南二局、小山田氏の親番。福田が役無し二面のリーチを打つ。


(南二局一二巡目 北家 ドラ 三筒


五筒六筒七筒七筒八筒九筒二索三索四索六索七索北北



 自風の 北 が雀頭で、五筒六筒七筒八筒九筒九筒 に招かざる 七筒 を引いての聴牌である。

 
 福田は常に低姿勢で物腰の柔らかい男だ。そして方々の勉強会に顔を出すなど、地道な努力を怠らない。

 そんな謙虚な彼の麻雀の身上は“慎重さ”である。
 その慎重さは昨今の攻撃重視の麻雀においては負け目を見たり揶揄されることが無きにしも非ずだが、過去には雀竜位戦というビッグタイトルの決勝に三度残り、前人未到の四度目の決勝で優勝を果たすという実績も残している。

 思うに、攻撃的戦術の人間には感じ取ることのない独自のリスクバランスというものを持ち合わせているのだろう。

 
 その福田が三者の包囲網の中をノーガード突き進むことを選択した。
 此処を勝負所と踏んだのだろう。

 
 だが、ここであの男がやってきた。
 雀鬼・桜井章一氏をして「何百人出ようが必ず勝つ」と言わしめた金村尚紀氏である。

 リーチを受けたときの金村氏の手牌はこうである。


(南二局一三巡目 南家 ドラ 三筒 )


五萬五萬七萬八萬三筒三筒五筒七筒六索八索   五索横四索六索


 かなり厳しい形である。というよりも、巡目と先行リーチ者の存在を加味すると、和了はおろか聴牌すら難しい。
 だが、金村氏は何の躊躇いもなく、福田の切った 五萬 に襲い掛かった。


八萬三筒三筒五筒七筒六索八索  五萬五萬横五萬    五索横四索六索


 確かにトップ目に圧力をかける必要はあるが、流石に無理だろう…。観ていた人間の大半がそう感じたはずだ。
 だが、金村氏が直線的に引き寄せる自摸は残り僅かに四巡で劇的な軌跡を描いた。


(十五巡目)


八萬三筒三筒五筒七筒六索八索  ツモ 三筒 で打 八萬     五萬五萬横五萬  五索横四索六索


(十七巡目)


三筒三筒三筒五筒七筒六索八索  ツモ 五筒 で打 七筒      五萬五萬横五萬 五索横四索六索


(十八巡目)


三筒三筒三筒五筒五筒六索八索   ツモ  七索    五萬五萬横五萬 五索横四索六索



 この和了で卓上の流れは一気に金村氏へと傾いた…。








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