昨日はWOWOWさんでたまさま(珠城りょう)の退団スペシャルが放送されることになってて、すっごく楽しみにしていましたが、こちらのことも待っていた!!

月組博多座公演「川霧の橋」「Dream Chaser-新たな夢へ-」ライブ配信




博多座で観劇してから約2週間。回を重ねるごとに深みを増していくのをこれまでの公演で観てきたので、新たな体制となった月組もきっとそんな熟成を見せているのかな・・・?と思ってたけど、やはりその思いは間違いではなかった。
映像だと表情もよく見えて、毎回同じことを言ってて申し訳ないがやっぱり今回も言っちゃう「ありがたし!!」

「川霧の橋」は、押し殺した中からにじみ出る感情の機微に、観ているこちらも胸を絞られたりハラハラしたり、まどろっこしい!と地団駄踏みたくなったり・・・人のことなのに、ましてや架空のキャラクターなのに、いつしか彼らの人生に寄り添うような気持ちで観てしまう。
お光の人生はあまりにも波乱過ぎるし、清吉も源六さんもお組ちゃんも、そして半次も・・・あの祭の日から狂ってしまった、と振り返っていた当の本人が一番先行きが変わってしまってるじゃないの・・・
なぜこうなってしまうのだろう、というやりきれなさがどうにも苦いけれど、だからこそまわりの人たちのあたたかさ、特に幸次郎の一本気が染み入る・・・そんなお話だなぁと思いました。
その幸次郎のれーこちゃん(月城かなと)、青天が似合う!
重心低い感じの和の佇まいがしっくりきてて、雪組での経験が存分にものを言ってるなぁ。
誠実で情に厚くて、リーダーシップもあって、イイ男っぷりでした。
橋の上でお光と向かい合い、手を袖の中まで撫でるように滑らせていくのがたまらなく色っぽかった・・・好きでも愛してるでもなく、まさに「お前が欲しい」の目であり手だなと。
「ダル・レークの恋」でも感じたけど、れーこの色気って生っぽいヤバさがあるよね
我らがたまさまも男性のような欲望がにじみ出てたけど、れーこはさらに湿気を帯びて重たい分なまめかしいような。素はどちらかというとホワホワしてる気がするのに、中に秘めた情熱の温度が高い・・・!!
それほど一途にお光を思ってきた幸さん、マゴマゴせずちゃっちゃと気持ちを伝えてたらよかったのにね・・・お光は既に自分の気持ちを知ってて、あとは自分のひと押しだけだと考えてた節があるなぁ。
源六から縁談を断られて、お光自身の心を尋ねに来る場面で「口で言わなきゃわからないのか」と詰め寄ってたけど、そんな大事なことなんだからしっかり口で言わなきゃわかんないよね
清吉もだけど、何で男は女がすべてをお察しだと思うのか小一時間・・・

この物語の実質の主人公はお光だと思っているのだけど、うみちゃん(海乃美月)はそれにふさわしい生き様を見せてくれていました。恋することも疑うことも知らない無邪気な少女の頃から、災厄を越えて自分が本当に求めていたものを知り、後悔の涙を流す・・・うみちゃんの独白から嗚咽となるまでのやりきれなさが痛いほど伝わってきて、観てて辛いけれど演じようは素晴らしい。
半次のちなつ(鳳月杏)は幸次郎以上に一途で健気で、とても懐が深い人だなと・・・お組とは思い合っていたわけではなく一方的に憧れていたような関係なんだろうと思ってるのだけど、その人のために安定した環境を捨てて日陰者となるなんてことはただ好きなだけではできないこと。火事の後はお組を守るためだけに生きていた半次、このあとはどんな人生が待っているのかなぁ。清吉を仕留めたあとはもう生きていようとも考えてなさそうな気がします。お組を弔い続けてほしい気もするけれど、人を殺めてるしどうかな・・・柴田先生が描く人物は舞台で描かれたあとも想像してしまうような思い入れを持つことがあるけれど、ちなつの半次はまさにそんな人でした。かなうなら生きて、お光以上に幸せになってほしいよ・・・
それにしても川べりで石段に脚を乗せたマドロススタイルの脚の長さときたら!!どう考えても江戸時代の体型じゃない異次元の長さ
初演でもやっていたポーズをしっかり踏襲、そりゃちなつにはやらせたいよね

その他の登場人物では、何たってありちゃん(暁千星)!!
すべてはコイツのせいで・・・という清吉は、自分が観た時はギラギラと全てに攻撃的だったけれど、配信で観た清吉は己の人生をどうにかしたくも行き詰ってどうにもできない、そんな物悲しさを感じました。このままではいけないこともわかっていながら戻るには遠すぎて、抗うことを選んだというのか。
「金のねぇのは首がねぇのと同じだ!」
と自分の首を断つような素振りを見せながらお光に叫ぶところの目の凄まじさときたら・・・以前からありちゃんは案外陰の部分を持っていると思ってたけど、ここまで出てくるとはなぁー!スゴイよありちゃん・・・!!
るみこさん(光月るう)の源六もすごかった。見た目がガッツリ老人なのも驚いたけど、倒れてから研石に触れる時の麻痺した手のこわばりや体の不自由さがリアルすぎて・・・!!これほど作り込み、でも作ってる感がないのがスゴイ。
なつこさん(夏月都)のお蝶も、源六が言うところの「悪気がなく人を傷つける」人なのが佇まいから伝わってきました。何だろう、きちんとしてるし人当りもいいし、お嫁さんを大切にしてくれそうな雰囲気もあるのに、どこか自分ならばできる、という無意識の驕りのような気持ちがあるのかな。そういう空気を出せるなつこさんとるうさんが組を束ねるのだから、そりゃ「芝居の月組」になるわ・・・!!
落ち着いた風情のるね(夢奈瑠音)の己之吉、口跡がよくていかにも江戸っ子らしいれんこん(蓮つかさ)の杉太郎、いなせな大将的なうーちゃん(英かおと)の辰吉、そそっかしそうなみよっしー(柊木絢斗)の千代松と配役もハマってた。まりやっちょ(毬矢ソナタ)のセリフ回しもキレがよくて上手かった。
娘役だとお組のじゅりちゃん(天紫珠李)、特に堕ちてからの荒みようがすごかった!身も心もボロボロになった己を嘲るような乾いた笑い、あれはくるな・・・
じゅりちゃんにとっては「赤と黒」のマチルドに次いで挑戦の役だったと思いますが、それも期待のあらわれだよね・・・よくぞ挑んだ!!
はーちゃん(晴音アキ)の小りんも粋でちょいとウィットもあってかわいらしい姐さんぶり。これからも大事にしてほしい娘役さんです。
芸者仲間のれなちゃん(妃純凛)は娼婦の役もやっていたけど、全然居方が違うのに感心させられました。セリフの声もちょっとした変化をつけていて、それがとても効果的。下級生は場面によって役が変わってて、そのたびにちゃんとその場面の人になっているのがスゴイなと・・・さっきからスゴイしか言ってなくて語彙力なさすぎなのは承知しつつも、演じっぷりがスゴイのでそうしか言いようがないの!!(開き直り)
飲み屋のオヤジ役の月乃だい亜くん、お酒が本当に入ってそうな徳利の扱い方が上手くってついつい目が行ってしまうのでこのあと観る方はそこも注目してほしいです(何目線)

人材が豊富だった初演の月組に向けて宛てられた作品だけに、再演を望む声が多くてもなかなか実現しなかった「川霧の橋」が、31年後のれーこ率いる月組で上演されたことは本当に意義があることだと思います。
全般的に大きな変更はなく曲も場面も初演に忠実に再現されてて、31年たっているので今の観客にわかりやすいように手を入れたりしそうなものを、小柳先生は今の月組でこの作品を完成させることを選ばれたのだな。別箱なので本公演より人数が半分くらいになっても、月組ならできると託してくれたのだと・・・
そしてれーこ率いる月組も、しっかりと受け止めて応えたのだと思ってる・・・!!
素晴らしいプレお披露目でした!!
(長すぎて「Dream Chaser」に触れるスペースがないわ






にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村


宝塚歌劇団ランキング