プロ雀士吉田光太の横向き激闘記

最高位戦日本プロ麻雀協会 吉田光太のblog。

2008年12月

竜虎

 己の信ずる腕一本で今日まで淘汰されずに生き残ってきた。

 十数年間、闘争の日々だった。
 心が休まる、穏やかな日々などただの一日も無かった気がする。
 気持ちや思いが満たされるということは無かった。

 強くなるということは小手先の技術ではないということを識った。
 心技体、男として人として強くならねばならなかった。

 何千人という相手、何百人という同士たちが居た。
 誰もが先に道を降りていった。
 誰もが人生の中で麻雀と違う夢を大事にする選択を選んだ。


 この世界には自分を取り巻く愛すべきライバル達がいる。
 育った環境や戦ってきたフィールドは違えど、今こうして同じ場所に辿り着いた者同士だ。
 ここまで来たら強くない奴なんていやしない。

 相手が自分と同じくらいの情熱を牌に注いできたのが判るから、敬意を表することが出来る。

 しかし、自分が認めている相手だからこそ譲れない主張がある。
 
 私は常に、この先もずっと麻雀打ちでありたい。
 たとえ、それが最強で最愛のライバルを倒すことでしか己の存在を証明できないものであったとしても――。



「所詮、そんなリーチを和了らせてもらえるAリーグのレベルでの話でしょ?」

 ある一人の最高位戦の選手の言葉で論争に火が点いた。


 問題となった手牌はこうだ。

(オーラス 和了トップ 南家 5巡目 ドラ 九筒

一萬一萬四萬六萬七萬八萬八筒九筒五索六索七索九索九索九索


(※)トップ目のラス親と2000点差の2着目。
   3着目の西家とは3000点差。

   3着目の西家が3巡目に一枚目の 中 をポン。
   点棒状況的には、ドラ 九筒 が2枚以上か萬子のホンイツが濃厚。

   オカ無しでウマが10・30の最高位戦ルール



 この状況はダマで押すべきだ、とするのが最高位戦プロの意見である。
 これに協会の鈴木たろうと私が真っ向から反発。


「リーチが安易な選択なのは判っている。だが、この状況であれば出た瞬間にトップが確定するリーチという選択も悪くない」

「いや、こんな形だけのリーチを打つよりも西家をケアしながらダマで押すのが正着だ。オカが無いルールなのだから、三着目に振ったり甘い牌を下ろすことは許されない」

「親は前に出辛い局面だし、西家はラスの心配がないから条件を満たす手が入っている以上、前に出てくるだろう。その西家の打牌を捕らえられないのは緩手だ」

「最高位戦のAリーグでは、そんなリーチを打ったところで和了らせてもらえない。所詮――」

「協会のレベルが低いとは思っていない。第一、そんな古臭い麻雀を打っていたらタイトルなどなかなか取れない」


 その場に居た若手プロが真っ向から激突。
 

「そこまで言うなら、誰が一番強いのかここらでケリをつけようか――!!」


 こうして二つの団体による抗争は勃発した…。


 決戦の舞台は全国で26万人のユーザー数を誇る“天鳳”が立ち上げた「天鳳杯」の記念すべき第1回大会に決定。

 2009年1月10日(土) 22:00から天鳳サイトでリアルタイム中継(1節 半荘四回戦)。
 観戦ロビーにて無料で閲覧できます。

 以降、17、24、31日と毎週土曜日の22時から配信。
 さらに第2回大会以降はユーザー参加型のシリーズが開幕。


--------------------------------------------------------


「天鳳杯プレマッチ」
http://tenhou.net/cs/200901pre/
現役プロによる麻雀バトルの最前線がオンラインに!

【大会名】 天鳳杯プレマッチ
【日程】 2009年1月10・17・24・31日(土) 22:00〜
※対戦が終わり次第終了、対戦間に5分休憩
【参加選手】 最高位戦日本プロ麻雀協会 浅埜一朗・水巻渉
日本プロ麻雀協会 鈴木たろう・吉田光太
【ルール】 4人打ち東南喰あり赤あり全16戦
【観戦費】 無料
【会場URL】 http://tenhou.net/0/?00112233
※Windows版では"メニュー"⇒"ロビーの移動"
⇒"天鳳杯プレマッチ"から入場



 皆さんの観戦をお待ちしております。
 宜しくお願いいたします。

 日本プロ麻雀協会
 吉田光太




ブログランキング グレー
 blogランキング  
 







 

帳尻

 新宿「T」にて協会の佐伯プロ、土子プロ、大坪プロとセット。

 序盤、一番年下の大坪プロが果敢に攻めて二連勝を飾る。
 全部で四回戦の取り決めなので、このまま走らせてはマズい。

 迎えた三戦目、東一局。
 荘家の私の配牌は見るも無残なものだった。

(東一局 東家 ドラ 六筒


一萬二萬九萬一筒五筒八筒三索八索南西北北白中


 国士無双一本に狙いを定め、中張牌から切り出していった。
 すると、立て続けに有効牌を引き、みるみる内に手が進んだ。

 国士特有の、欠けている部分が次々と埋まっていくアノ感覚――。
 私は牌の寄りに手応えを感じていた。

 しかし、そこへ土子プロから矢が飛んで来た。


(北家 土子プロ 捨て牌)


中二萬四萬九索東四索横   リーチ


 私が残した牌はリーチの危険牌ばかりだった。


一萬二萬九萬一筒五筒九筒東南西北北白中   ツモ  七筒


 手牌が展開に追いついていない状態で安易に放銃するわけにはいかない。
 局や半荘が短くなったら、それこそ好調者の思う壺だ。長い局や半荘をメークするようにしなければ勝てる局面がなかなか現れない。

 ここまでか、という思いが頭をよぎる。

 そんなことを感じながら現物の 二萬 を切ると、下家の大坪プロが動きを入れた。


 裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏     二萬横三萬四萬
 

 打牌はリーチの安全牌。
 どうやら一発を消しておいての遠い仕掛けのようだ。
 
 好調者の軽挙は得てして場のバランスを壊しやすい。
 私は彼の仕掛けを見て、これで何枚か私に有効牌が入ってくるようであれば少しかぶせてやろうという気になった。


 すると、有効牌を連続で引き込んで一気に一向聴に辿り着いた。


 一萬九萬一筒七筒九筒九索東南西北北白中

 
 ここまで来たら押すしかない。
 リーチに無スジをひたすら切り飛ばす。不思議とロンの声はかからなかった。

 そして、十二巡目にとうとう聴牌を果たした。


 一萬九萬一筒七筒九筒九索東南西北北白中   ツモ  一索


 最後の難関の 七筒 を切り出す――。
 これも通った。

 押してはいるが、私の捨て牌は七対子にも見える。
 息を潜め、雌伏していると下家の大坪プロから待望の牌が零れ出た。


「ロン――。48000」


 一萬九萬一筒九筒一索九索東南西北北白中   ロン  發


 その半荘は一時間半をこえる長いゲームになったものの、何とか9万点のトップで終えた。

 その他の内容はあまり褒められたものではなかったが、何とか駆け込みで今年8個目となる役満を和了らせてもらうことが出来た。


 今年も残すところあと僅か。
 緑一色と国士無双。一年の間で2つも役満を献上してくれた大坪君、どうか良いお年をお迎え下さい。






ブログランキング グレー
 blogランキング  
 







 

設問

 今週の何切る。
 
 トップまで14700点差の2着目(満直orハネツモ)。
 ラス親の3着目とは2万点差あります。

(南四局 北家 ドラ 六筒

[関連牌]
▲團鵝ΑΑΓ暇臉擇
ピン・・・1枚切れ
2ソウ・・・2枚切れ
3ソウ・・・1枚切れ

[特殊条件]
通常の赤祝儀は1枚=5000点相当のルールで、赤イ錬泳隋瓧隠娃娃娃暗請蠹の“ダイヤ5ピン”です。


 個人的には手拍子で打 八筒 としてしまいそうなのですが、卓に着いていた打ち手は 五筒赤 (ダイヤ)切りを選択していました。

 条件クリア、という点に集約して考えるとこれも絶妙の一打と言えると思います。















ブログランキング グレー
 blogランキング  
 







 


彼方

「部屋は、無いです。毎日どこか適当に寝床を探してます――」

 当時、雀荘の夜番をこなしながら大学の夜間部に通っていた少年は呟くようにそう言った。

 私はずっと他人に私生活の隙を見せることを避けてきた。
 今まで誰かと生活を共にしたり、同棲をしたことはない。
 だから、未だになぜそう言ったのか自分でも判らずにいる。

「寝るだけで良かったら、ウチに来いよ。セット面子が身近にいると、何かと楽だからな…」


 小倉孝。

 何度かこのblogにも登場しているプロ協会の後輩だ。
 後輩といっても私と奴は半期しか違わず、かつては同じリーグにも居た。

 入会一年目にして雀竜戦を制覇し、続く翌年の連覇にも成功して一躍シンデレラボーイとなった男だ。
 その後も新人王のタイトルを掻っ攫い、他にも日本オープン、野口賞、覇王カップの決勝に進出と驚異的な活躍を見せ続けた。

 ネットで麻雀を覚え、いわゆるデジタル麻雀を貫き通す小倉。
 棒テン、即リーの多い小倉の麻雀は周囲から厳しい指摘を受けることもあったが、小倉は四期連続のリーグ戦昇級を果たし、Aリーグでも圧倒的なポイントを叩いて雀王決定戦の舞台に辿り着いた。

 ここまででも、充分に伝説だ。
 正確な数字は判らないが、彼のこの五年間の公式戦の数字を超える記録は無いだろう。

 私は、小倉の麻雀を認めていた。
 だが、それは自分の方が上のステージにいるという自負の下でだ。
 脚色無しに言えば、彼と私が出会い、幾度も卓を囲んでいたときにはそれぐらい実力や経験に差があったと思う。

 
 いつの日か、自分に後塵を拝ませるような強い後輩が現れると思っていた。
 まさか彼がそうなるとは思っていなかったし、彼で良かったと思う自分もいる。

 進化した怪物は、私が最も力を認める二人と対峙することとなった。
 
 鈴木達也と、鈴木たろう。
 どちらもいつの日か私が倒す相手だ。
 

 熾烈な半荘二十回戦を終え、最終的に頂点に立っていたのは小倉であった。


 素の小倉は勝負の鬼と呼ぶには程遠いぐらい子供っぽく、口下手で、だらしのない青年である。
 こんな後輩が勝って嬉しくもあるし、嫉視する気持ちもある。


 第7期雀王は小倉孝に決まった。
 彼の伝説は、ここで一段落する。

 
 そして、この日が新たな伝説の始まりとなるだろう。

 それが小倉のものか、逆襲を誓う達也、たろうなのか、彼の姿を目にした私たち誰かのものなのかは、今は誰にも判らない――。










ブログランキング グレー
 blogランキング  
 







 

熾盛

 勝負事や人生の流れには隆盛というものがある。
 麻雀に関して言えば、“勢い”と言い換えても良い。

 かつて、歌舞伎町で隆盛を極めた伝説の雀荘に途方もなく強い打ち手がいたらしい。その男は毎月毎月負け知らずで、僅か半年余りで麻雀打ちならば誰でも憧れるような金字塔を打ち立てた。

 だが、その男をすぐ間近で見ていた私の知り合いはその時こう思ったという。

「もしかしたら、自分は此奴の盛りのピークだけを見ているのかもしれない」と。

 
 麻雀において一生良い目だけを見続けるのは不可能だ。

 それは競技麻雀の世界についても同じことが言える。
 勢いに恵まれて出だしの何年かで結果を出したとしても、伎倆や努力がそれに伴なっていなければただの一過性の輝きにすぎない。
 無論、プロである以上、勢いで結果を残すことも必要不可欠であるが。


 私は勢いや強さの象徴として、打牌や思考の早さが一つあると考える。
 今までと同じ速度で打てないということは、気持ちや選択に迷いが生じていたり、自分を表現しようとする意思が弱まっていることを意味する。

 しかしその思いとは裏腹に、心身の衰えであったり、東風戦という仕掛けに対する情報処理作業が多いゲームを打つ中でそうも行かないことが多々ある。


 先日、こんな手牌になった。


(東一局 五巡目 東家 ドラ 一萬


五萬六萬七萬七萬八萬七筒八筒五索五索赤六索六索七索八索   ツモ  五萬赤


 私の目には 九萬 が将来的に良い待ちに映っていたので、思わず手拍子で打 六索 としてしまった。


 五萬五萬赤六萬七萬七萬八萬七筒八筒五索五索赤六索七索八索


 しかし、これは本来であれば、打 七萬 を先ず選択肢に入れるのが正着である。


 五萬五萬赤六萬七萬八萬七筒八筒五索五索赤六索六索七索八索


 この形であれば、次巡に上家から打たれた 六筒 に喰いつき、親満のチーテンが取れた。


 五萬五萬赤六萬七萬八萬五索赤六索六索七索八索    六筒横七筒八筒


 私の選んだ打 六索 では片和了の聴牌にしか取ることが出来ない。


 五萬赤六萬七萬七萬八萬五索五索赤六索七索八索    六筒横七筒八筒


 確かにこの手材料であれば、チーテンよりも先ず強い受けを残すことが自分のスタイルだ。
 しかし、鳴き仕掛けを加味した選択候補が頭からすっかり抜けているのは大エラーだ。


 この腕を疾く、そして確かな技術を身につけて長く走らせて行きたいんだ。
 









ブログランキング グレー
 blogランキング  
 







 

設問

 今週の「何切る!?」。
 
 鳴いても祝儀がつくフリールールでの問題ですが、なんと私の同じ回答が皆無という結果に…。

 ちなみにこれも実戦譜からの出題です。
 実際には祝儀ポイントがレートの5倍というかなり祝儀比率が高いルールですが、身内の間でも意見は割れました。

 皆さんも回答を投稿してみて下さい。




 






ブログランキング グレー
 blogランキング  
 




回顧

 早いもので今年も残すところあと三週間と少々。
 あいも変わらず麻雀打って酒を飲んでは後悔と自省の繰り返しの一年であったが、今年も恒例となったカウントを行ってみようと思う。


(東三局 西家 ドラ 三筒


 一筒二筒三筒四筒四筒中中   ツモ  中    發發横發 白白横白


(東三局 西家 ドラ 南


 二索二索二索四索四索八索八索   ロン  八索   六索六索六索横 三索三索横三索


(東一局 東家 ドラ 六筒

 
 四索五索六索東東北北   ツモ  東   西西横西 南横南南


(東一局 西家 ドラ 三筒


 東東東發發中中   ロン  中   南南横南 北北北横


(東三局 南家 ドラ 九索


 七萬七萬八萬八萬八萬九萬九萬二索二索二索北北北   ツモ  九萬


(東二局 南家 ドラ 六萬


 一萬九萬一筒一筒九筒一索九索南西北白發中   ロン  東
 

(東一局 南家 ドラ 二索


 九萬九萬六索七索白白白   ロン  八索   發發發横 中横中中



 今年のここまでの役満は計7発。
 昨年の13に比べてもかなり少ない。

 最大の要因はやはり四暗刻の和了が出ていないことだろう。
 国士無双に次いで多い役満。それに何といっても力強さや勢いを象徴する手である。


 先日、よく共に卓を囲む御仁が立て続けに和了を炸裂させる私にこんな冷やかしを入れてきた。

「ようやく、往年の力が戻ってきたようだねぇ」

 往年といわれるほどベテランではないが、確かにここ二ヶ月ほど躍動感あふれる麻雀を打てている。
 九月、十月の恐慌を抜け出した後は調子が右肩上りだ。
 そしてそれが直対の相手に伝わって認められたことは素直に嬉しかった。


 この勢いに乗じて何とか年末までに大花火を打ち上げたいものである。






ブログランキング グレー
 blogランキング  
 







参戦

 本格的な携帯オンライン麻雀を楽しめる『雀ナビプロリーグ』に参戦することが決定いたしました。


雀ナビ
 


 「雀ナビ」は au、docomo、SoftBank、WILLCOM の携帯電話でリアル通信対戦が可能なアプリです。
 さらに、携帯版に登録するだけでPCでのプレイも可能になりました。

 プロ雀士と対戦する場合は、会員登録後、「プロリーグ」にご参加ください。
 「プロリーグ」では昇降格を賭けた白熱の戦いが繰り広げられています。


 さらに、お好きなプロのサークルに入ることで、掲示板に参加できたりなどプロと交流を持つことができます(1つめのサークル入会は無料)。
 

 私もサークルを開設していますので、是非みなさん一緒に麻雀を打ちましょう。

 *サークルの入会は、「雀ナビ」に登録後、「プロリーグ」に参加し、好きなプロのサークルを選ぶことによって、入会することができます。
 
 
 今週の対局は

 12月2日(火) 23:30頃〜
 12月4日(木) 14:00頃〜

 を予定しています。
 *全ての方と同卓できるものではありません。


 今後の予定はサークル内のblogや掲示板にアップしていきますのでご確認下さい。


 宜しくお願いいたします。


 日本プロ麻雀協会
 吉田光太






ブログランキング グレー
 blogランキング  
 







設問

 今週の「何切る」です。
 今回は三問を出題。全て赤無しの手牌です。

 一番上は以前に協会ルールであった実戦譜から。
 中段は今日の昼間、最高位戦の田中巖プロと盛り上がった問題。
 下段はかつて仲間内で大論争になった問題。こちらはオーラスで和了トップという設定です。

 ぜひ皆さんの回答を投稿してみて下さい。




 




 



 
 






ブログランキング グレー
 blogランキング  
 







QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ
プロフィール


吉田光太

吉田光太

最高位戦日本プロ麻雀協会


池袋「麻雀ひろばキングダム」
に居ます
ホームページ
https://www.mahjong-kingdom.com/





第1期オータムチャンピオンシップ 優勝
第7回 野口恭一郎賞 受賞
第10回モンド21杯準優勝
VS研究会 第7期、第8期連覇中


bnr_kingdom200x200


















麻雀 ブログランキングへ







連絡先



bnr_asami





bnr_hanamura






bnr_nozoe





bnr_emori





bnr_hazuki





bnr_mikoto





bnr_hinata






bnr_ishii





bnr_sugawara





bnr_higuchi






アクセスランキング
アクセスランキング