この世で心の底から信じているもの⋯⋯。

 唐突に難しい質問だ。
 だが、私はゲン爺に好意を持っていたので、真面目に答えてみた。


「親の愛情と、自分の麻雀に対する情熱、あとは今の雀荘の先輩たちですね⋯⋯」


 ゲン爺はまた、うん、うんと頷いてニコニコしている。
 私は正解は何なのか聞いてみた。


「正解なんてありませんよ。素晴らしい答えです。ただ⋯⋯」


「ただ⋯⋯?」


「一般の、働いて給料を貰って人生を設計していく人なら正解でしょう。だけど、この世界は少し違います」


 説教は好きではないが、私は目で続きを促した。


「勝負の世界で信じられるのは、自分だけですよ」


 一言そう言うと、ゲン爺は煙草を吸い、いつものように吐き出した煙をずっと見つめ始めた。


 信じられるのは自分だけ⋯⋯



 幸か不幸か、のちのち私はこの言葉の意味を思い知ることになった。







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*当物語はフィクションです