2010年03月17日

病識のない反米政権「小沢・鳩山民主党」がもたらす災厄。孤立する外交、破綻する経済そして国家依存症患者の激増。 その2

第5:米海兵隊普天間基地移転を巡る「日米合意」は元の木阿弥となったのか?

1.米国の基本姿勢

前政権同士が策定した「日米合意」に基づき、海兵隊員8000人と軍属をグアムに移転することと、残りの海兵隊と軍属を沖縄に残すことである。ブッシュ政権が行ってきた軍の機動的かつ柔軟な運用を行うトランスフォーメンション戦略に基づく。沖縄県に海兵隊の一部と同航空隊を残留させる意図は、我が国の安全保障だけでなく、台湾海峡および朝鮮半島有事を想定した世界戦略の一環である。米国の方針が我が国の政権交代で変わることはない。

嘉手納・普天間を初めとする沖縄米軍基地は、我が国が戦争に負け、米国に接収され割譲された土地である。事実上「日本の中の米国の領土」である。だから、米国は「対価なしには返還しない」という大原則を貫く。古来、戦争で奪われた領土を対価なしで返還してもらった話はない。「核密約があったか否か、無利子の預金を米国に提供したか否か」は大した問題ではない。当時の日米関係において、戦争で敗北し、米国に割譲され27年間米軍の統治下にあった沖縄諸島を返還してもらうためには、米国側の要求を飲まざるを得なかったということなのだ。それ以外に沖縄が日本に返還されることはありえなかった。当時、我が国が反米主義の小沢・鳩山政権と同様な社会主義政権であったならば、沖縄が我が国に返還される可能性はゼロであった。戦後65年間の今日に至るまで「米国の選挙権が与えられない直轄領」として存続していた。

米国が租借地である「普天間基地を無条件で返還する」と期待すべきではない。自民党親米政権が、さまざまな妥協案を提示して13年間かけてたどり着いたのが「日米合意」である。米国には「普天間基地」を初めとする在日米軍基地(租借地)を返還する義務もなく、意思も持っていないと考えておくべきだろう。何十万人の米国の青年の血を流して割譲した領土を簡単に返還すると期待すべきではない。戦争前、我が国は「日露戦争以後に我が国領土に併合した朝鮮半島や満州の権益返還等(ハル・ノート)」を米国に求められて反発し太平洋戦争に追い込まれた。戦争以外の手段で割譲された領土や租借地を取り戻すのは容易ではない。

だからオバマ政権にとっては、小沢・鳩山政権が「普天間基地返還の日米合意を破棄」しても痛くもかゆくもない。むしろ「好都合」と考えるのではないか。海兵隊8000人を受け入れるグアム基地の整備は計画通り進行中だ。オバマ政権は、グアム基地建設費用を日本国政府に分担させ、さらに海兵隊普天間基地を存続することができればベストシナリオと考えているのではないか。

(以下は、ヨミウリオンラインからの抜粋)
駐日米クルーズ大使・・・3月10日、平野官房長官および北沢防衛相と面談し「(日本政府が)新たに移設先を提案するなら、地元の理解を取り付けるのが先決」と語った。

駐日米ルース公使・・・3月10日、軍事的に合理的な移転案でなければ、米国は受け入れないだろう。(米国の東アジア戦略の継続性に適合する範囲内でなければ米国は受け入れないと示唆している・筆者)

2.沖縄県並びに名護市の姿勢

沖縄県議団・・・3月11日、「県外・国外移転」を求める決議を全会一致で可決。意見書を平野官房長官、北沢防衛相、前原沖縄担当相、武政外務副大臣に手渡した。議員団長の新里氏らは官房長官に「県内移設では県民が納得しない。日米安保に穴があきますよ」と警告した。なお、4月中旬に、「県外・国外移設を求める超党派の県民大会」を開く動きも出ている。

3.稲嶺名護市長・・・3月8日の市議会で「辺野古沖はもとより、キャンプシュワブの米軍基地の陸上案にも反対する考えを示した。

4.照屋寛徳衆院議員(社民党)・・・3月11日の衆院安保委員会において、米軍基地ホワイトビーチ沖合を埋め立て移転する案に反対を表明。

5.古川・佐賀県知事・・・3月10日、社民党が提案した佐賀県への移転に反対する旨の意見を表明。

6.自民党谷垣総裁・・・「普天間基地移転問題が解決しなければ、鳩山首相は辞任すべき。

7.岡田外相・・・100点満点はありえない。合格点すれすれでもよいから普天間基地からの移転を考えなければならない。

8.平野官房長官・・・10日、民主党沖縄県連代表と会談した際「沖縄中部の米軍ホワイトビーチ基地沖合を埋め立て、海兵隊と航空自衛隊十八基地を移す構想」を示した。後刻、平野官房長官は「雑談の中で出した話題」と語った。

(関係者の意向を整理すると、おおむね以下のとおり)

米国政府・・・米国の東アジア戦略の必要性に鑑み、海兵隊の一部約8000人と軍属はグアムに移転するが、残り約5000人の海兵隊員と軍属は沖縄に残留させる。普天間基地の代替飛行場は大型輸送機の離陸・発着が可能な約1500メートル以上の滑走路が確保されなければならない。なお、日本政府が「辺野古沖合以外の移設先を選定する」に当たっては、まず住民の理解を得ることが先決で、住民の理解が得られない移設案は検討対象外である。

沖縄県議会ほか・・・自民・民主・公明・共産・社民・沖縄大衆を含む全政党が「県外又は国外への移設」で一致している。「日米合意案」である辺野古沖合への移設は、名護市長が頑強に抵抗し反対運動を展開すると想定されるから、米国の意向を踏まえたとしても事実上「白紙化」した。国民新党が提案した辺野古陸上部への基地建設は名護市長が反対しているほか、約500メートルの滑走路しか確保できないから米国の戦略に障害が出る。現地も米国も同意する案ではない。

県外移設については、目下、鹿児島県徳之島や佐賀空港、長崎県の航空自衛隊大村空港等が候補に挙がっているが、当然ながら県外移設を受け入れる自治体が現れる可能性はゼロであろう。米国の戦略にも合致しない。社民党や共産党が唱える「グアムへの全面移転」は、在日米軍を日本列島から追い出す戦術の一環であるが、台湾海峡や朝鮮半島有事への配慮を欠いている。米国が同意するものではない。

平野官房長官、岡田外務相および北沢防衛相は「普天間基地を返還する」という日米合意を破談させないよう必死の形相で取り組んでいる。岡田外相は14日「100点満点はありえない。合格点すれすれでもよいから(普天間基地の)移転先を考えなければならない。」と語った。極楽とんぼの鳩山首相だけが悲壮感がない。相変わらず「沖縄県民の皆様の御意向に沿う解決を実現したい。5月末までに結論を出す」と語っている。

(米国政府が「住民の理解を得ることが先決」と主張しだした背景)

鳩山内閣はいろいろな移設案を米国に提案しながら、米国の反応を見て「落とし所を決める」算段であったと推察されるが、米国はこれを拒否した。沖縄県の住民の理解が得られないことを知りつつ、あえて「住民の理解を得るのが先決」と鳩山内閣にボールを投げ返した。米国が普天間基地返還→辺野古沖又はその他への移転に意欲を失ったと考えることができる。「鳩山内閣が住民の理解を得られ、かつ米国の東アジア戦略に適合する案をもってくれば話し合いに応じてもよい」という感じなのだ。米国政府は鳩山内閣に協力するつもりはなく、さらに解決に向けて積極的に動くつもりはないと表明した訳だ。後は、鳩山内閣に結果責任を背負ってもらうとハラであろう。

「現地住民の理解を得られる可能性はゼロ」と見るべきであるから、米国の提案は最後通牒に等しい。つまり、「どうせ、鳩山内閣は結論を出せないであろうから、普天間基地の日米合意は自ずから消滅する。結果、米海兵隊普天間基地は継続して米海兵隊の管理下におくことになる。だから米国は余裕綽々なのだ。その気配を感じ取った岡田外務、北沢防衛、平野官房長官だけが右往左往して騒いでいるという風景なのだ。

(米国政府は「民主党小沢・鳩山社会主義政権とは取引しない」と決めたのか?)

言葉では「トラスト・ミー」と出まかせ発言を繰り出しながら、行動では「日米同盟弱体化と反米主義・親中国主義を貫いている」小沢・鳩山政権に対し、米国政府が「同盟国のやり方ではない。イランやベネズエラと同じだ。」と激怒しているとしても不思議ではない。その上、鳩山首相は「発言が毎日変わる」から、米国政府が「奴は信用できない男」とみなしても当然だろう。「奴は取引できる相手ではない」と敵視したとしても責めることはできない。我々日本人であっても「鳩山首相の日替わり発言」に翻弄されているし、国民の大多数が鳩山首相が何を語っても信用しない状態であるから、外国政府に「信用してくれ」というのも困難だろう。

米国政府が小沢・鳩山政権を相手にしないと決めたとすれば、その理由は「反米主義的政治姿勢」と「言葉に責任を持たない鳩山由紀夫に対する不信感」の二つが根拠になっているはずだ。米国政府にとっては「鳩山由紀夫のような信頼できない男」が日本国首相になったこと自体が禍いの種なのだ。悪性腫瘍は摘出する以外にない。さもないと全身に転移して命取りになる。

まとめ

小沢・鳩山政権は「米国の東アジア戦略構想」と「現地沖縄住民の米軍基地撤去運動」の板挟みに遭遇し難破寸前である。自民党谷垣禎一総裁は先般の国会審議で「5月末までに普天間基地移転問題に結論が出せない場合は辞任すべきだ」と鳩山首相を追及した。これに対し鳩山首相は「そのような事態にならないよう全力を上げて取り組んでいる。結論が出せないとは考えていない」と苦しい弁解を行った。内閣が最終判断すべき3月下旬まで時間がない。鳩山由紀夫は「5月末までに結論を出すつもりで頑張る」とトーンを下げた。「結論を出す」と繰り返してきたのに、「結論を出すつもりで」に変えた。5月末までに結論を出せなかった場合の予防線を張った。約束したことが履行できない場合は「男らしく責任をとる」のではなく、相変らす「言葉で誤魔化す」手法である。国民の不信感はつのるばかりだ。為政者が国民だけでなく、国際社会(同盟国)との公約を破ったならば、鳩山個人の問題に止まらない。我が国全体が「信頼を失う」ことになる。

仮に、民主党小沢・鳩山社会主義政権が4年間続いたならば、我が国は奈落の底に堕ちる。2流国どころか3流国間違いなし路線だ。外交もダメ、内政もダメ、英明な官僚のやる気を失わせ、行政に素人の政務三役が権力を濫用して威張り散らす。結果、我が国は40・50年前の経済発展途上国に回帰する。

民主主義という名の衆愚政治は、大英帝国を3流国家に没落させたばかりではない。英国首相チャーチルが語った「民主主義は最悪の政治制度である」という箴言が胸に響く。我が国も、メデイアを総動員した扇動によって「政権交代」が実現した。今後、国民は高い代償を払うことになる。

国民大衆も馬鹿ではない。徐々に民主党小沢・鳩山社会主義政権の亡国政治の実態を理解するようになった。内閣支持率は6か月前の70%超から30%台前半となった。「5月末までに普天間基地問題に結論を出せず、かつ米海兵隊が普天間基地存続を決定した」場合は、鳩山内閣の支持率は20%を大きく割り込み、民主党支持率も10%前後まで暴落すると推定できる。

内閣支持率と民主党の支持率がいくら暴落しても、さらに「5月末までに普天間基地の代替基地を決める」という国際公約を果たせなかったとしても、鳩山由紀夫には首相を辞任できない理由がある。辞任すれば、所得の不申告又は生前贈与による脱税容疑で逮捕・起訴される可能性が高いからだ。

小沢一郎も幹事長を辞任することはできない理由がある。辞任すれば、あっせん収賄又は所得税法違反(脱税)で逮捕・起訴される可能性が高いからだ。しかるに民主党には鳩山首相と小沢幹事長を辞任させる動きは生まれない。民主党は国民の意向に反して、御両人をかばい続ける。

自浄能力を失った民主党に代わって国民が厳粛な審判を下し「強制執行」を行うほかはない。脱税王の鳩山由紀夫と金権腐敗と外患誘致の小沢一郎を政界から追放するのが国民の役目になった。彼らに4年間も権力を付与したならば、我が国は3流国の仲間入りだ。発展途上国に舞い戻る。3流国に回帰すれば、福祉切り捨て、道路や公共財の補修・管理もできない。外貨準備高は数年で食いつぶす。

以上、最悪の事態を想定してみたが国民は馬鹿ではない。日本国民もそして企業もそれほど愚かではない。最悪の事態が発生する前に行動を起こす。

民主党小沢・鳩山亡国政権に対する国民の怒りは次第に蓄積され巨大なマグマを形成しつつある。在特会をはじめ「草の根保守」が年間2倍の勢いで増えているらしいが、これも我が国の地殻変動の一つであろう。時代は着実に動いている。

その1に戻る

白髪爺 at 23:10│Comments(5)clip!

この記事へのコメント

1. Posted by 世界   2010年03月18日 11:13
こんにちは!小沢は辞任無いとおっしゃいますが参院選直前の辞任はあるのでしょうか?
選挙直前ではどうでしょうか。
検察は選挙直前は動かないのでまた選挙後に役職に戻るという・・・
2. Posted by 白髪爺   2010年03月18日 13:03
民主党並びに鳩山内閣支持率はさらに右肩下がりになりますから、興石東ら民主党参院議員(改選組)や候補者から、「とりあえず内閣改造や小沢幹事長辞任」でお化粧直しをして態勢を立て直すべきとの意見が高まるのではないでしょうか。
御指摘の如く、参院選1か月前に「顔ぶれを変えて選挙に臨み、参院選終了後、再び、小沢幹事長が復活する」というシナリオはあり得ると思います。いわゆる「柳の下のドジョウ」という奴です。
結果、若干、大勢を立て直すことができるでしょうが、暴落した相場がV字型回復すると期待するのも甘すぎるのではないでしょうか。大底をめざして堕ち込んだ株価は通常、底値をはうとしたものです。18日付け報道によると、鳩山内閣は「沖縄県内への移設」で押し切るハラのようですが、沖縄県民の反対運動が激化し、社民党分裂も想定できますね。これからが政界流動化の本番となると期待できます。
自民党だけが内紛を起こし、民主党が「高みの見物」というのも好ましい状態とはいえません。
3. Posted by 世界   2010年03月19日 19:35
お返事ありがとうございます!
確かにそうなのですが昨年の小沢辞任で支持率がV字回復したのを見るとどうもこの国の国民は簡単に騙される様な気がするのです。
鳩辞任はやる様な気がしますがね。

ともかく予算確定後に新党やら地検が動いたりするでしょうから目が離せませんね。
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5. Posted by 白髪爺   2010年03月19日 22:40
小沢は鳩山首相を切りたいと思っているでしょうし、鳩山は「小沢幹事長が自らの意思で辞任してくれないかなあ」と期待していると思いますが、いずれも粘るでしょうから「日没引き分け」となる可能性が高いですね。「降りた方が負け」ですから、どちらも「トカゲの尻尾」にはなりたくないはずで、「冴えない展開」が今後とも続くのではないでしょうか。
当面、トロッキストの生方は頑張るでしょうが、何しろ「反小沢の面々」が、大臣等で優遇されていますから、焚きつけるだけで自分の手は汚さないのではないでしょうか。彼らが決起するには、さらに内閣支持率と民主党支持率が半減する環境の悪化(民主党にとって)が必要で、その場合は参議院民主党から火の手が上がるかもしれません。誰でも、主義・主張を超えて生き残りたいと欲するものですから・・。それに若干の期待をしています。

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