旅日記2014年冬:喜如嘉の芭蕉布と自然布ツアー 3日目(4)



七滝から戻ると、
すぐさま2班に別れて交代で2つの体験ワークショップ。

私は、苧引きの後で苧績みという、
芭蕉の糸作りのステップとちょうど同じ順番だった。

えんじ色に茹で上がった「わーはー(上皮)」や、
「えーび」という竹でできた苧引き道具、
苧を引いたら出るかすを入れる容器や、
バーキを拭くタオルなどのセットが人数分揃えてある。

床に置かれた座布団の上に座り、解説を受け、
デモをしてくださる方の手元を見様見真似で苧引きに取り組む。
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午前中に苧剥ぎをご指導下さった方が、
「苧引きは手ごわいから頑張って」とおっしゃっていたように、
「わーはー」は皮が厚手な気がした。

腕や身体に余計な力が入ってぎこちない。

昨夏に福島県昭和村で体験したからむしの苧引き(日記)でも、
親苧(おやそ)と呼ばれる畑の外周近くで育ち過ぎて固くなったものを引く時は、
標準的な糸となるかげ苧(かげそ)よりかなり力を必要とした。

からむしも芭蕉も、共通点は、
力をむやみに入れるだけだと、
先の方に行くほど繊維を過剰に削がれすぎたり途中からちぎれたりして、
カスの方に持っていかれてしまう点だと思った。

最後まで
なるべく繊維がバラけたりちぎれたりしない形で引けることに
越したことはないのだろう。

からむしの場合は特に、
なるべく先までテープ状になる仕上がりが理想と聞いた。

刈り取りの際に同じ長さに揃え、苧引きをし、
それを乾燥した状態で小千谷などに出荷するので、
糸の原料としての素材には、
どこを取っても均一の長さが要求されるのかもしれない。



からむしも芭蕉も、私がやると、
先の方が櫛みたいになってしまうのだった・・・。
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カスは畑に戻して芭蕉の生長に役立つとはいえ、
手間隙かけて育てたのに、
糸にならないまま畑に還元される量が多いのはとても申し訳ない。

午前中に言われた「手ごわい」というのは、
こういうことがなかなかうまくできないということも
指していたのかなと思った。



中には、繊維の層が薄く(=繊維が細い)、
「なはうー」レベルのものも混ざっていた。

こちらはそんなに力を入れなくても、スルッと引けたし、
先の方までそこそこ一枚のテープ状にできた。

育ちや皮の状態で力加減も調整しないといけないんだろうな。



様々な仕上がりになってしまった苧。
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「わーはー」は、ばらけた繊維一本一本も太く、
「なはうー」に近いと思われるもの(右から三番目)は、
より柔らかそうな細そうな繊維だった。



「えーび」を皮に当てる角度、掴む場所などにもコツがあるようだ。

隣で指導して下さった若手スタッフさんに、
親指の位置を教えていただいた。

いろいろなコツがあり、それらを身につけたら、
無駄な力を使わずともきれいにできるようになるんだろうな。

聞き間違いでなければ、
スタッフさんたちは、長い時は1日8時間ほどやると聞いたような・・・。

それから績んで、縒りをかけ、かせにして、絣を入れ、
やっと機にかかる・・・。

芭蕉布の染織りは膨大な時間と労力の賜物だ。



(翌日、背中や右腕の筋肉を動かすのが重かった。
やっぱり、力みがあったんだな…)