映画「この世界の片隅に」を見てきました。

本当に楽しみにしていた公開。原作を読んだ2010年から「いつかアニメ映画になってほしい」とずっと思っていて。
最寄りの映画館に行きました。入りは…ガラガラ。アレッ!!?300人ちょい収容の劇場に20人くらいかなあ。平日の朝イチだったからかなあ。都内は満席の所もあると聞いてたので・・・ここみたいな少し郊外なら落ち着いて見られますよ。
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写真を撮る手が震えるwww
席に座った時点でドキドキが止まらない。ちょっと涙目w

私は広島出身、原作ファン、そして二次元ヲタという自分の属性が複数重なっていて。それはも色んな目線から楽しみにしていたわけです。 期待値もかなり高くして待っていました。

でもね。予告動画を見た時は「あれ・・・微妙・・・」って思ったんです。一番の理由はすずさんの広島弁。
でもねでもね。映画を見ると、それは杞憂だったということがわかりました。すずさんの広島弁、かなり自然です。 これって予告動画の編集が微…ゲフンゲフン

続きにネタバレ香らせてしまうかもしれないので、「何も知りたくないんじゃー!!」って言う人は、続きは開かないでくださいね。
でも、開かなくてもいいからこれだけは言わせて。
本当にいい作品なので絶対見てほしい!!!

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今回、ムビチケ購入したんですけど、パラパラマンガがおまけ。何度もパラパラしてニヤニヤしてますw

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ここから続き部分です。



「この世界の片隅に」公式HPはこちら。
戦時下の広島の女の子が隣の海軍の町呉にお嫁入りする話です。
戦前、戦中の広島の風景、生活を丁寧に描いてあります。戦時中の食事のレシピとか。
mame
戦時中は畑でスイカを育てることを禁じられていたんだってー。

顔も知らない相手に結婚を申し込まれ、知らない町に嫁入りする。
配給の食糧が減ってきて、雑草をおかずに採って食べる。
家族総出で防空壕を掘る。
毎晩毎晩空襲警報が鳴る。
でもそれは不幸なことではなく、それどころか笑いながら過ごす日々として淡々と描いてある。
「嫌だったら断ればいいと言われても、嫌な人かもわからんかったねえ」と嫁入り。
雑草入りのおかずを鼻歌交じりに作る。
防空壕を作った後にキスをする。
「警報もうあきたあ」って言いながら生煮えのご飯を食べる。
「昔は辛いことばかりだった」というイメージを抱きがちだけど、その辛いことも"日常"なんだよね。自分がいかに視野が狭かったのか、思い知らされたり。

だからと言って、単なる楽しいわいわい話ではありません。
だからこそ、戦争の悲しさ、やりきれなさが引き立っている。
後半は、どんどん戦争が生活を脅かしていきます。でもそれに対する感情はほとんど描かれていない。見る側の考え方次第になるんです。なので、見ていると色々なことを考えます。
すずさんは、沢山のものを失ってエンディングを迎えます。だけど最後は希望が見えてきます。

見終わって胸がいっぱい。
面白かった。楽しかった。悲しかった。怖かった。切なかった。萌えた。感動した。
もう色んな感情で苦しい!
そして、「やだ、帰りたくない。もう一回見たい!!」って思いました。映画館で見ると、だいたい「ふー終わったあ」って感じで軽い疲労感を覚えながら家路につくのに。その場でもう一回見たいって思うなんて初めて。

戦争映画、逆に反戦映画?と敬遠している人がいるかもしれません。これはどちらでもない、戦時中の日常や穏やかな愛。そしてそれを脅かしていく非日常を描いた話、だと思います。
主演が声優ではなく女優だから抵抗感があるとか、話題作りと穿った見方をしている人もいるかもしれません。実際、私も初めは「うわあ('ω')」って思ったよ…マスコミはのんさん、のんさん、ばかりで。公式もやたらのんさん、のんさんだし。変な取り上げ方をされている記事をいくつも見て嫌な気分になった。
だけど、それはさて置いておいて、とにかく見てみて!!と言いたい。それ以上に感じ入るものが沢山あると思うので。 

2016-11-17-12-08-31

*広島出身から見た「この世界の片隅に」

・広島が描かれている
広島市内は原爆で町ごと消えてしまったところもあります。そこも細かに検証を重ねて再現してあり、数少ない町の生き残りの人をその場面に描いてあったり。あとはね、山。お嫁に行く呉の北條家は山のふもとにあるんだけど、その山が・・・完璧に"広島の山"で感動しました。私、広島の山寄りの町育ちなので、原風景が"山"なんだよね。東日本の山とは違う、西日本の山なの。上手く伝えられない。。
・広島弁が自然
地方が舞台の作品を見て、そこの出身者が気にするのが方言の自然さです。他の地域の人から見れば違和感なくても、地元に人にはあるんだよ!!特に広島はよく舞台になるから広島弁が出るんだけど、まあおかしいこと多いww昔広島原爆を描いたドラマを見ていたら女優さんが「死んじゃらいけん!!!」って泣きながら言っててずっこけたのは今も忘れられない。"じゃら"って何だよ!(「死んじゃあいけん」です)
で、前述した予告動画を見た時・・・「うわあ・・・」って思いました。「死んじゃら」並に萎えた。すずさん・・・片言やないか・・・って。でもこれが全体だと普通なの。時折あれっ、ってなるところはあったけど・・・その「あれっ」ってなったところが予告動画に集約されていたっぽいwww
他の人も広島弁がとても自然です。名前の呼び方のイントネーションが標準語にしてあるなあとは思ったんだけど・・・周作さん役のほそやん細谷佳正さんは広島尾道出身、呉と同じく海寄りの町出身だから、問題ないだろうと思っていたけど。そしたら、同じく広島出身で周作さん母、サン役の新谷真弓さんが全ての台詞のイントネーションを吹き込んだ音源を作成してあったそうで。声のプロかつ広島出身者の方が関わったからこそのクオリティの高さだったのだと思います。


*原作ファンから見た「この世界の片隅に」
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いくつかカットされていて「あ――見たかったなあ」と思ったのは
・尋常小学校で哲とすずのやり取り
ちびた鉛筆を教室の床穴に落としてしまうエピソード。哲は小さい頃はガキ大将だったという点が薄れてしまって、すずがちびた鉛筆を使っていることを気遣う優しい子、みたくなっていて・・・ガキ大将が軍艦乗りをになって経験を経て、穏やかな雰囲気の男としてすずのもとにやって来る、というのがよかったのに。
・鬼いちゃんの遺骨のやり取り
骨壺の入った箱を持ってドタバタするの、見たかったな・・・不謹慎と思われちゃうかもだからかなあ。。。
・リンさんのエピソードがばっさりカット
子どもも見られるよう、三角関係だったり、遊郭の話はカットだったのかなあと想像したけど。エンドロールで補完してあるけどね・・・リンさんの声、すごくキレイでもっと聞きたかった。かと言って例えば変な改変されて(職業を変えるとか?)原作ファンに批判されるよりいっそなしにしたのは英断だったのかもしれない。


*ヲタマから見た「この世界の片隅に」
・周作さんがいい夫すぎた・・・
夫の周作さん役のほそやん細谷さんは爽やか、明るい声で。広島弁は言うまでもなく完璧。個人的には「お帰り(い)言うったてくれ(え)」がツボ。周作さんは、すずさん大好きオーラが出すぎていてもう最高でした。呉駅での夫婦喧嘩がかわいい。運動音痴なところもかわいい。空襲の中すずに問い詰めるシーンも好きです。

・変わっていく哲
すずの初恋の人、哲は小野大輔さん。年齢を重ねていくにつれ変わっていく哲を見事に表現されてました。
小学生の時はガキ大将らしく意地悪そう、強そうに。すずの結婚を知るときはぶっきらぼうに。そして軍艦乗りとして死地をくぐり抜けた末に、最期の別れにすずに会いに来た時は、大らかに。「すずは普通じゃ」と言ってひたすら笑ってる。この大らかさが悲しくなるんだよね。死にゆく覚悟をし、悟りを開いたかのような雰囲気。戦場でどんな思いをして来たんだろう。思いを馳せずにはいられない。

・すずさんはやっぱりかわいい

ぼんやり天然なすずさんをのんさんが自然に演じていました。twitter界隈は"絶賛"の域に入っているので正直少し怖い・・・ww「思ったより自然だった」というのが私の感想です。 


2016-11-17-09-37-25
ムビチケを初めて購入して行きました。でもムビチケで予約したらキャンセル、変更できないんだってさ・・・子どもも病気しやすい季節、さあ見に行こう、え、娘さん熱!?なんてなったらシャレにならん・・・と当日朝まで予約は諦めました。



他に思い付いたらまた追記するかも。
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