プロ雀士吉田光太の横向き激闘記

最高位戦日本プロ麻雀協会 吉田光太のblog。

2006年03月

雀豪列伝[2] ホスト

 
 一萬:麻雀王国二萬:麻雀王国一筒:麻雀王国二筒:麻雀王国三筒:麻雀王国九筒:麻雀王国九筒:麻雀王国九筒:麻雀王国一索:麻雀王国二索:麻雀王国三索:麻雀王国八索:麻雀王国九索:麻雀王国   ツモ 三萬:麻雀王国
 

 これが配牌である。
 ダブリーをかけるか否か思案していると、隣の卓から視線を感じた。


「まただ――」
 

 ここ一週間、店で何度か見かけた男がコチラに視線を投げ掛けている。


 同卓したことは無いはずだが、いつも自分の手牌そっちのけで、私の方を見ている。
 二十代前半、長身で男前だが水商売特有の摺れた雰囲気を醸し出していた。


「何か因縁があるのか?」


しかし、こちらは身に覚えがない。


「気味が悪いな……」



 一萬:麻雀王国二萬:麻雀王国三萬:麻雀王国一筒:麻雀王国二筒:麻雀王国三筒:麻雀王国九筒:麻雀王国九筒:麻雀王国九筒:麻雀王国一索:麻雀王国二索:麻雀王国三索:麻雀王国九索:麻雀王国   リーチ ツモ 九索:麻雀王国



 「4000・8000!」


 上々の倍満をアガリ、その半荘で切り上げて席を立つと、店員が熱いオシボリを差し出してきてくれる。


「あの金髪のお兄さんは、誰?」


 そっと耳打ちをする。


「ああ、ウチの支店のお客だよ。ホストをやっているらしい」


「俺、同卓したことあったっけ?」


「無いんじゃないかな。かなりキレる打ち手だって話だけどね」


「ふーん」

 
 翌日、いつもより遅目の時間から卓に着く。
 丁度、絶好調の波が続いていた時分だった。


 その夜もアクセル全開で快調に勝ちを積み重ねて行く。
 

 深夜二時を過ぎた頃、下家の学生がパンクして例の金髪が私の卓に入ってきた。


「ん、この人か・・・」
 

 否が応でも気になる。


「ポン!」



 裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国   ポン九筒:麻雀王国九筒:麻雀王国九筒横:麻雀王国


 開局早々、彼が 九筒:麻雀王国 を開く。


「チー」


「ポン」



 裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国     二筒:麻雀王国二筒横:麻雀王国二筒:麻雀王国  一萬横:麻雀王国二萬:麻雀王国三萬:麻雀王国  九筒:麻雀王国九筒:麻雀王国九筒横:麻雀王国


 場に生きている翻牌は東と緑発のみ。
  金髪は自模切りを続けている。


 その局は私を脇も翻牌を押さえ、流局。
 すると、三人をあざ笑うかのように金髪が手牌を伏せた。


「そういう麻雀ね」


 次局、またもや金髪がオタ風から仕掛ける。


「リーチ!」
 

 充分形で鉄拳リーチを入れた。

 
 一索:麻雀王国一索:麻雀王国四索:麻雀王国五索赤:麻雀王国六索:麻雀王国四筒:麻雀王国五筒赤:麻雀王国五筒:麻雀王国六筒:麻雀王国七筒:麻雀王国五萬:麻雀王国六萬:麻雀王国七萬:麻雀王国   リーチ

 
<捨て牌>

 東:麻雀王国九筒:麻雀王国中:麻雀王国九索:麻雀王国三索:麻雀王国東:麻雀王国
 六索:麻雀王国五索横:麻雀王国  リーチ


「チー」
 
 金髪が嵌5ソーで鳴いて、打 八索:麻雀王国


 裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国裏:麻雀王国    五索横:麻雀王国四索:麻雀王国六索:麻雀王国  西:麻雀王国西横:麻雀王国西:麻雀王国  北:麻雀王国北:麻雀王国北横:麻雀王国


「まだ鳴くか・・・」


 一発を消されて、金髪と私のめくり合い。
 すると、上家の親が首を傾げながら私の現物の打・ 中:麻雀王国


「ば、馬鹿!」


「ポン――」

 
 裏:麻雀王国     中:麻雀王国中横:麻雀王国中:麻雀王国   五索横:麻雀王国四索:麻雀王国六索:麻雀王国  西:麻雀王国西横:麻雀王国西:麻雀王国  北:麻雀王国北:麻雀王国北横:麻雀王国


 手出しで、打 二索:麻雀王国


「ゆっくり自模らせてくれよ……」


 赤・赤のある両門待ち、出来れば引き和了りたい。


「嵌5ソーを鳴いて、中ポンで2ソー・・・。 一索:麻雀王国二索:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国 からか? 四枚目なんて引いてくるなよ!」


 しかし、金髪が無発声で自模った牌を卓に叩きつける。

 
 三索:麻雀王国   ツモ 三索:麻雀王国     中:麻雀王国中横:麻雀王国中:麻雀王国   五索横:麻雀王国四索:麻雀王国六索:麻雀王国  西:麻雀王国西横:麻雀王国西:麻雀王国  北:麻雀王国北:麻雀王国北横:麻雀王国
 

「3ソー!」

リーチを受けた時点で、嵌7ソー聴牌が入っていたことになる。


 二索:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国六索:麻雀王国八索:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国  西:麻雀王国西:麻雀王国西横:麻雀王国北:麻雀王国北:麻雀王国北横:麻雀王国


 
 金髪は寡黙でほとんど声を発しない。
 愛想はないが、横柄という感じでもなかった。とにかく、もの静かな男だ。


 私が想像していたホストのイメージとは異なる。


 明け方まで十半荘近く打っただろうか。

 彼はガチャガチャと鳴き散らすくせに、放銃が全く無い。

 嵌張でも何でも曲げておきながら、平和三色手などは闇できっちり高目を仕留めていた。
 一度、三件リーチを裸単騎で交わされたこともあった。
 

 卓越したバランス感覚――。


「強いな……」
 

 当時、その雀荘のエースを気取っていた私だが、彼の麻雀にすっかり魅入ってしまった。


 私達以外の二人が欠け、同じくツー欠けの隣卓へのご案内待ちとなる。
 
 サイドテーブルの籠から浮き分の札だけを懐中にしまい、煙草に火を点け何となく隣の卓の親の手牌を覗いていた。


「なぁ……」


 不意に金髪が話し掛けてきた。


「は?」


 煙草を吸う手を止めて振り返る。
 喋りかけてくることはある程度想定していた、何か言いたいことかあるのだろう。


 正直、緊張が走った。

 彼がゆっくりと口を開く。



「吉田クン、モテるだろ?」


「はぁあ?」


「ずっと見てたんだけど、キレーな顔してるよな」


「でも、今は女とか興味無いし」


 頭のてっぺんから、つま先まで麻雀にどっぷりハマっている生活だ。
 色恋なんて一切ない。


「歳はいくつなん?」


 ホストに勧誘でもしようというのだろうか。
 悪いがその気も、そしてアッチの気もない。



「18歳です」


「メシ食いに行くべぇよ」



 意外な言葉と共に、初めて彼が笑顔を見せた。
 人懐っこい笑顔だ。ホストとはこういうものなのだろうか。
 

 近くの店でステーキとビールを振る舞ってくれる。
 彼は私がメンバーから聞いたものと違う名を名乗った。



「偽名を使ってました?」
 

 雀荘で名を偽る人間など山ほどいる。


「うん? バツイチでね、そん時の名字」

「貴方の方こそモテるでしょ、俺よりいくつ歳上だろ?」

「今年で23歳」

「ホストなんですか?」

「元、ね。今は中古車のディーラーをやってる」

「儲かるの?」

「やり方次第かな――」

 
 彼とは妙にウマが合い、その後も良く打ち合った。


 五つ年上の彼は私を可愛がってくれ、時間が合えば共に街にくり出して酒を呑んだ。

 麻雀で勝った負けたを競い合っていたが、次第に成績に水があき初めた。


 彼は強い打ち手だったが、子供である私と違い、遊びや生業にも精力的だった。
 私には麻雀しかなかった。



 ある日、もう一人の連れと明け方まで三人で遊んだ帰り、後方車が居眠り運転で私達の車に突っ込んできた。
 病院に行き、警察で調書を取られたが何となく別れ難くなり、包帯を巻いたまま三人で雀荘へ。
 

 この頃から彼は麻雀を少しずつ離れ、十八番の鳴きに以前ほどの精彩が見られなくなっていた。


 その日の勝負も佳境に差し迫った私の親番。
 忘れもしない、九巡目に引き寄せた牌は四萬だった。


 一萬:麻雀王国二萬:麻雀王国二萬:麻雀王国四萬:麻雀王国四萬:麻雀王国七萬:麻雀王国七萬:麻雀王国七萬:麻雀王国東:麻雀王国東:麻雀王国東:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国   ツモ 四萬:麻雀王国
 

 「リーチ」

 自信があった。
 何翻あろうとリーチである。
 

 数巡、空振りが続いた後、下家の切った白で彼の動きが止まった。
 私の捨て牌は明らかに一色手傾向、彼が不穏な様相の河をじっと見つめる。


「ああ、駄目だな」
 

 本気でそう思った。彼は一流の鳴き手だ。


 おそらく食い流される。


 ところが彼は牌をカチャカチャと鳴らし、諦めたように自模山に手を伸ばす。
 そして、白の対子落とし。
 

「鳴かないのか――!?」



 二巡後――



 二萬:麻雀王国二萬:麻雀王国四萬:麻雀王国四萬:麻雀王国四萬:麻雀王国七萬:麻雀王国七萬:麻雀王国七萬:麻雀王国東:麻雀王国東:麻雀王国東:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国   ツモ 中:麻雀王国


 これが、彼と打った最後の局だ。


 その後、彼はその店から足を遠のけ、私達はプライベートでもあまり連絡を取らなくなった。


 しばらくして現れた彼は一見して風体が乱れており、良くない凌ぎをやっている事を耳にした。


 頬骨がくっきりと浮かび上がり、髪は潤いを失っている。
 店でもトラブルを起こすようになり、客や従業員から煙たがれる存在になった。


「何か関わりたくねえよな」 


「危ない連中に絡まれてるって噂だしね」


「クスリでもいじってんじゃないの?」


「・・・うるせえよ」


 周りから聞こえてくる雑音が鬱陶しかった。
 それが、合っているのもまだガキな私にも判るだけに苛ついた。


 ある晩、店で深夜に打っていると彼から着信が入った。


「今夜、いくらか回せないかな?」


 弱い声で彼が言う。

 もちろん、初めての申し出だ。
 いつもメシ代やガソリン代を彼は出してくれていた。


「ああ、**で打ってるから取りに来て下さい」


 彼にはかなり世話になった。
 はした金で少しでも恩が返せるのなら何てことはない。


 だが、私の胸にはもう彼と麻雀で競い合うことが出来ないという寂寥感が溢れていた。
 


 あれから十年、最近彼との記憶が色濃く脳裏に蘇る。
 雀荘での人付き合いは社会生活のそれよりも濃くて儚い。


 だからこそ卓上で交わした闘牌は色褪せずに残るのだろうか。




麻雀放蕩記

 
 麻雀小説。
 黒川博行氏 「麻雀放蕩記」
 
 麻雀放蕩記
 
 
 麻雀、カジノ、手ホンビキなどを題材とした、ミステリー作家 黒川博行氏によるギャンブル小説短編集。全七編。

 主人公の黒田ヒロユキは博打と妻・ハニャコをこよなく愛する浪花っ子。
 学生時代は雀ボーイをやった、今でも方々の賭場に顔を出す。勝負事は素人ではないが、気の良さからいつも大事な場面で勝ちきれない黒田。
 
 そんな黒田に今日も東京の出版社からギャンブル小説の依頼が入る――

「この間のルーレットの記事が一部の読者にウケましてね、今度は麻雀でどうですか?!」
 黒田は取材を名目に意気揚々と勝負に挑むが・・・

 
【収録作】
「いたまえあなごずし」

 北新地のクラブ「高見」のママから麻雀の誘いの電話が入った。

「黒ちゃん、小説書いてるよね。麻雀強いんでしょ?」
「ああ、麻雀なら負け知らずや」
 得意げに答える黒田。
「ホンマに?実は黒ちゃんの腕を貸してほしいんや・・・」

 ママの依頼は、麻雀でカモられた中古車ディーラーにリベンジをすること。

「二人で組んでさ、通しをやろうよ」
「三麻で二人組めば勝てるわな、じゃあ、いたまえあなごずしを覚えるんや」
「イタマエアナゴズシ?」
「ああ、学生時代にやっていた悪戯でな、これを1〜9の数字に変えて符丁にするんや!」

 黒田のことを資産家の息子だとディーラーの安居に紹介するママ。
 ワレ目有りの過激ルールで始まったこの勝負、序盤ツイたのは安居であった。黒田とママは何とか均衡を保ち、通しを使って凌ぐ。
 しかし安居の勢いは衰えない。黒田達は通しも徐々にハンチクになり、二人の負け額はかさむ一方に・・・
 
 ある回、黒田に早いチャンス手が入る。


 一萬九萬一筒九筒一索九索東南西北白發二筒


 国士十三面待ちのイーシャンテンである。中は場に初牌、一色手傾向の安居が一〜二枚抱えているだろうか。いずれにしても役満の聴牌は時間の問題である。

「かなわんな、こんなツモは」

 黒田は会話を装い、「中は在るか?」とママに符丁で確認してみる。ところがママは何を勘違いしたのか、打・中。
 それに合わせて安居も手牌から中を切り出す。
 次巡、黒田が南を引き聴牌。打▲團鵝

 安居は手出しで安牌の北。
(クソっ、もう一度、中を振れ!)
 しかし願いは虚しく、安居の和了。


 一索二索二索三索三索四索五索七索七索七索七索八索九索  ツモ六索

 
「安居さん、今日もツイてるわねぇ」
(アカン、通しが逆効果だ。ママがあそこで中を捨てなかったら、安居も北から先に切っただろう)
 
 予想外の展開に焦りを隠せない黒田。

 次戦、東一局――
 荘家の安居が早いリーチ。
 
 そこへ、ママから「 二索 か 一萬 を鳴かせろ」とのサイン。

 成る程、確かに安居のリーチは序盤に 三索 、五索 と切れている。
 親リーを交わすため、 二索 でママを援護する黒田。

「ドンッ、引っかかりましたね」


 一索三索四索五索六索七索八索九索四筒五筒六筒九萬九萬


 手牌を倒す安居、ポンと発声しようともしないママ――。
 全てを諒解した黒田は、トイレへ立ち反撃の策を練るが、、、、!?


 故・阿佐田哲也氏の「麻雀放浪記」をなぞって冠名された「麻雀放蕩記」。本書を初めて読んだのはもう十年近く前になるだろうか、最初の入りはやはりタイトルであった。
 阿佐田作品が好きな方にお薦めの一冊。
 

4ソー残し

 
 アーケードネットワーク麻雀「MJ3」のイベント「男のたしなみCUP」に参戦。
 全国の参加プレイヤーと東風戦八回を打ち、その合計ポイントを競うイベントだ。

 筐体にコインを投入し、イベントルームでゲームスタート。オンラインで参加プレイヤーと繋がらず、CPU戦になるのではという杞憂を払拭するほどの混雑状況。ものの2秒で全国のプレイヤーとマッチアップされる。

 初戦、オーラスに跳満を和がりトップを取るも、その後は奮わず、1、3、4、2、1、2、1、3着。上位入賞となるようなポイントを残すことが出来なかった。
 最終戦のオーラスでは、三着目の方が親リーに無スジを突っ張って鋭く国士無双を和了。役満和了時のグラフィック演出に感嘆させられる。
 
 この日のポイント局を一つ。三回戦目の東三局、原点から6000点ほど沈んだ三着目。

 
(東三局 西家 ドラ 三萬 )

 一萬三萬二索四索三筒六筒七筒八筒八筒發西西白


 という配牌に五巡目、急所の嵌二萬を引き込む。


 一萬三萬二索四索六筒七筒七筒八筒八筒白白西西  ツモ二萬


 白と西はいずれも初牌、場に3ソーが二枚見えているので、打2ソーとする。
 そして次巡自模が安牌の南。


 一萬二萬三萬四索六筒七筒七筒八筒八筒白白西西  ツモ南


 ここで手拍子で4ソーを手放してはいけない。点棒状況からポンテンの二千点で満足できる局ではないのだ。
 出来ることなら、横に受けて面前でリーチと行きたい。
 
 
 ゲームをプレイする傍らで何が罪なのか改めて考える。自分の中ではこの手で4ソーを切ってしまい、自模5ソーを取り逃すことが大罪なのだ。
 5ソーを取り逃すことによって、捨て牌にはソーズが2、4、5と並ぶ。リーチと行ってもソーズの半分は通され、出和がりによる和了の期待値もかなり下がるはずだ。
仮に獲り逃した5ソーが赤であったりしたら、ソーズは大半が通されてしまうことになる。 

 毎度、ブクブクに構えていたのでは勝ち切れない。しかし、切り遅れによる放銃を恐れていたら勝ち組に入れないのも事実だ。

幻の役満

 
 この世で最も難関な役満――
 それは小四喜ではないだろうか。

 麻雀を打ち続けて十余年、二万荘の中でただの一度もこの役満を和っていない。
 役満は割と多い方だと思う。九蓮宝燈、緑一色、字一色、清老頭、そして四槓子も和ったことがある。最も多いのは国士無双、次いで四暗刻だ。大三元は意外と少なく、十数回だったであろうか。
 天和、地和はまだ無い。天和は隣の卓で顔馴染みの老人が和っていた。老人だからであろうか、彼は同卓者から祝福を受けていた。

 何故、小四喜が和れない?
 聴牌はかれこれ十数回有る、四喜和部分が出来合いの両面待ちという手もあった。
 が、和れないのである。


 今日の勝負、北家で迎えた南一局。ドラは・・・恥ずかしながら失念した。

 三巡目、ホンイツ傾向の手牌に南を持ってくる。

 
 二筒八筒七萬五索六索七索八索九索東東南西西  ツモ南


 ソーズに寄せるので、一枚しかない萬子よりも二枚あるピンズから切り出していく。
 後にムダ自模としてピンズが多ければ、ソーズ以外の二色の最終手出しを萬子に出来るからだ。

 次巡、南を暗刻にしホンイツのシャンテン。


 七萬五索六索七索八索九索東東南南南西西


 (親の手が早そうだ、4−7ソーからでも喰い付いて5200点の聴牌に採るかな・・・)
 
 ところが、そこへ自模ってきた牌は北。はやる気持ちを抑え、打七萬。

 「ポン」 
 上家から西がすぐに出る。
 親の捨て牌に9ソーがあるので打8ソー。

 次巡の自模、指先にコリっとした感触が走る。打9ソー。
 このままなら和れる。頼む、目立つムダ自模は来ないでくれ!

 「リーチ」

 親からのリーチ。

 ああ、そうだったな。いつものことじゃないか。しかし行かない訳にもいかない、幸か不幸か脇はベタオリのようだ。
 二枚、突っ張る。不思議と親からロンの声はかからない。
 (親は今日、全くの落ち目だったな。浅い場所に和り牌はいるのか?こっちは東と北、まだ四枚生きているんだ)
 未だ見ぬ役満に胸が高揚する。

 「ペチ」

 あまりにも簡単に親の河に放られた北。

 
 四索五索六索東東南南南北北 西横西西  ロン北


 素点は32000点。たかが満貫四回分、競技ルールなのでご祝儀もトバしも無いがようやく和れた小四喜。 
 二万分の一の小四喜を振った親?それは彼の名誉のために名を伏せておこう。
 
 
 
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プロフィール


吉田光太

吉田光太

最高位戦日本プロ麻雀協会


池袋「麻雀ひろばキングダム」
に居ます
ホームページ
https://www.mahjong-kingdom.com/



<獲得タイトル>

第1期オータムチャンピオンシップ 優勝

第7回 野口恭一郎賞 受賞


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