半年に亘って行われたピンツェリーグの決勝戦が開催された。

 決勝メンバーは水巻渉、小林剛、土田浩翔、和田聡子の四名で、持ち越しのポイントは以下の通りである。


水巻 +180.7
小林 +152.4
土田  +90.2
和田  +86.8



 決勝戦というのは4回乃至5回の半荘だけの戦いではない。

 そこに至るまでの予選であったり直近の調整であったり、その辺りの持って来かたも大きく物を言う。

 そして、言わずもがな、当日における体調とメンタルの管理。

 実は、戦いにおいて“体調”というのはさほど重要な要素ではない。
 これは麻雀だけに言えることではないが、本当に集中が出来ていれば過程に影響は出ないはずだ。

 むしろ手負いの方がつまらないミスは少なくなる。
 昨日、今日始めた選手ではないのだ。多少の悪条件でそこまでのブレが生じるはずはない。

 ブレが生じるのは“体調管理を怠った”という精神的な面に影響が出るからだ。


 対局前、各人の様子に目を走らせた。

 まずは現在トップを走る水巻。今年は發王を奪取し、Aリーグでも8連勝中と波に乗っている。
 だが、麻雀に対して驕りを持ったりポイントの庇護に肖るような男ではない。

 続いて小林。
 小林は表立って感情を顕にしないが、拘りや信念を強く持った男であることは誰もが知っている。
 予選でも早い仕掛けの後のクレバーな押し引きにポイント下位陣はだいぶヤラれていた感がある。

 “自分のスタイルを通して、勝利に最も近い道を探る”。

 この点において、ある意味では私と全く同じ打ち手としての人格を有している。

 そして、ピンツェリーグの発起人である土田。
 さも当然かのように決勝に残った土田だが、予選二節目以降の状態は決して良くなかったように思える。

 土田の麻雀の本質の一つに、「超打撃系の構えの裏に潜んでいる鉄壁の守備」がある。
 さすがに状態が悪いからといって見切りを誤ることはないだろうが(相手との実力差にも開きがあるので間合いも完璧に計れていたと思う)、土田本来の攻撃型の手牌が成就した回数は少なかったはずだ。

 常に自分と麻雀を試すように、常に私たちに何かを伝えるように、そんな姿勢が際立っていたと思う。

 最後に和田。
 予選を滑り込みで勝ち上がり、土田の前評判も高かった和田である。
 私は彼女の麻雀をまだあまりよく知らないが、恐らく勝つときは感性の赴くままに打って結果を残す試合が多いのではないだろうか。

 これは決して感覚派だということだけではなく、卓上での雰囲気がそちらの方が明らかに良いものになっていたからである。 


 決勝は五回戦の戦いである。
 無論、これは選手が戦う回数だ。

 今回の私は“外野”である。
 しかし、ただ単に観戦をしたり、記録を採るだけであれば打ち手でなくても出来る。
 
 この戦いを確かな目で見届け、己の糧とすることが出来れば、そこで得る経験は決勝に残った面子にも劣らない。











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