2016年01月09日

2016年の世界情勢。特に、中東における世界戦争の背景と今後の展望を考えてみる。

はじめに

原油等資源価格が急落したことによって、資源産出国へ流入していた天文学的規模の「富」が、資源消費国に滞留することになった。このベクトル変換は国家や企業の盛衰に決定的な影響を与えた。世界経済の風景と国際政治の勢力図は大きく変化した。

国際政治は司令塔なき「Gゼロ時代」らしく混迷度を深めている。目下、内戦状態(戦争)にあるアフガニスタン、イラク、シリア、パキスタン、リビア、チュニジア、イエメン、スーダン、マリ、チェチェン(ロシア)、トルコ、東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)等では自爆テロが頻発している。しかも、戦場は米国、フランス、タイ・バングラデッシュにも拡散した。もはや、世界中が非対称的戦争(テロ)の脅威に対処せざるを得なくなった。加えて、軍事力を増強し、軍事パレードで武力を誇示し、「武力による国境線変更」に踏み出したロシア・中共・北朝鮮の国境侵犯にも備えなければならない。その他、サイバーテロも、国家中枢に対する破壊工作やスパイ活動もある。「専守防衛」だけでは国民の生命と財産を守ることができないから、敵の攻撃意思を挫くため「反撃防衛」で対応せざるを得ない。

世界経済は今、「再編過程」にある。国際政治は今、巨大なマグマの塊がせり上がり、その一部が水蒸気爆発や火砕流となって周辺国に甚大な被害をもたらし始めた。山が形状を変え、いつ何時、大爆発が始まるか分からない。マグマは膨張し破壊力を高めている。

第1:原油等資源価格の暴落が体制変革(革命)を誘発する

約1年半前、1バーレル105ドル前後であった原油が、約半年で30ドル台に暴落した。そこから自律反発して50ドル台に戻したものの、再び35ドル前後に下落、目下、30ドル台割れを探っている状態。原油の暴落に天然ガス、石炭、鉄鉱石、貴金属等資源価格も暴落した。結果、資源産出国に流れ込んでいた莫大な資金が資源消費国に逆流した。資源消費国は一息ついているが、資源産出国は「息も絶え絶え」「青菜に塩」の国家存亡の危機に陥った。これから数年間、資源価格が低迷した場合、体力のない資源産出国は債務不履行に追い込まれる。内戦を経て体制変革(革命)を強要されることもあり得る。

1.サウジアラビア・湾岸諸国・中央アジアの体制危機

世界最大規模の原油産出国サウジアラビア(王政)はオイルダラーをたっぷり貯めこんだ大資産国といわれてきた。原油販売で稼いだ膨大な資金を先進国の国債や株式で運用して富を蓄積するほか、国内では社会福祉を充実して独裁政権(王政)に対する国民の不満を緩和してきた。原油価格の暴落が始まって約1年半、サウジアラビア、湾岸諸国、中央アジアの産油国(事実上の独裁政権)は資産を取り崩し、手元不如意に陥っているのではなかろうか。さらに原油安が続いた場合、社会福祉費の削減に踏み切らざる得ない。そうなると、国民を慰撫し、懐柔する手段を失う。

原油や天然ガス以外に収入源がほとんどない産出国にとって、エネルギー資源価格の暴落は致命的な打撃となっている。外貨準備高の大幅な減少と通貨の下落によって、消費財を輸入することが困難になるほか、税収減によって社会福祉の水準を切り下げざるを得ない。一度、豊かな生活を体験した国民は窮乏生活に耐えることができないから、生活が苦しくなれば不満が爆発する。夢も希望も失った若年層は誘惑に弱い。イスラム過激派(IS等)の甘い甘言に騙され、共鳴し、シリア・イラク・アフガン・リビア・イエメン等の戦場に赴き、軍事訓練を受けて帰国、体制転覆を目的とする無差別テロを企てることもあり得る。

独裁政権や王政等、選挙で意思を反映する場がなく、言論の自由が抑圧されている国家において民衆の不満を解消する手段は「社会福祉の充実だけ」である。国家財政に余力がなくなれば社会福祉費の削減に手をつけざるを得ない。独裁政権下で唯一の「ガス抜き手段」がなくなれば、民衆の不満は溜まり、爆発力を増す。抑圧(密閉度)が強ければ強いほど爆発力は増す。そして内戦に至る。

2.南米における社会主義政権の崩壊

ベネズエラの社会主義政権は強権的手法で国際石油資本が保有していた採掘設備や採掘権を接収し国有化した。原油や天然ガスの販売益の大半を国民を慰撫するための社会福祉に充当し、長期政権を維持してきた。しかし、採掘設備が老朽化しても更新しなかったため原油採掘量が減少した、さらに原油価格の暴落によって財政が破綻、事実上の国家破産状態に陥ったから、社会福祉の切り捨てに踏み切らざるを得なくなった。社会主義的バラマキ政治が国家の経済力を衰退させ、原油価格の急落に対する抵抗力を失わせた。南米屈指の親中共・反米・社会主義政権は次回の選挙に敗れ政権を明け渡すと想定されている。

アルゼンチンの親中共・社会主義政権も「バラマキ政治」が国家経済を疲弊させ、国家破産は時間の問題といわれてきた。そして、社会主義政権は国民の信頼を失い、選挙で破れ下野、保守政党に政権を奪われた。同じく、ブラジルの親中共・社会主義政権も資源価格の急落という不運も重なって国家経営に失敗。企業倒産と失業者が急増し、治安の悪化で政権に対する支持率は最低ラインだ。オリンピックの開催にも疑問符が付けられている有様で、次回選挙では政権交代必至と見られている。

以上の南米3か国はいずれも「親中共・反米」の社会主義政権であり、中共と通貨スワップ協定を締結した。しかし、中国人民元をいくら手に入れても、米ドル債務を返済することには使えない。通貨スワップ協定は中国との自国通貨建て貿易決済以外に使途がないから、緊急時には役立たない。(韓国は中共と700億ドル相当の通貨スワップ協定を締結しているが、不安になったのか?最近「米韓スワップ協定」と「日韓スワップ協定」の再締結を求めている雰囲気がある。韓国の債務の大半は米ドル建てとユーロ建てであり、米ドルと互換性がない中国人民元をいくら保有してもデフォルト対策には役立たないことが分かったのであろう。)

3.南アフリカ

世界有数の貴金属産出国であった南アフリカは人種隔離政策を撤廃して民族協和の民主主義国家になると期待されていたが、昨今は閣僚の質が劣化し汚職と腐敗が蔓延しているという。経済の疲弊が政治を劣化させることもあるが、政治の劣化が経済を破綻させることもある見本だ。

4、ロシア

ベネズエラと同じく、主としてエネルギー資源を切り売りして国家を経営しているロシアにとって、原油や天然ガス等資源価格の暴落は致命的な打撃となった。ウクライナ領クリミア半島を奪い取ったことに反発した先進国(G7)による経済制裁について当時、プーチン大統領はロシア国民の民族意識が高揚していることに目をつけ「2年間の耐乏生活を」と訴えた。しかし、2年後も、3年後も、経済制裁が解除されない場合、そして原油の販売価格が1バーレル30ドル台以下で低迷した場合、ロシア国民は耐乏生活に我慢できるか?通貨ルーブルの大幅下落で輸入物価は急騰し、外国から食料品や消費財を輸入することもできなくなる。プーチンがロシア国民に訴えた「2年間の辛抱を」という期限がまもなく到来する。ロシア国民の「耐乏生活」は2年どころか、最短でも5年以上は続くと想定しておくべきだろう。エネルギー資源の価格はホルムズ海峡が通行不能となる緊急事態が発生しない限り、原油が短期間で急騰する条件は見当たらない。

プーチン大統領の「2年我慢せよ」との言葉を信じ、凍てつく大地で歯を食いしばり、空腹に耐えてきたロシア国民はそろそろ「いつまで我慢すればよいのか、プーチン大統領はウソをついたのか?」と不信感を抱くようになる。通貨ルーブルの暴落もあって、大規模な資金逃避(キャピタルフライト)が加速、経営難に陥った企業倒産や採算に合わない工場の閉鎖によって失業者も増えているはずだ。さらに、財政難によって、社会福祉を大幅に削り込まざるを得なくなれば、いかに我慢強いロシア国民といえども怒りを爆発させ、体制転換(革命)を求めるのではなかろうか。プーチンはロシア国民の不満が高まり、体制批判に結びつくことを恐れ「カラー革命に備えよ」と訴えたのだ。

第2:戦争の一形態としてのテロ

テロリストが数百人、数千人単位で蝟集し、組織化され、一定の地域を勢力圏に治めたとき「反政府軍」と称することができる。本拠地を持たず漂泊する暴力集団は山賊・野盗の類であろう。シリアには何百もの山賊・野盗の群れがいるというから、その中で、組織力と統率力に優れた集団が他を吸収して大規模化、反政府軍となっているのであろう。

地域に割拠し政権を脅かしているのがアフガンのタリバン、イラク・シリアのIS、独立国家の建設を狙っているのがトルコ・イラク・イラン・シリアに割拠するクルド人武装集団、フィリピン・ミンダナオ島のイスラム系武装集団、ロシア・チェチェン共和国のイスラム過激派武装集団、リビア、イエメン、ソマリア、スーダン、マリ、ミャンマーの反政府軍など。彼らはいずれも政情不安定で、かつ統治機構が十分に機能していない国家や地域で勢力を拡大している。彼らは敵対する政府の重要拠点を狙って襲撃を繰り返すほか、敵の後方を撹乱する意思をもって、社会全体を不安に陥れる効果を狙って無差別テロを仕掛ける。

テロリストは「敵方の兵士であるか、一般市民であるか」に頓着しない。戦争としてのテロ行為は、敵方に最大の損害を与えることができれるならば、テロの標的は何でもよいのである。テロは「攻めやすく守り難い」点において、弱者が強者と五分の勝負ができるハレの舞台なのだ。したがって、テロを未然に封じ込めるためには諜報機関を充実させるだけでは十分ではない。国民各位が「一致協力してテロを防ぐ」との危機意識を共有できるよう教育・宣伝活動に注力すべきだ。

先般、パリで発生した同時多発型無差別テロはフランス全土を初め欧米を震撼させた。キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒の区別なく一般市民多数がテロの標的とされ殺された。テロリストの狙いは「社会不安を醸成すること」と、「偉大なる?ISの宣伝」にある。「IS」は20世紀初頭に誕生したコミンテルン(共産主義者の司令塔)と同様、世界各国に「IS支部」を立ち上げ、世界中を「テロの戦場にしたいと願っている。

21年前(1995)、我が国でもオーム真理教が行った「地下鉄サリン事件」等の無差別テロがあった。彼らは、小火器を準備し、神経ガス(サリン)を大量生産して無差別テロを繰り返した。数千人の一般市民が殺傷された。オウム真理教は自らを「革命軍」と称していたが、実態は社会に不満を抱き、社会を混乱に陥れる反社会的テロリスト集団にすぎない。首謀者松本智津夫ほか事件に関与した幹部は尽く逮捕され、最高裁判所で死刑判決が確定した。しかし、なぜか?現在に至るも、未だ一人も、死刑が執行されていない。

原油価格の急落によって、ISへの資金ルートが細っていると推定されるが、ISは採掘した原油をトルコの業者や敵対するシリア政府の関係者に密売して軍資金を稼いでいるという。そして、ISはネットワークを活用してイスラム圏だけではなく世界中から戦闘員を集めている。20世紀型の共産主義に代わって登場した21世紀型のイスラム過激派(IS・アルカイダ)だ。

仮に、シリア・イラクに割拠するISを掃討できたとしても、彼らは世界中の政情不安定な地域(特に内戦地域)に戦闘員を移住させて勢力を温存、新たな拠点づくりを始めるだろう。ISをイラク・シリア北部に封じ込め、「生かさず殺さず」の生殺し状態に留めおくのが賢明な方策であり、トルコ・イスラエル・サウジの意向にも合致する。癌の腫瘍は必ず摘出手術をしなければならないとは決まっていない。免疫療法や放射線治療が効果を発揮する場合もある。

第3:欧州連合(EU)の存立を脅かす民族大移動問題

2015年、ドイツに流入した移民(難民)は約110万人。移民(難民)は大別すると、(1)EU域内(東欧)や同周辺国のキリスト教圏からの移民、(2)アフリカの西欧列強旧植民地からの移民、(3)シリア・イラク・アフガン・リビア・イエメン等内戦地域からの戦争難民又は移民等が混在。これら内戦地域からの移民(難民)と、移民(難民)の群衆に紛れ込んでいるISやアルカイダ等イスラム過激派戦闘員を識別するのはほとんど困難である。移民(難民)の1000人中1人(0.1%)の割合でイスラム過激派戦闘員が潜伏していると仮定すれば1100人となる。

英国では来年にも「EUからの離脱の可否を問う国民投票」が予定されている。フランスでも「EU不要論・脱退論」が台頭している。EU加盟国において、イスラム圏からの移民(難民)に対する生体拒否反応が激しくなっているのは、異文明に対する違和感のほか、低賃金労働者が大量流入することで失業者が増大し、賃金切り下げ等雇用条件の悪化をもたらすと感じているからだ。加えて、納税の義務を果たし、社会福祉制度を充実させてきた一般国民にとっては(人権を盾に)社会福祉制度の受益者権を主張する新参者(移民・難民)を心優しく受け入れることができないのだ。豊かな社会であれば、鷹揚に応接することができようが、格差が拡大し、貧困層が拡大し、国家の経済が疲弊している国家にあっては「西欧近代の人権主義を貫くこと」が困難になっているということだ。

移民・難民の大量流入は企業経営者にとっては低賃金労働者を確保できるメリットがあり歓迎すべき事柄であるに違いないが、競争相手が増えるだけの労働者にとっては迷惑千万な話なのだ。もっとも、円高で、賃金が高く、人手確保が困難で、法人税率が高いようであれば企業は国外脱出を考えるであろうから、事はそんなに単純な図式ではない。安倍総理がやや強引に法人税を引き下げ、基幹産業の社長を伴って首脳外交に励んでいるのも、企業の仕事を増やし従業員の雇用維持を狙っているのだろう。企業は世界的規模で国家を選ぶ時代である。国家もウカウカしておれないのだ。現代は閉鎖的かつ自給自足型の一国社会主義の時代ではない。

第4:習近平が急ぐ中共軍の近代化と失速(又は崩壊)する中国経済

毛沢東は「中国の現状を具体的に分析し、彼我の力関係を直視して戦略・戦術を練り上げる達人(現実主義者)」であった。毛沢東の軍は「敵を中国大陸に誘い込んで殲滅する」という人民戦争を基本とする「守りの軍」であった。守備を固め、しかる後、反転攻勢の機会を窺う。毛沢東は10大元帥系列の陸軍(軍閥)が団結できないよう分断して支配した。毛沢東は共産党中央直属の陸軍(軍閥)が軍事クーデターに立ち上がることを何よりも恐れていた。

習近平は「理念(べき論)」で現実を見る。「理念(べき論)」に合致するよう現実を改造したいと考える。「中国は大国らしく処遇されなければならない」と考え、公言する。「習近平の軍」は米軍と対等の勝負ができるよう、特に海軍・空軍・ロケット軍・宇宙軍・サイバー部隊を重点的に強化しなければならないと考える。陸軍中心の7軍区制を改編し、陸軍・空軍・海軍・ロケット軍の4戦区体制に移行、各軍を機動的に運用できる「攻めの国軍」を建設しなければならないと考える。

核ミサイル部隊をロケット軍に格上げし、空母機動群を複数編成して7つの海を遊弋させ、ステルス戦闘機を多数配備して周辺国を威嚇し、畏怖させ、服従させなければならないと考える。(党中央ではない)習近平は全軍と武装警察(以上、暴力装置)を統括する中共王朝の皇帝となって君臨する。

習近平の「理念(べき論)」は、5年ほど前、梁光烈国防相(当時)が提起したとされる国軍化構想とほぼ同じ観点で軍の再編強化を狙ったもので独創性は皆無。職業軍人梁光烈国防相(当時)の問題提起としては合理的な考えといえるが、国家主席(総書記)たる習近平が世界最強の米軍に対抗したいと欲する理念(べき論)で、強大な中国軍の建設に執心し邁進するのも、最高指導者としては如何なものか?と思うのだ。

中国の実体経済の失速及び金融崩壊の危機、人間の生存に適さないほど悪化した大都市の環境汚染、福祉の貧困と世界最大の貧富の格差を放置して軍事偏重政治を強行する習近平の政治的資質を疑わざるを得ないのだ。

外国資本の導入によって右肩上がりの経済成長を続けることができた過去20年と、国有企業の借金残高が最低でも1500兆円に達し、銀行の融資が停止すれば「即倒産」となるゾンビ国営企業が過半に達するといわれている。そして、地方政府の多くが不動産投機によって天文学的負債を抱えているという。ゾンビ国営企業では設備の廃棄と従業員の解雇等を小出しで行わせ、社会不安が高まるのを抑えるソフトランディング路線(新常態)を進めているが、当座のボロ隠し(弥縫策)に過ぎないから、ひとたび金融機関の不良債権が表面化すれば銀行閉鎖(預金者の取り付け騒ぎ)が全国規模で発生しても不思議ではない。国家権力が13億人の口と耳を塞ぐことはできないからだ。

習近平は「2016年の経済成長率は最低でも6.5%」というが、この数字は社会主義的計画経済の努力目標に過ぎない。世界銀行やIMFは中共中央政府が発する努力目標の数値を鵜呑みにしているがとんでもない談合試合だ。習近平がいう「新常態」とは「+6.5%成長」ではなく「せめて±0%確保」という切羽詰まった願望なのだ。漢族が発する言葉に騙されてはならない。彼らは「2016年はマイナス成長に陥る危険が高い」と認識しているからこそ、意味不明の漢語で粉飾し、世界と13億人民を欺いているのだ。

つまり、経済が失速又は崩壊し、前年比マイナス成長が続く時代にあって軍事予算の二桁増を続けることは不可能な話なのだ。仮に、経済の失速又は崩壊と無関係に軍事予算だけを二桁増額したならば、北朝鮮と同じく先軍国家となる。民生部門の予算は大幅に削減され餓死者が続出、生き残った数億人の民衆が流民となる。失うものがない民衆は勇気凛々「黄色の旗」を掲げて全土で一斉に蜂起する。古代中国の思想家「老子」は「強梁なる者はその死を得ず」と述べた。「民衆を力で弾圧する為政者はろくな死に方はできない」というのである。

何が言いたいのか、といえば習近平の大風呂敷も歴代皇帝が心血を注いだ「万里の長城」の公共事業と同じく、何の成果も得られず未完で終わるということだ。歴史の約半分を異民族に支配された漢族は民族の集合的無意識(劣等感)を癒やすべく、何よりも「中華民族は偉大ですね」と賞賛してもらいたいのだ。例え、それが「お世辞」であるとしても。

第5:箍(たが)が外れ、世界の秩序(?)が壊れた

2016年1月時点で内戦が勃発しているのは、ウクライナ、チェチェン、アフガニスタン、パキスタン、トルコ、イラク、シリア、リビア、イエメン、スーダン、マリ、東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)等である。地球儀で見ると、北緯30度から北緯40度のイスラム文化圏に集中していることが分かる。その中でも、シリア(イラク)の内戦には、政府軍と反政府軍だけではなく、周辺の主要国(イラン・サウジアラビア・ヨルダン・イスラエル・トルコと欧米列強(米英仏)・ロシアが参戦しているという意味で、「内戦」の概念を超えた「世界戦争」といってよい。

1.中東戦争の経緯と特徴

イスラエル建国(1948.5)の翌日に始まった第1次中東戦争は、イスラエル(ユダヤ人)とエジプト・サウジ・イラク・シリア・ヨルダン(アラブ人・パレスチナ人)の戦争であった。エジプト(ナセル大統領)がスエズ運河を国有化すると宣言したことで勃発した第2次中東戦争(1956)ではイスラエル(英国)とエジプトが戦い、第3次中東戦争(1967)では、イスラエルとアラブ連合共和国(エジプト・シリア)が戦い、第4次中東戦争(1973)では、イスラエルとエジプト・シリア・モロッコ・サウジ・イラクが戦った。

1979年、イスラム原理主義勢力(ホメイニ)がイランの王政(米ソ支持)を打倒してイスラム革命を成功させた。翌年(1980)、イラク(アラブ各国・米ソ支援)とイランの戦争が始まった。同戦争中の1982年、イスラエルとシリアがレバノン内戦に介入(第5次中東戦争)。

1990年、イラク軍(フセイン)がクウェート侵攻、1991年湾岸戦争。イラク軍(パレスチナ解放機構支持)と多国籍軍(米欧・アラブ各国)が戦った。2001.9.11の米国の政治・軍事・経済中枢部に対する同時多発テロが発生、同年10月、米軍を主力とするNATO軍がアフガンに侵攻、タリバン政権を崩壊させた。2003年3月、米軍を主力とする有志連合がイラクに侵攻しフセイン政権を崩壊させた。

2011年1月、シリアのアサド政権が民主化を求めるデモを武力鎮圧したことで国軍が分裂、イラクの内戦が始まった。同年12月、イラク駐留米軍が完全撤退した。マリキ政権(シーア派)から排除されたスンニ派系軍人・旧フセイン軍残党・旧バース党党員らが蜂起し、シリア反政府軍の一派と合流し「イスラム国(IS)」を立ち上げた。

(2016年1月、中東地域における戦争は以下のとおり)

1.シリア・・・政府軍(イラン政府・イラク政府・イスラム過激派ヒズボラ(いずれもシーア派)・ロシアが支援)と反政府軍各派の戦争と、ISと政府軍及び反政府軍各派(アラブ連盟・パレスチナ自治政府・トルコ・米英仏独ら有志連合が支援)の戦争と、ISとクルド人武装勢力(欧米とイスラエルが支援)の戦争と、イスラエル軍とシリア政府軍・イスラム過激派ヒズボラ(シーア派)の戦争が主なもので、その他反政府勢力には弱小の野盗や野武士の如き集団が何百もあるという。戦国末期の我が国でも蜂須賀小六の如き野盗又は野武士の集団が多数いたが、徐々に戦国大名に吸収された。

2.イラク・・・政府軍(イラン・ロシア・米国・クルド人武装勢力)とISとの戦争。米国はシリア戦争ではイラン・ロシアと敵対するが、イラク戦争ではイラン革命防衛隊と協調する等戦略方針に一貫性がない。結果、主要同盟国のイスラエル、トルコ・サウジアラビア等湾岸諸国(いずれもスンニ派)は米国の二股外交・二股戦略に失望し、米国への不満を隠していない。

3.アフガニスタン・・・政府軍(米軍を中心とするNATO軍)とイスラム原理主義タリバン(スンニ派)との戦争。タリバンはアルカイダやパキスタン陸軍諜報部と緊密な関係にあるとされ、サウジ等湾岸諸国の富豪(スンニ派)から金融支援を受けているとみられている。

4.パキスタン・・・政府軍(中共・米国支援)とパキスタン・タリバン(スンニ派)との戦争。タリバンの後見人はサウジや湾岸諸国の富豪とみられている。

5.イエメン・・・政府軍(スンニ派)をサウジアラビア政府が、反政府軍の一派(シーア派)をイラン政府が、反政府軍の他の一派(IS系又はアルカイダ系)をアラビの富豪が支援する三つ巴の戦争。

6.チェチェン・・・ロシア軍と反政府武装勢力(IS・アルカイダなどイスラム過激派と連携)との戦争。

7.トルコ・・・NATOに属するトルコ軍とクルド人武装勢力(後背地のイラク領クルド人武装勢力は欧米やイラク政府が武器供与)との戦争。

8,イスラエルとレバノン南部に割拠するイスラム過激派ヒズボラ(シーア派)・パレスチナガザ地区に割拠するイスラム過激派ハマス(スンニ派)との戦争。

9.エジプト・・・軍事政権とシナイ半島に拠点をおくIS系過激派との戦争、先般、同過激派はロシアの旅客機に爆弾をしかけ、飛行中に爆発させて乗員・乗客全員を死亡させた。シリアにおいて、ロシアがIS支配地域を空爆したことに対する報復との声明を発表した。

以上、すでに中東全域が戦争(内戦)に突入している状況にあるが、アラブとイスラエルの戦争が25年続いた後、イラク・イラン戦争ではスンニ派がイラクを、シーア派とイスラエルがイランを支援した。イスラエルにとっては「敵(アラブ)の敵(イラン)は味方」という位置づけであったのかもしれぬ。

そして、米国を盟主とする多国籍軍は湾岸戦争(1991)でイラクのフセイン政権(スンニ派)を痛めつけ、アフガン戦争(2001)でタリバン政権(スンニ派)を打倒、イラク戦争(2003)でイラク・フセイン政権(スンニ派)を打倒、マリキ政権(シーア派)を誕生させた。そして、シリアのアサド政権(シーア派)が保有していた毒ガス兵器でシリア国民多数(スンニ派)を殺傷した事実を把握していた米国は、なぜか?アサド政権軍への空爆を断念してアサド政権の延命を助けた。以上の事実から言えることは、「米国は一貫してスンニ派勢力を弱体化させる戦争を仕掛け、結果としてシーア派勢力が伸長するのを支援してきた」ということなのだ。これがアングロサクソン流のイスラム教分割統治策なのか?疑問は尽きない。

サウジアラビアやトルコの立場で見ると、米国が主導した湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争、ISとの戦争は「スンニ派弱体化戦略」「シーア派育成戦略」に見える。オバマ大統領は毒ガス兵器でスンニ派住民多数を虐殺したシリアのアサド政権の存続を容認することで、結果として、ペルシャ湾から地中海までの「シーア派回廊」の悲願を成就させた。同盟国として米国を信頼してきたサウジアラビアとエジプトは失意のどん底に落ち込んだ。「捨てる神あれば拾う神あり」。ロシアにとってはチャンス到来、エジプトとサウジアラビアに接近し親密な関係を築くことができた。トルコはドイツとイスラエルに接近中だ。

おそらく、米国の中東政策(スンニ派弱体・イラン優遇)に対するサウジアラビアの不満が(イランに対する経済制裁が解除される以前に)「国交断絶」という非常手段をとらせたのだ。イランと欧米との合意(核開発の一部停止)を何としても阻止しなければ、イラン(シーア派)の勢力拡大を阻止できなくなると焦った。

もとより、米国(西欧)のイラン(シーア派の盟主)への接近に不満を抱くのは、サウジ等アラブ連盟加盟国(スンニ派)やトルコだけではない。イスラエルの利害も同じ。すでに、イスラエル・アラブ連盟・トルコの「反シーア派同盟結成」に向けた裏工作が始まっているかもしれぬ。そして、「反シーア派同盟」が、切り込み先鋒隊として、ISとアルカイダ系過激派組織(ヌスラ戦線)への期待を高め、取り込みを画策しても何の不思議もない。欧米列強にとっては憎きテロリストであっても、スンニ派にとっては頼りがいのある同志であるかもしれないのだ。

これまでイランの後ろ盾となってきたロシアが「イランとサウジアラビアの関係を調整する用意がある」と申し出たのは、ロシアのしたたかな計算による。イスラエルや多数派のサウジ等アラブ連盟にも貸しをつくり、「米国が抜けた穴をロシアが埋める」と表明したようなものだ。米国と同様、ロシアも二股外交を行うつもりだ。プーチンは「外交オンチのオバマ政権の残余期間内(1年)で、一気に勝負をつけたい」と考えているのであろう。

まとめ

世界は今、法と正義(理性)が力を失い、暴力(戦争)が横行する時代になった。無差別テロは内戦中の中東地域だけではなく米仏などの先進国にも拡散した。有感地震が多発する関東地域で生活する人間は地震の揺れに慣れているが、同じく現代人は常態化した無差別テロと戦争(内戦)に慣れ、親しみ、驚かなくなった。「平時から戦時へ」との感覚転換が始まった。大事件が余りにも頻繁に発生するので、少々の出来事には誰も驚かない。

新年早々、サウジアラビアが「イランとの国交断絶」を表明した直後、北朝鮮が「核実験(水爆?)」を強行。上海株は1月4日・7日の2回、7%超も暴落、「サーキットブレイカー」が適用され、市場閉鎖に追い込まれた。上海株式市場が世界同時株安の震源地となった。さらに、1月7日付け「WTI原油価格」は1バーレル33.64ドル、「CRB商品先物指数」は168.54、「バルチック海運指数」は445と下落中でなお底値は見えない。中国経済の崩壊が顕在化すれば株式市場だけではなく、世界経済を奈落の底に突き落とす虞れもある。

2016年は世界経済にとって正念場となるだけでなく、世界の政治地図(勢力図)を塗り替える年となろう。経済戦争に敗れた国では民衆の不満が爆発、そして既存の政治体制が打ち倒されて統治機構が崩壊すれば群雄割拠の内戦に至る。歴史上、何百回・何千回も繰り返されてきた光景だ。

いよいよ、疾風怒濤の2016年が始まった。「負けに不思議の負けなし」という。細心の注意力をもって大胆不敵に振る舞うことで難局を乗り切りたいものではある。

白髪爺 at 04:33│Comments(11)clip!

この記事へのコメント

1. Posted by 三毛   2016年01月10日 06:53
場当たり的に見えた米国の中東政策は、スンニ派弱体化でしたか。分断統治と考えると納得できました。素晴らしい分析です。

ところで白髪爺様は、米国が北朝鮮と国交を持とうとしていると書いておられました。核実験でそれは遠のいたのかどうか、お考えをお聞かせください。
2. Posted by 白髪爺   2016年01月10日 11:49
「スンニ派弱体化政策」がアングロサクソンの「戦略に基づく一貫した行為であったのか、それとも「時々の必要性」を追求していたら、「結果として」そうなってしまったのかは不明です。
ブッシュ大統領時代、米国の北朝鮮政策は「核の全面廃棄」から、「核と同関連物質を輸出することは認めない」の限定容認論に転換しました。北朝鮮から流出した核兵器がテロリストの手に渡ることは米国の存立にとって重大な脅威となるが、北朝鮮が核保有国になるだけであれば「許容できる」という立場に転換しました。オバマ政権は北朝鮮問題が進まない責任を中共に押しつけ「丸投げ」してきました。米国の重点施策から外れていました。

「核不拡散」を唱えるオバマが、「核保有国となって中共から自立したい」と考えている北朝鮮指導部(パルチザン系)と(任期中に)関係改善に動き出す可能性は低いのではないでしょうか。
米国の関心は「中国大陸と南シナ海」に向いておりますから、半島(北朝鮮と韓国)の問題は当面、「米中覇権争奪戦の局部問題」という位置づけではないかと思います。とりあえず「出た杭は打て」ということで国連安保理で「北朝鮮に対する非難決議と新たな制裁決意」を出すだけで、半島問題は「喫緊の課題」とは考えられていないと思います。





3. Posted by 大和は圀のまほろばです   2016年01月14日 11:37
予想を超える勢いで日本の株も下落しています

15000円くらいで止まるかな?と思っていた私が素人だわ(笑)私は株をやっていませんので、別に上海がどうなろうと東京がどうだろうとどうでもいいんですが

年金の基礎年金を株式に運用してしまったのは安倍政権としてはまずかったんじゃない?と最近思います

まあ10年のグロスで見ればなんてことはないのですが昨年のマイナスより・・今年のマイナスの方がかなりインパクトありますね

安倍政権の命取りになりそう・・・
4. Posted by 大和はくにのまほろば   2016年01月14日 16:43
韓国・中国とも日本とに通貨スワップを再開したいと盛んにアピールしています

韓国は・・まあほっておけ(笑)
でも中国はやらざるを得ないでしょうか?
中国と取引のある日本企業も守らないといけませんし

どう思われますか?
5. Posted by 白髪爺   2016年01月14日 23:22
中韓共に、下落する一方の通貨を買い支えるために「米ドル売り・人民元買い(ウオン買い)」に追い込まれておりますほか、輸出入が縮小する傾向がありますから「国家破産(デフォルト)に陥るのではないか」との危機意識が高まっているのでしょう。
中共が我が国に「通貨スワップ協定の締結」を申し入れてきたのも、彼らが「外貨のやりくり」に相当難儀し始めた証拠でしょう。おそらく、中国に進出した我が国企業は(欧米企業や中国の資産家も)、人民元が大きく下落すると想定し、リスクヘッジ(円やドルに換金)を急いでいるのでしょう。キャピタルフライトが大規模に発生しているのだと思います。
14日付け世界の株式市場は一斉に暴落しましたが、唯一、上海市場だけが上昇しております。中共の金融当局が「人民元」と「株式市場」の暴落相場に抗して必死で買い向かっているのでしょう。「ムダな抵抗は続けられない」と思います。
という訳で、日中スワップ協定の締結は「泥棒に追い銭」に等しい愚策と思います。親中派の企業、財務官僚及び政治家共が中共の要請を受けて暗躍しているかもしれませんね。
韓国との通貨スワップ協定は「中共の走狗」を「我が家(裏口)の番犬」として飼いならすための必要経費と考えているのかもしれませんね。
世界的同時株安と資源価格の暴落がしばらく続くようであれば、損切りして資金を温存、大底をつけるのを待って再び「買い出動」という循環になるのではないでしょうか。相場には「上げ」と「下げ」がありますから、「株がダメなら安全な資産(現物金・円・米ドル(国債)」に資金を移動させるのでしょう。




6. Posted by 三毛   2016年01月15日 21:42
お答えいただきありがとうございました。

半島が米国にとって喫緊の課題ではないとすると、拉致問題の解決は難しいということになりますね。残念です。

近頃は、中国が崩れていくような事故や災害の記事を見かけます。人民の不満はさぞかし高まっているはずです。キリスト教や法輪功などの宗教に救いを求める人々が3億人とも聞きます。黄巾の乱のようなことがおき、いくつかの地域に分裂する日が近いと思われますか?今まで欧米のマスコミがバラ色の中国ではなく、実態を報じ始めているようです。危険水域なのかと感じます。
7. Posted by 白髪爺   2016年01月15日 23:03
拉致問題は核廃棄の問題と一括して解決しなければなりませんので、御指摘のように見通しをつけることが困難な袋小路に入っていると思います。米国は中東問題(ISとの戦争)で頭が一杯ですから、「現状の変更は許さない」と牽制するだけではないでしょうか。
もっとも、在日米海軍艦艇の増強、フィリピンの米軍基地の再建、ベトナムとの軍事協力などは着々と体制を整えておりますからリバランス政策は堅持しているように見えます。北朝鮮・韓国・台湾が「中共から離反する姿勢を見せております」から、米国はニンマリしているのだろうと思います。
これまで中共は粉飾決算で世界をたぶらかしてきましたが、株式市場の暴落、人民元の下落、キャピタルフライトの発生、貿易額の縮小、不良債権の顕在化と国有企業の倒産続出等、遅まきながら世界も「中国の現状」に気がつきました。
中共中央習近平総書記(国家主席)は体制崩壊の危機、中国大乱が迫っていることを感じているからこそ、徹底した人権弾圧、中共軍の一括管理、習近平個人への権力集中を強めているのだと思います。
中国共産党一党独裁制権が心筋梗塞の「ソ連邦崩壊型」になるのか、毛細血管が壊死する「後漢王朝型」になるのか?は何ともいえません。
健康増進団体であった太平道の如き健康増進団体が仕事を失い流民化し、餓死者続出の農民工や労働者1億人超と結合した時、時代が大きく動くのではないでしょうか。そういえば「明の太祖」も乞食であったといわれております。
中国4000年の歴史は易姓革命の連続であったといわれておりますが、異民族王朝を除く漢族歴代王朝は虐げられ、食えなくなった流民が武装蜂起して既存の王朝を打倒し新王朝を建設したのでした。中共朝習皇帝にも同じ宿命(さだめ)が待っているのではないでしょうか。







8. Posted by 大和は圀のまほろばです   2016年01月19日 20:35
こんな本が出版されました・・


安倍さんは、北朝鮮への強硬姿勢を期待されて政権に返り咲いた。
ただ、拉致問題は政権浮揚のためだったのかと思います・・・蓮池透

ということで蓮池かおるさんのお兄さんが本を出版されました
かなり辛辣に書かれていらっしゃいます・・もっとも体験談だけでノンフィクションじゃないから嘘は書いて無さそうです
・・・・・・・・・

(拉致被害者支援法の成立後、)私は、
「国の不作為を問い国家賠償請求訴訟を起こしますよ」
と、安倍氏を追及した。
すると安倍氏は、薄ら笑いを浮かべながら、こう答えたのだ。
「蓮池さん、国の不作為を立証するのは大変だよ」
……いったいどっちの味方なのか。(75ページ)
・・・・・・・・・

爆発的に売れたり話題になる事は無いと思いますけど・・出版社も売れる本なら何でもいいと過激にやっているような(あざといかな?)
でも全くの嘘とも思えず・・困ったものです
9. Posted by 白髪爺   2016年01月20日 11:34
拉致被害者家族会の元事務局長であった蓮池透は当時から極左活動家といわれておりました。そして、蓮池薫氏など5人が帰国した後、蓮池透は家族会で孤立したのか?突然、事務局長を辞任しました。
蓮池透がなぜ?いま?御指摘の「反安倍キャンペーン」を始めたのか、その背景は不明ですが、いろいろ推定することはできます。
1.拉致された被害者のうち、蓮池薫は特別待遇を受けておりました(対日・対韓工作の諜報機関?)。北朝鮮当局が最も信頼して日本に送り込んだ(一時帰国させた)と推定されます。安倍晋三官房副長官(当時)や家族会・世論の猛烈な反対によって、「一時帰国」が「永久帰国」に変わってしまいました。結果、外務省田中均が裏取引した北朝鮮高官ミスターXは粛清(処刑)され、金正日も「日本に騙された」と激怒したほか、「二度と同じ過ちを繰り返したならば自分の命(金正日)が危ない」と語ったという情報が流れたことがありました。
2.蓮池薫一家に対する北朝鮮側の特別待遇は家族会各位にとっても(なぜ?)との疑念を生じさせたのではないでしょうか。蓮池透が安倍総理批判をせざるを得なくなったのは、現場不存在(アリバイ)の証拠にしたいということかもしれませんね。
3、あるいは、朝鮮総連を通じて、北朝鮮からの要請(反安倍キャンペーン)があるのかもしれず、当局も背後関係の調査に着手しているのではないでしょうか。
4.出版社の経営も苦しいといわれていますから「自費出版」的なものであれば、内容はどうでもよいということだと思います。
5.日朝交渉が行き詰った状況で「反安倍キャンペーンを行った動機」は蓮池透(又は蓮池一家)の個人的なものか?、それとも北朝鮮の要請又は指令によるものか?いずれにせよ、不可解な動きではあります。


10. Posted by 大和は圀のまほろば   2016年01月20日 15:06
わかりやすい回答ありがとうございました

いろんな考えの人間が居るので、それは仕方ないと思いましたが、なんだか唐突な話で私には???でした

確かに本の中身にお金のことがしつこく書いてあるので、それも変な話だなと思ったものです

11. Posted by 白髪爺   2016年01月21日 00:38
筆者は「自然でない動き」がある時は、一般人には見えにくい裏社会(諜報機関やヤクザ等)が蠢いていると考えております。これがサインなのか、何らかの危害を加える脅しなのか?は不明ですが、北朝鮮当局が何らかのかたちで関わっている臭いがします。
北朝鮮は5月に日露首脳会談の開催されるとさらに孤独感を深めることでありましょう。何しろ、盟友のキューバとイランが敵国(米)と和解しましたから、北朝鮮も相当焦っているのではないでしょうか。それで、いろいろ工作を始めたのかもしれませんね、

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔