松居です。
何かを言いたくなるけど
何から言うべきだろうか、
という葛藤の中で書きます。
劇団ゴジゲンは、2008年に目次と半田と旗揚げし、2017年から奥村・東迎・善雄・最強がメンバーとなり、近年は月に一回の生配信、年に一回の本公演をしてきました。
本公演での作品の作り方としては、自分が描きたいテーマを掲げ、一ヶ月の稽古期間の中で、最初の2週間はテーマについて議論やエチュードを重ねて、後半の2週間で台本に基づく立ち稽古を行なっています。
作品作りの中で、停滞することはあります。だけど何より面白いもの(僕の中で演劇として面白いものは、固まったものではなく、お客さんが鑑賞することで完成するものだと思っています)に向かうために、余白を残しながら委ねるように作ってきました。そして見た人の何か明日のきっかけになれば。これまでもそうで、これからもそうしたいです。
個人的に今後は、雲を掴むような創作は減らして、もう少し生産的に、台本を書いていくべきだと思っています。
一昨年、劇団員の奥村が主宰する劇団献身の現場で、ハラスメントにまつわる出来事が起きました。
僕は献身の稽古場を見たことがないので、無責任なことは言えません。が、聞こえてくる状況から、看過できないものだと思います。
把握していることだけ書きますと。
22年5月に劇団献身元劇団員の方から奥村へのハラスメント文が発表され、その後、間に人が入ってやり取りを重ねて、ご本人が目を通し納得された上で、奥村より謝罪文を発表。
7月の劇団献身の本公演は、ハラスメント講習を受けて、実施されました。
その後、9月にその方がご逝去されました。10月に奥村と劇団員の方で関西にあるご実家に伺って、ご家族の方とお話しをしたそうです。
遺書がないため何も判断できませんが、その後もご家族とやりとりを続けているとのことで、年度の区切りとして、先月末に劇団献身から解散の発表がありました。
人を傷つける人間は最低です。奥村は、最低の作り手です。作品を作る上で、人への誠意、を一番大切にすべきだと思っています。誰かが深く傷ついた状態で、興行してはいけない。気づけなかった僕らも、想像力が足りませんでした。
奥村をゴジゲンから脱退させることも考えましたが、それは自分たちが今回の出来事から逃げている気がしました。
僕らができることは、彼が今回の出来事から逃げないように、見つめ続けることです。
今年予定しておりました劇団ゴジゲンの15周年公演は、中止にしました。
楽しみにしていたお客様、申し訳ありません。
スタッフさんや劇場関係者の方々にもご迷惑をおかけして申し訳ないです。
劇団員とも話して、すみませんが、ゴジゲンの劇団活動をしばらく止めます。休止、という言葉とは違うような気がします。
僕は奥村が好きです。奥村の作るものが好きです。だからこそ、彼の創作現場が信じられないしムカつくし、好きとか普段言わないのにこんな文章を書いてる自分が情けないし、無力さを感じます。
奥村はこれから、最低でも一年以上の心理カウンセリングを受けるよう専門家と検討中です。
本来であればこういった内容は本人から伝えるべきなのですが、今もご家族とやりとりを続けているため、彼からの主観的な文章は控えるべきではと思い、このような形になりました。心理カウンセリングなども含めお話できる事になりましたら、奥村のほうからこのブログでコメントを発表致します。
一生を懸けて向き合うものだと思っています。何をもって完治というかは難しいですが、少なくとも再び演劇に関わってもいいという専門家の判断が下るまで、彼の演劇活動は停止させます。そして僕たち劇団員も今度、ハラスメント講習を受けます。
どれぐらい時間がかかるかわかりませんが、
今は、時間をください。
そして、目次、最強、東迎、善雄、は個別に活動します。よかったらお声がけください。いい役者です。
ご心配をおかけしてすみません。
ゴジゲン主宰 松居大悟