2011年10月11日
野田総理が注力する環太平洋経済連携協定(TPP)は大恐慌の襲来を想定したブロック経済の構築を狙っているのか?それとも安全保障を含む環太平洋国家連合を目指しているのか?
はじめに
内閣の命運は「発足から100日間で決まる」という。初動捜査と同じく、内閣も「如何に動き出すか?」が重要というのである。初動捜査を誤ると犯人を取り逃がすか、誤認逮捕に至る。反省しても後の祭りだ。
そこで、第95代内閣総理大臣野田佳彦の総理就任後40日間を総括し、野田内閣が何を志向しているのか?を検討してみたい。目下、保守色を薄め、大震災復興・原発事故対策に専念している。周知の通り、野田内閣は人格障害支離滅裂の鳩山内閣、口先だけで実践が伴わないアナーキスト菅内閣の失政により、民主党と内閣が国民から非難され、信用を失墜した後で登板した。名誉挽回、失地回復を賭けた民主党最期の内閣である。
民主党は自民党より右の右翼から、共産党より左の極左までの諸党派が「政権奪取」という一点で合意した(左翼用語でいうところの)「統一戦線組織」である。当然ながら、党の戦略と活動の指針となる党綱領は存在しないし、策定することができない。という訳で、鳩山→菅→野田と主義も信条も全く異なる人物が代表・総理が選任されたから、あたかも社民党政権が自民党政権に交代したのと同様、政権の連続性は期待できないのである。
「国境なき友愛主義の鳩山由紀夫」から「国家意識なき、でまかせ発言濫発の菅直人」へ。そして自民党顔負けの親米保守野田佳彦へと政権交代が行われた。社会主義者福島みずほに恋慕された菅直人から、自民党もびっくりの保守政治家野田佳彦に総理が交代しても誰も驚かない。民主党御用達のマス・メディアは知らないふりをして問題点を指摘しない。「民主党政権が存続できて良かったわ」と誤魔化し自らを慰めている。
第1:野田内閣の外交政策の特徴
1.東アジア共同体構想の棚上げ
ASEAN+日・中・韓の13か国による東アジア共同体構想を推進したのは、自民党でいえば、親中派の福田康夫(清和会)、外務省中国派(チャイナスクール)筆頭の加藤紘一(元宏池会)、曾慶紅前国家副主席の子分野中広務・二階俊博(旧田中派)・古賀誠(宏池会)らである。民主党でいえば、胡錦濤の子分小沢一郎(旧田中派)や輿石東(旧日本社会党)らである。この連中の狙いは、日本並びに東アジアにおける米国の影響力を縮小又は排除して、中国共産党北京政府を頭とする階層型国家連合体(東アジア共同体)を構築せんとするもので、北京政府の世界戦略に合致している。鳩山と小沢が唱えた「日・米・中等距離外交」は反米・親中主義者で鳩山内閣のブレーン寺島実郎が教授した。
米国が「米国外しの東アジア共同体構想」に危機感を抱いたことはいうまでもない。風見鶏の日和見主義者中曽根康弘は「東アジア共同体構想」に賛意を表しつつ「米国も加えるべき」と折衷案を唱えた。北京政府が唱えだしたASEAN+日・中・韓の陰謀に危機感を抱いた安倍・麻生内閣は「北京主導の東アジア共同体は認められない」として、ASEAN+6か国(日・中・韓・印・豪・ニュージランド)を提起して牽制した。日米同盟を基軸としつつ、自由と民主主義の価値観を共有する多角的外交を展開した。
野田総理は先般「東アジア共同体構想は棚上げ」と表明した。東アジア共同体構想は、中国の民主化が実現した後の課題とした。日米同盟を基軸とし、自由と民主主義の価値観を共有する国家との連携を重視した安倍・麻生内閣の外交路線に回帰した。
2.南シナ海海洋安全保障態勢の構築
(以下は、10月10日付け日本経済新聞より抜粋)
「政府はASEAN各国と米国、インド、オーストラリアと連携して南シナ海の海洋安全保障体制の構築を目指す方針を固めた。南シナ海では中国と周辺国の紛争が多発しており、関係国で海上交通の安全や国際法の順守を求める。11月にインドネシアで開く東アジア首脳会議(サミット)で、野田佳彦首相が海洋安保の必要性を提起する方針だ。」
「南シナ海では海洋進出を強める中国が近年、ベトナムやフィリピンなどと領有権を巡って衝突するなど、海洋安全に懸念が広がっている。日本にとっても南シナ海は、中東から石油資源を輸入する重要な海上交通路(シーレーン)になる。」
「日・米・印・豪各国は南シナ海での中国の活動を牽制する必要があるとの認識で一致しており、ASEAN各国とともに海洋安保構築に動くことで一致した。具体的には11月の東アジア首脳会議で、日・米・印・豪やフィリピン、ベトナムを中心に、南シナ海での航行の自由と、国際法順守を提起する。中国を含めた各国の同意が得られれば共同声明などにとりまとめる。」
「政府は事前の折衝を本格化している。玄葉光一郎外相は11−15日の日程でインドネシア、マレーシア、シンガポールを訪問。今月下旬にはベトナムのタイン国防相が来日する。インドネシアとは近く外務・防衛当局間協議を発足させ、インドとは今月下旬に日米との3か国で初の高級官協議を都内で開く」
「東アジア首脳会議には今回、初めて米国とロシアが参加する。外務省幹部は<米国が参加して東アジアの安保を固める重要な会議にしたい>と強調する。首脳会議での海洋安保の問題提起に関係各国は前向きだが、中国の強い反対が予想され、議論は難航する可能性がある。」
以上、南シナ海の航行の自由と安全確保に向けた我が国の取組みについて中国共産党機関紙人民日報「人民網・日本語版」は素早く反応している。曰く「尖閣諸島(東シナ海)の領有問題で中国を牽制する手段としている」とか、「東アジアへの影響力を強めたいと欲する米国が後方支援している」等と批判している。
南シナ海の領有権問題を巡る紛争を解決するための方法について、北京政府は従来から「中国と関係国の二国間で交渉」を原則とすると主張。東アジア首脳会議という多国間での協議は、北京政府の従来の主張と対立するから、北京政府が日本の提案を拒否することは自然であるし、我が国を初め、米・印・豪や関係各国もこの事態を想定している。我が政府も北京政府が反対するのを織り込んで事を進めているし、場合により「全面対決もやむを得ない」と覚悟しているのだろう。
自民党歴代政権は内部に「親中派」を大勢抱えていたこともあって、北京政府が嫌がる事を避ける傾向があった。対韓政策についても右に同じ。ASEAN各国が我が国の外交を弱腰と批判してきた所以である。それが、突然「北京が嫌がることを承知の上で、あえて南シナ海の紛争に関与する」というのであるから、北京もさぞびっくりしていることであろう。日本政府は気が狂ったのではないか?と疑心暗鬼に陥っているはずだ。「想定の範囲を超える緊急事態が発生した」と考えているはずだ。「あの臆病で意気地なしの日本政府が喧嘩を売るような事をするなんて信じられないわ」と考えているに違いない。
3.クリントン米国務長官が玄葉光一郎外相を招待した背景
玄葉外相が20年ほど前の松下政経塾の塾生であった時、クリントン元大統領(州知事時代の)を訪問し州知事公邸で一緒に写真撮影したことがあった。玄葉外相は、クリントン国務長官との初めての会談の席上、この写真を持参して「誰だか分かりますか?」と問うた。クリントン国務長官は「このストーブには見覚えがあるわ」と反応。短い外相会談ではあったが、クリントン国務長官は「この男は信用できる」と感じたのであろう。米国の国務長官が「外国の外相を招待する」という異常事態が発生。日米外相会談を開催すれば済むのに、あえて玄葉外相に招待状を送付した点に、クリントン国務長官のメッセージが込められている。
菅内閣の対米関係は表面的には「無原則的対米従属路線」であったが、口約束だけで実行が伴わなかったために不信感を抱かれた。女は「約束時間を守らない男が嫌い」である。約束を守る信頼できる男が現れるのを待っている。そこへ、奥目で見栄えはさっぱりだが若干のユーモアがあって、安請け合いをしない玄葉光一郎が登場した。従前の日本国外相に比べ「男らしい雰囲気」が感じられた。先代までの日本国外相が見るに耐えないほどの問題児であったから、相対的に玄葉光一郎の株が上がった。クリントン長官の「お気に入り」に追加された。何らかの魂胆がなかったとはいえないが、これが「特別招待状送付」の主要な背景である。人間は常に権謀術数で動くものではない。時々は心の安らぎがないと精神状態がおかしくなる。
我が外務省は主流派が「親米派」、反主流派が「親中派」と言われてきた。親中政権(福田・鳩山)が誕生するたびに、親中派外務官僚が威張りだす。菅内閣以降、親米派外務官僚が主導権を奪い返した。親米保守の野田政権が誕生した後、親米派外務官僚は全権を掌握した。安倍・麻生内閣以来、久しぶりに親米保守の外務官僚は肩で風を切って歩くようになった。
「南シナ海の海洋安全保障体制の構築」は北京政府が推察しているように、我が国の単独犯行とみなすことはできない。戦後、我が国は米進駐軍によって換骨奪胎され、民主教育で洗脳され国家としての矜持を失った。虎(米国)の威をかる狐になった。という訳で、(北京政府から見て)今回の日本政府の出すぎた行為は「日米合作」とみるのが相当である。インドネシア・ベトナム・インド等と関係が良好な我が国が前面に立ち、米国が裏方に回る役割分担である。
米国は東南アジア各国やインドから信用されていないから裏方に回った方がベターということだろう。日米の役割分担は今後、イラン、ミャンマー、ロシアとの関係修復においても発揮される。米国は戦後、闇雲に戦争を仕掛け、経済制裁を濫発し敵をつくり過ぎた。米国が前面に出ると「まとまる話もまとまらない」というのが世界の常識である。
米国は世界中から警戒され嫌われているから多国間外交の前面に立つことは賢明な策とはいえない。我が国は北京、平壌、ソウルを除いて、世界中の国と良好な関係を保持している。他国にとって脅威ではない我が国が水先案内人になって調整すれば話が円滑に進む。クリントン国務長官も米国が置かれた厳しい現実を理解しているから、外交の配偶者とすべく玄葉外相を招待したのである。
4.環太平洋経済連携協定(TPP)に向けた取組み
TPPは2006年5月、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージランド4か国で締結されたが誰も相手にしなかった。しかるに、米国外しを狙った「東アジア共同体構想」の進展を危惧する米国が、さらに大西洋国家から太平洋国家に転換した米国が、東アジア共同体構想への対抗軸として、TPPに目をつけ重視するようになったとしても不思議ではない。TPPへの加盟を検討している国は米国(3億人)、マレーシア(2530万人)、ベトナム(8420万人)、豪州(2020万人)、カナダ(3230万人)の9か国に拡大した。日本(1億3千万人)が加盟すると、EUを超える6億人規模の大経済共同体になる。
TPPは2011年11月のAPEC首脳会議までの妥結を目標とし、2015年までに「加盟国間の貿易において、工業品、農業品、知的財産権、労働規制、金融、医療サービスを初め全品目の関税を10年以内に原則撤廃する自由貿易協定(FTA)を包含する経済連携協定(EPA)を目標としている。実質、関税自主権の放棄である。(以上、ウイキペデイアから抜粋)
米国が主導するTPPが「環太平洋自由貿易圏」として、又は「環太平洋経済共同体」として発展させるためには日本国の参加は必須の条件となる。国際競争に晒されている我が国の多国籍企業(製造・金融等)もTPP加盟に向けて必死の政界工作を行なっている。民間大企業労組(連合傘下)も労使一体で、民主党(民社協会)への働きかけを強めている。
かくして、菅直人は「6月末までに、TPP問題への態度を決める」と表明した。おそらく、米国・経団連・連合の要請を断りきれず、米国に「6月末までにTPPへの加盟について(前向きの?)結論を出す」と口頭約束したのであろう。けれども、菅直人は大震災と原発事故の発生を奇貨として、TPP加盟に向けた取組みを怠けた。普天間基地を辺野古沖に移設する問題と同様、口約束を繰り返すだけで、これを実現する方策、例えば党内意見の聴取や説得並びに重大な影響を被る農業団体等との意見調整や被害回避策の検討も行わなかった。自分の言葉に責任をとらない無責任体質こそ、菅直人の癒しがたい悪癖である。一事が万事このような状態であったから、我が国の内政・外交は完全にストップした。
という訳で、野田総理は菅直人が解決せず放置した課題の決算を迫られている。菅直人が熟考せず、その場の思いつきで米国政府と約束した「TPP加盟問題を前向きに検討し、6月末までに結論を出す」ことの尻拭いを迫られている。先般の日米首脳会談においてオバマ大統領は野田総理に向かって、「言葉ではなく、結果を出せ」と最後通牒をつきつけた。さらに「野田とは一緒に仕事ができる」とも語った。鳩山と菅の言行不一致の無責任発言に2年間振り回され疲れ果てた可哀想なオバマは、野田総理に向かって「日米同盟を正常化してもらいたい。約束した事は必ず守ってもらいたい」と勧告した。さすがの野田佳彦もオバマ大統領から小学生扱いされ、羞恥心で毛穴が全開し冷や汗を止めることができなかった。
(以下は、10月10日付け日本経済新聞より抜粋)
「政府・民主党はTPPの交渉参加を巡る調整を加速する。11日に経済連携協定(EPA)への対処方針を議論する閣僚会合を開き、野田首相は今月下旬に農業支援策にメドをつけたい考え。11月のAPEC首脳会議に向け、結論を急ぐ。」
「11日の会合には藤村官房長官と古川国家戦略相のほか、外務、経産、農水など関係閣僚が出席する。(TPP加盟に関する)疑問や質問に答える解説書を月内につくる方針だ」
「政府・民主党は臨時国会開会前にも設置予定の<国家戦略会議(仮称)>や、党政調会の下に設けた経済連携と農業再生に関するプロジェクトチーム(PT)でもTPPの議論を始める。党内にはTPP反対論が強い事態もあり、首相は党内情勢をにらみながら最終決断する。」
「民主党や国民新党などの有志議員でつくる<TPPを慎重に考える会>(会長:山田正彦会長)は、交渉参加に慎重対応を求める署名集めに乗り出した。幹部は<署名は180人は超えた>としており、次期臨時国会までに民主党議員の過半数にあたる200人超の賛成を目指す。12日に開く総会には、党所属の全国会議員に案内を送付し、参加を呼びかける。TPP反対派には小沢一郎元代表に近い議員が多く、元代表自身も<うちのグループから署名集めに参加させてもいい、反対運動をするなら、まずコアのメンバーを固めないといけない>と反対派議員に語った。」
(以下は、10月9日付け日本経済新聞より抜粋)
「民主党の輿石幹事長は8日午前のテレビ東京番組で、TPPへの対応について、野田佳彦首相が出席する11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに党内の意見集約を目指す考えを示した。この中で<APECで首相がきちんとしたかたちで日本を代表し、発信できるようすべきだ」と指摘した。」
以上、野田総理は11月のAPEC首脳会議において、TPPへの交渉参加を表明すると決めている。後は、各省庁や関係閣僚の意見を聴取して「TPP加盟に伴う問題点」を整理し、これを克服する対策を練り上げる予定であろう。民主党政調会(PT部会)においても、「TPP参加を前提において、障害となる課題を如何に克服するか」の具体策の検討を期待しているはずだ。党政調会の意見が一本化できなかかった場合、最高意思決定機関である政府・党四役会議が「諸般の事情を総合的に勘案し決定した」ことにするのではないか。
また、小沢一派の右腕輿石幹事長は「APEC首脳会議では野田首相に恥をかかせない」と表明しているから、今後、「反対意見を抑えこむ役割」に徹することになろう。加えて野田総理は10月中に開催する予定の「国家戦略会議(仮称)で、TPPの交渉参加に賛同する」旨の決議を出してもらうことで、民主党反対勢力を抑えこむ段取りだろう。
国家戦略会議(仮称)の構成(候補)は、議長:野田総理、副議長:古川国家戦略相、藤村官房長官、閣僚委員:安住財務相、川端総務相、枝野経産相、玄葉外相、民間委員:白川日銀総裁、米倉経団連会長、古賀連合会長、民間企業経営者、政治学者、経済学者である。(10日付け日本経済新聞より抜粋)
数日前、古川国家戦略相が訪米して米国政府と協議した。おそらくTPP加盟を巡る課題と克服策について細部のツメを行ったはずだ。「米国にも一定の妥協をしてもらわないと国内を説得できない。米国が妥協できる範囲はどこまでか?」と最終のツメを行ったと推定できる。
まとめ
政策の最終決定権は「政府・党四役会議」と取り決められたから誰もが「党高政低である」と感じた。総理側近の藤村官房長官や古川国家戦略相は、最高指揮官たるべき総理の大権を回復すべく小泉内閣の経済財政諮問会議を手本として国家戦略会議(仮称)を設置することに決めた。政府と党の最高意思決定機関は「政府・党四役会議」と決定したのは総理大臣の職責を制限する暴挙であったと反省した訳だ。
国家戦略会議(仮称)のメンバーから党四役を排除している点を勘案すると、「野田佳彦が総理大臣の職責を全うできる態勢の整備を図る狙いで国家戦略会議(仮称)が立ち上げられたと考えることができる。国家の最終決定権は「政府と党四役の合議体」にあるのではなく総理大臣にあるという当然の結論に至った訳だ。
国家戦略会議(仮称)は小泉内閣時代の経済財政諮問会議のように法の裏付けがないが、出席者は近似している。日銀総裁、経団連会長、連合会長等が出席して決めた結論は法の裏付けがあろうがなかろうが、これを覆すことは容易ではない。民主党・民社協会の後見人たる大企業経営者を束ねる経団連会長と民主党最大のスポンサー連合の会長が参加している会議で決定したことに反対すれば謀反人とみなされる。次の選挙で応援してもらえる保障はない。すでに野田・輿石ラインがTPP加盟に向けてゴーサインを出しているから「TPPを慎重に考える会180人」はまもなく切り崩される。
目下、自民党や公明党はTPP問題では音無しの構え。党内には賛否両論あって一本化できないのだろう。執行部は「触らぬ神に祟りなし」を決め込まざるを得ない。「政府・民主党の出方待ち」という野党の特権を享受している。しかし、10月下旬に臨時国会が始まり、APEC首脳会議が開催される11月までの最大の争点はTPP加盟問題となるから、自民党ほか野党各党も党の意思統一を迫られている。民主党も、自民党ほか野党も百家争鳴、喧々諤々、分裂含みで推移する。
仮に、野田総理が民主党と野党の「TPP反対勢力」を抑え込むことに成功し、TPP加盟への道筋をつけたとする。又は、民主党内の強行な反対勢力の造反を抑えこむことができずTPP加盟が頓挫したとする。前者の場合は「政高党低」を回復する。後者の場合、野田総理は郵政民営化選挙を断行した「小泉純一郎型総理」に変身するかもしれぬ。党内の反対勢力を除名して衆院解散を強行するかもしれぬ。TPP解散で政界再編を仕掛けるかもしれぬ。
米国の対アジア戦略の主要な手段になったTPPは経済連携協定の枠を超えた狙いと構想を持っているように見える。米国が主導し、日本が補佐する環太平洋経済共同体の形成を視野においているのではないか。いずれ、インド、インドネシア、タイ、韓国、台湾等を包含する環太平洋とインド洋を含む20億人規模の大経済圏を展望しているのではないか。
欧州連合(EU)が共通通貨ユーロ並びに軍事同盟NATOと緊密な連携を保っているように、環太平洋経済共同体は共通通貨○○を発行し、南シナ海、太平洋、インド洋の航行の自由を確保するために集団的安全保障体制を構築すると推定できる。その兆候が南シナ海海洋安全保障体制の構築である。経済と戦争(安全保障)は切っても切れない関係にある。
野田内閣発足から40日。野田総理が政権の命運を賭けて取り組んでいるTPP加盟問題と南シナ海の海洋安保体制の構築は野田内閣の外交方針が具体化されたものである。軍事力の増強を続け、紛争を解決するためには軍事力行使を辞さないとする北京政府、世界最大の外貨準備高で資源を買い漁り、独裁政権を支え囲い込んできた北京政府、中国人民元を世界の基軸通貨とすることを最終目標として人民元による貿易決済を増やしている北京政府、米国を覇権国家から追い落とし、自ら世界に君臨することを画策している世界最大の人権侵害国家北京政府との政治的・経済的・外交的・軍事的対決が、米国にとっての最大の国家目標に位置づけられた可能性がある。
北京政府が支援し、石油資源の権益を獲得していたリビアの独裁政権が英仏空軍の全面支援を受けた反政府軍によって打倒された。ミャンマー軍事政権は欧米・日本等の経済制裁によって北京政府への依存を深めた。北京政府はミャンマーにおいて、石油の採掘權を取得し、中国海軍の基地を建設し、ミャンマーと中国間のパイプラインと鉄道の敷設計画を立ち上げ、中国がほぼ全量買い取る水力発電所(巨大ダム)の建設に着手してきた。ミャンマー(ビルマ)は北京政府の植民地となっていた。
最近、ミャンマー軍事政権が主導する「上からの民主化」が始まった。建国の父アウン・サン将軍の娘で、かつ民主化の指導者アウン・サン・スー・チー女史と軍事政権が立ち上げた政権との関係が改善しつつある。ミャンマーは1週間ほど前、北京政府が莫大な資金を投入して建設を始めた巨大ダムの建設を一方的に中止した。北京政府は激怒し、損害賠償を請求するという。北京政府が独裁政権を支えて獲得した諸利権は、独裁政権が打倒され又は独裁政権が「上からの民主化」を推進することで、急速に失われている。
米国では「ウォール街を占拠せよ」の左翼デモが頻発しているが、これは高額所得者への課税を強化する政策を打ち出しているオバマ民主党政権を支援するデモと見られている。他方、米連邦議会では「米国人から仕事を奪っている中国製品を排斥せよ」との保守系議員の動きも活発化している。左翼は「カネの再分配による格差の是正を」、保守は「仕事と生きがいを」のスローガンを掲げなければならない。我が国でいえば「民衆にカネを配り、国家に寄生させるバラマキ4Kか、それとも仕事を与え、自助・自立を促す保守か」という選択になる。
中国はインフレの高止まり、輸出の大幅な落ち込みによる倒産の続出、失業者の急増、バブル崩壊による経済の低迷、貧富の格差が拡大することによる社会不安の増大などかって経験したことがない厳しい局面に直面している。目下、北京政府は13億人民の高まる不満を力でねじ伏せているが、力の政治をいつまで続けることができるか?は疑問である。すでに共産党高級幹部は近親者を外国に逃亡させ、職権濫用で蓄財した膨大なカネ(数億円から数百億円)を海外に移転させている。彼らは共産党一党独裁政権が崩壊することを想定し、一族郎党の命と財産を保護するための危機対応を終えている。
2012年秋、中国共産党総書記・国家主席に就任する予定の習近平が党幹部に向かって「中国の伝統文化を学習せよ」と訓示したという。マルクス・レーニン主義と毛沢東思想の学習ではなく、儒教等の伝統文化を学べと強調したのである。習近平もまた、共産党一党独裁政権の崩壊が遠くないことを予見し、プーチンのロシアが行った「伝統文化(ロシア正教)の復活による国家再生」を模倣する存念であろう。習近平も、中国共産党が13億人民から憎悪されていることを知っている。汚職と暴力で満身創痍になって動けなくなった馬(中国共産党)を見捨て、汚れていない馬(国家社会主義)に乗り換える時期かと考えている。
時代は、我々の予想を超えて大きく激しく動いている。時代は、我々の鈍感な感性とゆったりした生活リズムを超えてめまぐるしく動いている。
内閣の命運は「発足から100日間で決まる」という。初動捜査と同じく、内閣も「如何に動き出すか?」が重要というのである。初動捜査を誤ると犯人を取り逃がすか、誤認逮捕に至る。反省しても後の祭りだ。
そこで、第95代内閣総理大臣野田佳彦の総理就任後40日間を総括し、野田内閣が何を志向しているのか?を検討してみたい。目下、保守色を薄め、大震災復興・原発事故対策に専念している。周知の通り、野田内閣は人格障害支離滅裂の鳩山内閣、口先だけで実践が伴わないアナーキスト菅内閣の失政により、民主党と内閣が国民から非難され、信用を失墜した後で登板した。名誉挽回、失地回復を賭けた民主党最期の内閣である。
民主党は自民党より右の右翼から、共産党より左の極左までの諸党派が「政権奪取」という一点で合意した(左翼用語でいうところの)「統一戦線組織」である。当然ながら、党の戦略と活動の指針となる党綱領は存在しないし、策定することができない。という訳で、鳩山→菅→野田と主義も信条も全く異なる人物が代表・総理が選任されたから、あたかも社民党政権が自民党政権に交代したのと同様、政権の連続性は期待できないのである。
「国境なき友愛主義の鳩山由紀夫」から「国家意識なき、でまかせ発言濫発の菅直人」へ。そして自民党顔負けの親米保守野田佳彦へと政権交代が行われた。社会主義者福島みずほに恋慕された菅直人から、自民党もびっくりの保守政治家野田佳彦に総理が交代しても誰も驚かない。民主党御用達のマス・メディアは知らないふりをして問題点を指摘しない。「民主党政権が存続できて良かったわ」と誤魔化し自らを慰めている。
第1:野田内閣の外交政策の特徴
1.東アジア共同体構想の棚上げ
ASEAN+日・中・韓の13か国による東アジア共同体構想を推進したのは、自民党でいえば、親中派の福田康夫(清和会)、外務省中国派(チャイナスクール)筆頭の加藤紘一(元宏池会)、曾慶紅前国家副主席の子分野中広務・二階俊博(旧田中派)・古賀誠(宏池会)らである。民主党でいえば、胡錦濤の子分小沢一郎(旧田中派)や輿石東(旧日本社会党)らである。この連中の狙いは、日本並びに東アジアにおける米国の影響力を縮小又は排除して、中国共産党北京政府を頭とする階層型国家連合体(東アジア共同体)を構築せんとするもので、北京政府の世界戦略に合致している。鳩山と小沢が唱えた「日・米・中等距離外交」は反米・親中主義者で鳩山内閣のブレーン寺島実郎が教授した。
米国が「米国外しの東アジア共同体構想」に危機感を抱いたことはいうまでもない。風見鶏の日和見主義者中曽根康弘は「東アジア共同体構想」に賛意を表しつつ「米国も加えるべき」と折衷案を唱えた。北京政府が唱えだしたASEAN+日・中・韓の陰謀に危機感を抱いた安倍・麻生内閣は「北京主導の東アジア共同体は認められない」として、ASEAN+6か国(日・中・韓・印・豪・ニュージランド)を提起して牽制した。日米同盟を基軸としつつ、自由と民主主義の価値観を共有する多角的外交を展開した。
野田総理は先般「東アジア共同体構想は棚上げ」と表明した。東アジア共同体構想は、中国の民主化が実現した後の課題とした。日米同盟を基軸とし、自由と民主主義の価値観を共有する国家との連携を重視した安倍・麻生内閣の外交路線に回帰した。
2.南シナ海海洋安全保障態勢の構築
(以下は、10月10日付け日本経済新聞より抜粋)
「政府はASEAN各国と米国、インド、オーストラリアと連携して南シナ海の海洋安全保障体制の構築を目指す方針を固めた。南シナ海では中国と周辺国の紛争が多発しており、関係国で海上交通の安全や国際法の順守を求める。11月にインドネシアで開く東アジア首脳会議(サミット)で、野田佳彦首相が海洋安保の必要性を提起する方針だ。」
「南シナ海では海洋進出を強める中国が近年、ベトナムやフィリピンなどと領有権を巡って衝突するなど、海洋安全に懸念が広がっている。日本にとっても南シナ海は、中東から石油資源を輸入する重要な海上交通路(シーレーン)になる。」
「日・米・印・豪各国は南シナ海での中国の活動を牽制する必要があるとの認識で一致しており、ASEAN各国とともに海洋安保構築に動くことで一致した。具体的には11月の東アジア首脳会議で、日・米・印・豪やフィリピン、ベトナムを中心に、南シナ海での航行の自由と、国際法順守を提起する。中国を含めた各国の同意が得られれば共同声明などにとりまとめる。」
「政府は事前の折衝を本格化している。玄葉光一郎外相は11−15日の日程でインドネシア、マレーシア、シンガポールを訪問。今月下旬にはベトナムのタイン国防相が来日する。インドネシアとは近く外務・防衛当局間協議を発足させ、インドとは今月下旬に日米との3か国で初の高級官協議を都内で開く」
「東アジア首脳会議には今回、初めて米国とロシアが参加する。外務省幹部は<米国が参加して東アジアの安保を固める重要な会議にしたい>と強調する。首脳会議での海洋安保の問題提起に関係各国は前向きだが、中国の強い反対が予想され、議論は難航する可能性がある。」
以上、南シナ海の航行の自由と安全確保に向けた我が国の取組みについて中国共産党機関紙人民日報「人民網・日本語版」は素早く反応している。曰く「尖閣諸島(東シナ海)の領有問題で中国を牽制する手段としている」とか、「東アジアへの影響力を強めたいと欲する米国が後方支援している」等と批判している。
南シナ海の領有権問題を巡る紛争を解決するための方法について、北京政府は従来から「中国と関係国の二国間で交渉」を原則とすると主張。東アジア首脳会議という多国間での協議は、北京政府の従来の主張と対立するから、北京政府が日本の提案を拒否することは自然であるし、我が国を初め、米・印・豪や関係各国もこの事態を想定している。我が政府も北京政府が反対するのを織り込んで事を進めているし、場合により「全面対決もやむを得ない」と覚悟しているのだろう。
自民党歴代政権は内部に「親中派」を大勢抱えていたこともあって、北京政府が嫌がる事を避ける傾向があった。対韓政策についても右に同じ。ASEAN各国が我が国の外交を弱腰と批判してきた所以である。それが、突然「北京が嫌がることを承知の上で、あえて南シナ海の紛争に関与する」というのであるから、北京もさぞびっくりしていることであろう。日本政府は気が狂ったのではないか?と疑心暗鬼に陥っているはずだ。「想定の範囲を超える緊急事態が発生した」と考えているはずだ。「あの臆病で意気地なしの日本政府が喧嘩を売るような事をするなんて信じられないわ」と考えているに違いない。
3.クリントン米国務長官が玄葉光一郎外相を招待した背景
玄葉外相が20年ほど前の松下政経塾の塾生であった時、クリントン元大統領(州知事時代の)を訪問し州知事公邸で一緒に写真撮影したことがあった。玄葉外相は、クリントン国務長官との初めての会談の席上、この写真を持参して「誰だか分かりますか?」と問うた。クリントン国務長官は「このストーブには見覚えがあるわ」と反応。短い外相会談ではあったが、クリントン国務長官は「この男は信用できる」と感じたのであろう。米国の国務長官が「外国の外相を招待する」という異常事態が発生。日米外相会談を開催すれば済むのに、あえて玄葉外相に招待状を送付した点に、クリントン国務長官のメッセージが込められている。
菅内閣の対米関係は表面的には「無原則的対米従属路線」であったが、口約束だけで実行が伴わなかったために不信感を抱かれた。女は「約束時間を守らない男が嫌い」である。約束を守る信頼できる男が現れるのを待っている。そこへ、奥目で見栄えはさっぱりだが若干のユーモアがあって、安請け合いをしない玄葉光一郎が登場した。従前の日本国外相に比べ「男らしい雰囲気」が感じられた。先代までの日本国外相が見るに耐えないほどの問題児であったから、相対的に玄葉光一郎の株が上がった。クリントン長官の「お気に入り」に追加された。何らかの魂胆がなかったとはいえないが、これが「特別招待状送付」の主要な背景である。人間は常に権謀術数で動くものではない。時々は心の安らぎがないと精神状態がおかしくなる。
我が外務省は主流派が「親米派」、反主流派が「親中派」と言われてきた。親中政権(福田・鳩山)が誕生するたびに、親中派外務官僚が威張りだす。菅内閣以降、親米派外務官僚が主導権を奪い返した。親米保守の野田政権が誕生した後、親米派外務官僚は全権を掌握した。安倍・麻生内閣以来、久しぶりに親米保守の外務官僚は肩で風を切って歩くようになった。
「南シナ海の海洋安全保障体制の構築」は北京政府が推察しているように、我が国の単独犯行とみなすことはできない。戦後、我が国は米進駐軍によって換骨奪胎され、民主教育で洗脳され国家としての矜持を失った。虎(米国)の威をかる狐になった。という訳で、(北京政府から見て)今回の日本政府の出すぎた行為は「日米合作」とみるのが相当である。インドネシア・ベトナム・インド等と関係が良好な我が国が前面に立ち、米国が裏方に回る役割分担である。
米国は東南アジア各国やインドから信用されていないから裏方に回った方がベターということだろう。日米の役割分担は今後、イラン、ミャンマー、ロシアとの関係修復においても発揮される。米国は戦後、闇雲に戦争を仕掛け、経済制裁を濫発し敵をつくり過ぎた。米国が前面に出ると「まとまる話もまとまらない」というのが世界の常識である。
米国は世界中から警戒され嫌われているから多国間外交の前面に立つことは賢明な策とはいえない。我が国は北京、平壌、ソウルを除いて、世界中の国と良好な関係を保持している。他国にとって脅威ではない我が国が水先案内人になって調整すれば話が円滑に進む。クリントン国務長官も米国が置かれた厳しい現実を理解しているから、外交の配偶者とすべく玄葉外相を招待したのである。
4.環太平洋経済連携協定(TPP)に向けた取組み
TPPは2006年5月、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージランド4か国で締結されたが誰も相手にしなかった。しかるに、米国外しを狙った「東アジア共同体構想」の進展を危惧する米国が、さらに大西洋国家から太平洋国家に転換した米国が、東アジア共同体構想への対抗軸として、TPPに目をつけ重視するようになったとしても不思議ではない。TPPへの加盟を検討している国は米国(3億人)、マレーシア(2530万人)、ベトナム(8420万人)、豪州(2020万人)、カナダ(3230万人)の9か国に拡大した。日本(1億3千万人)が加盟すると、EUを超える6億人規模の大経済共同体になる。
TPPは2011年11月のAPEC首脳会議までの妥結を目標とし、2015年までに「加盟国間の貿易において、工業品、農業品、知的財産権、労働規制、金融、医療サービスを初め全品目の関税を10年以内に原則撤廃する自由貿易協定(FTA)を包含する経済連携協定(EPA)を目標としている。実質、関税自主権の放棄である。(以上、ウイキペデイアから抜粋)
米国が主導するTPPが「環太平洋自由貿易圏」として、又は「環太平洋経済共同体」として発展させるためには日本国の参加は必須の条件となる。国際競争に晒されている我が国の多国籍企業(製造・金融等)もTPP加盟に向けて必死の政界工作を行なっている。民間大企業労組(連合傘下)も労使一体で、民主党(民社協会)への働きかけを強めている。
かくして、菅直人は「6月末までに、TPP問題への態度を決める」と表明した。おそらく、米国・経団連・連合の要請を断りきれず、米国に「6月末までにTPPへの加盟について(前向きの?)結論を出す」と口頭約束したのであろう。けれども、菅直人は大震災と原発事故の発生を奇貨として、TPP加盟に向けた取組みを怠けた。普天間基地を辺野古沖に移設する問題と同様、口約束を繰り返すだけで、これを実現する方策、例えば党内意見の聴取や説得並びに重大な影響を被る農業団体等との意見調整や被害回避策の検討も行わなかった。自分の言葉に責任をとらない無責任体質こそ、菅直人の癒しがたい悪癖である。一事が万事このような状態であったから、我が国の内政・外交は完全にストップした。
という訳で、野田総理は菅直人が解決せず放置した課題の決算を迫られている。菅直人が熟考せず、その場の思いつきで米国政府と約束した「TPP加盟問題を前向きに検討し、6月末までに結論を出す」ことの尻拭いを迫られている。先般の日米首脳会談においてオバマ大統領は野田総理に向かって、「言葉ではなく、結果を出せ」と最後通牒をつきつけた。さらに「野田とは一緒に仕事ができる」とも語った。鳩山と菅の言行不一致の無責任発言に2年間振り回され疲れ果てた可哀想なオバマは、野田総理に向かって「日米同盟を正常化してもらいたい。約束した事は必ず守ってもらいたい」と勧告した。さすがの野田佳彦もオバマ大統領から小学生扱いされ、羞恥心で毛穴が全開し冷や汗を止めることができなかった。
(以下は、10月10日付け日本経済新聞より抜粋)
「政府・民主党はTPPの交渉参加を巡る調整を加速する。11日に経済連携協定(EPA)への対処方針を議論する閣僚会合を開き、野田首相は今月下旬に農業支援策にメドをつけたい考え。11月のAPEC首脳会議に向け、結論を急ぐ。」
「11日の会合には藤村官房長官と古川国家戦略相のほか、外務、経産、農水など関係閣僚が出席する。(TPP加盟に関する)疑問や質問に答える解説書を月内につくる方針だ」
「政府・民主党は臨時国会開会前にも設置予定の<国家戦略会議(仮称)>や、党政調会の下に設けた経済連携と農業再生に関するプロジェクトチーム(PT)でもTPPの議論を始める。党内にはTPP反対論が強い事態もあり、首相は党内情勢をにらみながら最終決断する。」
「民主党や国民新党などの有志議員でつくる<TPPを慎重に考える会>(会長:山田正彦会長)は、交渉参加に慎重対応を求める署名集めに乗り出した。幹部は<署名は180人は超えた>としており、次期臨時国会までに民主党議員の過半数にあたる200人超の賛成を目指す。12日に開く総会には、党所属の全国会議員に案内を送付し、参加を呼びかける。TPP反対派には小沢一郎元代表に近い議員が多く、元代表自身も<うちのグループから署名集めに参加させてもいい、反対運動をするなら、まずコアのメンバーを固めないといけない>と反対派議員に語った。」
(以下は、10月9日付け日本経済新聞より抜粋)
「民主党の輿石幹事長は8日午前のテレビ東京番組で、TPPへの対応について、野田佳彦首相が出席する11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに党内の意見集約を目指す考えを示した。この中で<APECで首相がきちんとしたかたちで日本を代表し、発信できるようすべきだ」と指摘した。」
以上、野田総理は11月のAPEC首脳会議において、TPPへの交渉参加を表明すると決めている。後は、各省庁や関係閣僚の意見を聴取して「TPP加盟に伴う問題点」を整理し、これを克服する対策を練り上げる予定であろう。民主党政調会(PT部会)においても、「TPP参加を前提において、障害となる課題を如何に克服するか」の具体策の検討を期待しているはずだ。党政調会の意見が一本化できなかかった場合、最高意思決定機関である政府・党四役会議が「諸般の事情を総合的に勘案し決定した」ことにするのではないか。
また、小沢一派の右腕輿石幹事長は「APEC首脳会議では野田首相に恥をかかせない」と表明しているから、今後、「反対意見を抑えこむ役割」に徹することになろう。加えて野田総理は10月中に開催する予定の「国家戦略会議(仮称)で、TPPの交渉参加に賛同する」旨の決議を出してもらうことで、民主党反対勢力を抑えこむ段取りだろう。
国家戦略会議(仮称)の構成(候補)は、議長:野田総理、副議長:古川国家戦略相、藤村官房長官、閣僚委員:安住財務相、川端総務相、枝野経産相、玄葉外相、民間委員:白川日銀総裁、米倉経団連会長、古賀連合会長、民間企業経営者、政治学者、経済学者である。(10日付け日本経済新聞より抜粋)
数日前、古川国家戦略相が訪米して米国政府と協議した。おそらくTPP加盟を巡る課題と克服策について細部のツメを行ったはずだ。「米国にも一定の妥協をしてもらわないと国内を説得できない。米国が妥協できる範囲はどこまでか?」と最終のツメを行ったと推定できる。
まとめ
政策の最終決定権は「政府・党四役会議」と取り決められたから誰もが「党高政低である」と感じた。総理側近の藤村官房長官や古川国家戦略相は、最高指揮官たるべき総理の大権を回復すべく小泉内閣の経済財政諮問会議を手本として国家戦略会議(仮称)を設置することに決めた。政府と党の最高意思決定機関は「政府・党四役会議」と決定したのは総理大臣の職責を制限する暴挙であったと反省した訳だ。
国家戦略会議(仮称)のメンバーから党四役を排除している点を勘案すると、「野田佳彦が総理大臣の職責を全うできる態勢の整備を図る狙いで国家戦略会議(仮称)が立ち上げられたと考えることができる。国家の最終決定権は「政府と党四役の合議体」にあるのではなく総理大臣にあるという当然の結論に至った訳だ。
国家戦略会議(仮称)は小泉内閣時代の経済財政諮問会議のように法の裏付けがないが、出席者は近似している。日銀総裁、経団連会長、連合会長等が出席して決めた結論は法の裏付けがあろうがなかろうが、これを覆すことは容易ではない。民主党・民社協会の後見人たる大企業経営者を束ねる経団連会長と民主党最大のスポンサー連合の会長が参加している会議で決定したことに反対すれば謀反人とみなされる。次の選挙で応援してもらえる保障はない。すでに野田・輿石ラインがTPP加盟に向けてゴーサインを出しているから「TPPを慎重に考える会180人」はまもなく切り崩される。
目下、自民党や公明党はTPP問題では音無しの構え。党内には賛否両論あって一本化できないのだろう。執行部は「触らぬ神に祟りなし」を決め込まざるを得ない。「政府・民主党の出方待ち」という野党の特権を享受している。しかし、10月下旬に臨時国会が始まり、APEC首脳会議が開催される11月までの最大の争点はTPP加盟問題となるから、自民党ほか野党各党も党の意思統一を迫られている。民主党も、自民党ほか野党も百家争鳴、喧々諤々、分裂含みで推移する。
仮に、野田総理が民主党と野党の「TPP反対勢力」を抑え込むことに成功し、TPP加盟への道筋をつけたとする。又は、民主党内の強行な反対勢力の造反を抑えこむことができずTPP加盟が頓挫したとする。前者の場合は「政高党低」を回復する。後者の場合、野田総理は郵政民営化選挙を断行した「小泉純一郎型総理」に変身するかもしれぬ。党内の反対勢力を除名して衆院解散を強行するかもしれぬ。TPP解散で政界再編を仕掛けるかもしれぬ。
米国の対アジア戦略の主要な手段になったTPPは経済連携協定の枠を超えた狙いと構想を持っているように見える。米国が主導し、日本が補佐する環太平洋経済共同体の形成を視野においているのではないか。いずれ、インド、インドネシア、タイ、韓国、台湾等を包含する環太平洋とインド洋を含む20億人規模の大経済圏を展望しているのではないか。
欧州連合(EU)が共通通貨ユーロ並びに軍事同盟NATOと緊密な連携を保っているように、環太平洋経済共同体は共通通貨○○を発行し、南シナ海、太平洋、インド洋の航行の自由を確保するために集団的安全保障体制を構築すると推定できる。その兆候が南シナ海海洋安全保障体制の構築である。経済と戦争(安全保障)は切っても切れない関係にある。
野田内閣発足から40日。野田総理が政権の命運を賭けて取り組んでいるTPP加盟問題と南シナ海の海洋安保体制の構築は野田内閣の外交方針が具体化されたものである。軍事力の増強を続け、紛争を解決するためには軍事力行使を辞さないとする北京政府、世界最大の外貨準備高で資源を買い漁り、独裁政権を支え囲い込んできた北京政府、中国人民元を世界の基軸通貨とすることを最終目標として人民元による貿易決済を増やしている北京政府、米国を覇権国家から追い落とし、自ら世界に君臨することを画策している世界最大の人権侵害国家北京政府との政治的・経済的・外交的・軍事的対決が、米国にとっての最大の国家目標に位置づけられた可能性がある。
北京政府が支援し、石油資源の権益を獲得していたリビアの独裁政権が英仏空軍の全面支援を受けた反政府軍によって打倒された。ミャンマー軍事政権は欧米・日本等の経済制裁によって北京政府への依存を深めた。北京政府はミャンマーにおいて、石油の採掘權を取得し、中国海軍の基地を建設し、ミャンマーと中国間のパイプラインと鉄道の敷設計画を立ち上げ、中国がほぼ全量買い取る水力発電所(巨大ダム)の建設に着手してきた。ミャンマー(ビルマ)は北京政府の植民地となっていた。
最近、ミャンマー軍事政権が主導する「上からの民主化」が始まった。建国の父アウン・サン将軍の娘で、かつ民主化の指導者アウン・サン・スー・チー女史と軍事政権が立ち上げた政権との関係が改善しつつある。ミャンマーは1週間ほど前、北京政府が莫大な資金を投入して建設を始めた巨大ダムの建設を一方的に中止した。北京政府は激怒し、損害賠償を請求するという。北京政府が独裁政権を支えて獲得した諸利権は、独裁政権が打倒され又は独裁政権が「上からの民主化」を推進することで、急速に失われている。
米国では「ウォール街を占拠せよ」の左翼デモが頻発しているが、これは高額所得者への課税を強化する政策を打ち出しているオバマ民主党政権を支援するデモと見られている。他方、米連邦議会では「米国人から仕事を奪っている中国製品を排斥せよ」との保守系議員の動きも活発化している。左翼は「カネの再分配による格差の是正を」、保守は「仕事と生きがいを」のスローガンを掲げなければならない。我が国でいえば「民衆にカネを配り、国家に寄生させるバラマキ4Kか、それとも仕事を与え、自助・自立を促す保守か」という選択になる。
中国はインフレの高止まり、輸出の大幅な落ち込みによる倒産の続出、失業者の急増、バブル崩壊による経済の低迷、貧富の格差が拡大することによる社会不安の増大などかって経験したことがない厳しい局面に直面している。目下、北京政府は13億人民の高まる不満を力でねじ伏せているが、力の政治をいつまで続けることができるか?は疑問である。すでに共産党高級幹部は近親者を外国に逃亡させ、職権濫用で蓄財した膨大なカネ(数億円から数百億円)を海外に移転させている。彼らは共産党一党独裁政権が崩壊することを想定し、一族郎党の命と財産を保護するための危機対応を終えている。
2012年秋、中国共産党総書記・国家主席に就任する予定の習近平が党幹部に向かって「中国の伝統文化を学習せよ」と訓示したという。マルクス・レーニン主義と毛沢東思想の学習ではなく、儒教等の伝統文化を学べと強調したのである。習近平もまた、共産党一党独裁政権の崩壊が遠くないことを予見し、プーチンのロシアが行った「伝統文化(ロシア正教)の復活による国家再生」を模倣する存念であろう。習近平も、中国共産党が13億人民から憎悪されていることを知っている。汚職と暴力で満身創痍になって動けなくなった馬(中国共産党)を見捨て、汚れていない馬(国家社会主義)に乗り換える時期かと考えている。
時代は、我々の予想を超えて大きく激しく動いている。時代は、我々の鈍感な感性とゆったりした生活リズムを超えてめまぐるしく動いている。
白髪爺 at 06:35│Comments(12)│clip!
この記事へのコメント
1. Posted by 五郎 2011年10月11日 09:49
以下はTPP反対を唱える三橋貴明氏のブログからのコピペです。
*********************
宗像 直子氏は経済産業省の中でも突出してTPP参加に向けて猛進しており、政治家の皆様に、 「TPP交渉参加と参加は違います」と、しつこく説明に回っている方になります。国会議員の方々をうんざりさせるほど、まさしく熱狂的に信徒確保(TPP賛成派)に奔走しているようです。
宗像 直子氏のキャリア及び自己満足のために、わたくしたち日本国民は24もの項目の非関税障壁を撤廃させられ、国の形、文化の形を変えられてしまうことになりかねないのです。冗談じゃありません。
たかだか一官僚の出世のために、全ての日本国民の運命を狂わされるのでは、たまりません。
『宗像 直子 コンサルティングフェロー 経済産業省大臣官房グローバル経済室長
http://www.rieti.go.jp/users/munakata-naoko/index.html 』
*********************
宗像 直子氏は経済産業省の中でも突出してTPP参加に向けて猛進しており、政治家の皆様に、 「TPP交渉参加と参加は違います」と、しつこく説明に回っている方になります。国会議員の方々をうんざりさせるほど、まさしく熱狂的に信徒確保(TPP賛成派)に奔走しているようです。
宗像 直子氏のキャリア及び自己満足のために、わたくしたち日本国民は24もの項目の非関税障壁を撤廃させられ、国の形、文化の形を変えられてしまうことになりかねないのです。冗談じゃありません。
たかだか一官僚の出世のために、全ての日本国民の運命を狂わされるのでは、たまりません。
『宗像 直子 コンサルティングフェロー 経済産業省大臣官房グローバル経済室長
http://www.rieti.go.jp/users/munakata-naoko/index.html 』
2. Posted by 白髪爺 2011年10月11日 11:16
御紹介のとおりだとすれば、経産省コンサルティングフェロー(大臣官房グローバル室長)の宗像直子は、多国籍企業(大企業労組連合)の代理人として、先陣を駆けている仕事熱心な官僚なのでしょう。
宗像直子の個人的立身出世のために頑張っているというより、本人の意識は「日本企業が衰退し、企業が海外流出し、我が国が失業者であふれれることを阻止したいと考え、国家・国民の未来のために身命を賭す覚悟」なのでしょう。何としてもTPP加盟に持ち込まなければならないと使命感に燃えているのでしょう。
国家への帰属心と忠誠心が高く、自意識も半端でない人間は国家の未来を切り開き歴史に名前を刻む場合もあれば、国家・国民に取り返しのつかない損害を与えてしまうこともあります。対米戦争を始めた指導者も「熱烈な愛国者であった」のでしょう。真面目な忠誠心こそ、偉大な革新者であり危険人物なのです。非常事態・緊急事態には、熱烈な愛国者より沈着冷静な判断力を備えた人物こそ重要な役割を担うべきです。
「交渉参加と参加は違います」というのは、弱小参加国については文字通りでしょうが、我が国の存在感の大きさを勘案すると、一度「交渉参加」に踏み切ったならば、足抜けすることは事実上不可能と思います。宗像直子も、それを知りつつ「一歩前へ」を実践しているのでしょう。
本稿は、我が国の国体の変質につながる危険性については検討しませんでした。米国がTPPを強力に取り組んでいる狙いと緊迫している東アジア情勢について考えてみたのでした。
鳥の眼で見るか?魚の眼で見るか?昆虫の眼で見るか?いろいろな視点で吟味・検討を加え、矛盾する要因を如何に止揚するかが課題です。
宗像直子の個人的立身出世のために頑張っているというより、本人の意識は「日本企業が衰退し、企業が海外流出し、我が国が失業者であふれれることを阻止したいと考え、国家・国民の未来のために身命を賭す覚悟」なのでしょう。何としてもTPP加盟に持ち込まなければならないと使命感に燃えているのでしょう。
国家への帰属心と忠誠心が高く、自意識も半端でない人間は国家の未来を切り開き歴史に名前を刻む場合もあれば、国家・国民に取り返しのつかない損害を与えてしまうこともあります。対米戦争を始めた指導者も「熱烈な愛国者であった」のでしょう。真面目な忠誠心こそ、偉大な革新者であり危険人物なのです。非常事態・緊急事態には、熱烈な愛国者より沈着冷静な判断力を備えた人物こそ重要な役割を担うべきです。
「交渉参加と参加は違います」というのは、弱小参加国については文字通りでしょうが、我が国の存在感の大きさを勘案すると、一度「交渉参加」に踏み切ったならば、足抜けすることは事実上不可能と思います。宗像直子も、それを知りつつ「一歩前へ」を実践しているのでしょう。
本稿は、我が国の国体の変質につながる危険性については検討しませんでした。米国がTPPを強力に取り組んでいる狙いと緊迫している東アジア情勢について考えてみたのでした。
鳥の眼で見るか?魚の眼で見るか?昆虫の眼で見るか?いろいろな視点で吟味・検討を加え、矛盾する要因を如何に止揚するかが課題です。
3. Posted by 五郎 2011年10月11日 12:56
ご返信ありがとうございます。
>「日本企業が衰退し、企業が海外流出し、我が国が失業者であふれれることを阻止したいと考え、国家・国民の未来のために身命を賭す覚悟」
TPP加盟が日本の国益に合致するのであれば私も賛成したいところですが、たぶん逆の結果になると予想します。人の移動の自由化まで含むのであれば、ベトナムなどから大量の労働者が押寄せ、日本人は失業することになります。グローバル企業はベトナムなどに大挙して進出するかも知れません。
つまり、TPP加盟により「企業が海外流出し、我が国が失業者であふれれる」ことになる可能性のほうがはるかに高いと考えられます。
グローバル企業から見れば、TPP加盟の利点は海外進出が容易になるということであり、日本およびアメリカの失業率はさらに高まり、99%の国民にとってTPPは害毒をもたらすでしょう。
>「日本企業が衰退し、企業が海外流出し、我が国が失業者であふれれることを阻止したいと考え、国家・国民の未来のために身命を賭す覚悟」
TPP加盟が日本の国益に合致するのであれば私も賛成したいところですが、たぶん逆の結果になると予想します。人の移動の自由化まで含むのであれば、ベトナムなどから大量の労働者が押寄せ、日本人は失業することになります。グローバル企業はベトナムなどに大挙して進出するかも知れません。
つまり、TPP加盟により「企業が海外流出し、我が国が失業者であふれれる」ことになる可能性のほうがはるかに高いと考えられます。
グローバル企業から見れば、TPP加盟の利点は海外進出が容易になるということであり、日本およびアメリカの失業率はさらに高まり、99%の国民にとってTPPは害毒をもたらすでしょう。
4. Posted by 白髪爺 2011年10月11日 16:47
そうですね。筆者も同じ懸念をもっています。
ところで、ドイツが[ヒト・モノ・カネの移動が自由化されているEU域内において、如何に稼いでいるか」、検討してみる必要がありますね。
何しろ、ドイツはEU最大の受益者ですし、「自由化と関税の撤廃」を上手に活用しているのでしょう。
大震災でも被害を受ける地域や企業と、大震災復興の需要拡大で大儲けをしている企業があります。空前の利益を上げている企業はテレビで放映されることもなく、黙々と稼いでいる訳です。
韓国が米国との経済連携協定を締結しながら、我が国との経済連携協定に消極的なのは、韓国にとって「損得勘定がマイナス」と判断しているのでしょう。
我が国にとって、決して譲ることができない一線を明確にして、その上で損得勘定を計算し、プラスかマイナスかを考え、国益本位で進路を選択するのがよいのではないでしょうか。
我が国が参加しないTPPは存在意義がない訳ですから、我が国が参加できる条件を厳しくつきつけ、それが受け入れられない場合は出席しないという明確な基準を示すべきと考えます。
京都議定書に賛成して我が国の国益を損なった自公政権、炭酸ガス25%削減を公約してさらに国益を損なった民主党鳩山内閣に比べ、目下、我が国は京都議定書の延長に反対する立場を崩していません。我が国の国益を守るという意味で、従前の内閣より若干マシな対応ではないでしょうか。暴走しないよう、国益本位の視点で厳しく監視する必要がありますが・・・。
仮に、TPP加盟の参加交渉に参加するとした場合、「国内の反対運動の強さ」を交渉の武器に活用することができます。交渉事は手駒と切り札がなければ、思惑通り進めることができませんから。
ところで、ドイツが[ヒト・モノ・カネの移動が自由化されているEU域内において、如何に稼いでいるか」、検討してみる必要がありますね。
何しろ、ドイツはEU最大の受益者ですし、「自由化と関税の撤廃」を上手に活用しているのでしょう。
大震災でも被害を受ける地域や企業と、大震災復興の需要拡大で大儲けをしている企業があります。空前の利益を上げている企業はテレビで放映されることもなく、黙々と稼いでいる訳です。
韓国が米国との経済連携協定を締結しながら、我が国との経済連携協定に消極的なのは、韓国にとって「損得勘定がマイナス」と判断しているのでしょう。
我が国にとって、決して譲ることができない一線を明確にして、その上で損得勘定を計算し、プラスかマイナスかを考え、国益本位で進路を選択するのがよいのではないでしょうか。
我が国が参加しないTPPは存在意義がない訳ですから、我が国が参加できる条件を厳しくつきつけ、それが受け入れられない場合は出席しないという明確な基準を示すべきと考えます。
京都議定書に賛成して我が国の国益を損なった自公政権、炭酸ガス25%削減を公約してさらに国益を損なった民主党鳩山内閣に比べ、目下、我が国は京都議定書の延長に反対する立場を崩していません。我が国の国益を守るという意味で、従前の内閣より若干マシな対応ではないでしょうか。暴走しないよう、国益本位の視点で厳しく監視する必要がありますが・・・。
仮に、TPP加盟の参加交渉に参加するとした場合、「国内の反対運動の強さ」を交渉の武器に活用することができます。交渉事は手駒と切り札がなければ、思惑通り進めることができませんから。
5. Posted by 五郎 2011年10月11日 22:36
EU域内においてドイツの工業製品の強さは為替変動によって帳消しになる心配はありません。しかし日本の場合、TPPに加盟するとしても、通貨変動による調整が入りますから、圧倒的な強さを発揮することはあり得ないわけです。そういう意味でドイツは参考にならないのではないでしょうか。
>空前の利益を上げている企業はテレビで放映されることもなく、黙々と稼いでいる訳です。
企業の利益と国民の利益は別です。アメリカでは企業がグローバル化することで大きな利益をあげていますが、99%の国民はどんどん貧しくなっています。アメリカが推進したグローバリズムは企業の利益ばかりに着目して失業問題に無関心あり、それが国力衰退の主因の一つになったのではないかと思います。TPPはアメリカにもさらなる災厄をもたらすでしょう。
>空前の利益を上げている企業はテレビで放映されることもなく、黙々と稼いでいる訳です。
企業の利益と国民の利益は別です。アメリカでは企業がグローバル化することで大きな利益をあげていますが、99%の国民はどんどん貧しくなっています。アメリカが推進したグローバリズムは企業の利益ばかりに着目して失業問題に無関心あり、それが国力衰退の主因の一つになったのではないかと思います。TPPはアメリカにもさらなる災厄をもたらすでしょう。
6. Posted by 白髪爺 2011年10月12日 12:04
ご指摘はごもっともで異論はありません。
ですが、円高がいつまで続くのか?企業が空洞化した米国のグローバル経済の問題点を克服する方策を考えることはできないのか?
つまり、所与の条件は、時代の流れの中で「変わるもの」又は「変化させられるもの」と考える視点も大事ではないでしょうか。
ダイエー(中内功)はインフレ経済の成功体験がいつまでも続くと信じた結果、デフレ経済に適応できず一瞬に淘汰されてしまいました。
我が国の財政事情を勘案すると、いつ何時、円安軌道にのるかもしれません。目下、米国では「仕事を増やす」ことが大きな政治問題になっています。グローバル経済の本家本元で足元に火がついています。今後、国家・国民の生活を維持・発展させながら、同時に他国との交易も発展させるという新たなシステムを構築する時代とすべきではないでしょうか。
ですが、円高がいつまで続くのか?企業が空洞化した米国のグローバル経済の問題点を克服する方策を考えることはできないのか?
つまり、所与の条件は、時代の流れの中で「変わるもの」又は「変化させられるもの」と考える視点も大事ではないでしょうか。
ダイエー(中内功)はインフレ経済の成功体験がいつまでも続くと信じた結果、デフレ経済に適応できず一瞬に淘汰されてしまいました。
我が国の財政事情を勘案すると、いつ何時、円安軌道にのるかもしれません。目下、米国では「仕事を増やす」ことが大きな政治問題になっています。グローバル経済の本家本元で足元に火がついています。今後、国家・国民の生活を維持・発展させながら、同時に他国との交易も発展させるという新たなシステムを構築する時代とすべきではないでしょうか。
7. Posted by daisyoya 2011年10月14日 02:24
アメリカ・韓国が米韓FTAを結ぶようですね。
内容は酷いモノで、かつて日本が経験した不平等条約・奴隷条約です。
韓国はアメリカの植民地に、属国になる気なのでしょうか?
そして日本のマスコミは
「韓国に先を越された!日本も早くTPP参加を表明し、国際化の波に乗らなければならない!」と、
米韓FTAの内容も視聴者に説明せずに、影の部分を無視した偏向報道をしています。
かつては清国の奴隷であり。
下関条約で独立後は、日本を裏切りロシアにすり寄り。
日露戦争後は清とロシアからの侵略を恐れ日本に併合を求め。
そして今度はアメリカの属国に。
大国にすり寄る自大主義という矛盾国家・韓国。
過去を振り返ると、韓国は窮乏すると日本に「日韓友好」や「戦後補償」を名目にタカリを仕掛けてきています。
そして、日本はそれに応え、韓国を援助し、つけあがらせてきました。
今もまた、日本政府は日韓スワップ延長や外貨準備名目でのウォン買いなど、
韓国への支援を被災地の日本国民を蔑ろにしてまで行っています。
前原政調会長や玄葉外相による日韓の経済緊密化や連携発言を聞くと不安です。
韓国には、米韓FTAでアメリカに搾取され、より苦しくなる未来が待っているように思います。
そうなったら、極限状態になった韓国が何をしでかすかわかりません。
おそらく、第一のターゲットは日本でしょう。
そして、野田・玄葉体制はどのような対応をするでしょうか?
韓国に対しては、保守政治家として毅然とした対応ができるでしょうか?
国家国民を優先し、党内の左翼勢力を抑え、韓国を切り捨てることができるでしょうか?
アメリカに対しては、媚びを売り、TPPに参加して日本の国民と産業を生け贄にするでしょうか?
それとも「米韓FTAで酷い目に遭う韓国」を見て考えを改めるでしょうか?
8. Posted by 白髪爺 2011年10月14日 17:13
戦後、我が国の漁船を大量に拿捕した大韓民国の李承晩大統領は米進駐軍の傀儡政権でした。現在でも、大韓民国の戦時作戦統帥権は連合国軍(在韓米陸軍司令官)が掌握しています。大韓民国は形式上は独立国家の体裁をとっていますが、米国の属領又は保護国であることは間違いありません。もっとも、我が国も米国の準保護国扱いではあります。
これまで米連邦議会が棚上げしていた「米韓経済連携協定」を急遽、承認したのは、おそらく我が国をTPPに誘導する狙いなのでしょう。
TPPが純粋に経済連携協定であるとすれば、従来、我が国が進めてきた東南アジアやインド等との経済連携協定の如く、米・EU等との個別的な経済連携協定への取り組みを加速すれば、あえてTPPへの参加を急ぐ必要はありません。
ただ、TPPは単なる経済連携協定ではなく、米国が米中冷戦又は中国包囲網を想定した布石とすれば、我が国が拒否する選択肢はないと思います。国益よりも「自由と民主主義陣営の軍事的・経済的集団安全保障」が優先されるからです。
TPP問題は今後、「国益か?売国か?」というテーマから、次第に「親米(民主主義)か?親中(独裁)か?」を判別するリトマス試験紙になると想定しています。
クリントン国務長官が先日「今後、米国はアフガン・イラクに注いできた力(軍事・経済?)をアジアに振り向けるべき」と主張しました。米国の世界戦略の転換を宣言した発言でした。
我が国の国益と、米国の世界戦略をどのように組み合わせ、折り合いをつけるか?喫緊の課題と思います。
これまで米連邦議会が棚上げしていた「米韓経済連携協定」を急遽、承認したのは、おそらく我が国をTPPに誘導する狙いなのでしょう。
TPPが純粋に経済連携協定であるとすれば、従来、我が国が進めてきた東南アジアやインド等との経済連携協定の如く、米・EU等との個別的な経済連携協定への取り組みを加速すれば、あえてTPPへの参加を急ぐ必要はありません。
ただ、TPPは単なる経済連携協定ではなく、米国が米中冷戦又は中国包囲網を想定した布石とすれば、我が国が拒否する選択肢はないと思います。国益よりも「自由と民主主義陣営の軍事的・経済的集団安全保障」が優先されるからです。
TPP問題は今後、「国益か?売国か?」というテーマから、次第に「親米(民主主義)か?親中(独裁)か?」を判別するリトマス試験紙になると想定しています。
クリントン国務長官が先日「今後、米国はアフガン・イラクに注いできた力(軍事・経済?)をアジアに振り向けるべき」と主張しました。米国の世界戦略の転換を宣言した発言でした。
我が国の国益と、米国の世界戦略をどのように組み合わせ、折り合いをつけるか?喫緊の課題と思います。
9. Posted by がさん 2011年10月14日 19:07
いつも愛読しております。
野田総理が唐突に期限を切ってTPPに参加するか否かの結論早急に出すように指示をだしマスコミか゜TPPの提灯記事を連日垂れ流しておりますが、野田総理がオバマから突きつけられた二つの宿題(TPP、普天間問題)に焦って普天間の解決は絶望的なので、TPPをなんとかオバマのお土産にしたいのではないでしょうか?
これって小泉さんがやったことと同じではないでしょうか?(ブッシュのポチ)
10/14の[ネットゲリラ}biogによると
【ウィキリークス】米国公電[TPPで日本と韓国を潰せる]NZの首席交渉官が発言
ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP主席交渉官は「TPPが将来のアジア太平洋通商統合に向けた基盤である。
もし、当初のTPP交渉8ヶ国でゴールドスタンダード(絶対基準)に合意できれば、日本、韓国その他の国をつぶすことができる。それが長期的な目標だ」と語った(米国大使館公電から)
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でニュージーランドと米国は、農地への投資制度や安全性などの規制や基準を統一した「絶対基準」を定め受け入れ国を広げることで
経済自由化を進めようとしている−。
TPP交渉を主導する両国のこうした狙いが在ニュージーランド米国大使館の秘密公電に記載されている記載されている両国政府の交「絶対基準」を受け入れさせる国として日本と韓国を名指ししている。
http//socialnews.rakuten.jp/link/
ウィキリークス−米国公電「TPPで日本と韓国を潰せ
野田総理が唐突に期限を切ってTPPに参加するか否かの結論早急に出すように指示をだしマスコミか゜TPPの提灯記事を連日垂れ流しておりますが、野田総理がオバマから突きつけられた二つの宿題(TPP、普天間問題)に焦って普天間の解決は絶望的なので、TPPをなんとかオバマのお土産にしたいのではないでしょうか?
これって小泉さんがやったことと同じではないでしょうか?(ブッシュのポチ)
10/14の[ネットゲリラ}biogによると
【ウィキリークス】米国公電[TPPで日本と韓国を潰せる]NZの首席交渉官が発言
ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP主席交渉官は「TPPが将来のアジア太平洋通商統合に向けた基盤である。
もし、当初のTPP交渉8ヶ国でゴールドスタンダード(絶対基準)に合意できれば、日本、韓国その他の国をつぶすことができる。それが長期的な目標だ」と語った(米国大使館公電から)
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でニュージーランドと米国は、農地への投資制度や安全性などの規制や基準を統一した「絶対基準」を定め受け入れ国を広げることで
経済自由化を進めようとしている−。
TPP交渉を主導する両国のこうした狙いが在ニュージーランド米国大使館の秘密公電に記載されている記載されている両国政府の交「絶対基準」を受け入れさせる国として日本と韓国を名指ししている。
http//socialnews.rakuten.jp/link/
ウィキリークス−米国公電「TPPで日本と韓国を潰せ
10. Posted by 白髪爺 2011年10月15日 00:07
米国が、我が国と韓国を潰す動機は何でしょう?日韓は現在でも、米国の事実上の保護国又は準保護国です。しかも、日本列島と韓半島は、米国にとって、ユーラシアへの出撃拠点(砦)ですから、米国が日本と韓国を潰すメリットは全くありません。
目下、北京は「米国が仕掛ける中国包囲網が形成されつつあること、北京の同志であったミャンマーが米国側に寝返りつつあること、北朝鮮もロシアや米国への接近を狙っていること、プーチンのロシアが中央アジア5か国等旧ソ連邦共和国とのユーラシア同盟構築に向けて動き出したこと」等の周辺情勢の急変を感じ危機感を抱いていると思います。日米・日露が反目しあうことを願って、工作員を関係国に大量に送り込み、世論工作を行なっています。
また、北京はプーチンに媚を売り、大量の商談を成立させました。プーチンの歓心を何とかつなぎとめたいと欲し、涙ぐましい努力をしています。中国歴代王朝にとって最大の課題は北方・西方の騎馬民族と如何に融和するかでありました。歴代中国王朝と同様、北京政府も「金で安全を買っている」のです。
漁夫の利という有利な立場を利用するモスクワは北京とワシントンの対立激化を利用して、巧みに、国益を図ることができます。「おいしい取引」ができます。プーチンは北京の弱みにつけ込み、天然ガス価格を吊り上げることに成功しました。
我が国は当分の間、斜陽の超大国米国の片棒を担ぎ、少しづつ勢力を拡大し、米国が東アジアから本国に引き上げたときは、日・印・露・越同盟を構築することになるはずです。「日・中・韓3国同盟」は地政学的に見ても、そして遠交近攻の原則に照らしても実現可能性はゼロだと思います。
目下、北京は「米国が仕掛ける中国包囲網が形成されつつあること、北京の同志であったミャンマーが米国側に寝返りつつあること、北朝鮮もロシアや米国への接近を狙っていること、プーチンのロシアが中央アジア5か国等旧ソ連邦共和国とのユーラシア同盟構築に向けて動き出したこと」等の周辺情勢の急変を感じ危機感を抱いていると思います。日米・日露が反目しあうことを願って、工作員を関係国に大量に送り込み、世論工作を行なっています。
また、北京はプーチンに媚を売り、大量の商談を成立させました。プーチンの歓心を何とかつなぎとめたいと欲し、涙ぐましい努力をしています。中国歴代王朝にとって最大の課題は北方・西方の騎馬民族と如何に融和するかでありました。歴代中国王朝と同様、北京政府も「金で安全を買っている」のです。
漁夫の利という有利な立場を利用するモスクワは北京とワシントンの対立激化を利用して、巧みに、国益を図ることができます。「おいしい取引」ができます。プーチンは北京の弱みにつけ込み、天然ガス価格を吊り上げることに成功しました。
我が国は当分の間、斜陽の超大国米国の片棒を担ぎ、少しづつ勢力を拡大し、米国が東アジアから本国に引き上げたときは、日・印・露・越同盟を構築することになるはずです。「日・中・韓3国同盟」は地政学的に見ても、そして遠交近攻の原則に照らしても実現可能性はゼロだと思います。
11. Posted by 大和は国のまほろば 2011年10月16日 20:05
突然の書き込みをお許しください
在米中国人のチャイナマネー(政治献金)で大統領になったオバマ大統領や親中のクリントン元大統領のいる民主党が中国を包囲するためにTPPを考えたとはとてもとても信じられません(笑)
逆に中国に貿易不均衡を是正できないから・中国に文句言えないから・・この際日本を餌食にしちゃえと・・見えます
来年の選挙で膨大な政治献金をしてくれるチャイナマネーに刃向かうことは私には信じられないのですが・・
政治経済には詳しくありませんので頓珍漢かも知れません・失礼はお詫びいたします
在米中国人のチャイナマネー(政治献金)で大統領になったオバマ大統領や親中のクリントン元大統領のいる民主党が中国を包囲するためにTPPを考えたとはとてもとても信じられません(笑)
逆に中国に貿易不均衡を是正できないから・中国に文句言えないから・・この際日本を餌食にしちゃえと・・見えます
来年の選挙で膨大な政治献金をしてくれるチャイナマネーに刃向かうことは私には信じられないのですが・・
政治経済には詳しくありませんので頓珍漢かも知れません・失礼はお詫びいたします
12. Posted by 白髪爺 2011年10月16日 23:21
御懸念はごもっともです。筆者もこれまで同様に考えていました。夫の元クリントン大統領時代から北京とずぶずぶの関係にあったクリントン一家が、そして共産主義者が大量に潜入していると推定される米国務省が、そう簡単に「売国・親中の旗」を降ろすであろうかと。現在でも、疑心暗鬼の面があります。
筆者は「クリントン国務長官が強硬な対中戦略を唱えざるを得ない」という「赤狩り旋風直前と同様な雰囲気」が米国で高まっているのではないかと推定しております。「いつまでも、北京のエージェントを続けておれば身に危険が及ぶ」という雰囲気が高まっているのではないかと。
トルーマン大統領の2期目は1期目の「親共産主義政策」から一変、「共産主義封じ込め政策」に転換しました。米国のプラグマチズムは「時々の自己都合で政策を大転換させることがある」と考えるべきです。米国の元同志であったアフガンのタリバン、イラクのフセインは敵となり成敗されてしまいました。米国には一貫した戦略方針はなく、容易に、時々の必要性で敵と味方を入れ替えます。
このような視点で、米中関係又は北京とクリントン一家の関係を眺めてみるのも面白いのではないでしょうか。オバマとクリントンは、依然として「親北京」なのか?それとも「反北京」に転換したのか?いずれにせよ、オバマとクリントンの今後の言動と政策がこれを実証すると考えます。
筆者はあらゆる社会現象を「往く川の流れ」の如く、変化してやまない「運動の中」で把握したいと考えています。すべての存在並びに現象は「生成・変化・消滅するもの」であるから、我々の認識も「変化しつつあるもの」を理解すべきだと。
筆者は「クリントン国務長官が強硬な対中戦略を唱えざるを得ない」という「赤狩り旋風直前と同様な雰囲気」が米国で高まっているのではないかと推定しております。「いつまでも、北京のエージェントを続けておれば身に危険が及ぶ」という雰囲気が高まっているのではないかと。
トルーマン大統領の2期目は1期目の「親共産主義政策」から一変、「共産主義封じ込め政策」に転換しました。米国のプラグマチズムは「時々の自己都合で政策を大転換させることがある」と考えるべきです。米国の元同志であったアフガンのタリバン、イラクのフセインは敵となり成敗されてしまいました。米国には一貫した戦略方針はなく、容易に、時々の必要性で敵と味方を入れ替えます。
このような視点で、米中関係又は北京とクリントン一家の関係を眺めてみるのも面白いのではないでしょうか。オバマとクリントンは、依然として「親北京」なのか?それとも「反北京」に転換したのか?いずれにせよ、オバマとクリントンの今後の言動と政策がこれを実証すると考えます。
筆者はあらゆる社会現象を「往く川の流れ」の如く、変化してやまない「運動の中」で把握したいと考えています。すべての存在並びに現象は「生成・変化・消滅するもの」であるから、我々の認識も「変化しつつあるもの」を理解すべきだと。