5時間、いや6時間ぐらい経っただろうか。
 死んだように眠っていた私が目を覚ますと、もう陽が昇って昼間になっていた。


 店内を見回すと、佐々木一人しか居ない。
 
 雀卓でつまらなそうに牌をカチャカチャと鳴らしていた佐々木が口を開いた。


「おう。奴さんたち、半荘4回で音を上げて帰って行ったぜ」


 聞けば佐々木がお座り三連勝をし、逃げるように退散して行ったらしい。
 
 テキも疲労困憊だったのだ。
 威勢が良く、鋭い切れ味の麻雀を打つ佐々木の登場を見て分が悪いと踏んだのだろう。


「清算もしておいたからよ。一応、オメェの代打ちのつもりで来たけど、プラスした成績の分は俺によこせ。引き継いで増えたチップはくれてやるよ」


「いや、チップの分も払います」


 そう言ったが、佐々木は元の枚数を覚えていないので要らないと言ってきた。



 佐々木によると、私が前々日に事情を電話で触れ回っていた客に話を聞いて顔を出してくれたらしい。
 客の“引き抜き”を避けるため、いつもの雀荘の面々は避けて客を探していた心算だったのだが……。



 私は窮地を救ってくれた礼を言ったが、佐々木はつまらなそうな顔で帰り支度を始めた。


「まぁ、もう少し考えて打つ場所を選ぶんだな」



 一人、マンション麻雀に取り残された私は、近日中にここを去ることを決意していた。





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*当物語はフィクションです