プロ雀士吉田光太の横向き激闘記

最高位戦日本プロ麻雀協会 吉田光太のblog。

2010年01月

峻烈(供

 
 東三局、土田プロの親番。
 私としては此処を無事に落とせば勝機が見えてくる。

 絶対に活路を見出させてはならない一局。
 しかし、安易に流すような麻雀を打ってはならない一局。

 そして、早く終わらせなければならない局だからこそ、厚く手構える。
 

 私が充分と思えるタイミングで仕掛けた瞬間に、土田プロが自摸切りリーチを打ってきた。


 七萬七萬七萬五筒六筒七筒一索二索六索六索  北北横北



 私もギリギリまで押すが、軍配は門前の土田プロに上がる。


(東三局 東家 ドラ 六索


 二萬二萬二萬五萬六萬四筒五筒六筒三索三索三索四索五索   ツモ  四萬



 そして、裏ドラをめくると 一萬 が顔を覗かせてまたもや裏3の和了に。

 結局、この6000オールの分を捲ることは出来ず、土田プロは70000点越えのトップで優勝。
 相変わらずの安定感に、決勝へ向けて鬼の気魄も上乗せされているようだ。


 ましてや裏ドラまで暗刻で飼っておられる先生には敵う由無しである。










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峻烈

 
 最も勝ちたい相手と、最も負けたくない相手との戦い。

「上野 麻雀FUN」にて土田浩翔プロ、鈴木達也プロ、そしてアマ雀豪のヒラカワ氏とのセット。


 この日は土田プロのRMUクラウン、RMUリーグの決勝の調整を兼ねた一戦だ。
 今日も負けられない理由が、譲れない想いが全員に在る。
 
 いま持てる最大の力で、最高の麻雀を打つ。
 セットが決まったときからそれだけを考えて時間を過ごした。


 最終5戦目を迎えて、私は土田プロに30p差をつけた首位。
 オカ無く、ウマが5-15のRMUルールなので、土田プロは私と1着順差で2万点以上、2着順差ならば1万点差を狙う必要がある。
 
 また、達也が3番手につけており、こちらは私たち2人を沈めての大トップ条件。
 特に結託や制約があるわけではないが、こういった最終戦というのは大体が私を含めてのトップ獲り勝負となることが多い。

 このレベルなら間違いなくそうなる。
 要は、下位陣がトップを獲ったときに、素点の差と並びを作れる出来かどうかというだけなのだ。


 開局早々、土田プロが狙っていたと述懐する裏3の和了で先制する。


(東一局 西家 ドラ 北


三萬四萬二筒三筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒五索六索七索   一発ツモ  二萬  裏ドラ 五筒



一方の私も、親番で技ありを取一本取る。


(東二局7巡目 東家 ドラ 西


五萬六萬八萬八萬三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒六索八索   ツモ  八筒


 索子が場に高いのと、達也の手牌進行の間合いを鑑みて一盃口と三色目を拒否する 六索 打ち。

 二枚目の 七筒 をふかして変則三面張の聴牌。


 四萬五萬六萬八萬八萬三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒八筒   ツモ  三筒


 これをきっちり自摸り上げて、勝負を五分以上に戻す。


 四萬五萬六萬八萬八萬三筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒   リーチ ツモ  三筒




 しかし、この日の彼はいつもに増して烈々と燃え上がるような強さを発揮した。








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設問


「モンド21 第10回モンド21杯」であった山井弘プロの手牌です。

 現在18600点持ちの三着目。
 ドラが 六萬 です。












18000点持ちの佐々木寿人プロが 二萬 を二巡目に 三萬四萬 でチーしています。


(佐々木プロ 捨て牌)

五索七索一萬四筒七筒


その他、場に見えている関連牌は 九萬 が一枚切れです。

皆さんは何を切りますか?





















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骨格(供

 
 プロである以上、自分で打った麻雀くらいは明確に説明できなくてはならない。
 
 ここ最近、先述の滝沢プロと麻雀の話をすることが多い。
 育った環境やフィールドは違えども近い思想に辿り着くことが多いし、そういった時間はいくらあっても良い。

 少々恥ずかしいが、伝わる言葉の遣り取りが心地よいときもある。
 無論、これらは彼だけに限った話ではないが。

 
 しかし、これがメールで説明ということになると思いのほか上手い言葉が見つからなかった。
 滝沢プロと酔っ払って話をしているのとは訳が違うのだ。


 彼女は私が鹿児島にゲストに呼んで頂いた際に知り会ったのが縁で、それからたまにメールをくれたりする。
 もちろん麻雀の腕前も達者であるし、質問の局面となった半荘を観てくれている。


 リーチの選択。

 副次的な効果は置いておき、リーチをかけるのは打点が欲しいからだ。
 そして、リーチをするか否かを決める最大の分岐点は、見返りに対するリスクバランスである。

 リスクバランスの計り方は様々だが、掲題の手牌であると、“和了に対する期待が高い牌”、“受けとして強く望む牌”が生きているかどうかがポイントとなる。



 (南一局 東家 ドラ 八索


四萬五萬七萬八萬九萬四筒四筒五筒六索七索七索八索九索   ツモ  五索


(南一局一本場 東家 ドラ 北
 

 一萬二萬三萬五萬六萬八萬九萬五索五索五索六索七索北   ツモ  七萬



 “和了に対する期待が高い牌”とは上の手牌で言えば 三萬 である。 
 そして全員が 三萬 六萬 を自摸切る場況ではあるが、やはり、より内側の牌である 六萬 は手中に持たれている可能性が若干高まる。

 したがって、 三萬 が3枚、 六萬 が1枚切れ。
 この数字が逆転しているならばリーチと行っただろう。


 下の手牌では、やはり一気通貫になる牌が多めに残っている点が大きい。
 萬子の中頃は安くないので、決して和了易いとは思わないが、和了ったときにはリスクとのバランスが取れている 四萬 に期待してリーチと行って良い手ではないだろうか。



 と、ここまで下書きをしてはみたが、やはり上手く纏まらない。

 麻雀打ちとして技倆を磨いたり、交遊録を充実させるのも良いが、その前にプロとして励まなくてはならないことがあるようだ。




 「モンド21 第10回モンド21杯」
 http://www.mondo21.net/10th_mondo21hai










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骨格

 
 滝沢和典は若手プロの憧れである。
 麻雀に対するストイックな姿勢、常軌を逸しているとも取れる破戒な日常。

 端正な顔立ちや、勝負の場における落ち着きはらった佇まいは、日々の修練や想いを現しているようにも思える。

 冷徹さと、温和な一面。
 一気呵成に攻めて辛く打つ力と、鉄が冷たくなるかのごとくの退く速さ。
 彼はそういった二面性を有している。

 
 麻雀は、結果が全てだ。

 だが、結果を残すためには試行錯誤が必要となる。
 経験を積み、未知なるものに触れ、技倆と心を磨いていかなければならない。
 従って、目先の利だけを追うことは最善の方法ではない。

 遠回りをしたり、勝ち味を遅らせるような打ち方や探究が糧となることもある。
 しかし、矛盾するようだが、結果を追求するために踏んでいくこれらの道程や思考のプロセスもまた、全ては結果のために存在する。


 だから戦いとは本来、その成果を競い合うものである。

 今日まで犠牲にしてきたものの量や、流した涙や汗。築いてきた思想と自分。
 それを比べ合おうというものではない。
 
 それでも、譲りたくない。
 この世界ではそう思える相手に出会うことが出来る。



 そんな滝沢プロとのモンド21における対局。
 牌勢に恵まれた私が手にした二つの手牌について、知人の女性から一通のメールが届いた。



(南一局 東家 ドラ 八索


四萬五萬七萬八萬九萬四筒四筒五筒六索七索七索八索九索   ツモ  五索


(南一局一本場 東家 ドラ 北
 

 一萬二萬三萬五萬六萬八萬九萬五索五索五索六索七索北   ツモ  七萬



 聴牌巡目は奇しくも共に8巡目。

 三萬 六萬 待ちは 三萬 が3枚、 六萬 が1枚切れ。
 四萬 七萬 待ちは 七萬 が2枚切れである。


 上の場況は萬子の下が安く、滝沢プロが筒子の一色手で前巡にドラの 八索 切り。
 佐々木寿人プロも手が早く、おそらく一向聴。

 下は萬子の上が安く、全員手が遅そうな捨て牌相。
 オーソドックな場ながら、滝沢プロが3巡目で 八萬 七萬 と手出しをしており、変則手の切り出しを窺わせる(ただし実際には異なった)。


 知人のメールはこうである。
 

「なぜ、上の手牌はダマを選択し、下はリーチをかけたのか。
 判りやすく説明してもらえると幸いです」

 というものだった。







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告知


「部屋は、無いです。毎日どこか適当に寝床を探してます――」

 当時、雀荘の夜番をこなしながら大学の夜間部に通っていた少年は呟くようにそう言った。

 
 小倉孝。

 何度かこのblogにも登場しているプロ協会の後輩だ。
 後輩といっても私と奴は半期しか違わず、かつては同じリーグにも居た。

 入会一年目にして雀竜戦を制覇し、続く翌年の連覇にも成功して一躍シンデレラボーイとなった男だ。
 その後も新人王のタイトルを掻っ攫い、日本オープン、野口賞、覇王カップの決勝に進出と驚異的な活躍を見せ続けた。

 ネットで麻雀を覚え、いわゆるデジタル麻雀を貫き通す小倉。
 棒テン、即リーの多い小倉の麻雀は周囲から厳しい指摘を受けることもあったが、小倉は四期連続のリーグ戦昇級を果たし、Aリーグでも圧倒的なポイントを叩いて雀王決定戦の舞台に辿り着いた。

 ここまででも、充分に伝説だ。
 正確な数字は判らないが、彼のこの五年間の公式戦の数字を超える記録は無いだろう。

 
 そんな第7期雀王・小倉孝が書いた戦術書です。
 流れや状態といった読み辛い部分を排除し、効率やデータを重視した戦法に秀でた小倉の麻雀を堪能することが出来ます。





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聖戦(掘

 
 気合を一つ入れて席に戻る。
 すると、想いが牌に伝わったのか手牌が動き出してきた。

 対面の兄貴に先行されて迎えた親番。
 ラス目の上家からリーチが入る。


(北家 リーチ  ドラ 八萬


一索東北一萬三萬三筒
八筒白六索横   リーチ



 リーチを受けた一発目、私も有効牌を引いた。


(南二局 東家 ドラ 八萬


 五萬七萬四筒四筒七筒七筒八筒二索二索二索二索六索七索   ツモ  七筒



 一向聴ではあるが、ドラはなく受けも苦しい。
 上手い具合に私の不要牌が安牌となるような展開になれば、多少粘ることが出来るといったところだろう。

 取り敢えず 八筒 を打ち出す。

 
 すると、リーチ者が 二萬 を自摸切り、私の自摸が 四筒 だった。


 五萬七萬四筒四筒七筒七筒七筒二索二索二索二索六索七索   ツモ  四筒


 寄ってきている…。

 積極的に 二索 を暗槓すると、新ドラ表示牌に 六筒 が捲れる。


 そして、ケツから 七萬 を引いてきた。


 勝った――。

 リーチ者がいま切った 二萬 を瞳に映しながら 五萬 を打ち出す。

 
 牌の入り方、そしてタイミングが勝てと言っている。
 ダマで“タンヤオ・三暗刻・ドラ3”の親ッパネである。

 次巡、力を込めて山に手を伸ばすと、持ってきたのは 四筒 だった。



 七萬七萬四筒四筒四筒七筒七筒七筒六索七索   ツモ  四筒   裏二索二索裏



 暗槓をし、自らをこの二面に縛るため、リーチをかけた。
 手牌変化を待つ手ではないだろう。

 すると、意外にもトップ目の対面がノータイムで 八索 を切ってきた。


 七萬七萬七筒七筒七筒六索七索   ロン  八索   裏四筒四筒裏 裏二索二索裏



 裏ドラにも 六筒 が捲れ、36000点の和了となった。
 聞けば、私が追っかける前から 四筒 七筒 待ちでタンピンの赤ドラ手を張っていたのだという。
 そして私の槓によって更にドラが増えてしまったそうだ。
 

 この威光が効き、次戦もトップ。
 勝負所でラッキーな展開になり、年始から幸先の良いスタートで終えることが出来た。


 始まりにツクのが良いのか、終盤に力を発揮できるのが良いのか。
 一年を通しての戦いも半荘も似たようなものだが。

 不調に陥ったときには、ゲンを担ぎにこの場所へ戻って来よう。












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聖戦(供

 
 一萬九萬九萬一筒九筒三索九索東南北白發中   ツモ  西



 スッ、と澱みなく 三索 を河に打ち出す。
 私が対面のリーチに被せて来ているは周知なので、牌も幾分か出しやすい。

 兄貴は無言――。


 二索 は場に4枚切れ、そして 一索 も3枚見えている。

 しかし、山との勝負と思われた刹那、それまで勝負を預けていた親が私の 三索 に声をかけてきた。



 裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏  三索三索三索横



 打牌はリーチの無スジ。
 親も此処が勝負所と踏んだようだ。

 兄貴が気合を入れて振り腕をかざすが、自摸は空振り。
 親も自摸切る。
 さらに下家のメンバーもまだ公九牌を切ってくる。

 テキの当たり牌も深いが、私の 一索 も深い。


「自摸――」


 手を開いたの親だった。


 六萬六萬七萬七萬八萬三筒四筒五筒六筒六筒   ツモ  五萬赤  三索三索三索横



 私の 三索 切り出しが国士聴牌を感知させてしまったのか。或いは引っ張りすぎたか。

 いずれにせよ何処かに私のエラー、若しくは親に好手があったことに違いは無い。
 軽く山の牌を検めてみると、 一索 は二つ先に眠っていた。


 
 この回は序盤の失点を回復させることが出来ず、ラスに終わった。
 カウンターに立っているメンバーに代走を頼み、トイレへ向かう。

 さっきのは、温かったか…。
 そんなことをトイレで思っているときにふと神妙な思いになる。

 
 お世辞にも綺麗とは言い難い使い込まれた店の厠。
 全てはここから始まった…。


 17のときから、毎日毎日この場所で吐いていた。
 負けられないという重圧が私の精神を休めることはなく、胃酸の逆流が収まる日もなかった。

 不調のとき、辛酸を味わったとき、負けられない勝負になったとき。
 いつも此処で吐いていた。


 今の私は勝負を楽しんだり、間合いや感覚の練習を兼ねて調整で打つこともある。
 それはそれで間違っているとも思わなくなってきている。


 五年間、此処でひたすら勝ち続けた。

 何処まで続くかも判らないが、私の麻雀物語は此処から始まったのだ。
 今さら青臭いことを思い出して何になるとも感じたが、自分の歩んできた道に背を向けることは出来ない。


 かけがえの無いものをこの場所で得、様々のものを引き換えに失った。


 麻雀に対するスタンスが変わるのは構わない。
 だが、どんな勝負であろうと、この場所で私が負けることは許されないはずだ。









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聖戦

 
 帰省に伴って今年も初打ちのために「前橋 ambitious」へ。

 店内に入ると、知った客の何名かがこちらに視線を投げかけてくれる。
 私にとっては途轍もなく長い時間を過ごした母校のような雀荘だ。

 
 二卓立っている内の一卓に案内をされる。
 下家に初顔のメンバー、対面と上家には見覚えのある客が座っている。もう十年以上前になるが、何度かこの店で同卓したはずだ。


 3、1着で迎えた3半荘目。

 公九牌を寄せ集めた私の手牌は一向聴になっていた。


(東四局 南家 ドラ 二萬


 一萬九萬九萬一筒九筒三索九索東南北白發中



 そこへ、対面の兄貴が自摸切りリーチと来る。


 白二索南九萬六筒四筒
 一索發一萬五萬一筒横 リーチ



 目下、三着目で攻めっ気の強い対面。

 即リーではなく、自摸切りリーチということは愚形待ちを窺わせる。
 静観するトップ目と二着目をよそに、私は無スジを二枚押した。


 そして迎えた14巡目、カチリ――と場に三枚切れのラス牌を引いた。



 一萬九萬九萬一筒九筒三索九索東南北白發中   ツモ  西









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プロフィール


吉田光太

吉田光太

最高位戦日本プロ麻雀協会


池袋「麻雀ひろばキングダム」
に居ます
ホームページ
https://www.mahjong-kingdom.com/





第1期オータムチャンピオンシップ 優勝
第7回 野口恭一郎賞 受賞
第10回モンド21杯準優勝
VS研究会 第7期、第8期連覇中


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