プロ雀士吉田光太の横向き激闘記

最高位戦日本プロ麻雀協会 吉田光太のblog。

2006年12月

横向き激闘記

 “ヒサト”こと、佐々木寿人プロが近代麻雀にて執筆中のコラム「無礼者」に肖って、私も一年を振り返ってみることにした。
 彼ほどの武勇は持ち合わせていないが。
 
 一月〜三月
 芸能人やTV界の人達との新宿セット。
 前半こそ良かったものの、三月に大崩れしデカい穴を空ける。
 二月には土田浩翔プロに初めてセットで手合わせをしていただく。
 また、生涯初の小四喜を和了。
 blogを始めたのも一月であった。

 四月
 五年続けた会社勤めにピリオドを打つ。フリーランスの身に。
 渋谷リーグ開幕。
 木原プロ、チョウノ氏、園田賢プロ、小倉プロらと協会ルール(1000点/500)の真剣勝負。
 今、思い出したが、一応小倉プロの雀竜位決定戦に備えて協会ルールにしたものだった。
 そして、連覇――。
 おめでとう。何か奢ってもらっても罰はあたらないだろう。

 五月〜六月
 十年振りに禁を解いた東風戦で連勝に次ぐ連勝。記録的大勝を飾る。
 また、時間を見つけては大脇、横山、小倉プロらと新宿にて協会セットを開催。
 プロ連盟の松崎、二階堂瑠美プロとの高田馬場セット。
 そして、忘れえぬ無双位戦の決勝も紫陽花の季節だったか。

 七月〜八月
 ヘッド博士野郎の生誕三十周年記念会を企てるも、食事の前に300/3000-9000でやって大敗を喫する。来年は私がご祝儀を貰おう。
 出版社の方との水道橋東風戦セット。このセットを根城とする暴君・瀬戸熊プロに二連敗を喫する。
 また、某所にて滝沢、そしてヒサトプロと対峙する。
 久しぶりの対戦、やはりその存在感には非凡なものがある。
 タッキーはその後、王位戦を見事制覇。

 九〜十一月
 日本オープンはベスト48で敗退。
 三度目の野口恭一郎賞決勝進出を果たすも、あと一歩及ばず戴冠はならず。
 王位戦はベスト32で敗退。
 リーグ戦は昇級成らず。初のマイナスポイントという結果に終わる。
 蛇足ながら、八年ぶりぐらいにフリーでチョンボ(フリテンロン)を犯す・・・・・・。

 十二月
 オータムカップ決勝戦。


 その他にも田中太陽プロとサンマをやったり、鍛冶田邸で鍛冶田・崎見プロ夫妻に遊んで貰ったり、呑んでいる最中に鈴木たろうプロにセットに拉致られたり、マスターズチャンプの今里プロにセットに呼んで戴いたり、群馬から橋健が出てきて打ったり、打ち子をやったり、どこぞのフリーへ行ったりと。

 
 まだまだ、打ち足りない。
 来年も戦い続けるのみである


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塞翁が馬

 それは、ツモり四暗刻と呼ぶにはあまりにも高く成りすぎた。

(北家 ドラ 八索


五萬五萬赤五萬六萬六萬五筒五筒七筒九筒九筒八索八索八索   ツモ  五筒赤


 巡目はすでに十一巡目。
 序盤から私を除く三者が激しく動き、卓上に乱声が飛び交う。
 皆、一様に打牌が強く全闘体制も辞さないといった構えだった。

 待ちは、残り二枚。
 和了目は薄いなれど、攻めぬわけにも期待せぬわけにもいかない。
 ダマでも九翻手だが、果敢にリーチといった。

 すると、どうしたことだろう。
 不思議と誰一人の和了牌もいない。
 全員、無スジを勝負しているのだが、一向に誰も手を倒さない。私の想像よりもみんな苦しい待ちなのかもしれない。

 そして、流局三巡前。
 対面に座っていた男が後述するに、私はやや意外そうな顔で自摸牌を引き寄せたらしい。


 五萬五萬赤五萬六萬六萬五筒五筒赤五筒九筒九筒八索八索八索   ツモ  九筒


 赤・金入りで、8000・16000と4500両オールの和了である。

 あれほど待ち焦がれ、数多のチャンスが未遂に終わった四暗刻がいとも簡単に和了れてしまう。この役満を挟み、四日連続で浮きを刻んだ。

 自分の中で何かが変わったと思えなくもないが、一つの勝利がこうまでも事態を好転させるのか。

 しかし、浮き沈みは常に表裏一体。
 ウカってようがガミを喰おうが己の麻雀を貫くだけである。


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色盲

 賢人の二副露はリーチと同じと考えた方が良い。

 ともすれば、鳴き仕掛けに対する聴牌警戒というのはどうしても軽視されやすい。
 だが、聴牌が濃厚と思われる仕掛けに対して無スジを切るのは、リーチに切り込んでいくのと同じと言える。むしろ待ちのゾーンが限定される分、無スジの危険度はリーチのそれよりも高いだろう。

 腰の重い佐藤崇プロが仕掛けきったのは七巡目のことだった。

(南家 ドラ 四萬 ) 


裏裏裏裏裏裏裏  九索横七索八索  中中横中
 

 一方、私の手は早くも手仕舞いの様相を呈していた。


 一萬二萬五萬八萬九萬三筒五筒赤五筒八筒三索四索七索七索  ツモ 白


 ここから唯一の現物牌である 九萬 を抜いて、オリに回った。
 すると、次巡、佐藤プロが 五索赤 を自摸切る。
 
 佐藤プロは序盤に 一索 を捨てている。どうやらソーテンは無さそうだ。
 これで私の凌ぎは大分ラクになる。


 次巡、佐藤プロがさくっと自摸和了る。やはり順当な手順だったようだ。
 しかし、開かれた手牌を見て私は我が目を疑った。


 二萬三萬四萬四筒五筒赤五索五索   ツモ 三筒   九索横七索八索  中中横中


 半荘終了後、佐藤プロに尋ねてみた。
「先刻の 五索赤 切りは――、どういうシノギなの?」
「ああ、あの1000・2000の局でしょ」
「逆に俺に索子待ちを疑わせるための嵌め手なのかな?」
「いや・・・・・・。眼鏡は辛いよな、持ってきた瞬間は黒牌に見えたんだ」


 萬子の線の数を間違えるという話は訊くけれど。
 世にも珍しい弘法の誤りである。

 かく言う私もコンタクトレンズで矯正をしているが。
 今のところ、現金牌を見誤ったことはまだ無い。


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For whom the bell tolls.

 楽な山など一つも存在しないことを識った。

 身が切り裂けるような思いで危険牌を通し、一局一局落とした。
 事実上の最終局もダブ南のみで落とし、迎えた十度目の親番。
 あれ程までに渇望した和了はもう要らない。

 唯一人にのみ、役満自摸で捲くられるという状況だったが、正直気が気じゃなかった。
 それでも夢現つな精神状態の中、最悪のシナリオに備え間違いが起きぬよう牌を河に並べた。
 こんなときの切り順は何処の戦術書にも載っていない。
 皮肉なことにその術を教えてくれたのは、過去私の眼前で優勝を攫っていった男達だった。

 そうして迎えた歓喜の時――。


 プロの世界に飛び込んで三年と十ヶ月。
 漸と、漸と届いた。

 しかし、別にタイトルを獲ったからといって麻雀が1mmでも1mgでも強くなる訳ではない。
 何も終わっていないし、何一つ始まっていない。
 今日共に闘った戦士達は大きなものを得て、さらなる邁進を果たすだろう。
 それに負けてはいけない。今日の勝利を輝石とすることが出来るか、路傍の石で終わらせるかは私自身に懸かっている。

 今日勝ち得たタイトルと、多くの人から戴いた期待や声援。
 それを胸に研鑽し続けよう。


 第一期オータムカップ覇者は吉田光太でした。
 有り難うございました。

同胞

 新宿「B」にて、明日の最終調整セット。

 集いし面子は次期Aリーガーの木原プロ、雀竜位二連覇中の小倉孝プロ、そして盟友・ヘッド博士野郎。

 オータムカップ決勝戦に倣った半荘五回戦の戦い。
 

 内容や、結果以上のものを貰ったと思っている。
 今日揃った面子以外からもたくさんの申し出を頂いた。

 有り難う。
 次に、在りし際には自分が馳せ参じることを約束しよう。



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僕の右手

 若し――、この右腕を差し出すという話があったとしよう。
 例えば、生涯働いても手にしえない大金と引き換えに。

 私は、断る。
 絶対にだ。

 麻雀のない世の中で、何を悦びにして生きれば良いのか分からない。
 麻雀以上のものなど識らないし、識りたいとも思わない。

 麻雀で苦しみ、傷つき、掻き、哭き、嘆き、迷い。
 それでも――、何万遍生まれ変わっても麻雀を選びたい。
 いや、きっと選ぶだろう。


 何一つ妥協を許さず、全てを麻雀にだけに捧げていた時期があった。
 酷く長い時間。ずっと独りで、暗く、陽の届かない場所で。

 数字や敗北の重圧、そして身体や心を蝕む生活から脱却するため、私は逃げた。
 一生、もう二度と牌は握らないと決めた。
 その一年は長かったようで短かったようにも思える。

 今、戦える喜びを心から感じている。


 この右腕で、何が出来るだろう・・・・・・。
 掴むことが――、出来るだろうか。

 それは、分からない。
 だが、何かを伝えられるような気がする。
 観ている人に、何かを。
 技術的にはまだまだ未熟だけれども。
 
 その摸打で、その姿勢で、その自摸で、その貌で、挫折で、栄光で。
 
 第一期オータムカップ 決勝戦。
 五度目の決勝に挑む姿を、一人でも多くの人に観てもらいたいと初めて思った。

 勝っても負けても、今度の戦いが自分を一つ成長させてくれると信じている。


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<オータムカップ決勝戦 概要>
日時:12月23日(土) 午前11時〜 半荘五回戦
選手:鍛冶田良一、土子貴智、中里修樹、吉田光太(五十音順)
ルール:一発、裏ドラ、オカ無しルール。ウマ5−15。
     
会場:神楽坂「麻雀ばかんす
東西線神楽坂駅1番出口よりすぐ(さわやか信金横)
TEL:03-3268-5577 
東京都新宿区神楽坂6-38-5階

 決勝は半荘五回戦で執り行われます。
 途中からでも、何かのついででも構いません。
 お時間のある方は是非足を伸ばしてみて下さい。

日本プロ麻雀協会 吉田光太

造反

「二十六枚目か・・・・・・」
 
 場を見渡しながら、一人胸の内で呟いた。

 
 下家が筒子を余らせたのは七巡目のことだった。
 余程難しい複合系なのか、相手の摸打もろくに見ず、自分の手牌にずっと視線を落としている。
 下家の挙動は明らかに面前清一のそれだった。

 一方、喰いタンで逃げを打っていた私は下の聴牌を入れていた。

(南家 ドラ 六筒


三萬四萬五萬赤五萬七萬五筒六筒七筒五索五索  四筒横二筒三筒


 ここへ、 問題の筒子を持ってきたのである。


三萬四萬五萬赤五萬七萬五筒六筒七筒五索五索   ツモ 七筒  四筒横二筒三筒


 下家は 一筒 に続き、 九筒 をも余らせている。
 断トツのトップ目でもある私は、そう無理に勝負をすべき局面ではない。

「しかし――。二十六枚目か・・・・・・」
 と、思う。

 仮に、彼の手が面前清一だとすると、九巡目にして筒子を十五枚引き込んだことになる。
 頭の中で忙しく筒子を勘定してみた。

 まず、私の手牌と、彼の河で合わせて九枚。
 ドラ表と他家の河で四枚。
 そして、彼の手牌に十三枚・・・・・・。

 だが、三十六枚しかない筒子が、はたして八巡目にしてそこまで偏るだろうか。
 いくら何でも、流局までの長い壁牌と他家の手中を合わせて八枚しかないとは考えづらい。
 また、面前清一で二枚余るというのはかなり稀なケースだ。

 おそらく――、下家の手は筒子の暗刻が絡んだ変則受けの面前混一色だと思われる。
 混一色ならばそう怖くはない。
 これだけ断トツなのだから、何分の一以下の可能性の放銃牌は押しても良いだろう。

 
 何食わぬ貌で、掴んだ 七筒 を切り出した。
 これは、脇の二人に対する口伝でもある。
 こんな偏った面前清一は存在しないのだと――。


 目を開けたとき――、そこには押し黙って手牌を確認する下家の姿があった。

「ロン――」


 一筒二筒三筒四筒五筒五筒赤六筒六筒六筒七筒八筒八筒八筒   ロン  七筒


「フリテンじゃないよね?」
 と、下家が尋ねてくる。
 残念ながらそうではない。

 三筒 六筒 四筒 七筒 待ちのトリプルである。
 三倍満を放銃したのは初のことかもしれない。

 それにしても、牌ってやつはどこまで私を嘲弄すれば気が済むのだろう。
 八巡目にして、二枚余しの面前清一とは。
 寄って集って裏切りやがる。



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霍乱

 鳴り止むことのない悪寒、全身を襲う激しい倦怠感。
 どうやら風邪をひいたようだ。

 
 苦しい状況でこそ――、と謳ってはいるものの風邪のときだけはお手上げだ。
 私の場合だが、どうも麻雀の“守”の部分に甚大な影響が出る。
 反射神経が鈍り、場況を正しく把握できない。

 勘や気合が充実しているときは安全牌など抱えずに戦えるものだが、風邪っ引きの散漫な集中力では場況の把握に手古摺る。
 
 まるで、酷く精度の悪いソナーで魚雷郡を突き進んでいるかのような感覚だ。

 
 風邪の原因となるウィルスは、寒いところ、乾燥した場所、人ゴミに多く蔓延する。年がら年中雀荘に巣食っている人間にとっては職業病とも言えるだろう。


 しかし、麻雀打ちの資本は自らの身体である。
 一刻も早く恢復させねば。



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変幻

 
 今度はフリーの観戦記。

 ドラは 七索 、八巡目の聴牌だった。
 

 五萬五萬赤五筒五筒赤六筒七筒七筒八筒九筒二索三索四索四索六索


 筒子若しくは索子への両面くっ付き、または断九公への振り替わり。いくらでも融通の利きそうな手だが、場には 二索 が飛び、 八索 もポンされていた。 
 
 北家に座する男、最高位戦次期Aリーガーの佐藤崇プロは嵌 五索 待ちで即リーとでた。
 私も、そう打つ。場況が、リーチが正解だと物語っていた。
 五索 を手中で使っている者は多くて1.5人といったところだ。
 また、瞬間でも赤・金入りの手で聴牌を外すのはヌルい。


 五萬五萬赤五筒赤六筒七筒七筒八筒九筒二索三索四索四索六索  (リーチ)


 一発目――、佐藤プロが物凄い牌を引いてきた。
 場に一枚切れの 五萬 だ。

 薄い牌を引くもんだなと思って観戦していたら、次の自摸で 六筒 を、さらに次巡にはドラの 七索 を引いてきた。

 流石に苦笑いを隠せない様子の佐藤プロ。
 しかし、リーチの五巡後に持ってきた牌を綺麗に引き寄せた。


 五萬五萬赤五筒赤六筒七筒七筒八筒九筒二索三索四索四索六索  ツモ  五索赤


 満貫と、二千両オールの和了である。

 リーチは、間違いなく英断であった。
 あの巡目でのリーチがあったからこその和了だったと思う。
 しかし、手牌とは無限の可能性を秘めているものだと改めて痛感した。



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豪腕

 牌は、確かに寄せてくれと云っていた。

 凡庸な、まるで艶のなかった配牌が次々と異様な縦重なりを見せるとき。
 普段、容易には暗刻にならないような中張牌をあっさり引き込むとき。
 それは、彼の役満への予兆である。

 対面との競り合いで迎えたラス前。
 クズ配牌は八巡目で一向聴に辿りついていた。


(南家 ドラ 四索 )  


五索五索五索六索六索四筒四筒四筒五筒一萬一萬六萬六萬


 だが、ここからが長い。
 ひたすら自摸切りを繰り返す間に、ラス目の下家が混一色の聴牌を入れ、その余剰牌のドラを親が叩いていた。
 残りは、僅かに四巡――。

「ああ、また駄目かな」
 と思う。
 元より、あれだけ早い聴牌で長い間四暗刻をアガれていないのだ。今回の手は聴牌すらしていない。

 そこへ、場に一枚切れの紅中を持ってきた。
 混一色の下家にも、ドラをポンしている親にも字牌は切りづらい。
 どちらに打っても、下手をするとトップからラスが見える打ち込みになる。
 いつもの、退き際か――。


 しかし、気が付いたときには既に紅中は河に並んでいた。
 残りは三巡、せいぜい聴牌までが関の山かもしれないが――。


 ところが、最後から二つ目の自摸でラス牌の 六索 を引き込んだ。


 一萬一萬六萬六萬四筒四筒四筒五索五索五索六索六索六索


 親も、下家もアガらない。
 協会ルールの公式戦、役満はデカい。


 そして、許された唯一度のチャンス。
 指に引っ掛かる横一文字の牌――!!

「ツモォ!!」


 一萬一萬六萬六萬四筒四筒四筒五索五索五索六索六索六索   ツモ  一萬 


 膂力。
 四暗刻を成就させるために時として必要となる力である。
 牌と自分の絆を裏付けるような役満だった。 


 と、いう四暗刻を観戦で目撃した。

 夢オチよりは、いくらかマシだろうか――。 



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プロフィール


吉田光太

吉田光太

最高位戦日本プロ麻雀協会


池袋「麻雀ひろばキングダム」
に居ます
ホームページ
https://www.mahjong-kingdom.com/



<獲得タイトル>

第1期オータムチャンピオンシップ 優勝

第7回 野口恭一郎賞 受賞


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