プロ雀士吉田光太の横向き激闘記

最高位戦日本プロ麻雀協会 吉田光太のblog。

2009年01月

佳境

 “天鳳プレマッチ”第三節。

 前節に手繰り寄せた流れ、ここまで耐え忍んだ時間。
 いよいよ追撃の時機は熟した。

 初戦、たろうプロが出親で9600を先制。
 しかし、一本場で私がたろうプロの追っかけを振り払って跳満の自摸和了。


3-1














 

3-2













 
 
 開戦早々、熾烈な捲り合いが繰り広げられる。
 私がアドバンテージを取った形になったが、東ラスの時点でラス目だったたろうプロが五巡目リーチを自摸り上げてさらに裏々で一気のごぼう抜きを見せる。


3-3

















「この和了は、強いな…」

 思わずそう言葉を漏らした。

 
 私にとって麻雀とは勝つことが全てだった。
 幸か不幸か、趣味や娯楽で麻雀を打つということは人一倍早く放棄した。

 四人でゲームを造るという点において、麻雀で負けた場合は痛みを伴なうべきだ。
 競技の性質から、そうでない場合は“真剣”という前提が成り立ち辛い。
 身が焼かれるような痛みを伴なう、勝負という無限の灼熱地獄の中にこそ最高の技術や方法論が存在する。 

 金や名誉やプライド。対象は何でも構わない。
 勝つということに傾斜し、その対価を追い求めることによって強さを追い続けてきた。だから、勝つことが全てである。

 だが、昔からこういうときは決まって脳幹の痺れと共に笑いが込み上げて来た。

 相手にもっと、もっと力強く在ってくれと願う。
 その調子だ、どんどん来てくれ。
 今にその三倍の力で和了返してやるから…。

 久しぶりにそんな感情に駆られた。


 この半荘は南場の要所を制した私に軍配が上がり、第三節は1、3、1、2という結果に終わった。
 トータルでのポイントはこうなっている。


3日目   1戦 2戦 3戦 4戦   本日トータル  トータル
鈴木    +9 +6 +5 -35      -15      +169
吉田    +55 -17 +45 +3      +86      +100 (69)
浅埜    -38 +44 -30 +57     +33       +9  (160)
水巻    -26 -33 -20 -25       -104      -278 (447)




 あとは、残された最後の蓋を開けてみるだけである。

 いつの頃からか、私は全ての事象の結末はその道中での行いが最後に出るものだと考えるようになった。 
 仏教で言うところの“因果応報”というやつだ。

 その局の結果、半荘の行方、勝負の勝ち負け、そして人生の浮き沈み。
 そこに至るまでの過程の事象が相依相関して結果を成立しているように思うようになった。

 勝つべく奴は勝つべくして勝つし、一歩及ばないということは何処かに原因が在るのだろう。


 今回の勝負の結果も、次の結果の途中の事象の一つに過ぎない。
 勝負の世界に身を置いている以上、勝ち負けに終わりは存在しないのだから。

 私はこの長く暗い道の途中で、“結果”という光をいくつ見つけることができるだろうか。


 半荘16回戦の結末――。
 私たちが今日という日まで麻雀に懸けてきた想いの結末を、受け止めに行こう。





―天鳳杯プレマッチ Final―
 http://tenhou.net/cs/200901pre/

[日程]
 2009年1月31日(土)22:00〜


[会場URL]
 http://tenhou.net/0/?00112233
 ※Windows版では「メニュー」⇒「ロビーの移動」⇒「天鳳杯プレマッチ」から入場









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設問

 東家 50700
 南家 17400
★西家 10700
 北家 21200

 トップ目が親番。
 ラス親が残されているとはいえ、残りは二局。

 皆さんは何切りを選択しますか?


[関連牌]
 八索 2枚切れ
 九索 3枚切れ

[西家 捨て牌]

 一索三萬九筒三索四索四索
  五萬赤



(南二局 西家 ドラ 三筒










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告知

「骨髄バンクチャリティー麻雀大会2009in徳島」 のお知らせ


 私も以前参加させて頂いたチャリティー大会が今年から地方でも開催されます。

 地方開催第一弾として四国徳島にて開催。骨髄バンクサポーターでもある二階堂瑠美プロ、日本プロ麻雀協会所属で現役女子大生の多田ひかりプロも来県します。

 麻雀大会はもちろん、チャリティーオークション、骨髄バンクに関する講演と内容は盛りだくさん。
 さらに、少しでも多くの方に参加していただくために2日にわたって開催!
 参加資格に麻雀の実力は関係ありません。当イベントに少しでも興味を持たれた方は是非参加してください。麻雀が打てなくても、見学・オークションのみの参加も大歓迎です。

 私はオークションに商品を出品させて頂きます。
 たくさんの方の参加をお待ちしております。


---------------------------------------------------------------------------


日時:
・前夜祭大会
2009年3月7日(土)
18:45受付開始 19:00開会
定員19名
・チャリティー大会
2009年3月8日(日)
11:00受付開始 11:30開会
定員30名

会費:
・前夜祭チャリティー大会共通
各4,000円/うち1,000円を全国骨髄バンク推進連絡協議会へ寄付

会場:
・前夜祭
ニューロン徳島校「麻雀荘リング」
JR徳島駅徒歩10分/徳島市富田浜一丁目52-2
・チャリティー大会
リーチ麻雀さかえ徳島店
JR徳島駅徒歩8分/徳島市西新町/

主催:
ノーレート麻雀ネットワークニューロン

主幹:
骨髄バンクサポーター
二階堂瑠美・山口明大

後援:
全国骨髄バンク推進連絡協議会

協賛:
アペックス上板店、アペックス山川店、アポロゲームセンター沖州店、オールラウンド麻雀荘リング、セガワールド末広、徳島銀座倶楽部、?鞄?本アミューズメントサービス、リーチ麻雀さかえ徳島店

協力:
日本フプロ麻雀協会、麻雀倶楽部、麻雀四季報

オークション出品予定者:
和泉由希子、井出洋介、上田唯、片山まさゆき、柴田光太郎、、手塚紗掬、二階堂瑠美、根本佳織、水咲まり、吉田光太
(敬称略50音順)

申し込み:
先着予約制、見学可能(無料)
氏名・連絡先・参加希望日を明記の上、下のアドレスまでメールにてお申し込みください。
[mail]neuronwest@yahoo.co.jp










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飄風(供

 この日は我慢の時間が長い勝負となった。
 頭を狙いに行く以上、何処かで勝負をかけなければならない。

 だが、その時機を見誤ると全体の勝負そのものを壊しかねない。私はその時が来るまでひたすら辛抱強く打とう決めていた。


 初戦は跳満を放銃したものの、オーラスで何とか三着に浮上。
 
 続く二回戦。
 東場でたろうプロとの競り合いを制して4000オールを自摸和了るも、南一局で浅埜プロへ痛恨のオリ打ち。


おりうち















 リーチの一発目に 七萬 を切り飛ばしている浅埜プロ。
 萬子の真ん中の壁を活かした打牌に見えなくもないが、警戒が必要だ。
 しかし、その後の 八筒 二丁落しが私の目には迂回したように映り、甘い牌を打ってしまった。

 これは、私から見て筒子が下にスライドしたとは考え辛かったため、 八筒 を対子落としだと思い込んでしまったのだ。
 だが、実際には 五筒赤 を引き込んで手が高く変化していた。

 自分の聴牌の可能性をぎりぎりまで追おうとしたのと、たろうプロの切り出しから変則手をケアした結果のエラーである(たろうプロの最終的に受けに関しては愚形だとは読んでいなかった)。

 兎にも角にもトップ目から12000の放銃をして一気にラスへ陥落。
 チグハグな展開の上に己の未熟さから失策まで犯していてはトップ走者を楽にし、他者に浮上の切っ掛けを与えかねない。

 
 後が無いラス前の親番。
 たろうプロと二着争いを演じる水巻プロが早々に仕掛けを入れる。

 後手を踏んだ私は下の一向聴に。


赤切り















 自分の手の都合だけを考えれば 六萬 乃至 八索 切りだが、二つ仕掛けて手出しを一つ入れた水巻プロの聴牌は火を見るよりも明らかだ。
 自分が和了したときの打点、そして和了易さ。これらは全て水巻プロに放銃をしなかった場合に初めて生まれる可能性だ。


 水巻プロの仕掛けと場に打たれた牌から待ちを考察してみる。
 萬子の二面、 三萬六萬四萬七萬 。そして最終手出しから 一萬 のシャボ受け。

 四筒六筒八筒 から 五筒 を仕掛けている筒子の二面に関しては食い延ばし以外無いので無視。 一筒 二筒 に声が掛からなかったので下のシャンポンも無し。

 索子は 三索 が通り、 六索九索 も私の目から 八索 が三枚見えているので、二面はワンチャンスである。そして、 五索八索八索 も通っている。


 かように、一目見回してみただけでも水巻プロの待ちはかなり限定されている。
 待ちの候補が少ないということは、それだけ一つ一つの危険度が高いことを意味する。

 従って、私は 六萬 ではなく 五萬 切りを選択。

 五萬赤 入りの対子落しによって他者の目には私が水巻プロの仕掛けに対応したように見えるかもしれない。
 そして水巻プロの聴牌が明白なので、勝負が終盤まで縺れた場合に、彼に通る 五筒八筒 と嵌 七索 という私の受けは他家の盲点となる場合もある。


 結果、勝負は16巡目まで長引いた。
 そして水巻プロの待ち候補である一つ、 四萬 を通した次巡に待望の 七索 が眠っており1000オールの和了となった。


 7sou
















 この粘りが生きてオーラスも水巻プロから5200を和了って三着で終了。
 続く三回戦もオーラスで三着から二着に浮上と、運にも助けられて三半荘連続オーラスで息を吹き返している。


 すると、最終四回戦は突如私に風が吹いた。
 南場の親番で2900、4000オール、4000オールと立て続けに和了を炸裂させる。


 4000 1















 4000 2
















 この半荘は6万点のトップ。
 僅かながらトータルでプラスに転じることが出来た。

 
 ここがようやく折り返し地点。
 本日行われる第三節、そして31日(土)の最終節。

 自分なりに正直な感想を言えば、エラーやミスも在るがここまでの出来は悪くない。そして、我慢強く打って最終半荘で引き込んだ流れ。

 今日私に吹いたこの一筋の風を維持できるかどうかが勝負の分かれ目となってくるだろう。






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 2日目 1戦 2戦 3戦 4戦  本日トータル  トータル
 鈴木  +63 −1 +61 -28    +95      +184
 吉田  -26 -21 −3 +69     +19       +14
 浅埜  -39 +59 -24 +2     -2       -24
 水巻  +2 -37 -34 -43    -112      -174



[大会名]
 天鳳杯プレマッチ
 http://tenhou.net/cs/200901pre/

[日程]
 2009年1月10・17・24・31日(毎週土曜日22:00〜)
 ※対戦が終わり次第終了。対戦間に5分休憩。

[参加選手]
 浅埜一朗・水巻渉(最高位戦日本プロ麻雀協会)
 鈴木たろう・吉田光太(日本プロ麻雀協会)

[ルール]
 四人打ち・東南喰あり赤あり・全16戦

[観戦料]
 無料

[会場URL]
 http://tenhou.net/0/?00112233">http://tenhou.net/0/?00112233
 ※Windows版では「メニュー」⇒「ロビーの移動」⇒「天鳳杯プレマッチ」から入場



<牌譜検証 談話会>


*対局終了後、livetube及び掲示板を使用して公開感想戦を行います。
 24時〜3時頃の予定。


<livetube アドレス>
 http://livetube.cc/chigo0822

→(推奨)WME配信について
 ・WME配信の見方(livetubeよりも快適高画質、バッファもありません。推奨視聴方法です)
  まずWindows Media Playerを起動します。
  キーボードの「Ctrl」キーと「U」キーを同時に押すとURL入力ウィンドウが出る ので、そこに鏡さんが「livetube」内に貼ってくれたURL(大抵は数字の羅列などです)を貼り付けて Enterキーを押します。
  少し待っていれば動画再生が開始されます。
 「サーバに接続できません」などのエラーが出て再生できない場合は、
 その鏡さんの収容人数がいっぱいになっている可能性があるので、
 別の鏡さんのURLを探して同じように接続を試してみましょう。
 

<掲示板 アドレス>
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/6432/1232090206/

 配信方法の変更、アドレスの案内はこちらの掲示板で行います。
 ご参照ください。








飄風

 四週に亘って繰り広げられる「天鳳プレマッチ」の第二節。
 初日を終えた時点での並びは、鈴木たろう、吉田光太、浅埜一朗、水巻渉という順。

 表明した通り、誰が先行しようが私に焦りは無い。
 打ち手は最後に自分が勝つことを目標に戦うのだから、あまり早い段階でトップ走者を苦しめようと策を弄したところで他の誰かが上がって来てしまうのでそれはあまり意味がない。
 それよりも場のバランスや自分の状態を落とさずに戦うことの方が大事だ。

 しかし物事の勢いというのは持続するものなのか、この日も東一局からたろうプロが六巡目に先制リーチ。
 浅埜プロが宣言牌を喰うが、一発目に流れてきた牌を自摸切るとたろうプロの手牌が倒される。


 二節1

















 裏ドラも乗っているので、浅埜プロの鳴きが無いと跳満を引かれていたことになる。


 鈴木たろう、か。
 私が初めて彼を目にしたのは、今から五年前。私がプロになりたての頃に参加した第15回最強戦でのことだった。

 当時未だ怖いもの知らずだった私は破竹の勢いでプロ予選、そして16/160人となる本戦を勝ち進み、準決勝にまで辿り着いた。
 私はそこであと一歩及ばず涙を飲んだのだが、そのときの決勝戦オーラスで四暗刻を自摸って劇的な逆転優勝を果たしたのがこの男だった。

 それからセットで揉んでもらったりしている内に酒を酌み交わしたり検証会をやったりと交友が始まったのだが、彼はその後もBIG1カップや無双位を戴冠、そして協会でも三期連続でのリーグ戦勝ち上がりと八面六臂の活躍を見せている。
 
 その一見爽やかな容姿や麻雀に対する真摯な姿勢から内面も実直な麻雀プロだと思われるかもしれないが、この男のセットはいつだって破戒な内容だし、歌舞伎町の雀荘に金貸しを連れて打ちに行ったなんていう逸話もある。

 それだけ勝負事として麻雀というゲームの本質を捉えており、そして自分に自信を持っている証だ。

 緻密な読みと大胆不敵な戦術。そして彼の玉際の強さにいったい何度舌を巻いたことだろうか。
 競技プロとしての実働年数に開きがあり、尊敬する先輩の一人ではあるが、公式戦の結果に関して遅れを取っている私としてはいつの日か超えるべき目標である。


 その鈴木たろうプロがトップ目で迎えた南一局。
 局面も煮詰まった14巡目にたろうプロからリーチが入る。

 私は一気通貫含みの一向聴だったが 九萬 を引き入れて追っかけリーチ。
 すると、ここぞとばかりに親の水巻プロも自摸切りで追っかけリーチと来た。


 おっかけ

















 トップ目を叩く好機であったが、ここで浅埜プロの一発消しによって私が掴んだのは上手く抑えた形になった 六萬 九萬 のスジ。
 これがたろうプロに捕まって、“メンタンピン・三色・赤ドラ”で跳満を献上する結果となった。


 お2
















 素点的にも痛恨の12000の失点。

 これで初戦のたろうプロのトップが確定した。
 だが、まだまだ。


 彼と出会ってから、私にとって彼は常に“先”を歩いている存在であった。
 タイトル戦の決勝で活躍する彼を妬むような、複雑な思いで応援をしたこともある。

 勝負はまだ二日目の一回戦が終了したところ。
 これぐらいの開きで顔を上げるような鍛え方はしていないし、この程度の差など最後に詰め寄る心算で戦うだけだ。





lead to the next chapter...








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[牌譜]

http://tenhou.net/0/?log=2009011722gm-0009-10011-7449d900
#END ?鈴木たろう(+63) ?水巻渉(+2) ?吉田光太(-26) ?浅埜一朗(-39)
2戦目
http://tenhou.net/0/?log=2009011722gm-0009-10011-45c94cfd
#END ?浅埜一朗(+59) ?鈴木たろう(-1) ?吉田光太(-21) ?水巻渉(-37)
3戦目
http://tenhou.net/0/?log=2009011723gm-0009-10011-1f19aeed
#END ?鈴木たろう(+61) ?吉田光太(-3) ?浅埜一朗(-24) ?水巻渉(-34)
4戦目
http://tenhou.net/0/?log=2009011800gm-0009-10011-50b660a1
#END ?吉田光太(+69) ?浅埜一朗(+2) ?鈴木たろう(-28) ?水巻渉(-43)





饗宴

 西新宿にある「葵」にて開催された最高位戦日本プロ麻雀協会の「ペアマッチ」に参加。
 
 勝ち上がりのみを目指す普段のタイトル戦とは異なり、業界関係者やアマチュア愛好家の方々と麻雀を楽しむ新年の催しだ。
 お祭り的な要素の多い大会だが、年末に行われた「年忘れ麻雀大会」では、鈴木たろうプロとゲストで組んで全く奮わない成績だったので、ここは一つ良いところを見せたい。

 今日の相方は協会の後輩である三木敏裕プロ。協会員であるにも関わらず、プロ連盟の松崎プロから紹介を受けて親交を持つようになったという曰くつきの男だ。


 初戦、起親から現鳳凰位の朝武雅晴プロ(連盟)、石原真人プロ(麻将連合)、一般参加の方、私という並び。
 行き成りの真剣勝負はノー和了でラス。

 二回戦目は麻将連合の代表・忍田幸夫プロと同卓。 
 親でメン・タン・新ドラ・裏4という阿漕な手を和了ってトップ。


 三筒四筒五筒六筒七筒八筒四索四索七索七索七索八索八索   ロン  四索

 
 ここで相方の調子を聞いてみると、どうやら絶好調とのこと。
 後輩の足を引っ張る訳にはいかないので、一つ気合を入れる。


 三回戦目は漫画家の片山まさゆき先生と同卓。
 東初に7700を放銃するも、南場の親番で4000オール、3900、4000オールと和了って大きい二着。

 ここで再び相方の調子を聞いてみると、どうやら最終半荘の結果次第では個人優勝が狙えるとのこと。
 自分のせいでペア優勝を逃す訳にはいかないので、ふんどしを締め直す。

 最終四回戦は最高位戦の村上淳プロと同卓。
 私がプロになりたての時分から可愛がってくれている先輩の一人だ。

 開始前に村上プロとこんな談笑を交わす。

「どう?」
「イマイチです。4,2,1着」
「俺はここまで2、4、3着だから、ここでトップを取って何とかサイクルヒットにするよ」
「いや、コチラもあまりに不甲斐ないと相方に迷惑をかけてしまうのでトップは譲れません」
「光太に3着を引かせれば二人でサイクル完成か…」

 そうは問屋が卸すまいと思いながらトップ目で迎えたオーラス。


 七萬八萬八萬七筒八筒九筒二索三索七索八索九索白白


 という、牌姿と手役の完全一向聴から村上プロの親リーチに3900を放銃して二着に転落(和了止めは無し)。そして、再逆転を賭けた二本場で1500を放銃して私は3着にまで転落。

 見事、村上プロの注文通りのトップ・3着でフィニッシュとなった。

 恐る恐る三木プロのところへ向かうと、彼は2、1、1、2着で150人近い参加者の中において個人総合三位だという。
 私達のペアの結果は総合七位。
 どうやら私が最後の半荘でトップを取っていれば優勝だった模様。今年一年は三木プロに負い目を感じて過ごすこととなりそうだ。
 

 ところで、今回の大会で参加者の方々から「本当に横を向いて打つんですね」と言われた。
 横向きというのはそこまで稀らしい。
 懺悔の気持ちを込めて後輩のお荷物となった男の写真を掲載しておこう。



 kk












<荷物の画像>










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初陣

 新宿「S」にて今年初となるセット。
 以前こそ毎年100本以上セットをやっていたが、ここ数年はすっかりフリーで打つことが多く、その回数は減りつつある。

 フリーの方は正月から開幕しており、成績、内容ともに中々の滑り出しだ。
 こちらの初陣も白星で飾れるかどうか、今年一年の趨勢を占う戦いとなるだろう。

 面子はL社のササキ氏とS社のキクチ氏、そしてメンチンのバビィこと馬場裕一プロである。


 初戦、いきなり馬場プロの捨て牌が筒子の一色手傾向だ。
 そこへ西家のキクチ氏から先制のリーチが入る。

(東一局 西家 ドラ 北


南發二索八筒八萬東
九萬横 リーチ


私はキクチ氏がリーチの一発目に持ってきた 五萬赤 を叩いて、一枚どこかを外す番。


(東一局 南家)


 三萬三萬三萬五筒五筒赤七筒七筒九筒九筒一索一索   五萬五萬五萬赤横


 僅かな筒子のカベに期待して 五筒 切りを選択。
 すると、直ぐに 一索 を引き込み、次巡に自摸和了った。


 三萬三萬三萬七筒七筒九筒九筒一索一索一索   ツモ  九筒   五萬五萬五萬赤横


「相変わらず鋭いねぇ」

 馬場プロがすかさずこんな冷やかしを入れてくる。
 たまたま、ツイている和了だ。これは幸先が良い。


 だが、私はこの後まったく手が入らず、失点を最小限に抑えながら局を進める。
 馬場プロとササキ氏も慎重だ。
 そしてどうやら今日最も勢いに恵まれているのはキクチ氏らしい。

 ストレートに攻めて、高い聴牌や一向聴が入る。
 しかし、刀を構え攻めに出ているときこそ最も相手の攻撃を受けやすい。

 そういった意味で、キクチ氏は半ヅキの状態であったのだろう。
 ササキ氏と馬場プロの攻めのタイミングと牌が合ってしまい、立て続けに放銃をした。チンチロリンに「一掻き二貧」なんて言葉があるが、箱ラスを喰ったり大負けをするのはだいたい中途半端にツイているときなのだ(“掻く”とは総取りの意味)。

 キクチ氏は残り数百点となり、更にはササキ氏から四巡目に親リーチが入った。
 まさに風前の灯となったが、ここはキクチ氏が5200を和了って切り抜ける。
 するとここからキクチ氏が怒涛の攻めを見せて一気に原点まで回復。

 ラス前の親番では私の先制リーチを掻い潜って、見事6000オールで一躍断トツのトップ目に躍り出た。

(南三局 東家 ドラ 四索


二萬二萬六萬六萬七萬三筒三筒四筒四筒五筒五筒四索四索   ツモ  七萬


 東一局以来まったく二の矢が出せない私は大きく引き離された。
 しかしその一本場。今度は先制リーチのキクチ氏にそれまで大人しくしていた馬場プロが牙を剥く。

 無スジを何枚も切り飛ばし、残り自摸あと一回というところでリーチ。
 海底でキクチ氏が持ってきたドラを捉えて気合で一本取った。

(南三局一本場 西家 ドラ 中


二萬二萬三筒三筒四筒四筒八筒八筒九筒九筒北北中   ロン  中


 大接戦となったオーラスはキクチ氏の二着和了に助けられた感じで私がトップ終了。続く二回戦もラス目で向かえたオーラスに、トップ目のキクチ氏から跳満を直取ることが出来、小さいトップを手中に収めた。


 結局、この日は1、1、3、2着で僅かながら浮くことに成功した。

 勝負の後は新宿通りから少し入ったところにある「新宿 お多幸」へ。大正時代から続く関東風おでんの老舗店だ。
 濃い目のダシが染み込んだおでんと有意義な時間を堪能。


 今年も素晴らしい戦いと交遊録に幸あれ。 








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設問

 (東一局 東家 五巡目 ドラ 三萬




  親番です。
  場に 九索 が三枚切れています。






(南一局 西家 四巡目 ドラ 五萬




  親が残り500点(トビ終了)。
  トップ目の南家とは8000点差の二着目です。

 *同点の場合は上家優先
  ウマは10-20

  東家  500点
  南家 45800点
★西家 37800点
  北家 15900点



  ぜひ皆さんの回答をお聞かせ下さい。





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起点(掘

 初戦を制した私はその後一気に牌勢が良くなった。
 続く二回戦も快調に和了を炸裂させる。

 並の相手であれば今日は私がペースを握れていたかもしれない。
 しかし相手三人の想いや膂力がそうは行かせてくれなかった。

 ここで序盤に失点をしたものの一縷の反撃のチャンスに賭けた浅埜プロが立ちはだかる。
 東三局の親番で猛反撃を見せ、南一局で満貫を自摸り親の水巻プロを飛ばしてフィニッシュ。私は44000点の二着に終わった。


 三回戦 東四局の親番。
 ラス目ながら六巡目にして“断公九・三暗刻”の9600聴牌を入れるが、たろうプロになされて空振り。


3回戦 東4


 














 私も下手を打っているわけではないが、それ以上に相手に上手くやられている。
 このままでは序盤のリードを打ち消すラスを引かされることになり、非常にマズい。


 次局、11巡目に二嵌を引いて聴牌を果たす。

 3回戦 南1 前


 














 リーチか、否か。
 手替わりを待つほどの猶予もないように思える。
 点棒状況を考えるとリーチをかけてある程度の打点にしたいところだ。

 しかし、私はダマテンを選択した。
 ここで1000点を2000点にするためのリーチを打つのは簡単だ。

 だが、こんな遅い巡目の私のリーチに甘い牌を振ってくる者など居るはずはなく、必ずや本手を作った人間に攻め返される。
 ドラ表を打ち出してきているたろうプロの捨て牌にも警戒が必要だ。


 この半荘はここまで私の思い描く展開にはならなかった。
 しかしトップは誰であろうと構わない。

 ラスは、ラス。自然に打ってそれは仕方が無い。
 だが、点棒が無いからといって闇雲な攻めに出たらサンドバックと成りかねない。
 
 麻雀はほんのちょっとした不ヅキでバランスを失う。
 そして、そこから生じる無謀な攻めや過剰な日和が更なる失点や体勢の低下を招き、大敗に繋がる。

 “点棒が無いときこそ守りながら攻める”
 勝負事の世界を生き抜く上で学んだ一つの経験則だ。
 
 
 奥歯を噛み締める思いで 八索 を打ち出すと、これにポンの声がかかり、私は次の自摸で和了となった。


3回戦 南1


 













 全19局に及ぶ戦いとなった三回戦目は辛くもオーラスの親番でラスを抜けて三着で終了。


 しかし、迎えた四回戦目。
 ホンイツ聴牌のたろうプロと親リーの水巻プロの共通現物牌である 八筒 を浅埜プロが抑えて私は和了らせてもらうことができない。
 更には浅埜プロの一発消しで、水巻プロが掴むはずだった 五筒赤 までも喰い取られた。



4回戦 東4


 














 そこで私に襲い掛かったのが後半になってペースを取り戻してきたたろうプロ。
 私は東場と南場の親番で勝負手をたろうプロに競り負けて12000を放銃。

 あえなく箱を割った。


 4回戦 東3


 














00


 













 第一節は初戦を制した私を三人が押さえ込み、後半二回戦でたろうプロが抜け出た形になった。
 しかし結果はたまたまその役回りになっただけであろう。

 たろうプロの役に水巻プロ、浅埜プロがなっていてもおかしくはない。

 
 私は甘い放銃も一度あったが、自分の麻雀を貫くという点ではまずまずの出だしだったと思う。
 残り三節、気を抜かずに戦い、あとは結果がついてくることを祈ろう。







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[大会名]
 天鳳杯プレマッチ
 http://tenhou.net/cs/200901pre/

[日程]
 2009年1月10・17・24・31日(毎週土曜日22:00〜)
 ※対戦が終わり次第終了。対戦間に5分休憩。

[参加選手]
 浅埜一朗・水巻渉(最高位戦日本プロ麻雀協会)
 鈴木たろう・吉田光太(日本プロ麻雀協会)

[ルール]
 四人打ち・東南喰あり赤あり・全16戦

[観戦料]
 無料

[会場URL]
 http://tenhou.net/0/?00112233
 ※Windows版では「メニュー」⇒「ロビーの移動」⇒「天鳳杯プレマッチ」から入場



<牌譜検証 談話会>


*対局終了後、livetube及び掲示板を使用して公開感想戦を行います。
 24時〜3時頃の予定。


<livetube アドレス>
 http://livetube.cc/chigo0822

→(推奨)WME配信について
 ・WME配信の見方(livetubeよりも快適高画質、バッファもありません。推奨視聴方法です)
  まずWindows Media Playerを起動します。
  キーボードの「Ctrl」キーと「U」キーを同時に押すとURL入力ウィンドウが出る ので、そこに鏡さんが「livetube」内に貼ってくれたURL(大抵は数字の羅列などです)を貼り付けて Enterキーを押します。
  少し待っていれば動画再生が開始されます。
 「サーバに接続できません」などのエラーが出て再生できない場合は、
 その鏡さんの収容人数がいっぱいになっている可能性があるので、
 別の鏡さんのURLを探して同じように接続を試してみましょう。
 

<掲示板 アドレス>
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/6432/1232090206/

 配信方法の変更、アドレスの案内はこちらの掲示板で行います。
 ご参照ください。







起点(供

 親番が落ちた南二局。
 私は好配牌を手にしたが、四巡目に浅埜プロからリーチが入った。


1回戦 南2 4


 













 ご覧の通り、まだ通っていないスジは無数にある。
 こちらの手牌と和了に至ったときの打点を鑑みれば、積極的に 七筒 を切り飛ばすのも悪い選択ではない。

 しかし、私は局面というものにはそれぞれそこに至った経緯や“意味”が存在すると信じている。

 この局面、ここまで雌伏を重ねてきた水巻プロが四巡目にして果敢に翻牌を仕掛けてドラを打ち出してきた。
 紛うことなく本手が入っている証である。

 おそらく他の字牌を絡めた混一色。
 早いドラ打ちは自分がこの局を行くという意志の表示と周囲への恫喝を兼ねているのだろう。

 ところがその動きによって、浅埜プロに門前で早い聴牌を入れさせた。

 この状況で最も苦しいのは手牌を短くしている水巻プロである。
 点棒や残された局数を考えて、ここでの失点はラスに直結しかねない。

 かような状況で私が安易に浅埜プロに放銃をしたり、水巻プロに対して甘い筒子を下ろすことは避けるべきだ。
 こちらは焦って無理な勝負をする必要は無い局面だ。
 

 特殊な捉え方かもしれない。
 押す牌に対して自分の手が伴なっているならば押すべきだとする考えの方が多いだろう。
 しかし、私にも長い実戦経験の中で培ってきた押し引きの感覚がある。

 私は断腸の思いで緑発の暗刻落としを選択した。


 その後、浅埜プロの和了牌が居ないまま局面は十巡目に差し掛かった。
 


1回戦 南2 10


 












 
 私は安牌を切りながらダブル三面張の一向聴にまで辿り着いていたが、ここで 六萬 九萬 のスジを掴み、またもや迂回を余儀なくされる。
 たろうプロは元より、水巻プロも退き気味に打っている。 


 十三巡目――。
 リーチ後に萬子を五枚引き込んだ私はドラ筋の 三萬 六萬 を抑えきる形で聴牌を果たした。



1回戦 南2 14


 














 しかし、その間に浅埜プロは 南 を暗槓し、そのまま新ドラを乗せていた。

 二萬 を通せば、私は聴牌である。
 だが、この牌で打てば12000は確定、裏ドラ次第では16000も見えてくる。
 

 言葉でどう伝えるのが良いのか今の私には判らない。
 だが、私は感じていた。

 この局面。
 親の水巻プロの鳴きによって浅埜プロがリーチを入れた。
 この時点で一番強いのは浅埜プロなのである。

 しかし、山の悪戯か、はたまた三者が踏みとどまった影響なのか、簡単に成就するはずであった手が長引いている。
 この時点で、彼の待ちは場況的に苦しい受けになっている。


 そしてここまで他の色が通った以上、浅埜プロの待ちは十中八九萬子である。
 手の内に 南 を暗刻で持っていながらリーチと来たのだから萬子の二面待ちが濃厚であると思われる。

 水巻プロの河に切られた 三萬 、そして 三萬 六萬 を軸に私の手牌に舞い込んできた萬子の入り方から彼の受けは此処なのだろう。


 当たれば、今世紀最大の大エラーだ。
 しかし、私は牌に生きると誓った日から自分の感覚に殉じることを決めている。

 一つの和了牌の隣、ぎりぎりの所を通せないで何が現役の打ち手か。
 そのために必死で実戦に身を置き続けているのだ。

 そんな思いで 二萬 を打ち出した。
 

 浅埜プロは無言。
 水巻プロとたろうプロが乾いた瞳で私の打牌を一瞥するかのような間を置く。
 リーチの現物とはいえ、彼らから私の待ちは零れてこないだろう。

 結果的には再び萬子、 九萬 を引いて迂回、さらに 七萬 を引いての聴牌復活。



1回戦 南2 16


 













 浅埜プロは最後の自摸も空振り。
 私が最後の牌をめくった。

 すると乾坤一擲の思いで手の内から一度捨てたはずの 二萬 が海の底に眠っていてくれた。



1回戦 南2 17


 















 たった一つの局に無数の巡りが在り、打ち手はその中で最善のものを模索し続けていかなくてはならない。
 麻雀が深遠なゲームである証だ。


 初戦はこの和了が効いてトップで終わることが出来た。
 しかし、ここから彼らの逆襲が始まった。







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吉田光太

吉田光太

最高位戦日本プロ麻雀協会


池袋「麻雀ひろばキングダム」
に居ます
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https://www.mahjong-kingdom.com/





第1期オータムチャンピオンシップ 優勝
第7回 野口恭一郎賞 受賞
第10回モンド21杯準優勝
VS研究会 第7期、第8期連覇中


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