朝方まで遊び回った私はその日の夜番のために、泥のように眠った。

 昼過ぎに目を覚ますと、携帯の着信ランプが光を帯びている。


 着信の履歴は昨夜会ったばかりの美女・リサ。
 それと、カジノのディーラーであるカザマからだった。
 

 昨日の今日で電話を寄越してきたということは、二人とも冷やかしではないようだ。


 私はすぐに電話を折り返さず、目覚めの珈琲を一杯飲んだ。
 カザマの夕べの言葉が頭をよぎる。


「お互いもうカタギの道って訳じゃないんだ。一緒に楽しく稼ごうぜ」


 もっともな言い分だ。
 誘ってくれたのは嬉しいし、私はリサにもカザマにも人間的に好意を持った。
 

 だが、テーブルの上に置いた携帯を俯瞰しながら考えた。


 金は――、使ってしまえば無くなる。
 女への渇きも、満たされればそれまでだ。


 だが、麻雀への“熱”はずっと変わらない気がする……。


 
 カンチャンやペンチャン、欲しかった牌から埋まっていくアノ感覚。
 どれだけ負けていても、次の半荘へ向けて点棒を揃えていると湧いてくる勇気。



 夜の街に一歩を踏み出すのが怖かった、というのも本音だ。

 だが、この半年間、狂ったように時間を麻雀に捧げた。
 私はこの先も麻雀だけをやった方が良い気がした。
 

 
 私は二人に連絡をしなかった。
 店にももう二度と行かないと決めた。


 その二週間後――、カザマの店に手入れが入ったと人づてに聞いた。






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*当物語はフィクションです