコツ。

皮を反らせて反対側へ折れた傷や、
恐る恐る少しずつ剥がしていくことでできる繊維へのテンションのムラは、
糸になった際に品質が落ちる形で影響するのだそうだ。

ちょっとした手の力を入れる方向や足の使い方で、
せっかくここまで育ててきたのに、
苧剥ぎで繊維にアクの色染みがつくこともあるようだ。

植物の特性を知り、
細心の注意を払わなければならないことがよくわかったし、
いい糸を、布を作るには、
その前の工程の土作りから、そしてその後の工程もそれぞれに、
慎重に丁寧に行うことが(なおかつ、工程によっては効率よく手早く)大切なのだと
しみじみ思った。

それは、午後の苧引き・糸績みの体験でも、ますます強く感じたのだった。



「なかぐー」を剥ぐ様子。
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残った芯は食べることもできるらしい。

好奇心いっぱいの班のメンバーは「食べてみたい!」という。

喜如嘉の方が「渋いからやめておいた方がいい」とおっしゃるのに、
切っていただき私も味わった。

芯を折ると、糸にするには弱い繊維がたくさん出てきて驚いた!
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食べたら確かに、後から渋みというかエグみというかそういう味がした。



私たちが体験した上皮「ぅわーはー」は、束ね方をご指導いただき、
すでに始まっていた「苧炊き」の作業場へと運んだ。

かまどにはすでに大きなまきがくべられ、炎が赤々と燃えたぎっていた。

すでに先に作業が進められているのだろう。



その後は、芭蕉布会館内で
苧引きや織りしている方々を見学したり、
平良敏子氏の苧績みの様子を拝見した。

芭蕉の柄見本帳も置いてくださっていたが、分厚くて・・・。

本当は1ページずつじっくり見てみたかったけれど・・・。

藍甕と思われる甕が並んでいる部屋もあった。

甕をのぞいてみたい衝動に駆られたのはいうまでもない(苦笑)

私が関わっているところの藍は、12月〜3月半ばまで冬眠させるが、
ここ喜如嘉ではどうなんだろう?



あれもこれも見学したくて、
好奇心旺盛な自分にとっては時間が足りなかった。

あっという間に、昼食時間となった。