西:麻雀王国    二索横:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国 北横:麻雀王国北:麻雀王国北:麻雀王国 東:麻雀王国東:麻雀王国東横:麻雀王国 南:麻雀王国南:麻雀王国南横:麻雀王国

 
 役員風がオーバーアクションで、北:麻雀王国 を鳴かせたフーテン男に呆れた素振りを見せた。
 この半荘のトップ目は役員風だ。


 だが、フーテン男だってバラバラのクズ手で来ている訳ではない。

 実際に向こうはリーチ。
 それに対し、私は待ちが僅かに二枚のスッ単騎である。


 ゲン爺が、リーチに対して強い牌を切ってきた。
 彼は 西:麻雀王国 を持っているのだろうか。


 だが、リーチ者は無言。
 自摸牌をそのまま河に放る。


 勝負がどっちに転ぶにせよ、あまり長い時間ハダカ単騎なんていう見苦しい姿でいるのは御免被りたい。 
 そんなことを思いながら山に手を伸ばすと、いとも簡単に絵が合ってしまった。


西:麻雀王国   ツモ 西:麻雀王国     二索横:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国 北横:麻雀王国北:麻雀王国北:麻雀王国 東:麻雀王国東:麻雀王国東横:麻雀王国 南:麻雀王国南:麻雀王国南横:麻雀王国


 
 結局その半荘は、それまでトップコースを走っていた役員風を役満でまくった私がトップ。三枚目を鳴かせたフーテン男はラスだった。


 すると、フーテン男が懐中から皺くちゃの札を取り出しながらゲン爺に言う。

「預かり金、戻してくれる?」


 どうやら懐中の分だけではパンクのようだ。
 最初に預けた“預かり金”を換金して、無言で席を立つ。
 

 すると、フーテン男が店を後にした瞬間に役員風が声を荒げた。


「たくっ! 北:麻雀王国 なんか切るなよ。タコが!!」


 役員風の気持ちも判らなくはない。

 しかし、誰が何を切るかなんて個人の自由である。
 三枚目を鳴かれたのは偶然であり、スッ単騎を自摸られたことは全くの不運だ。

 逆に、フーテン男の攻めで私の手が潰されることの方が多いだろう。


 ここは、道楽で牌が打てるような場ではない。
 ましてやフーテン男にしてみれば、そう楽ではない日銭が懸かった乾坤一擲の勝負だったのであろう。


 上気が収まらない役員風は、なんと私に相槌を求めてきた。


「なぁ、あんな打牌ないよねぇ!」


 別に彼が人のことをどう思い、どう憤ろうと自由だ。
 だが、ここは勝負の場であると同時に紳士の社交場でもあるのだ。

 他の客の悪評を第三者に同意を求めるのはご法度だ。

 
 フーテン男は、静かに席を立った。
 彼は例え他者が三枚目を鳴かせて、その結果自分が競り負けたとしても黙って受け入れるだろう。

 
 役員風の態度に嫌気が差していた私に気付いたのか、閉店後にゲン爺が珍しく私に話しかけてきた。






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*当物語はフィクションです