2007年02月22日

日銀が0.5%に利上げ。日本の超低金利政策はいつまで続くか?米国の対日金融統制を脱して、自立的な金融政策を構築せよ。

日銀は、21日の金融政策会合で、無担保コール翌日物金利を0.25%引き上げ、0.5%にする決定を行なった。これに伴い、三大都市銀行は、26日から、普通預金金利を0.1%から0.2%に引き上げる旨決定したという。


「失われた10年といわれる1990年代の日本経済が低迷する中、経済の活性化を図るという名目で、公定歩合金利がゼロという未曾有の「低金利政策」が強行されてきた。福井日銀総裁が金利政策を転換させ、金利を徐々に上昇させる政策を採用したことは当然である。ゼロ金利政策は、預金者が受け取るべき利子を、国家や銀行等の債務者が、合法的に横領する政策であり、天下の悪法といってよい。


2月22日付けウエブサイト「ケンミレ株式情報」によると、日本の公定歩合が0.75%、アメリカが6.25%、ユーロが2.5%という。さらに、長期国債金利は日本が1.69%、アメリカが4.694%、ユーロ市場介入金利が3.5%とのことである。日本の金利が、国際的に見ても、如何に低く抑えつけられた異常なものであるかが分かる。すなわち、日本の預金者は、不当に収奪されているのだ。

今回の日銀の利上げに反対したのは、元内閣府幹部岩田一政だけだったといわれるが、岩田一政が金利引き上げに反対した理由は「景気の腰を折る懸念がある」とされている。実際は「低金利政策を維持することで、国家財政の破綻を先延ばしする」ことを企図したものだろう。

ブログ「リアルタイム財政赤字カウンター」によれば、2007年2月22日現在の国債、地方債等の債務残高は以下のとおりである。

1.普通国債残高・・・541兆円余(国民一人当たり423万円)
2.国及び地方自治体の長期債務残高・・・774兆円(国民一人当り606万円)
3.借入金、政府短期証券+2の合計・・・1063兆円(国民一人当り832万円)

すなわち、金利が1%上昇すれば、国家及び地方の負担は、約10兆円増えるのであるから、政府が「何よりも、金利上昇を恐れる」という構造になっているのだ。

2007年度の国債発行額は143兆8380億円(前年比−13.1%)である。内訳は、新規国債が25兆4320億円、財政投融資債が18兆6000億円、借換え債が99兆8060億円である。
なお、国債は、民間金融機関が118兆円(前年比−6.1%$)、日銀と郵貯が17兆2560億円、(前年比−45.7%)、個人が8兆1500億円相当を購入することになっている。

安倍首相は、国債発行額を30兆円以内に抑えることができたと宣言した。しかし、過去の累積した国債の利払いや10年満期を迎えた国債の返済等に充当するため、年間100兆円の借り換え国債を発行しているのだ。すなわち、借金をして借金を返還するという悪循環に陥っているのだ。

日本の公的部門の借金総額は、年間税収入の約20倍、換言すれば年収1000万円のサラリーマンが2億円の借金を抱え、利払いに追われ、借金残高が急増しつつあるという非常事態なのだ。一般人であれば、夜逃げか、一家心中か、破産宣告しか道はない。しかるに、政府は「実質ゼロ金利を続ける」ことで、利払いを抑え、自転車操業を続けている訳である。

公定歩合と国債金利の各国の状況を見ると以下のとおりである。(統計は、2月22日付け「ケンミレ株式情報」ウエブサイトによる)

日本は、公定歩合が0.75%・・・・長期国債金利が1.69%
米国は、公定歩合が6.25%・・・・長期国債金利が、10年物で4.694%、30年物で4.792%
ユーロは、公定歩合が、2.5%・・・市場介入金利が、3.5%である。

以上、日本とユーロでは、公定歩合に約1%をプラスした金利が長期国債の金利であるのに対し、米国だけが、なぜか、公定歩合より国債金利が約1.5%低い。つまり、米国は、国債金利を低く抑えて発行し、売りさばいているということだ。なぜ、このようなマジックが可能なのか。

日本と米国の国債金利を比較すると、日本国債の金利は、米国債の金利より約3%低い水準に固定されてきたといわれる。つまり、日本の金融資産を米国債に振り向ける密約ができているのではないかとの疑念がわく。つまり、米国債を日本や中国に購入させるシステムをつくることで、アメリカは比較的低金利で国債を発行できているのではないか。米国債を購入する日本と中国は、結果として対米貿易黒字を清算させられているのではないかとの疑念がわく。

金融帝国アメリカは、属国である日本や中国から商品を購入してドルを支払うが、その代わり、日本や中国に米国債を売りつけるという「金融循環収奪システム」を構築しているのではないか。日本と中国が、アメリカとの貿易で稼いだドルを、例えば、貴金属や資源並びにユーロ等の購入に振り向け、米国債購入を中止したらどうなるか?
その場合、米国債の利率は、公定歩合プラス1%の7.25%程度の利息をつけなければ市場で売却することができなくなるとはいえないか。


いずれにせよ、日本は膨大な累積債務を抱え、利払いにも困る状況にあるから、政府は、今後とも、総力を上げて「金利抑制政策」を続ける可能性が高い。しかるに、個人は、自らの才覚で金融資産を守るほか、老後の不安を解消することはできない。

団塊の世代が大量退職する時代に突入した。彼らは、虎の子の退職金を目減りさせないため、株、外貨、外国債券、貴金属の購入等で自己資金を運用することになる。銀行・郵便局に資金を滞留させ、スズメの涙にもならない利子を期待することはあるまい。

さらに、豊かな金融資産を持っている個人は、すでに外国の物件購入に動いているのではないか。日本国家財政の危機的状況を考えると、「インフレターゲット」によるなだらかなインフレ政策を採用しても、遠からず、ハイパーインフレが日本を襲うと想定するのが自然であろう。だから、日本の個人は、財産三分法と称して、円を貴金属や都心のマンション並びに外貨・外国債券等に切り替えつつある。だから、日本経済の好調さや、外国人の大規模な日本株購入にもかかわらず、円高とはならない。現状は、日本の金融資産が、徐々にキャピタルフライトを起し始めたといえるのではないか。

日本の将来を考えた時、個人の動きは賢明な選択というべきだ。日本国家の財政が破綻し、ハイパーインフレで、国家経済が崩壊することがあっても、ロシアが再建されつつある如く、民族や国家が消滅することはない。日本が、経済破綻し再建すべき時代が再び訪れた時、現在、貴金属や外国に逃避しつつある金融資産を日本に回帰させればよいのだ。

アメリカ国債を大量に抱えながら売却も出来ない日本政府、なぜか分からないが、日銀保有の金は700トンに限定され(アメリカの圧力?)、あり余る外貨を有効活用できない日本政府。自立的判断と行動ができない日銀・政府に代わって、個人が金を購入して蓄え、非常時対応の措置をとっておくべきだろう。

願わくば、日本政府がアメリカによる金融統制を離脱して自立的な金利調整を行い、日銀の金保有を1万トン以上に高め、アメリカ国債を徐々に売却して資源確保に努めるなど、日本の国益を第1とした政策を構築してもらいたいものだ。日本政府は、もちろん、ハイパーインフレを起さない努力をしてもらいたいが、同時に、ハイパーインフレが想定の範囲内となっている現在、密かに、ハイパーインフレの襲来を前提とする戦略的国家経済防衛策を練り上げ、実行に移してもらいたいものだ。











白髪爺 at 20:46│Comments(0)TrackBack(0)clip!日本の経済 

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