プロ雀士吉田光太の横向き激闘記

最高位戦日本プロ麻雀協会 吉田光太のblog。

2006年07月

逃げ口上

「ロ、ロン」


 一萬九萬一筒九筒一索九索東西北北白發中  ロン南

 
 朝イチ、お座り僅か五分での国士無双。

 十二巡目、勝負に来た北家の 南 を捕らえることが出来た。

 役満祝儀とトビ賞を併せて、トップ二回分の和了だ。
 こいつは朝からゲンが良い。
 
 次戦もあっさりと親で先制点を挙げた。


 五萬六萬七萬四索四索七索八索東東東 中中中横  ロン 六索

 
 ダブ東を暗刻にしての7700の和了だが・・・・・・
 
 違和感――。というわけではないが少しひっかかる。
 国士といい赤牌が全く寄ってきていない。

 すると、突如、周囲が面白いように赤と金牌を絡めた手をアガり始めた。
 こちらはどうも歯車が噛み合わない。リーチ宣言牌で仮テンの金牌単騎に打ち込んだ。

 それでも何とか祝儀で身をえぐられながらトップ目でオーラスを迎えた。
 しかし、二着目に金牌入りのハネ満を引かれてジ・エンド。


 五萬赤六萬七萬七萬八萬九萬四筒四筒七筒八筒七索八索九索  ツモ 九筒


 三戦目は為す術もなくラス。
 大トップ、二着、四着だが籠の中を覗くと浮き分はほとんど無い。ゲンが良いどころか、先行きが妖しくなってきた。

 どうも国士というのは反動の吉凶となる役らしい。
 あくまで私の場合だが。
 

判定勝負

 深夜、翌日のリーグ戦を憂慮しながらタクシーを走らせた。

 いつもの時間に起床し、リーグ戦会場へと足を向ける。
 昨夜の酒は残っていない。

 ジンクスという訳ではないが、会場入りはあえてギリギリの時間を狙うことが多い。
 会場内は何十人という雑多に溢れかえっており、挨拶を一回りするだけでも相当の体力を要する。
 それならば付近で時間をかけて朝食を摂り、対局準備に間に合う時間を見計らって行った方が麻雀に集中できるのである。

 この日は地元の駅で時間を調整することに。
 何度も確認済みの地下鉄に乗って、時間通りに目的駅に到着。会場に程近い地上出口を目指す。

「遠いな・・・・・・」

 どうもおかしい、12番出口はもっと近かった筈だ。
 改札をくぐり、初めていつもと違う景色に気付く。駅員に確認するとどうやら一つ手前の駅で降りてしまったようだ。
 つ、と背筋に慄然が走る。

「あと四分――!」

 身を翻し、階段を奔ってホームに戻る。
 マズイ、と思う。一本違えたら間に合わない電車だった気がする。
 因果関係があるかどうかは微妙だが、前夜アソびに出ていて公式戦に遅刻するなど許される行為ではない。

 息を切らし、汗まみれになって走った。糺したネクタイやスタイリングした髪はもはや見る影もない。
 だが、ちょうど来た電車に乗り入れることができ、今度こそ目的の駅に着いた。

 残された時間は二分弱。
 間に合うだろうか?おそらく写真判定にもつれ込む勝負となるだろう。

 あとは――、目の前にそびえるバベルの塔のような階段を駆け上がるのみ!

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土用

「そもそも国士が出来るときなんてツイてないんだよ」

 随分前になるが、国士をアガッた後に二ラスを食った私に下家の親爺が言った。
 確かに、言い得て妙だなとそのときは思った。実際、クズ牌だらけの配牌だったわけだから。


 友人と連れ立って入った歌舞伎町のフリー雀荘。
 あと二回というところで突如、牌勢が落ちてラスを引いた。
 
 最後の半荘。上家の軽挙で親マンのアタリ牌を掴まされ、いとも簡単にラス目となる。
 次局の配牌は見るも無残なミリオンシャンテン。

(東三局 北家 ドラ 九索

 一萬二萬九萬一筒一筒二筒六筒九筒二索八索東西北


 基本的に国士は点棒がフラットなときに狙うことが多い。
 先行しているときは翻牌のタネを活かすし、沈んでいる人間の大物手狙いは得てしてトップ走者を楽にしてしまう。

 だが、第一ツモで場に二枚打たれた 發 を引いてきた。
 少し悩んだが、私は親爺の台詞を思い出した。

(状態は最悪、一丁狙ってみるか・・・・・・)
 

 するとどうしたことか、ツモはヤオチュウ牌の油田を引き当てたかの如く有効牌ばかり。
 あの手牌が僅か七巡にして聴牌をしてしまった。


一萬九萬一筒九筒一索東南西北北白發中


上家からリーチが入るも、親からドラの 九索 がこぼれて声高に手牌を倒す。


 一萬九萬一筒九筒一索東南西北北白發中  ロン九索



 店を後にし、飯処を物色するために街を徘徊する。
 麻雀を打った後はあれこれ考えるのが面倒臭い。腹が膨れれば何でもよいのだが。

 すると、鰻屋の前に群がる人ごみが目に飛び込んできた。
 店先には「土用の丑の日」と書かれた幟が立てられている。

「今日は丑の日か、鰻にする?」

 と友人が云ってくる。

 実は、鰻の旬は冬なのだ。「丑の日」は鰻が売れない夏場になんとか鰻を食べてもらおうと鰻屋が考えた苦肉の策に端を発している。
 しかし――、旬ではないもののビタミンB類を多く含む鰻は、夏場の栄養食にうってつけなのである。
 

「世の中、何が幸いするかわからンな」

 そう言って暖簾をくぐった。
 

不遇

「もう三日も四暗刻ネタを書き連ねているのに、まだアガれないんだ」

 などと友人に駄弁りかける。
 しかし、彼から帰ってきた言葉は冷ややかだった。

「四暗刻アガってもいい事あるとは限らないから」


 どうやらこの友人、先日こんな手を聴牌したらしい。


 二萬二萬二萬二筒二筒二筒九筒九筒二索二索二索中中


 巡目は遅かったようだが、世にも珍しい「二艦隊」付きのツモスー。
 オーラスの親番でダントツのトップ目だ。

「アガったの?」
「ああ、流局三巡前にね」
「それは――、ツモで?」
「ツモで」


 二萬二萬二萬二筒二筒二筒九筒九筒二索二索二索中中  ツモ 中


「何が不服なの?レートの乗ってるフリーでしょ」
「その店は順位戦なんだ」

 順位戦なので、トップ目の彼は1500点でよかったのだ。素点をいくら叩いても変わりはなく、役満ご祝儀もないらしい。
 無論、流局でも可。二着目に倍満をアガられても変わらない点差だったらしい。
 
 一応、トップを確定するアガリではあるが、何と悲運な男か。

「ツイてないだろ?」
「いや、そんな手をアガれるなんて力あるよ」
「煽るなよ。どうせ、お前のブログのネタぐらいにしかならないよ」
 
 友人は苦笑しながら吐き捨てた。 

東西決戦

 
 北一索三萬三筒一筒七筒
 八萬横 リーチ
 
 八巡目、南家のリーチを受けてドラの緑発を重ねた。

(東二局 東家 ドラ 發

 五萬五萬赤四筒六筒七筒七筒七筒五索五索五索東西發  ツモ發


 紛うことなく縦の寄りを感じる手牌。
 できることならば我がままに一人この手と格闘したかったが、そうもいかない。誰かに大物手が入るとき、自然と荒波は立つものだ。

 四局しかない東風戦、一発での放銃は避けたい。場風の 東西 はどちらも初牌である。

 どちらから切り飛ばして行くべきか・・・・・・

 南家のリーチ、筒子待ちは薄い。
 五筒八筒六筒九筒 はノーチャンスで、 三筒 のマタギも無さそうだ。
一筒七筒 が聴牌まで絞り込まれている訳ではないので、嵌 四筒 待ちも無いだろう。

 索子の生きスジは 三索六索四索七索 がワンチャンス、六索九索二索五索八索 の比重が大きい。

 劈頭の 三萬 が早い。萬子の待ちスジ候補は 四萬七萬六萬九萬 でいいだろう。

 こうやって見ると残されているスジが少ない。字牌待ちも有り得るかもしれない。
 
 東西 、絞り込まれるのは 西 だ。
 だが、西家と北家はまだ字牌が出切っていない感じで、この局面では 東 の方が西家と北家が持っている可能性が高いと感じた。
 
 初牌度が低いことを信じて一発目は 東 切り。

 通った。北家が 東 を合わせる。
 次巡ツモが 東 、仕方なく置き放りする。

 すぐに 四筒 をツモって 西 切り。

 
 五萬五萬赤四筒四筒六筒七筒七筒七筒五索五索五索發發

 
 やはり縦で間違いない。
 あと一歩、脇からドラの緑発は出ないだろうが、スジの 四筒 ぐらい鳴けぬものか。

 十一巡目、ザラリとしたヤツを持ってきた。
 中スジの 六筒 を通してニィヨンマルの聴牌。


 五萬五萬赤四筒四筒七筒七筒七筒五索五索五索發發發

 
 出ても良い。
 どこから出てもラストだ。

 リーチに 四萬 が通った。
 一つのスジが通るということは、残るスジの危険度が増すことを指している。
 歯を食いしばりながら 六索 を通した。

 リーチこそかけていないものの、私の聴牌は脇に明白。
 それで構わない、終局までめくれば私の望む結果が待っていると信じていた。
 ただ一つの懸念を除いては。

 実は、四枚目の 東 が切られていないのである。
 あそこで 西 から打っておけば出和了サンロクマルの聴牌をしていた。 
 

 五萬五萬赤七筒七筒七筒五索五索五索東東發發發


 箱下の無いルールなので24000も36000も変わらない。


 しかし――、手牌のぶつかり合いというやつは往々として高過ぎる手が勝つものだ。

 
 残り二巡。
 ツモ牌の 東 を放り投げながら、そんな定説を打ちたてようかと天を仰いだ。

背信

 今の若い世代の人は雀ピューターを知っているだろうか。

 当節のグラフィカルな麻雀ゲームとは異なり、平坦な牌を切り集めるだけの二人麻雀のゲーム機である。
 かの時代の麻雀ブームが下火になった後も全国に広まり、喫茶店や街のカーポ屋で見かけることができた。

 この麻雀、1クレジットは概ね100円からで、満貫は10点などといったように和了点に応じた配当が定められている。
 両替の際は「落とす」といってその旨をこっそりと店側に告げるのである。
 役満は100点、倍満以上はプールボーナスや配当がダブルだったりするので、時として一撃200〜400点にもなる。

 だが、このゲームには、「アガれる時は何でもアガれるが、アガれない局は何面張でもダメ」、「機会割が決まっており、客が入れたクレジットの○○%しか出ないようになっている」といった噂がまことしやかに囁かれていた。


 当時、まだ高校生だった私は毎日のように喫茶店に入り浸り雀ピューターで悪戯に時間を潰していた。


 ある夏の日、大分負けが込んでいた。

「マスター、両替して下さい!」

 何度目かの両替で財布はめっきり薄くなっていた。
 今日は呑みに行く約束で友人を呼び出しており、このままでは非常に拙い。
 だが、もともと割が悪く技術介入度も低いギャンブル。ドツボから浮上するすべなどない。

 最後のクレジットが溶けたとき、私は懐から封筒を取り出した。
 
 最後の弾丸(タマ)――。
 それは本来使い込んではいけない金だったが、支払日はまだ先で、翌週のバイト代が入れば補填の利く額だった。
 
 もう後戻りは出来ない。筐体の上のアイスコーヒーはすっかり汗だくになっていた。


 弾丸も尽きかけたとき、突如チャンスが来た。
 八巡目にしてツモリ四暗刻を聴牌したのである。


 四萬四萬四萬六萬六萬六萬五筒五筒九索九索九索西西

 
 もはやベット数も大きい、役満をアガれば一気に取り戻せる。

 祈りを込めながらリーチをかけた、ツモはあと十回。
 高まる心を抑えることなく、一牌一牌ツモった。


 すると五回目ぐらいのツモで 五筒 引き当てた。
 確かにツモアガリ牌である 五筒 だった。


「あっ、あ――!!」


 当節のそれと異なり、オートリーチなんて機能は無かった。
 私はツモってきた牌を勢いあまって捨ててしまったのである。

 何たる大チョンボ。当然のごとくそのまま流局――。
 私はソファーから足を投げだし、負ける時はこんなもんかと虚空を見つめていた。

 ところが、まだやることがあった。

 このゲームにはラストチャンスと称してクレジットを追加することによって海底牌を五枚引けるオプションがある。
 しかし、そこでアガリ牌を引けることはほとんど無く、過大投資の一因となっていた。

 私は仕方なくクレジットを追加した。もういくら投資しようと一緒なのである。

 自動的に次々と牌がめくられていく。

 二萬 ! 二索 ! 中 ! 五筒 !


五筒 ?!」 
  

 四萬四萬四萬六萬六萬六萬五筒五筒九索九索九索西西  ツモ 五筒


 あわてて周囲を見渡すといつの間にかマスターが後ろに立っている。

「やっぱ引いたか、ラストチャンスでツモると思ったよ」

 噂はどうやら真実だったようだ。 

枯渇

 どれだけ場数を踏もうとも、あの高揚感は変わらない。
 期待値とか、成果報酬とか、そういったものとかけ離れたところに役満は存在する。

 役満はその印象点も含めて麻雀の華であり、勝者の証なのだ。

 ところが、その役満が和了れない。
 盛りの頃は年間で二十回以上は和了っていた。とくに四暗刻にはちょっとした自信があった。

 しかし、驚くなかれその四暗刻をかれこれ一年近く成就させていないのである。

 今年に入って和了った役満は小四喜と大三元の二回のみ。
 もう枯れてしまったのか。


 最後の四暗刻は昨年、盆に帰省した際に囲んだ雀ゴロ・橋健とのセット。
 メンホン四暗刻をツモっての16000オールだった。


 一筒一筒一筒二筒二筒五筒五筒赤五筒中中  ツモ 二筒  裏六筒六筒裏


 ラス親で三着からの大捲くりという力強い一撃だ。
 こんな和了がそろそろ欲しい。


 今年も暑い夏がやってきた。
 望郷の念は、ない。
 が、ぼちぼちゲン担ぎに帰省するとしよう。


気骨

 私にはセットをしていて絶対に口にしたくない台詞が二つある。
 
 一つは、負けたときに持ち合わせが足りず、借りを申し出ることだ。
 単なる麻雀打ちとしての矜持だが、レートに見合った最低限度の用意はしてくるべきだし、それが出来ないのあれば事前にその旨を申し出る。
 勝ったら現金で持ち帰って、負けたら銭無(ハイナシ)を告げるのではムシが良すぎる。

 もう一つの台詞が嫌いな理由は自分でもよく解らないのだが――。

 ヘッド博士、松崎良文プロ、小倉孝プロとのセット。300-3000/9000の九回戦。  
 
 初戦は展開も手伝って二着、すると二戦目の南場に大物手が入った。

(南一局 西家 ドラ 七萬


 二萬二萬六萬七萬一筒一筒一筒九筒九筒九筒四索四索四索


 6400のままで良かった。トップ目の博士が索子に走っており、あわよくばデバサイを狙っていた。
 
 しかし、九巡目に小倉プロがリーチ。
 小倉プロは萬子を一枚も切っておらず、これで博士からの直撃は期待薄に。

 一発目――、カチリと引いてきた牌は 二萬


 二萬二萬六萬七萬一筒一筒一筒九筒九筒九筒四索四索四索  ツモ二萬


 自信があるのは五萬八萬待ちだ、 六萬 は表示牌に一枚、 七萬 は博士が三巡前に一枚捨てている。
 暗刻の 一筒 はリーチに通りそうだ。よほど両面に受けようかとも考えた、しかし役満は祝儀も入れて破壊力が十倍近くある。
 
 待ちの形としてリーチに通りやすいのは 七萬 だ。ドラを打つか、跨ぎを勝負するか・・・・・・

 
「南無三――!」


 顔を上げたときには小倉プロの手牌が開かれていた。


 三萬四萬五萬七萬八萬三筒三筒六筒七筒八筒一索二索三索  ロン六萬


 この放銃をキッカケに一気に下降線をたどる。
 博士、松崎プロが面白いように祝儀を絡めた和了を重ねていく。こちらの手は軽くいなされ、相手に本手を決められてしまう。

 
 途中、辛うじてトップを獲るも単発どまり。
 手数が全く追いつかず、緩慢な放銃を繰り返す。

 そうして迎えた七回戦目、とうとうその時はやってきた。


「誰か――、チップ貸して下さい」


 一番、口にしたくなかった台詞がこぼれ出た。  

二勝戦

 友人が勤めている東風戦の店にフラリと顔を出した。
 週始めの真昼間ということもあってか、店内はメンバーのスリー入りで一卓が立っているのみ。友人の姿もない。

 この店には二勝戦というサービスがある。
 開始の合図がされた半荘から、最初に二連勝した客に店から一万両のボーナスが出るのだ。

 メンバーの一人と入れ替わり、卓に着くと

「今日はまだ二連勝出てませんよ、チャンスです!」

 などと囃し立ててくる。
 成る程、残った二人のメンバーの籠がチップで溢れかえっている。一人、座り続けている客が大分走っているようだ。


 八荘ほど打ったところで、一トップ分浮きで可も不可もなし。相変わらずメンバーが好調で、もう一人の客は大きい札を何度も両替している。当然、客の二連勝は出ていない。

 ぼちぼちラス半をかけようかという所で二連続ラスを引き、今度は私が札を取り出してチップを買い足す。
 
 だが、次の半荘は親でツイた。

(東二局 東家 ドラ 七萬


 四索五索赤五索赤五索六索四萬六萬七萬八萬九萬九萬西西


 ここから場風の 西 を叩き、七索 がポンされていたため、嵌 五萬 の聴牌にとる。


 四索五索赤五索赤五索六索四萬六萬七萬八萬九萬  西西横西


 金5索入りの親満聴牌。
 下家のリーチにこの形で押していたが、終盤に 六萬 を掴んでしまった。
 これはイケない。
 場に萬子の上は高く、リーチ者も 一萬 を捨てているのみ。 
 泣く泣くワンチャンスを信じ、 四萬 を切ってシャンポンに受け替え。
 何がイケないって、一牌通してもこちらのアガリ目は薄いのだ。

 ところが、索子を入れ替えた後、流局間際にひょっこりドラ表の 六萬 をツモったのである。


 四索四索五索赤五索赤五索六萬六萬七萬八萬九萬  ツモ 六萬  西西横西


 結果的に 四萬七萬 はノーチャンスではなかったが、リーチ棒を入れて13000点とチップ九枚の和了。 その半荘は難なくトップで逃げ切った。


 ゲーム代とトップ賞を支払い、次のゲームが開始される。

「しまった――!」

 と思う。どうせもうあと何回もやらないのだから、ここでラス半としておくべきだった。

 二連勝を獲っても獲れなくてもラス半ということにしておけば、席が起ちやすい。
 しかし、獲ってからすぐにラス半をかけるのはバツが悪く、逆に獲れなかった次にラス半をかけたのでは、あからさまな二連ボーナス狙いかと誤解されてしまう。
 
 私はケチな男だが、ケチな男だと思われたくない。
 信じて欲しい、本当にもう止めるつもりだったのだ。
 ボーナスを獲った後に、

「次、ラス半でいいですか?」

 なんて聞けない。メンバーが、したり顔で頷いたらショックだ。

 明日、友人が日計表を見たらどうする!?
 いつの間にか立っている隣の卓からタメ息が漏れてきたらどうする!?
 だが、もし二連勝してボーナスも入ればちょうど日当分ぐらい浮いて終わるはずだ。

 まだ、東二。今からでもラス半コールは間に合うか!?
 ああ、でも5200アガってトップ目だし。
 どうしよう、どうしよう――!
 

 そんな葛藤と裏腹に、何回やっても出なかった二連勝があっさり獲れてしまう。
 
 その時はもう色々考えをめぐらせ過ぎて放心自失状態。
 私は疲れた顔で、

「次、ラス半です!」

 と言い切った。

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吉田光太

吉田光太

最高位戦日本プロ麻雀協会


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第7回 野口恭一郎賞 受賞
第10回モンド21杯準優勝
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