プロ雀士吉田光太の横向き激闘記

最高位戦日本プロ麻雀協会 吉田光太のblog。

2011年04月

雀豪列伝[11] 彷徨(XX掘



二萬二萬三萬三萬四萬四萬六萬七萬七萬八萬八萬發發    ツモ 七筒


 上家のドラポンで私に 三萬 が入ってのテンパイ。
 そして最終手出しされた 四筒


 私はドラ切りの後、紅中を打ち出しただけだ。
 まだ私に対する周囲の警戒は高まっていない。

 それよりも連勝中のドラポンの手だけはアガらせまいと考えているだろう。
 牙を入れた私が躊躇をする訳にはいかない・・・。


「ロン――」


 しかし、いとも簡単に上家の御用となった。
 

三萬三萬六萬六萬六萬四筒五筒六筒六筒八筒    ロン 七筒   五索五索五索横


 黙って満貫分の点棒を支払う。
 相手の入り目は 六萬 だろう。


 ここが、一つのアヤなのだ。



 テキに対子の 三萬 が来て絶好のテンパイが入った。
 しかし 六萬 が相手に暗刻となり、私が 七筒 を掴む。
 
 テキが手牌変化の利く、カン五筒 待ちに取っていれば親の振り込みだった筈だ・・・。


 三萬三萬六萬六萬六萬四筒四筒五筒六筒六筒   ロン 五筒          五索五索五索横



 面白い、麻雀は本当に不思議で深遠なゲームだ。
 そしてワシオ氏の場にはそういった奥深さを知らしめてくれる打ち手が集まった。


 毎朝早く起きて仕事へと向かう。
 午前と午後の業務を終え、職場を後にする。

 残業が出やすい仕事では無かったので、19時前には新宿へ着けることが多かった。

 腹ごしらえか小休憩か・・・。
 朝まで休息はない。
 

 仕事とパソコンワークで貯まった眼の疲れを解消するため、漫画喫茶で二十分だけ仮眠を取る。
 ほんの僅かな時間ためにセットされた携帯のアラームが鳴る。

 その日、一本目となるの煙草を深く吸い込み、アラームを明日の朝七時半にセットし直す。
 そして、いざ戦場へ。

 
 朝まで12半荘打ち、始発で巣へ向かう。結局、昼食を取ってから何も口にしていない。
 負けられない戦いに全精力を使い果たし、アタマも胃も眼も機能停止寸前だ。

 そして、また今日も同じ一日が繰り返される・・・。




 
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雀豪列伝[11] 彷徨(XX供


二萬二萬三萬四萬四萬六萬七萬七萬八萬八萬發發中


 こんな一向聴からドラの 五索 を切り出した。

 ここまでの二半荘は全くの目無しである。
 5回戦の約束だから場もツキもそろそろ動かしにかからないとマズい。


「ポン――」


裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏    五索五索五索横



 初戦、二戦目と連勝を飾った上家がドラを叩く。
 私のここまでの捨て牌はこうだ。


 四筒五筒九筒三索七索五索


 今日は競技ルールでの戦いである。
 リーチをかけて自摸るような手が全く来ないので、一色やチャンタなど鳴いて行ける手にばかり走っていた。


二萬二萬三萬四萬四萬六萬七萬七萬八萬八萬發發中


 今の状態だと 九萬 を持ってくるのが関の山か・・・。
 カン 三萬 では戦えない。テキも動いたので緑発が出たら鳴いて行こう。

 そんな事を思いながら山に手を伸ばすと、上家の鳴きで私に流れてきたのは 三萬 だった。


二萬二萬三萬四萬四萬六萬七萬七萬八萬八萬發發中    ツモ 三萬


 
 急所が埋まっての高目ホンイツ・二盃口テンパイ・・・。
 スッと河に紅中を打ち出す。

 上家が一牌入れて手出しで打 四筒 と来た。

 両脇もタンヤオ牌は打ち出し辛いはずだ。
 そして流石にここまでの手が私に入っているとは思わないだろう。


 二巡回ったが私の和了牌は場に出ない。
 六萬 はともかく、 九萬 ぐらいこぼれても良いところだが。

 
 すると、対面の親も勝負手なのかブンと 五筒 を手出ししてきた。
 
 最終手出しが 四筒 の下に対してこれは強い。


 ドラポンの上家は無言で自摸切り。
 そして私の持ってきた牌は 七筒 だった。


二萬二萬三萬三萬四萬四萬六萬七萬七萬八萬八萬發發    ツモ 七筒




 
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雀豪列伝[11] 彷徨(XXI)

 
 結局その日も朝まで戦い、私は不眠不休のままタイトル戦へ出向いた。

 全身の血行が悪くなっているので肩と首のコリが酷い。
 極度の緊張と喫煙により胃酸の逆流が止まることはなく、何十時間も物は食べていない。


 しかし、不思議と気合いと集中力は高い。
 ツモや読みもギラついている。

 久々に味わう感覚だ。


「強いと言われている麻雀プロや雀豪を、どんどんぶつけてあげるよ」


 彼は私にそう言い、プロ一年目の私は何十人もの猛者と戦うこととなった。


 毎週毎週、週に何日も。
 平日は朝から勤めだし、週末には公式戦が入っている。

 だが、ここは譲りたくなかった。



 丸三年半――。
 長くて苦しい戦いだった。



 人格が変わるほど戦い続けた。
 もう一度同じ事をやれと言われたら、ご免なさいと言うだろう。

 
 彼との付き合いが活き、私は麻雀界での立場やライバル達との関係を築いて行くことが出来た。
 結果的に私にとって大きなプラスになった。
 


 だが、別に賭け金に惹かれたり芸能人と繋がりが欲しかった訳じゃない。

 
 上京し、プロになってから誰も周囲と麻雀で判りあえぬ中、彼だけが私を認めてくれた。
 その気持ちに応えたかったのだ。





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プロフィール


吉田光太

吉田光太

最高位戦日本プロ麻雀協会


池袋「麻雀ひろばキングダム」
に居ます
ホームページ
https://www.mahjong-kingdom.com/



<獲得タイトル>

第1期オータムチャンピオンシップ 優勝

第7回 野口恭一郎賞 受賞


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