アイアンマン「この魔法の世界に鉄人を!」
    2019年06月21日 コメント(1) 長編創作・SS 
    konosubaironman
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    アイアンマン「この魔法の世界に鉄人を!」
         




    173 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:18:30.98 ID:9QvXAFMa0
    ......
    ....
    ..
    .



    翌日 深夜 


    クリス「おっ、来たね。助手君その二」

    トニー「他の呼び方は無いのか?」

    カズマ「下っ端でどうだ?」

    トニー「・・・地球を二度も救った僕が今じゃ盗賊団の下っ端呼ばわりか・・・まぁ・・・皮肉とはいえ、自分でそう名乗った手前それで妥協するか・・・」

    カズマ「少なくとも、今のあんたの見た目は下っ端そのものだぞ。なんだよ、パーカーにサングラスにスカーフ・・・下は・・・ジーンズ?」

    トニー「服が無くてね。それに、スーツを着て動き回ろうものなら自分の名前を叫びながら回るのと大して変わらないだろ?」

    カズマ「確かにそうだけど・・・いいのか?スーツ脱いだトニーって一体何の役に・・・ご、ごめんなさい!そんな顔しないでくれ!!」

    クリス「もー、駄目だよ?人が気にしてることを言ったら。キミはそういう所を何とかするべきだよ」

    トニー「別に気にしてないさ。幸運と小賢しさを取ったら何も残らないどこかの子供同じく、僕もスーツを脱いだら天才、金持ち、プレイボーイで博愛主義者程度しか残らない」







    174 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:19:59.34 ID:9QvXAFMa0

    クリス「うわぁ・・・トニーもカズマ君に負けず劣らず凄い口してるねぇ・・・」

    カズマ「おい!俺は謝ったってのに嫌味を言いやがって、どっちが子供だ!!またあんたのスーツからリアクターだけ引っこ抜いてやってもいいんだからな!次はトイレに捨ててやろうか!!」

    カズマ(誰も思いつかないような発明品を作ったり、バニルとの取引で既に俺以上の財を築き始めたりするこいつの嫌味は・・・最高に腹立つ!!)

    トニー「いいのか?そんな口利いて。予備電源を作るか、スーツから外れた瞬間にリアクターが爆発するように改造すれば解決だ」

    カズマ「前者はともかく後者は俺死ぬだろ!?はぁ・・・喧嘩してちゃ話が進まない。お頭、ターゲットの神器はアンダインっていう貴族が持ってるんだろ?だったら、ダクネスに頼んで融通利かせてもらうってのはどうなんだ?」

    クリス「それは無理だよ。非合法な手を使っても欲しいものを手に入れるって有名な貴族なんだから、はぐらかされてお終いだね」

    トニー「ったく、貴族なんてものは歴史的に見てもロクなもんじゃない」

    カズマ「ほんとだよ」







    175 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:21:06.51 ID:9QvXAFMa0

    クリス「まぁまぁ・・・愚痴を言っても始まらないし、トニーが作ってくれた発明品を見せてもらおうよ」

    トニー「そういうことなら・・・ほら、まずは暗視ゴーグルだ」ゴトッ…

    クリス「えぇ・・・予想してたものより遥かにド凄いものが出てきたんだけど・・・なんというかこう・・・世界観を壊さない程度にハイテクなものが出てくるかと思ったのに・・・フックショットとか・・・」

    カズマ「さっそくファンタジーをぶっ壊してきたな・・・まぁ、千里眼の暗視が使える魔道具だと思えば・・・」

    トニー「お次はコレ、変声機。直前に録音した人間の声を真似する」

    カズマ「おぉっ!それはとてもいいものだ!アクアの支援がいらなくなるな!」

    クリス「す、すごいけどちょっと待って。これ一日で作ってきたの!?」

    トニー「正確には五時間」

    クリス「ひぇぇ〜・・・」







    176 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:22:02.00 ID:9QvXAFMa0

    トニー「もともとあった使えそうなパーツを組み合わせて作っただけだ。そんな大したことじゃない。まだまだあるぞ、麻酔銃にスタンガン、スモーク・スタングレネード、オートガラスサークルカッター・・・こんなものかな?一日しかなかったから大して用意できなかったが・・・」

    クリス「良いじゃん良いじゃん!すごく盗賊団っぽいよ!」

    カズマ「強盗団用のアイテムなんじゃ・・・」

    クリス「よし、アイテムもそろったことだしさっそく行こ---」


           ザッ…


        「行かせないよ」


        「「「!?」」」


    カズマ「お頭!敵感知に反応です!くそっ、これでも食らえ!」シュルッ…

    カズマ「『バインド』ッッ!!」ヒュンッ







    177 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:22:54.18 ID:9QvXAFMa0


        ズバンッ!


    カズマ「・・・は?」

    カズマ(俺のワイヤーを切った・・・?嘘だろ!?特注の鋼鉄製ワイヤーだぞ!?そんな簡単に切れるわけが・・・!)

    カズマ「・・・って、そうだよな。その剣だったら・・・鋼鉄製でも切れるに決まってる」

    ?「やっぱり、君はあの時王都であった賊みたいだね。僕の事は覚えてくれているかな?」

    カズマ「・・・俺に瞬殺された、魔剣のカツラギ」

    ミツルギ「ミツルギだ!!誰だカツラギって!戦った相手の名前くらい覚えておいてくれ!」

    カズマ「でも瞬殺だったしなぁ・・・瞬殺だったから記憶に残ってないわ」

    ミツルギ「し、瞬殺瞬殺とうるさいよ・・・」

    カズマ「わざわざ王都から追ってきたのか?」







    178 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:24:03.67 ID:9QvXAFMa0

    ミツルギ「アクセルで人類最高クラスの知力を持った人が現れたと聞いてね。それほどの知力、おそらく紅魔族以上の魔法職に違いないだろう。僕のパーティーはソードマスターの僕に、ランサーとアーチャーが一人ずつ。もう一人後衛職が欲しいと思い始めて、ここまで誘いに来たんだ」

    トニー「・・・」

    カズマ「・・・プッ」

    ミツルギ「でも、一日中探しても見つからなくってね・・・宿に帰る途中、茂みの中から気配を感じて、探ってみれば・・・」

    カズマ「お、お頭!潜伏スキルを使っていたはずなんじゃ・・・?」ヒソヒソ…

    クリス「使っていたよ!でもどうして・・・」ヒソヒソ…

    トニー「・・・?」

    クリス「・・・助手君、キミは下っ端君に触れて潜伏してたんじゃないの?」ヒソヒソ…

    カズマ「え?お頭が下っ端に潜伏スキルを使ってたんじゃ・・・?」ヒソヒソ…







    179 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:25:02.39 ID:9QvXAFMa0

    クリス・カズマ「「・・・」」

    クリス・カズマ「「しまった!!」」

    ミツルギ「何が“しまった”なのかは知らないが、盗賊なのに気配を悟らせるとは不用心だな。油断してたのかい?それとも僕を罠にハメるつもりだったのかな?」

    カズマ「ゆ、油断?何のことだ?これは・・・余裕というもんだ」キリッ

    クリス「有名なセリフを言ってる場合じゃないよ!!あぁ・・・アイテムの確認に夢中になりすぎた・・・!」

    ミツルギ「なんだかよくわからないが・・・王都のリベンジをさせてもらうよ・・・!」チャキッ…

    カズマ(や、やべぇ・・・どうしよう。勝てるヴィジョンが浮かばない・・・)

    クリス「どうする?助手君。逃げるだけならできると思うけど」

    カズマ「下っ端がいるからちょっとキツいと思います。何とか隙を付いて逃げることができれば・・・」







    180 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:26:23.90 ID:9QvXAFMa0

    ミツルギ「・・・」ジリッ…

    クリス「そんな隙、見せてくれそうもないけど・・・」

    トニー「・・・」スッ…

    クリス「し、下っ端君!?危ないよ!?」

    トニー「こういうのはまず下っ端から戦うのが定石じゃないのか?」

    クリス「一体どう戦うつもりなのさ!?危ないから下がってて!」

    トニー「大丈夫、ちゃんと策は考えてある」ジャキッ…

    ミツルギ「君は見たことがないな・・・新人か?というか、君の着ている服はパーカーにジーンズ・・・?」

    トニー「そうだな・・・剣士同士の決闘風に言うんだとしたら・・・其方が纏いし鎧は、コスプレショップで揃えたものか?」

    ミツルギ「これはコスプレじゃない!ふざけた男だ・・・!」







    181 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:28:06.28 ID:9QvXAFMa0

    トニー「まずは小手調べ」プシュッ プシュプシュッ

    ミツルギ「っ!」キンッ キキンッ

    トニー「へぇ、この闇夜の中で飛んでくる弾を弾くか・・・」

    ミツルギ(なんだ今のは・・・?銃か?)

    トニー(麻酔銃は当てられない。だったら・・・)ピンッ

        ポイッ
         コロコロ…

    ミツルギ「・・・?これは・・・?」

         ボシュゥゥウウッ!

    ミツルギ「ッ!?」

    ミツルギ(煙幕!?彼が持っている魔道具は一体何なんだ?)







    182 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:29:44.38 ID:9QvXAFMa0

    トニー「フライデー、サングラスモードからサーマルスコープモードに切り替えろ」ピピピッ

         シュゥゥゥゥ…

    ミツルギ「・・・何も見えない・・・逃げたか?」

    トニー(丸見えだ・・・)チャキッ

       プシュッ

    ミツルギ「うっ!?」プスッ

    ミツルギ「ま、麻酔銃・・・?この煙越しに・・・?」

    ミツルギ(本当になんなんだ!あの男の魔道具は!?やけに近代的だ!)

    トニー「・・・おかしいな。人間相手ならすぐさま倒れるはずだが・・・」

    クリス「多分、高レベルの冒険者だからある程度耐性があるんだと思う」

    トニー「状態異常耐性ってやつか・・・本に載ってたな・・・面倒だ。プランBにしよう」







    183 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:30:41.70 ID:9QvXAFMa0

    クリス「プランBって?」

    トニー「もうすぐ“来る”」

    カズマ「・・・?なんでもいいけど、早くしてくれ!もう煙幕も晴れてるぞ!」

    ミツルギ「油断はしてなかったけど・・・下っ端だと甘く見ていたようだ・・・」ユラッ…

    ミツルギ「一撃で決めさせてもらうよ。安心してくれ、命までは取らない」ブンッ

          キィィィィィィイン…

    ミツルギ「・・・?何の音だ?」

          ヒュンッ ガキンッ!

    ミツルギ「うぐっ!?な、なんだこれは!?取れない・・・!」グググ…







    184 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:31:23.90 ID:9QvXAFMa0

    カズマ「お、おい・・・ミツルギの頭についてるあれって・・・!」

    トニー「あぁ、僕のスーツの頭部だ」

    ミツルギ「ま、前が見えない・・・!」

    カズマ「えっと・・・どうするんだ?これ?この隙にボコボコに・・・」

    クリス「いやいや!あたしのバインドで縛ればいいだけでしょ!そこまでしなくても・・・」

    トニー「君達は貴族の城で使う分の魔力を残しておけ、コイツは僕一人で無力化する。ほら、下っ端に任せてくれよ?」

    クリス「そ、そういうことなら・・・でも、本当にどうするの?」

    トニー「こうする。フライデー、ミュージックスタート」







    186 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:33:47.94 ID:9QvXAFMa0

        「「「!?」」」

    ミツルギ「あぐッ!?ぐああああああ!!耳があああああ!!!」ゴロゴロ…

    カズマ「うわぁ・・・あれはキツい。なぁ、音楽がここまで聞こえてくるんだけど、あれって兜の中はどうなってるんだ?」

    ミツルギ「あああああああっ!!!鼓膜がぁぁあああ!!!」

    トニー「うーん、多分ライブ会場をそのままあの中に閉じ込めたって感じだろうか。まぁ、鼓膜はギリギリ破れないだろ」

    ミツルギ「頭がくだけるううううう!!止めてくれええええ!!!」

    クリス「さすがにドン引きだよ・・・ねぇ、早く楽にしてあげて・・・」

    トニー「そうだな。これ以上苦しめる意味もないか」

    カズマ「へいへーい!魔剣使いさんよー!とうとうあんたは下っ端にも瞬殺されちまったなぁ!!ねぇ、今どんな気持ち?下っ端にすら手も足も出せずにどんな気持ち?」ゲシッ

    ミツルギ「あふっ」ビクンッ







    187 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/16(月) 21:34:21.29 ID:9QvXAFMa0

    クリス「助手君!!君にはもっとドン引きだよ!!!」

    トニー「さすがにそれは・・・僕も引く・・・ほら、さっさと楽にしてやろう」チャキッ

       プシュッ プシュッ プシュプシュプシュッ

    ミツルギ「うぅ・・・」ガクッ…

    トニー「これだけ打ち込んだらさすがに眠るか・・・この世界に合わせて麻酔液の濃度を変える必要がありそうだな」

    カズマ「マツラギはどうする?気絶してるうちに頭だけ残して地面に埋めようぜ」

    トニー「縛るものもないし、それがいいな」

    クリス「なんだろう・・・あたしたちは義賊のはずなのに・・・すごい悪党になった気分」







    189以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/17(火) 00:48:32.14 ID:uZg6wjGn0

    トニーが加わって性質悪くなりすぎで草






    190以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/17(火) 08:42:20.33 ID:J4eP9e8LO

    お互いがお互いの凶悪さにドン引きしてるの本当笑う
    お前ら性質の悪さは五十歩百歩だからね?






    196 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:14:31.48 ID:9XRFWNmQ0
    ......
    ....
    ..
    .



    トニー「よし、こんなものか」パンパン

    クリス「本当に埋めるとは思ってなかったよ」

    トニー「大丈夫だ。街道に近いところまで引っ張って来たし、このマツリギとかいう男が助けを呼んだら誰かが気が付くだろう」

    クリス「そういう問題じゃないからね!?」

    カズマ「用心に越したことはありませんよ、お頭。石橋は渡らずに叩き壊し、隣に新しい橋を建設するくらいでないと」

    トニー「僕なら橋の上を飛んで、下にある橋を爆撃してふっとばす」

    クリス「キミたちの野良猫並みの用心深さはよくわかったから・・・それより、これからどうするの?もう数時間もしたら朝になっちゃうけど」

    カズマ「むしろ今から行くのがちょうどいい位ですよ。人間、この時間帯の方が深く眠ってて起きにくいもんです。俺が日本で家族と暮らしてた時は、このくらいの時間に飯を取りに下りるのがベストでした」

    トニー「だな。僕もペッパーが起きないようにこのくらいの時間にスーツを作ってたもんだ」

    クリス「き、気が合うんだね・・・あのさ、最後に聞くんだけど、この人に何の恨みもないんだよね?えげつない方法で倒したり、蹴ったり埋めたりしたけど・・・」

    トニー・カズマ「「あの白い歯にパンチしたかった」」

    クリス「もう・・・なにも言わないよ・・・」







    197 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:15:10.37 ID:9XRFWNmQ0
    ......
    ....
    ..
    .



    アンダイン邸


    カズマ「さて、どこから侵入しようか」

    トニー「どこからでも大丈夫そうだ。この屋敷に見回りはいない」

    カズマ「ふっ、俺達はプロだぞ?いきなり屋敷内に人がいないと決めつけて見つかったらどうするんだ?ここはプロである俺たちの意見を聞くべきだ」

    クリス「そうだよ下っ端君。君は確かに世界を救ったヒーローだけど、こういうことは慣れてないでしょ?」

    トニー「その一、スーツをここから上空千メートルに待機させてこの屋敷を赤外線スキャンしたから屋敷内に見回りがいないのは分かっている。その二、僕はスーツ無しで敵の屋敷に侵入したことがある」

    クリス「・・・ほ、ほら・・・あんまり機械に頼りすぎるのも良くないでしょ?」

    カズマ「そうだよ・・・プロの直感とか大事だろ?で、でも・・・便利になるのは良い事だし、下っ端の顔を立てる為にもその言葉を信じて屋敷に突入し・・・その胡散臭いものを見る顔はなんだよ!!」

    トニー「・・・入るぞ?窓は僕が開ける」キキキ…


         キンッ


    トニー「ほら、開いたぞ。ささっと盗ってしまおう」

    クリス「そのガラスサークルカッターなんだけどさ・・・」

    トニー「わかってる。君にあげるよ」

    クリス「やった!」







    198 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:17:32.57 ID:9XRFWNmQ0
    ......
    ....
    ..
    .


    アンダイン邸 内部


    カズマ「お頭、いちいちお宝の前で止まらないでくださいよ。目的は神器ですよ」

    クリス「それは良くわかってるんだけど・・・目の前にお宝があるとついつい・・・これ一つで貧しい子供たちがどれだけ助かるんだろうって・・・」

    トニー「その姿でも君は女神様って訳か」

    クリス「お、おぉ・・・///そういきなり褒められると反応に困るよ・・・でも、下っ端君も元の世界では寄付とかしてたでしょ?」

    トニー「・・・破壊兵器を売ったお金でな」

    クリス「っ!ご、ごめん!」







    199 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:18:26.08 ID:9XRFWNmQ0

    トニー「気にしてないさ。もう武器商人じゃないしな・・・いや、人同士の争いに使われないようにする事を条件にしているとはいえ、また武器を売ってるし、僕は同じことを繰り返しているのか・・・?」

    クリス「そ、そんなことないよ。ちゃんと罪悪感の元、もう同じことが起こらないように努力しているんでしょ?」

    クリス「確かに、たくさんの破壊兵器を作ったのかもしれない。でも、戦争はあなたが作った物ではないのですよ」ニコッ

    トニー「・・・神に懺悔したつもりじゃなかったんだが・・・ありがとう、気が楽になったよ」

    クリス「んもー、一言余計だなぁ」

    カズマ「お頭、俺って今はまだしゃべるべきではないですよね?」

    クリス「うん。台無しだよ助手君」

    トニー「湿っぽいのは君達には合わないだろ、それでいい。さて、そうこうしてるうちに宝物庫についたわけだが・・・」

    クリス「ちょっと待ってね・・・うん、やっぱり罠がある。解除するからちょっとまってね」カチャカチャ…

    カズマ(・・・?宝物庫から妙な気配がする・・・人でもモンスターでもない・・・)







    200 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:19:46.61 ID:9XRFWNmQ0

     カチッ


    クリス「よし、開いた!さぁ入ろう!」

    カズマ「待ってくださいお頭、この中に・・・」

         ガチャッ

    クリス「・・・どうしたの助手君?」

    カズマ「あれっ?」

    トニー「Wow・・・これはすごいな、宝の山だ。カズマ、なんかあったのか?」

    カズマ「いや・・・なんか妙な反応を感じたんだけど・・・うーん、勘違いかな?」

    クリス「おぉっ、助手君見て見て!これとかすごい値打ちものだよ!」

    カズマ「ひゅーっ!こいつぁすげぇ!!たんまりありますぜ!!」

    トニー「・・・なぁ、鎧はどこにあるんだ?」







    201 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:21:06.96 ID:9XRFWNmQ0

    クリス「えっ!?本当だ!鎧が無い!でも、神器級のお宝の気配はするんだけどなぁ・・・」

    トニー「スーツのスキャンによると、ここに隣接した部屋がもう一つあるはずだが・・・」

    カズマ「なるほど・・・隠し扉出てこい、隠し扉出てこい・・・」ペタペタ

        ボコッ…

        ズズズ…

    カズマ「イェーイ」

    トニー「へぇ、やるなカズマ」

    カズマ「カズマ先輩と呼べ」

    クリス「アホな事やってないで、アイギスを回収するよ」

    トニー「・・・これが伝説の鎧ってやつか。鎖でがんじがらめにされていかにもって感じだ」

    クリス「うん。これこそが聖鎧アイギス。この世で最も頑強で、身に着ける者に勝利をもたらす神器だよ。どんな戦いにも負けなかった無敵の鎧・・・ご主人様が病で亡くなる最期まで、よく頑張ったね・・・」スッ…

    カズマ(本物の女神様だ・・・)





        《おい坊主、気安く触ってんじゃねぇよ》








    202 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:22:07.57 ID:9XRFWNmQ0

    クリス「えっ・・・坊主・・・?それってあたしの事!?というか、アイギスって喋れるの!?」

    カズマ「鎧が・・・喋った・・・?」

    トニー(驚くべき光景なんだろうが、なんでだろう。見慣れてる気がする)

    アイギス《なんだよ?坊主じゃねぇのか?ならもうちょっとだけ触っていいぞ。俺の名はアイギス。三人共初めましてかな?喋って歌えるハイブリッドなアイギスさんとは俺の事よ!!チョリース》

    トニー「こんなのが・・・伝説の防具?」

    クリス「正直喋るだなんて思っていなかったから・・・驚いたけど・・・とりあえず話があるんだ、アイギス」

    アイギス《アイギスさんって呼べよ小僧》

    クリス「小僧じゃないよ!なんなのこの神器!?なんでそんな態度がデカいのさ!?」

    トニー「おい無機物、あんたはただの鎧だろ?つべこべ言わず、僕たちについてきて役目を果たせ」

    アイギス《なんだこのおっさん?無敵の鎧の俺に向かってずいぶんな態度じゃねぇか?ん?俺は神器オブ神器だよ?お前が普段着ている鎧なんて鉄屑と思えるほどのな!》

    トニー「僕はあんたよりもっと価値があって使える鎧を持っているし、作れもする。黙って付いてくるか、ここでスクラップにされて向こうで修理してもらうか選べ、ブリキ野郎」







    203 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:23:06.91 ID:9XRFWNmQ0

    アイギス《ぷっちーん、アイギス切れちゃった。上等だよクソジジイ!年寄りだからって容赦しねぇからな!!》

    アイギス《いいか!?俺は神器だ!喋るだけの防具じゃないんだぜ!?俺は自分の意思で動ける!この全身鎧の俺がお前みたいなおっさんに殴り掛かったらどうなるだろうなぁ!?》

    クリス「ちょっと落ち着いて!ねぇ、アイギスも頼むから話を聞いて!キミの力が必要なの!」

    アイギス《うるせぇド貧乳!顔が良いからってなんでも頼み事聞いてもらえるなんて思い上がってたの?自惚れもいいところですなぁ!常識と魅力的な巨乳を付けてから再挑戦してね!!というわけで引っ込んでな!その胸のようによぉ!!》

    クリス「なにおおおおお!!」ガンガン

    アイギス《おーっと、胸は出てなくても手はでるんですね?でもそんなパンチじゃマイボデーには傷も付きませーん!》

    クリス「きーっ!」

    アイギス《そんなヘナチョコパンチは効きもしないが、黙って殴られる俺じゃねぇ。おい、そこの変な仮面した小僧、俺の鎖を解け。いまからこの二人に神器ってもんを見せてやるからよ》








    204 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:23:57.24 ID:9XRFWNmQ0

    カズマ「え、やだよ。なんでお前の有利になりそうな状況を作ってやらなきゃならないの?お前無機物のくせにガタガタうるせぇんだよ!下っ端、こいつの体に刃物かなんかで口じゃ言えないような絵を彫ってやろうぜ」

    トニー「良いアイディアだな、先輩。宝物庫の中に切れ味が良さそうなダガーがあったはずだ。表面を削って絵を描く位ならできるだろう」

    アイギス《お、おい!動けない相手に何をする気なんだよ!?》

    カズマ「お前の胴体部分に卑猥なものをいっぱい彫ってやる。大人のジョークグッズみたいな見た目にしてやるよ」

    トニー「僕は四肢と頭部に世界各国の言葉で“ガラクタです”って文字を掘ってやる。これであんたは今後どこへ行っても一目でガラクタって分かるわけだ。良かったな?自己紹介する手間が省けるぞ?」

    アイギス《いやあああ!いやだあああああ!!やめてくれええええ!!》

    クリス「ねぇ・・・今回の目的分かってる?さっきまで喧嘩してたあたしが言うことじゃないけど、さっきからキミ達にはドン引きしてばかりだよ・・・」

    トニー・カズマ「「こいつよりはマシ」」







    205 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:26:28.05 ID:9XRFWNmQ0

    クリス「どっちも最低だよ!?神器に何てことしようとしてるのさ!?」

    アイギス《お前ら一体何なんだよ!?何が目的なんだ!?というか、どうしてこれだけ騒いでも誰も来ねぇんだよ!助けてーっ!人さらいー!!》

    カズマ「バカッ!デカい声出すんじゃねぇ!・・・って、あれ?確かに警報もならなければ警備の声も聞こえない・・・どうなってるんだ?」

    アイギス《者ども出会え出会えーっ!!》


        「・・・」


    アイギス《本当にどうなってやがんだ!!おい、何しやがった!》

    トニー「ハッ、見た目通り頭の中はからっぽみたいだな。僕はこの世界随一の知力持つと言われている男だぞ。あんたが喋り始めた時点でこうなることを予測して、上空で待機してた僕のスーツが煙突を通してこの屋敷内部に催眠ガスを充満させてある」

    カズマ「おい!脱出するときどうするんだよ!この部屋にもガスが来るんじゃねぇのか!?」

    トニー「出るときに息を止め、その間に窓から抜け出せば問題ない。そしてこの部屋は宝物庫だ、分厚い扉にこの隠し扉、ここまでガスは来ない」







    206 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:27:20.52 ID:9XRFWNmQ0

    カズマ「だってさアイギス。今のお前にできることは誰にも届かない叫び声を上げ続ける程度だよ!ふははははは!!!神器が聞いてあきれるぜぇー!」

    アイギス《いやああああああ!!誰かたすけてええええ!!》

    クリス「二人共ちょっと静かにしてて!あたしが話をつけるから!」

    アイギス《お嬢ちゃん!さっきは貧乳とか言って悪かった!!助けてくれ!あいつらイカれてる!》

    クリス「あ、あのねアイギス・・・あたしたちはキミの力を借りに来たんだ」

    アイギス《俺の力を・・・?えっとさ、つまりそれってあんさんが俺の中に入って一つになりたいってこと?》

    クリス「言い方がなんか変だし、そういう意味でもないよ。あなたに相応しい人に着てもらう。今この世界には恐ろしい敵が来ていて、キミのような強力な力を持った神器が必要なんだ!」

    クリス「今こうしている間にも、世界滅亡にまた一歩と近付いているかもしれない。そしてアイギスは、それを止めるために存在する唯一無二の存在。ねぇ、アイギスお願い。あたしの言うことを聞いてくれない?」

    アイギス《えー・・・なんだかそれっぽい事言ってるけど、要するに鎧として持ち主を守れってことだろ?嫌だよそんなん。鎧だって叩かれたら痛いし、このピカピカボディは傷つけたくない》

    アイギス《大体、その持ち主って言うのは俺のお眼鏡にかなうようなヤツなのか?》

    クリス「うん。正義感と勇気のあるヒーローみたいな人に・・・」







    207 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:28:19.59 ID:9XRFWNmQ0

    アイギス《ちっげーよ、中身なんてどーでもいい。見た目だ見た目!巨乳で可愛い系がいいなぁ。スレンダー系も嫌いじゃないよ!もちろんガキはNG、鎧の中は薄着で頼むわ。あ、職は剣士ね。前のご主人も剣士だったし》

    トニー「なぁ・・・こいつは海の底にでも沈めておかないか?鎧ならこんな奴よりもっといいのを僕がつくってやるよ」

    クリス「気持ちは分かるけど、これでも神器だから・・・我慢しなくちゃいけないんだ」

    カズマ「お前は鎧だろうが。選り好みしてないで働けよ」

    アイギス《鎧にも選ぶ権利はあるとおもうんだ》

    トニー「美人・・・か」

    カズマ「そんなに考えなくてもいいだろ。もう問答無用で連れていっちまおうぜ?」

    アイギス《なぁ、頼むよ・・・俺の元ご主人が病で死んじまって、俺なんだかんだで寂しいんだぜ?心の穴を埋めさせてくれよ・・・》

    クリス「アイギス・・・」

    カズマ「な、なんだか少しかわいそうになってきた。お頭、なんか手は無いんですか?」

    クリス「う、うーん・・・」ポリポリ…







    208 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:29:05.97 ID:9XRFWNmQ0

    トニー「・・・」ゴソゴソ…

    カズマ「・・・?おい、トニー何やってるんだ?」ヒソヒソ…

    トニー「実はアクアに小さくされたホログラム発生装置を持ってきてたんだ。万が一見つかったときの対策としてな」ヒソヒソ…

    カズマ「まさか・・・」

    トニー「そういうこと」

    クリス「何が“そういうこと”なの?」

    トニー「アイギス、君にとっておきの美人を紹介しよう」ピッ ピピッ

    アイギス《・・・?》






    トニー「力を貸してくれ、ペッパー」カチャッ


          ヴンッ…







    209 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:31:35.82 ID:9XRFWNmQ0

    ペッパー『初めまして、アイギス。私はヴァージニア・ポッツ。ペッパーでも構わないわよ?』

    アイギス《へいへーい、ドチャクソ美人さんじゃないですかぁ!》

    クリス「トニー、一体どうやってるの?」ヒソヒソ…

    トニー「彼女はペッパー、僕の恋人兼社長をしている。そして、僕のラボのデータバンクにはペッパーの映像記録が山ほどある。それを利用してペッパーの姿をホログラムで、声は変声機を応用してフライデーに喋らせている」ヒソヒソ…

    カズマ「なんという科学の力技・・・」

    アイギス《どういった魔法かは知らないけど、キミとは話せるんだね?ペッパー》

    ペッパー『もちろんよ。なにから話す?』

    アイギス《じゃぁスリーサイズから・・・》

    トニー「おい」







    211 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/22(日) 21:45:10.39 ID:9XRFWNmQ0

    ペッパー『それはもっと親密になったから教えてあげるわ?』

    アイギス《アイギス、ペッパーと親密になりたいなぁ!!実際の君に会いたいよ!!》

    カズマ「キャラがブレまくってんぞコイツ」

    クリス「しっ!」

    ペッパー『もちろん、私も会いたいわ。来てくれる?』

    アイギス《よろこんで!おい、お前ら!案内してくれ!ぼく、ペッパーに会う約束取り付けちゃったからさ!》

    カズマ「さっきの同情を本当に返して欲しい」

    トニー「うまく行ったみたいだが・・・なんだかとても複雑な心境だ・・・」








    213以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 21:52:42.39 ID:RVVx6WaAo

    この鎧本当に役に立つんだろうか……
    というかカズマと行動レベルが同じってそれでいいのか世界最高の頭脳






    214以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/22(日) 21:54:35.73 ID:KodspuSs0
    アイアンマン3でテロリストに自宅の住所教えちゃうぐらいだし






    221 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:28:44.34 ID:kbTsVBAn0

    ......
    ....
    ..
    .


    アイギス入手から二週間後


    めぐみん「滲み出す混濁の紋章、不遜なる狂気の器」

    めぐみん「湧き上がり、否定し、痺れ、瞬き、眠りを妨げる」

    めぐみん「爬行する鉄の王女、絶えず自壊する泥の人形」ズズズ…

          ゴゴゴゴ…

    めぐみん「結合せよ!反発せよ!地に満ち、己の無力を知れ!」バッ

    めぐみん「砕け!『エクスプロージョン』ッッ!!」


            カッ

         ドォオオオオォォォンッ!!


    めぐみん「あうっ・・・」ドサッ…







    222 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:29:45.20 ID:kbTsVBAn0

    トニー「お疲れさん」シュゴゴゴゴ…

         スタッ

    めぐみん「どうでしたか?私の今日の爆裂魔法は・・・?」

    トニー「六八点って所だな」フーッ…

    めぐみん「ぐぬぬ・・・トニーはカズマより厳しいですね・・・そこまで下がった理由は何ですか?」

    トニー「空から見ててわかったが、君は今回威力をかなり重視しただろ?おかげで爆炎の形が歪だ、美しくない。クレーターも同様だ」

    トニー「そして、同じ理由で木々や岩の破片が跡形もなく消し飛んでいるのも減点の理由。大きな爆発を魅せるときは、大小様々な破片があるとより効果的だ。爆発した後に破片が降り注ぐことで余韻ができる。さっきまで形を留めていたものが粉々になって空から降ってくることによって、恐怖の演出となるんだ」

    めぐみん「うむむむ・・・確かに・・・思い当たる節が・・・」

    トニー「だが、悪いところだらけじゃないぞ?爆発の衝撃波が僕のスーツ越しにも響いてきたし、音圧は最高。まぁ、つまり・・・」

    めぐみん「つまり・・・?」

    トニー「・・・ナイス爆裂だ。なぁ、これ言わなきゃ駄目?」

    めぐみん「ナイス爆裂!もちろん、これだけ的を射た評価ができるのであれば、ぜひとも言ってください!というわけで、次はトニーの番です」







    223 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:30:52.21 ID:kbTsVBAn0

    トニー「ようし・・・今からあの山の一角を消し飛ばしてやろう」スッ…

          ガシュンッ…

       〔エネルギー充填開始…〕

         キュィィィィ…

    トニー「フライデー、パワーを一気に胸に集めろ」

       〔エネルギー充填率60%〕

         ギュンギュンギュン…

    めぐみん「おぉおお・・・」


       〔エネルギー充填率100%〕

          ヴゥンッ…

    トニー「しっかり見ておけよ!」

          ボッ!

    ヴァゥウウウウウゥゥゥンッ

        ズガァアアアアアアッッ!!

          パラパラ…







    224 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:31:32.23 ID:kbTsVBAn0

    トニー「・・・」シュゥゥ…

        ガシュンッ…

    トニー「どうだ?」

    めぐみん「ぐっ・・・山を吹き飛ばした破片がここまで・・・!私は人類最強の一撃を持っていると自負してましたが・・・まだトニーの一撃を超えられませんか・・・無念・・・ただひたすらに無念です・・・」

    トニー「科学の力は侮れないだろ?探求心が枯れない限り、僕はどこまでも強くなる」

    めぐみん「ぐぅぅうっ・・・悔しいです・・・死ぬほど悔しい・・・!次こそは・・・次こそは必ず・・・!」ギリギリ…

    トニー「そんなに歯ぎしりしてたら歯が爆裂するぞ?君は僕より若いんだ、まだまだ伸びしろがあるさ。なっ?焦るなよ」

    めぐみん「そういうカッコいい勝者のセリフを言われると余計悔しいですよ!・・・まぁ、今の私は第一形態で本来の実力の四分の一も出せていないので、これも仕方ありませんが・・・それじゃ、おんぶお願います」

    トニー「はいはい、ここ最近僕にばっかり頼むのはどうしてなんだ?」グイッ







    225 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:32:00.30 ID:kbTsVBAn0

    めぐみん「トニーなら屋敷かラボまでひとっ飛びじゃないですか、便利なんですよ。しかも、空から見る景色は綺麗で気持ちが良いですし。おまけにこのカッコイイ鎧は見ていて飽きません。それに、近頃は行方不明事件が増えていますしね」

    めぐみん「爆裂魔法を撃つ前ならまだしも、撃った後じゃ不安ですから・・・空を飛ぶなら安心です」

    トニー「褒めてくれるのは嬉しいが、僕を便利な足か何かと思ってないか?」

    めぐみん「そ、そんなことはないです・・・よ?」

    トニー「・・・」

    トニー「そうだ、めぐみん。カズマの背中より安心するか?」

    めぐみん「いえ、私はやっぱりカズマの背中が一番安心します。なにせ、私の好きな男の背中ですから」

    トニー「・・・からかうつもりで聞いたんだが・・・君は妙に男らしいな」







    226 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:33:35.71 ID:kbTsVBAn0

    めぐみん「好きなものを好きと言っているだけですよ。というか、知っていたんですね?」

    トニー「あれだけ常日頃から目で追ってたら嫌でも分かるさ」

    めぐみん「そ、そうでしたか・・・最近カズマが妙にモテだして気になるんですよ、そのうちかっさらわれてしまうんじゃないかって・・・」

    トニー「君はアタックしないのか?」

    めぐみん「してますが、あの男いざって時になるとヘタれるんですよ・・・」

    トニー「あぁ・・・カズマの気持ちが分からなくもない・・・僕も本命には奥手だったしな」

    めぐみん「本命には・・・?そ、それはどういう意味ですか!?教えていただけませんか!?」

    トニー「その辺はラボでフライデーにでも聞くといい、きっといい相談相手になってくれるはずだ。恋愛面のアドバイスについてアップグレードしておこう」

    めぐみん「フライデーは本当に優秀ですね」

    トニー「当然だ、僕が作ったんだからな。さ、そろそろ帰るから掴まれ」スッ…

    めぐみん「あっ、帰ったらまた私とボードゲームしてくださいね。まだトニーには一回しか勝てていないので」

    トニー「勿論いいとも。だが・・・最初の一回以外の勝ちを君に譲る気はないからな?」

    めぐみん「ふふふ、今の内に勝利を味わっておくがいいですよ・・・」

    トニー「それじゃ屋敷に向けて出発」シュゴゴゴ…


          ドシュゥゥゥウッ…
















    227 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:34:19.32 ID:kbTsVBAn0
    ......
    ....
    ..
    .


    アクセル上空


       キィィイイイイン…


    めぐみん「あの、トニー?」

    トニー「トニーだ」

    めぐみん「今思い出したのですが・・・結局職は何にしたのですか?賢者ですか?」

    トニー「冒険者」

    めぐみん「えっ」

    トニー「冒険者」

    めぐみん「カズマの真似ですか?やめておいた方が・・・」

    トニー「違う!僕は科学で戦う、魔法は使えない。だから役立つスキルを覚えるために冒険者にした。鍛冶スキルに速読スキル・・・後は知力向上につながるスキルをいくつか・・・」

    めぐみん「・・・それだけのスキルを一体どこで手に入れてきたんですか?教えてくれる人がいないと覚えられないでしょう?それにレベルだって・・・」

              ピピピッ

    トニー「?」


       〔ギルドで緊急クエスト発令〕


    トニー「・・・!めぐみん、話はあとだ。ギルドで何か騒ぎがあったみたいだぞ」








    228 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:35:06.39 ID:kbTsVBAn0
    ......
    ....
    ..
    .


    アクセル ギルド



    アクア「ふわああああ!ぶあああああ!うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!」ボロボロ

    トニー「・・・どういう状況なんだ?」

    めぐみん「ギルドで騒ぎがあると聞いて来てみれば・・・やっぱりカズマとダクネスがいましたか。というか、どうしてアクアが号泣しているのですか?カズマがまた泣かせたのですか?」

    カズマ「俺がいつも騒ぎの中心にいるみたいに言ってんじゃねぇよ!俺は何もしてないからな!」

    ダクネス「それが、この街のアクシズ教徒の一人が行方不明らしくてだな・・・最近急に増えだした行方不明事件に巻き込まれたのではないかと案じているのだ」

    アクア「ねぇ、聞いてめぐみん!!久しぶりにウチのかわいい信者達の顔が見たくなったから、アクシズ教会に行ったの!でも誰も居なくて・・・きっとエリス教会に石を投げてるか、エリス教の炊き出しを根こそぎ貰いにでも行っているんだと思ってずっと教会で待っていたの!!でも・・・でもっ・・・!」グスッ…







    229 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:36:15.06 ID:kbTsVBAn0

    めぐみん「誰も帰ってこなかったと・・・この街のアクシズ教徒といえば、私にも心当たりがあります。しかし・・・アクシズ教徒が行方不明なんて・・・」

    カズマ「うん、正直なんの緊張感も沸いてこないな。その辺の路地裏とかで酔いつぶれて寝てるんじゃないか?大丈夫だって、ギルドとかレストラン裏のゴミ捨て場とか見張ってたらそのうち漁りに来るって」

    アクア「はっ倒すわよクソニート!ゴミ捨て場も路地裏も探してきたわよ!!」

    カズマ「えぇ・・・」

    アクア「ねぇ!めぐみんも何とか言ってやってよ!!」

    めぐみん「正直・・・私もそんな気がします・・・そのうち何事もなかったかのようにふらっと現れそうな・・・」

    アクア「クソニートはまだしも、めぐみんまでそんなこと言うの!?受付の人にもアクシズ教徒の一人が行方不明なんですって聞いたら“どこかへ遊びに行っているだけじゃないか”ってまともに取り合ってくれなかったのよぉぉおお!」

    カズマ「で、緊急クエストが発令されたから俺たちも来たわけだけど、クエストの内容はなんだ?」

    トニー「僕も気になっていたところだ。だがその前にカズマ、めぐみんに体力を分け与えるか、代わりに背負ってくれないか?スーツをまとった僕がめぐみんを背負ってるこの光景はシュールすぎる」

    カズマ「確かに・・・んじゃ、俺が預かるよ」グイッ








    230 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:37:07.07 ID:kbTsVBAn0

    ルナ「冒険者の皆さんがお集まりいただけたようなので、今よりクエストの説明を行います」

    ルナ「今回のクエストの内容は討伐でも、街の防衛でもありません」

    ルナ「・・・行方不明者の捜索となります」

         ザワッ…

    ルナ「はい、皆さんが何をおっしゃりたいかは分かります。こういうのは本来警察の仕事です。ですが・・・警察では対処できないだろうと断定されたのには大きな理由がありまして・・・」

    ルナ「まず、被害はアクセルだけではなく、王都を含めた他のあらゆる街でも確認されています」

    カズマ「王っ・・・!?」

    ルナ「特筆するのは、その行方不明者が発生する頻度と範囲、そして行方不明となった方々の素性です。二人の高レベル冒険者が、距離の離れた別々の街でほぼ同時に行方不明になったそうです。しかも、こういった例が既に数件起きています・・・」

    ルナ「この事態を重く見たギルドは、これをモンスターによる被害ではなく、魔王軍による誘拐と見て、ベルゼルグ国内に存在するすべてのギルドに緊急クエストを発令しました」

    ルナ「なので、正確なクエスト内容は行方不明者の捜索と、これらの事態に関わっていると思わしき魔王軍の兵士の捕縛です」

         「・・・」

    ルナ「さ、最後に・・・このクエストには期限が存在しません。冒険者の皆さんに各々で捜索してもらうことになります・・・もちろん、このクエストには特別報酬が出ます!それでは、どうかご健闘を祈っています!以上です!解散してください!」







    231 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:37:51.76 ID:kbTsVBAn0

    ザワザワ…
       ゾロゾロ…


    めぐみん「・・・カズマ、どう思いますか?」

    カズマ「え、俺!?いや・・・まださっぱりって感じだな・・・目的も方法もよくわからない。人質にして交渉するつもりなら、冒険者より貴族とか攫うだろ?普通は」

    カズマ「貴族は警備が厳しくて攫えないのかとも考えたけど、高レベル冒険者を攫えるんだとしたら、貴族を攫うことも難しくないはずだ」

    ダクネス「私も同意見だ。国へ人質を取ってるなら、貴族を攫うべきだろう。何故だ・・・貴族でもあり、冒険者でもある私を何故攫わない・・・!私を攫って檻に入れ、動物のように扱えばいいだろうに・・・!そして言うのだ!“オイオイ、こいつぁ上玉だぜ!人質としてここにいる間、オレ達が可愛がってやるよ!なぁに、安心しろ・・・命は取らねぇよ、命はな!”などと言って、私の服を引き裂いて・・・!んくぅっ・・・///」

    トニー「カズマ」

    カズマ「帰ったらバインドで縛って玄関にでも転がしておいてやるから今は発情するな、この変態」

    ダクネス「ほ、本当だな!?/// 約束だからな!?」ハァハァ…

    トニー「さすが」







    232 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:38:44.61 ID:kbTsVBAn0

    めぐみん「誘拐の方法についてですが・・・人を攫うんだとしたら、やっぱりテレポートあたりでしょうか?」

    カズマ「俺もそれは考えた。でも、テレポートには登録が必要だろ?街の前にテレポートしてきたら大騒ぎだし、かといって魔王軍が街の中に紛れこむのは難しいと思うんだよ」

    めぐみん「でも、これだけの短期間で存在を悟らせず大勢の人間を誘拐できる魔法なんて他に知りませんよ?」

    カズマ「それなんだよなぁ・・・」

    トニー「いや、カズマの言う通りだ。テレポートじゃない」

    めぐみん「・・・何故分かるのですか?」

    トニー「僕のラボに来てくれ、説明しやすい。それじゃ後でな」スタスタ…

    カズマ「あ、ちょ・・・せめて俺だけでも連れてって・・・」


         ドシュゥゥゥウッ
           キィィィィン…


    カズマ「・・・」

    ダクネス「・・・さっ、ラボまで歩くか」

    カズマ「ったく・・・ほら、アクア。いつまでもメソメソしてないで・・・」

    アクア「・・・すかー・・・」

    カズマ「・・・」







    233 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:40:34.16 ID:kbTsVBAn0
    ......
    ....
    ..
    .


    トニーのラボ



    トニー「さて諸君、さっきの話の続きだが・・・」

    アクア「ねぇねぇ、その前に孵卵器にいるゼル帝の様子を見てもいいかしら?女神の勘によると、そろそろ生まれると思うの」

    トニー「向こうにいるが、コンピューターの計算によるともう少し先だぞ」

    アクア「よかった!私がいないところで生まれるのはかわいそうだもの!」

    トニー「なぁ、非常に言い難いんだが・・・DNA検査、レントゲンとあらゆる手を試してみたが・・・あの卵の中身はどう考えても鶏だ」

    カズマ「お前そんなことまで頼んでいたのかよ・・・そんなことしなくても鶏だって分か・・・おいコラ、聞こえないフリしてんじゃねぇ!!」

    トニー「話進めていいか?」

    ダクネス「ほら、お前ら・・・話を聞く姿勢をとれ」

    カズマ「お前が言うなと言いたい。で、テレポートじゃない理由だったか?」







    234 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:41:13.18 ID:kbTsVBAn0

    トニー「そう。モニターにご注目、カズマなら・・・これが何か分かるはずだ」ピッ ピピッ

         ヴンッ

    カズマ「これは・・・心電図?」

    トニー「グラフと答えてほしかったが・・・まぁ、半分正解だ。トニーポイント二十点あげよう」

    カズマ「・・・なにそれ、集めたら何があんの?」

    トニー「特に何も」

    カズマ「舐めんな」







    235 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:41:52.61 ID:kbTsVBAn0

    トニー「冗談はさておき、これはとあるエネルギーの流れを可視化したやつだ。なんだと思う?」

    めぐみん「この波の形・・・もしかして・・・魔力を可視化したのですか?」

    トニー「大正解。さすがは僕に次ぐ知力の持ち主だ」

    めぐみん「ぐっ・・・“次ぐ”というのがなんとも・・・」

    カズマ「いや、サラッと言ってるけど魔力を可視化ってなんだよ」

    トニー「魔力を科学的に解明しようと思ってね。完全に解ったとは言えないが・・・魔力は生体電気に酷似している。そして、今画面に映っているこの波はテレポートを使った後に空間に残るものだ」

    トニー「行方不明事件が発生したと聞いたときにテレポートでの誘拐の線を疑って街中のあちこちをドローンで調査したが・・・これと同じグラフに当てはまる反応は見受けられなかった」

    めぐみん「それがテレポートではないと決めた理由ですか?」

    トニー「そういうこと。まぁ、他にもある」







    236 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:42:40.46 ID:kbTsVBAn0

    トニー「テレポートは魔法防御力が高ければ抵抗することができる。高レベル冒険者相手でも不意を突ければテレポートで飛ばせるかもしれない。だが、王都では誘拐事件が既に何度か発生していた。それなら街中で注意喚起されているはずだろ?でも行方不明者は後を絶たなかった」

    トニー「警戒している高レベル冒険者を、詠唱時間が長く、発動させるには対象の近くに接近しなくちゃならないテレポートで飛ばすのは至難の業だ」

    トニー「結論、テレポートじゃない」

    めぐみん「・・・一体いつから魔道学者になったんですか?」

    トニー「昨夜から。王都や紅魔の里からかき集めた魔導書や論文をすべて読んだ」

    ダクネス「王都に行ってきたのか!?しかも、魔導書を貸してもらった!?いや、というか・・・すべて読んだ!?」

    トニー「おちつけ。王都の図書館では、僕の冒険者カードを見せるだけでいくらでも貸してくれた。紅魔の里は大変だったが・・・」ハァ…

    カズマ「一体何をさせられたんだ・・・」







    237 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:44:26.99 ID:kbTsVBAn0

    トニー「スーツの見た目が気に入ったらしくてな・・・魔導書を貸す代わりに五十回くらいカッコイイポーズ取らされたり、子供を背中に乗せて飛んだり、魔王軍遊撃部隊を名乗る奴等と一緒に戦わされたり・・・」

    めぐみん「鎧が傷だらけなのはそういうことだったのですか・・・」

    トニー「いや、これは変な男に絡まれてね」

    めぐみん「チンピラに付けられた傷ですか!?」

    トニー「里で魔導書を読んでいたときに、魔道具職人を名乗る男に声を掛けられたんだ。なんでも、僕の作っている発明品を知っているらしくてな。アイディアの交換でもしたいのかと思って話を聞いてみれば・・・」

    トニー「“お前の作る魔道具は便利すぎて面白くない、そんなお前の魔道具が売れまくるせいでこっちは商売あがったりだ”なんていきなり絡まれた。まぁ、対魔法使いの良いテストバトルにはなったが」

    カズマ「おい、それって・・・」

    めぐみん「・・・まだ決まった訳じゃないですから・・・」

    トニー「確かひょいざぶろーとか名乗っ」

    めぐみん「すいませんでした」







    238 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:45:44.17 ID:kbTsVBAn0

    トニー「なにを謝っているんだ?」

    めぐみん「いえ・・・」

    トニー「・・・?まぁいい、僕の知力自慢はここまでだ。本題に入・・・おいアクア、君には難しい話かもしれないが寝るんじゃない」

    アクア「ほえっ・・・?」パチッ

    ダクネス「うむ。テレポートでないのだとしたら一体どうやって人を攫っているのだ?」


    トニー「既存の魔法とは全く違ったエネルギーを検知した。そして、そのエネルギーとは・・・」

           ヴンッ...

    トニー「・・・これだ」







    239 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:46:24.26 ID:kbTsVBAn0

    カズマ「なんだこれ・・・?」

    めぐみん「光る・・・箱?」

    アクア「うそでしょ・・・?これってまさか・・・!」

    トニー「アクアは知っていたか」

    ダクネス「これは一体何なのだ?見た目は美しいが・・・」

    めぐみん「アクアがこんな真面目な顔になるほどの物なのですか?」

    アクア「これは四次元キューブよ!!なんでそんなとんでもない物の反応が見つかるのよ!?」

    カズマ「えっ、四次元キューブ?なんだそれ?青いタヌキのお腹についてる・・・」

    アクア「ちっがうわよ!!これは神器よ!それも、魔剣だとか聖鎧なんかとは比べ物にならないくらいの究極の神器よ!・・・私だってお目にかかったことは無いわ」

    カズマ「えっ・・・あのアクアがこんな真面目な顔で凄いこと言ってるんだけど・・・マジでヤバいやつなの?」







    240 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:47:55.32 ID:kbTsVBAn0

    トニー「・・・」ピッ

       ヴンッ…


      ギャァァアア…

    ウワァァアア…
     
    ズズズ…

    ズガァア…ン

     ガガガガッ…

    グォアアアァアアッ!!


    カズマ「なんだ・・・これ?まさかNYか!?」

    ダクネス「これは一体何だ!?王城とは比べ物にならないほどの建物がこんなにも・・・いや、それよりこれは・・・街が攻撃されているのか!?」

    トニー「カズマの言う通り、ここはNY・・・僕の国だ」

    トニー「NYは一度ロキに攻撃されている。奴はキューブを使って宇宙の彼方から軍団を連れてきた。キューブは空間を操る力を持っている。どれだけ離れたところにも向かうことができるし、この映像に映っているように空間と空間をつなぐ巨大な扉を作ることだってできる」

    トニー「それだけじゃない。単純に強大なエネルギーを秘めていて、僕の国の人類はこれから大量破壊兵器を作ろうとした」







    241 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:48:49.73 ID:kbTsVBAn0

    ダクネス「そんなものが・・・この国に?」

    トニー「ロキが持ち込んだものだ。ロキ自身キューブの力を使ってここまで来たんだろう」

    アクア「ねぇ、ただでさえ恐ろしい相手なのに、四次元キューブまで持ってるって言うの?」

    トニー「一度倒してる。そう心配するな」

    カズマ「無理ゲーだろ・・・」

    めぐみん「とかなんとか言いつつも、最後は何とかして倒してしまうのがカズマでしょう」

    カズマ「いやいや・・・今回だけはマジでヤバイって・・・ロキが来るって話を聞いてからもう三週間たつけど何の音沙汰もないだろ?きっとこの世界に旨味がないと判断して帰ったんだよ。行方不明者は・・・あれだ、そのうち帰って来るよ」

    ダクネス「国の一大事なのに適当なことを言うな!ロキの仕業だとたった今トニーが証明しただろうがっ!遅かれ早かれロキとは戦うことになるんだぞ!被害が大きくなる前に討伐したほうが良い!」







    242 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:49:29.65 ID:kbTsVBAn0

    トニー「カズマ、めぐみんの爆裂魔法を何度か見たが、アレは間違いなくロキにも刺さる。ロキを一度倒した僕が保証するんだ、安心してくれ」

    めぐみん「そうですよカズマ。我が爆裂魔法の力は良く知っているでしょう?カズマが協力してくれたら、潜伏スキルで隠れ、そこから先手を打って一撃で倒せるかもしれません」

    カズマ「・・・」

    めぐみん「覚えていますか?紅魔の里で、カズマが私に言ってくれたことを。カズマが“百二十点”と言ってくれた私の爆裂魔法を・・・どうか信用してくれませんか・・・?」

    カズマ「・・・わかったよ!やればいいんだろやれば!ったく、しょうがねぇなぁ!」

    めぐみん「ふふっ、やっぱりカズマのそういう所が私は好きなようです。ありがとうございます、カズマ」クスクス







    243 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:51:48.14 ID:kbTsVBAn0

    フライデー『チャンスです、めぐみん様。キスしましょう』

    めぐみん「し、ししし、しませんよっ!どうしたのですかフライデー!?あなたは急にそんなことを言うようなキャラではなかったはずでしょう!?」

    フライデー『恋愛アドバイスに役立つことができるようにとボスに改良していただきました』

    めぐみん「あなたのせいですか!!」ブンブン

    トニー「おいよせ、脳が揺れる。さっき言っただろ、恋愛面においてアドバイスできるようにしておいてやると」ガクンガクン

    めぐみん「いくら何でも早すぎですよ!それに、本人がいる前でアドバイスしますか普通!」

    カズマ「ナイスだフライデー!めぐみん!いつでもいいぞ!なんならその先・・・」

    めぐみん「この男おおおおおお!!」ガバッ

    カズマ「うおおお!?いきなり何すんだてめ・・・た、助けてくれ!ロリっ子にイタズラされるううう!!」







    244 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:52:33.83 ID:kbTsVBAn0


      ギャーギャー


    トニー「前はこういう光景を見るとため息しか出てこなかったが・・・何故か落ち着くようになってきてしまった・・・僕も毒されてきたな」

          ピピピッ ピピピッ

    フライデー『ボス、バニル様からです』

    アクア「えっ、なんであの木端悪魔から電話が来るのよ?」

    トニー「商売相手だからな。いつでも連絡が取れるようにしておいた。具体的に言うと無線機を渡した」

    アクア「つまりこれでいつでもあのクソ悪魔にいたずら電話が掛けれる訳ね!?でかしたわトニー!今日から毎日イタ電してやるわ!!」

    トニー「そんなことしたら二度と僕の酒に触らせないからな。フライデー、繋げろ」

          ピッ

    バニル『フハハハハハ!元気にしていたか?自分が毒されてきたのではないかと危惧する男よ!言っておくが、汝は既に毒々しいぞ』






    245 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:54:38.60 ID:kbTsVBAn0

    トニー「いたずら電話か?あんたは僕の隣にいる女神と同レベルの事をしているぞ」

    バニル『おっと、高貴で知的な我輩を脳がお粗末なチンピラ女神と同列視するのはやめてもらおうか。連絡した理由はほかでもない、例の誘拐事件についてである』

    トニー「何かわかったか?」

    バニル『少し前までは、行方不明者を見通そうとしても、何やら悪魔とはまた違った禍々しい光によって見通せなかったのだ』

    バニル『しかし、つい先ほど再び探ってみたら・・・なんと行方不明者の数人が不毛の地で採掘している姿を見通すことに成功したのだ』

    ダクネス「なに・・・?採掘だと?一体どこでだ?」

    バニル『ヴォーミアと呼ばれる土地だ』

    めぐみん「ヴォーミア・・・?」ピタッ…

    カズマ「おっ?どうした?めぐみん!まだ決着は付いてないだろうがよ!体力を吸ってから剥いてやる!」

    めぐみん「ちょっとそれどころではなくなったのでそこで待っててください」

    カズマ「・・・?」







    246 ◆Ua1M3q7gGI :2018/07/31(火) 22:55:06.26 ID:kbTsVBAn0

    トニー「めぐみん、何か知っているのか?」

    めぐみん「ヴォーミアと言ったら、コロナタイトが眠っているかもしれないと言われている土地です」

    めぐみん「ただ、辺り一面が荒野で草木一本生えておらず、強力なモンスターが蔓延っているので調査できないでいる危険な未開の地ですよ」

    バニル『例の邪神はどうやらコロナタイトを狙っているみたいであるな。何が目的かは分からぬが・・・』

    トニー「わかった、早速向かおう。情報感謝するバニル」

    バニル『待て。切る前に、この見通す悪魔が一つ忠告しておいてやろう。機動鎧男以外も心して聞くが良い、今回の旅へは自分たちが考えうる限りの最大戦力で向かうが良い。戦線から素早く脱出する事も考慮してな』

    バニル『それでは、我輩はこれで失礼する』


           ブツンッ…







    249以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/31(火) 23:01:29.47 ID:rnUUxjLm0
    これは全員分のスーツを作らないと






    250以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/31(火) 23:52:49.49 ID:6PNw6TIjo

    トニーが順調に毒されてるなぁと思ってたら自覚してて笑った






    251以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/05(日) 12:58:08.80 ID:cMreWXyQ0
    こいつら環境破壊しすぎだろ






    252 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/06(月) 19:42:47.59 ID:RM8K+kAg0

    カズマ「一体なんだったんだ?」

    めぐみん「あなたと言う人は・・・行方不明者の居場所が分かったんですよ」

    カズマ「さっき言ってたヴォーミアとかいう所か?」

    めぐみん「ええそうです。向かう準備をしますよ?あの悪魔の忠告通り、出来る限りの最高戦力で向かうんです」

    カズマ「じゃぁ今からギルドに行って・・・」

    めぐみん「駄目ですよ。ヴォーミアは危険なモンスターがいっぱいいると言ったじゃないですか。この街の冒険者たちのレベルが意外と高いことは知っていますが、それでも駆け出しの街なんですから。餌になるだけですよ」

    カズマ「それ俺達にも当てはまると思うんですけど・・・ならさ、王都に知らせて腕利きの冒険者や騎士団総出で・・・」

    めぐみん「それも駄目です。攫われた人たちは人質のようなものです。そんなところに大勢で駆けつけたら相手は何をするかわかりません。出動できるようになるまで多くの手続きと時間もかかりますし、ロキは私がぶっ飛ばしたいです」







    253 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/06(月) 19:44:30.30 ID:RM8K+kAg0

    カズマ「それっぽいこと言っておいて結局はお前の爆裂欲じゃねーか」

    めぐみん「で、戦力についてですが・・・正直あまり頼りたくはないですが、戦力になりそうなのが一人います」

    カズマ「おい無視すんな。でも戦力かぁ・・・俺はウィズに声かけてみるよ」

    アクア「・・・?ダクネスどうしたの?そんな不安げな顔をして」

    カズマ「生・・・いだっ!何すんだトニー!」

    トニー「さすがにそれはデリカシーが無さすぎるぞ。で、どうした?ダクネス」

    ダクネス「なぁ、その・・・私は役に立てそうか・・・?」

    トニー「そう不安げな顔をするな、君の硬さは良く知っている。僕の目を盗んではリパルサー光線を体に受けて発情し、果ては商品にする予定のグレネードまで外に持ち出して自爆して発情してる君なら大丈夫だ」

    カズマ「お前ここ最近散歩に出かけまくると思ったらそんなことしてやがったのか!!性癖で他人を困らせるなって何度言われたら気が済むんだこのド変態!」

    ダクネス「なっ!?結構真面目に相談したのに!」







    254 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/06(月) 19:46:03.09 ID:RM8K+kAg0

    カズマ「真面目に受け取ってほしいなら普段の行動を改めろ!・・・ったく、ガチガチのお前がいないと俺たちのパーティーは瓦解しちまうんだよ。役に立たないことはあっても、いらない子じゃないからそう不安がるなよ」

    ダクネス「そうか!それならよかった・・・!」

    カズマ「アイギスあることだしな・・・そういえば、最近アイツの姿を見ないけど・・・」

    トニー「アイツは毎日セクハラ発言しかしないしペッパーに会えないと知ってラボを抜け出そうとしたから鎖で物理的に縛って倉庫の中にしまってある」

    カズマ「苦労して手に入れたってのに・・・ん?なんだアクア、そんな
    ニヤニヤして」

    アクア「ふふふ、久々にカズマさんのツンデレを見たわって思ってね!カズマさんったらもうちょっと素直になれないの?」

    カズマ「お前には一生デレる気はないから安心しろよ」

    アクア「ねぇ、カズマ。嘘よね・・・?私達なんだかんだで一番付き合いが長いじゃない・・・?」

    カズマ「よし、俺は早速ウィズに話を付けて来るわ」

    アクア「ちょっと!カズマさん!!カズマさあああん!!」








    255 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/06(月) 19:47:26.26 ID:RM8K+kAg0
    ......
    ....
    ..
    .


    翌朝  カズマの屋敷前


    ウィズ「おはようございます、みなさん。なんだかめぐみんさんのお顔が優れないようですが・・・?」

    めぐみん「トニーが一晩中寝かせてくれなかったのですよ」

    ウィズ「えっ・・・?えぇえっ!?///」

    カズマ「おいやめろ、その言い方。ウィズが困惑してるだろ、早く誤解を解いてやれよ」

    トニー「めぐみん、その言い方はおかしいだろ」

    ウィズ「で、ですよね・・・」ホッ

    トニー「もう寝ようと言ってもめぐみんが僕を離してくれなかったんだ」

    ウィズ「!!!!???? ///」







    256 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/06(月) 19:48:04.01 ID:RM8K+kAg0

    カズマ「お前誤解を解く気あんのか!?やめろよマジで!!朝までボードゲームやってただけだろうが!!」

    トニー「外が明るくなるまで挑まれ続けてみろ、ふざけた冗談の一つでも言いたくなるさ」

    めぐみん「悔しいのですよ!!トニーが毎回『盗賊』と『アーチャー』で『アークウィザード』を暗殺してくるからエクスプロージョンで盤をひっくり返すこともできずになぶり殺しにされるんですよ!?」

    カズマ「だからって朝まで食い下がるなよ・・・」

    アクア「もー、二人が変な言い方するからムッツリッチーの顔が赤くなっちゃったじゃない」

    ウィズ「ムッツリッチー!?ア、アクア様・・・その名前はどうか・・・!」

    ダクネス「まぁまぁ、早く乗合馬車の待合所いこう。席を確保しなくてはならないし」







    257 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/06(月) 19:48:53.80 ID:RM8K+kAg0

    めぐみん「トニー、ボードゲームは持っていくので、馬車で向かう途中でも戦いましょうよ。絶対にあきらめませんからね」

    トニー「いまからロキの元へ向かうんだぞ?寝ておいた方が良いに決まってる。それに、寝ると頭が冴えるぞ?体も大きくなるし一石二鳥だ」

    ?「ね、ねぇめぐみん・・・ボードゲームなら私持ってきてるよ?」

    めぐみん「あれ?なんでゆんゆんがここに?」

    ゆんゆん「ひ、ひどい!!めぐみんに呼ばれたから来たのに!」

    めぐみん「そういえばそうでしたね。うっかりしてました、ぼっち特有の影の薄さでつい・・・」

    ゆんゆん「なによ!めぐみんだって友達少なかったじゃない!」

    トニー「えっと・・・君は・・・」

    ゆんゆん「あっ・・・ど、どど・・・どうもはじめまして!わ、我が名はゆんゆ---」

    トニー「めぐみんから聞いている。ビッチのゆんゆんだな?」







    258 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/06(月) 19:50:00.50 ID:RM8K+kAg0

    ゆんゆん「めぐみんあんたねぇええええええ!!!」グワッ

    めぐみん「なっ、なにをする!!なんですか急に!私はぼっちのゆんゆんと言う名の助っ人が来ますよと彼に話しただけですよ!まぁ、もしかしたら言い間違えたかもしれませんが」

    ゆんゆん「どんな言い間違えよおおおおおおおおお!!」ブンブン

    めぐみん「仕方がないじゃないですか。ボッチとビッチは一文字しか違わなければ語感も似た感じですし、人間誰でも間違う時はありますよ」

    トニー「ゆんゆん・・・で良いんだよな?あー・・・あまり他人の人生にとやかく言うつもりは無いが・・・君はめぐみんと同い年なんだろ?その年でビッチと呼ばれるような生活を送るのは正直オススメしない」

    ゆんゆん「ち、違いますからあああああ!!ただのぼっちですからあああ!!うわあああああああああん!!」ガクッ…

    めぐみん「そう自分をぼっちと卑下しないほうが良いですよ?」

    ゆんゆん「うええええええん!ふぇぇぇぇえええええん!!」

    カズマ「めぐみん。自分からぼっちですと言わせ、地面に膝をついて泣いてる友達を見るのは楽しいか?」

    めぐみん「・・・ヘッ」







    259 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/06(月) 19:52:14.06 ID:RM8K+kAg0

    トニー「君たちの交友関係はどうなってるんだ・・・?」

    ダクネス「ほ、ほら・・・早く馬車の席取りに行こう・・・」

    トニー「馬車?馬車なんて時代遅れの物には乗る必要はないさ」

    ダクネス「時代遅れ・・・?トニーは偶に変な事を言うな」

        ブロロロロ…

    ダクネス「・・・?何の音だ?」

    トニー「やっと来たか」

    カズマ「なぁ、トニー・・・この音って・・・」

    トニー「勿論僕が呼んだ」

      ブロロロロロ…

    ゆんゆん「だんだんこっちに近付いて来て・・・る?」







    HUMMER「」グォオンッ!


       キキィッ…


    ウィズ「」

    めぐみん「」

    ゆんゆん「」







    260 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/06(月) 19:55:59.18 ID:RM8K+kAg0

    ダクネス「なっ・・・なぁぁぁああっ!?これは一体なんだ!?」

    カズマ「これはひどい」

    アクア「あんたねぇ、どんだけファンタジーをぶっ壊せば気が済むのよ!?」

    トニー「見た目に反して中は快適だぞ?自動運転だし、お酒もある。広くて快適、キャンピングカーも顔負けの居住性だ。ヴォーミアに付くまで中で宴会でもするか?」

    アクア「早く乗りましょう!」

    カズマ「ファンタジーが壊れていく・・・いや、元からこの世界にそんなの求めてなかったけどさ・・・」

    ゆんゆん「あ、あの・・・これは?」

    カズマ「これは“くるま”ってやつだよ。トニーの国じゃ普通に走ってる」

    ゆんゆん「魔力式・・・?あんなの動かすなんていったいどれだけの魔力が・・・」

    めぐみん「トニーの魔力はゼロですし・・・あの、これどれくらい動くんですか?走っている内に私たちの魔力が使われていくとかなんて事は無いですよね?」








    261 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/06(月) 20:00:14.94 ID:RM8K+kAg0

    トニー「半永久的だ。魔力じゃなくてリアクターで動いている」

    めぐみん「りあくたー・・・確かトニーの鎧の胸にも付いてたやつでしたよね?何の魔力も感じませんでしたし、あれが“かがく”ってやつなのでしょうか・・・」

    ウィズ「私の店と良く取引をしてるあの凄腕魔道具職人さんなら何か分かるかもしれませんね・・・」

    トニー「そうだウィズ、僕の作った道具の売れ具合はどうだ?まだまだ売れてるか?」

    ウィズ「はい!改良も加えてもらったのでさらに売れるようになると思いますよ!」

    トニー「・・・改良?どういうことだ?」

    ウィズ「え?あ、あの・・・トニーさんが店に置いてくれた品をみたとある魔道具職人さんが“魔力も感じないしつまらない道具だ、ワシが改良してやろう”って・・・ト、トニーさん?顔が怖いですよ・・・?」

    トニー「その職人ってのは・・・ひょいざぶろーって名前じゃないよな?」

    ウィズ「はい!そうです!ご存知なんですか?すごい方ですよね!!」

    トニー「・・・」ガクッ…

    ウィズ「トニーさん!?どうしたんですか!?大丈夫ですか!?」

    めぐみん「おや、トニーが膝をついて項垂れるなんて珍しいですね」

    トニー「もういい・・・僕は車で寝る。ゲームはまた今度付き合ってやるから寝させてくれ・・・」

    ダクネス「馬やリザードランナーが付いていないだなんて・・・本当にちゃんと動くのか?」

    トニー「寧ろこれに乗ったら二度と馬車なんて乗れなくなるさ。きっと気に入るぞ?」

    ダクネス「・・・信じがたいな」






    268 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:05:13.71 ID:1qti0fwX0
    ......
    ....
    ..
    .



    アルカンレティア付近


      ブロロロロロ…

    ダクネス「ハハハ!!どうした初心者殺し!お前の速度はそんなものか!!ハハハハ!!」

    初心者殺し「ガルァァアアッッ!!」ドドド…

    カズマ「おい、サンルーフから身を乗り出すなよ。車体が跳ねたらお前車外に投げ出されるぞ」

    トニー「気に入ってもらえたようで何より・・・」

    ウィズ「トニーさん、寝なくていいんですか?お疲れみたいでしたが・・・」

    トニー「これだけ騒がれたら寝たくても寝られないよ。ウィズ」







    269 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:08:37.09 ID:1qti0fwX0

    ダクネス「トニー!凄いなこれは!!こんな魔道具は初めてだ!見ろ!あの初心者殺しがあんなに血走った目で私のことを見つめながら追いかけて・・・」

    フライデー『前方に悪路を検知。揺れに注意してください』


         ガタンッ!


    ダクネス「あ---」ヒュンッ

      ズシャァッ
       ゴロゴロゴロ…

      ゴァァァアアッ!


    ゆんゆん「あぁっ!!ダクネスさんが落ちましたよ!?初心者殺しに噛まれて大変なことに・・・あ、あれっ?嬉しそう・・・」

    カズマ「フライデー!車止めてくれ!だから身を乗り出すなって言ったのに・・・!誰か付いてきてくれ!あのかじられて喜んでるドM女を助けるぞ!」

    ウィズ「私が行きます!」タッ







    270 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:09:27.98 ID:1qti0fwX0


      キキィッ!
       ガチャッ

    カズマ「コラッ!その変態は固いし色んな意味で美味しくないぞ!こっちの携帯食料やるからどっか行け!」ポイッ

    初心者殺し「グルルッ…」クルッ


        ドドド…


    カズマ「ふぅ、戦うことにならなくてよかった・・・ほらダクネス、さっさと車に戻るぞ」

    ダクネス「車外に投げ出された挙句、飢えた獣にまたがられるなんて・・・ハァハァ・・・///」

    カズマ「携帯食料に負けたのがそんなに嬉しいか?」

    ダクネス「!?」







    271 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:10:44.33 ID:1qti0fwX0
    ......
    ....
    ..
    .



     数時間後…


    トニー「とうとうファンタジーな世界で冒険が始まったって感じだな」グビッ…

    カズマ「あのな、冒険って言うのはな?目的地まで馬車や徒歩でゆっくりと行き、夜になったら焚火をしつつ、道中あったことについて仲間と語り合ったりしながら時間を掛けてするもんなんだよ」

    カズマ「間違ってもこんなリムジンと装甲車を混ぜたような車に乗って、中でブランデー片手に数時間で国境を越えたりするのは冒険じゃない」

    ダクネス「アルカンレティアに行くとき、野宿するのが一日で済むようにと朝一番の馬車で出発してたクセによく言う・・・」

    トニー「単なる旅行ならそれも悪くないかもな。だが、今は時間が惜しいし、観光するような場所でもないところを馬車でただひたすら進むなんて退屈だろ?ただでさえ娯楽が無い世界だと言うのに・・・」

    カズマ「・・・一つだけ、どの世界の娯楽にも勝ると言える娯楽がこの世界にあると言ったら?」

    トニー「そんなのがあるのか?」

    カズマ「・・・トニー、ちょっとこっちへ・・・」コソッ…

    トニー「?」コソッ







    272 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:11:19.57 ID:1qti0fwX0

    カズマ「いいか・・・?どんな夢でも見せてもらえる喫茶店があるんだ」ヒソヒソ…

    トニー「・・・夢?」

    カズマ「あぁ、サキュバスがこっそりと運営してる喫茶店だ」ヒソヒソ…

    トニー「僕が若いころに行ったカジノでも“私はサキュバスよ”なんて言って近付いてきた女性が居たっけな・・・そんな感じか?」ヒソヒソ…

    カズマ「何それ羨ましい・・・って、違う!そういうことじゃない!」ヒソヒソ…

    トニー「誘ってくれてうれしいが、僕はもうペッパーという心に決めた人が・・・」ヒソ…

    カズマ「・・・ペッパーにも会えるって言ったら?」ヒソ…

    トニー「詳しく」







    273 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:12:44.01 ID:1qti0fwX0

    カズマ「お、おう・・・あのな?サキュバスってのは下級の悪魔で、眠っている男に淫夢を見せるんだ。そして、その夢を見せている間に男から精気を吸う。悪魔のご飯は、人間の悪感情だからな」ヒソヒソ…

    トニー(バニルもそんなことを言っていたな・・・)

    カズマ「淫夢の値段は格安だ。サキュバスたちは人として生活できる最低限のお金があればいい、目的は精気を吸って生きていくことなんだからな。そして、俺達は精気を吸ってもらうことによって仲間に劣情を抱かなくても済むし、一人でゴソゴソする必要もなくなる」ヒソヒソ…

    カズマ「アクセルの犯罪率が国内で最も低い理由を知っているか?サキュバスの店があるからなんだ」ヒソヒソ…

    トニー「・・・完璧じゃないか」

    カズマ「良いか?話はここからだ。夢を見せるって言ったろ?つまり、なんでもいいんだ。どんなシチュエーションでも、どんな相手でも、自分がどんな存在になるかさえもだ。条例だとか肖像権だとかそんなものも一切存在しない。なぜなら?そう、夢だからだ!」ヒソヒソ…

    トニー「完璧じゃないか!」

    カズマ「馬鹿っ!声がデカい!あの店は女に知られちゃまずいんだ!」ヒソヒソ…

    トニー「おっと、失礼。ロキの事が完全に頭から抜け出る位には良い事を聞いた。さっさと倒して帰ろう」

    カズマ「あれ・・・?俺らの目的ってこの世界を救う事だったような・・・」








    274 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:14:03.07 ID:1qti0fwX0

    めぐみん「あの男達、一体何を話していたのでしょうね?」

    アクア「鼻の下が伸び切ってる顔からして、絶対ロクな事じゃなさそうね・・・」

    トニー(いやぁ、帰るのが楽しみだ・・・)

    ゆんゆん「あの・・・トニーさん?」

    トニー「なんだ?さっきの会話の内容なら話せないぞ?」

    ゆんゆん「いえ、違うんです・・・そうじゃなくって、えっと・・・そ、その・・・知力の高いトニーさんに、聞きたいことが・・・」

    トニー「友達の作り方なら、僕も知りたい」

    ゆんゆん「えぇっ!?私まだ何も・・・」

    めぐみん「大丈夫ですよ、ゆんゆん。あなたが恥ずかしい質問をしなくても済むように私があらかじめトニーにゆんゆんが悩んでいるであろうことを話しておきました」グッ

    ゆんゆん「余計に恥ずかしいんだけど!?」







    275 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:15:42.75 ID:1qti0fwX0

    トニー「君には既にいい友達がいるじゃないか、友情は欲張るもんじゃない。僕は友達を作る事よりも今いる友達を大切にしてるよ」

    めぐみん「トニーもたまには良い事言うじゃないですか」

    アクア「本当ね。いつも嫌味と皮肉と傲慢な発言しかしないのに」

    トニー「そんなにか?」

    アクア「エゴイスト根性が魂にまで染み付いてるって感じよ」

    トニー「君にだけは言われたくないぞ。アルコールと能天気がDNAにまで染み付いてるクセに」

    アクア「・・・女神を馬鹿にしてると痛い目に・・・」

    トニー「神とは目に見えない魔法の友達に全責任を押し付ける無能なやつらが考えだしたフィクションだ」

    アクア「ち、違うわよ・・・ここにちゃんといるし・・・可愛い信者だっているんだからっ・・・」ジワッ…

    トニー「君の言う信者ってのは君の考えや思想に共感した、ただの賛同者の集まりだろ!」

    アクア「うっ・・・うわああああああん!!!カズマさぁぁあああん!!トニーが私の存在を全否定したぁああああああ!!」ワッ

    ゆんゆん「ト、トニーさん・・・ひどい・・・・」







    276 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:16:15.83 ID:1qti0fwX0

    カズマ「アクアを虐めるなよ・・・面倒なんだから・・・」

    トニー「言われたから言い返しただけだ」

    アクア「うぅ・・・ぐすっ・・・」

    トニー「・・・分かった。悪かったよ、ごめん。ラボのお酒また自由に飲んでいいから・・・」

    アクア「・・・焼酎も飲んでいい?」チラッ…

    トニー「君、実はそんなに気にしてないだろ」

    アクア「とっても傷ついたんですけど!!謝って!ねぇ謝って!女神を否定したこと謝って!!」

    トニー「はいはい、この車に積んであるお酒で一番いいのを注いでやるから・・・」


         ピピピッ


    カズマ「---!」ビリッ







    277 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:17:38.10 ID:1qti0fwX0

    フライデー『ボス!上空に巨大な生体反---』

    カズマ「トニー!敵感知だ!上から来るぞ!気をつけ---」


        ガ ク ン ッ!
        

    ゆんゆん「きゃぁっ!?」グラッ…

    トニー「フライデー、何が起きてる!?」

    フライデー『車体上部に正体不明の巨大生物を検知、脱出できません。車体強度をスクリーンに表示します』ヴンッ


        〔車体強度 97%〕


          ググッ…


    ダクネス「お、おい!車体がどんどん地上から離れていく!飛んでるぞ!!」

    めぐみん「い、いいい・・・一体何が・・・!」

    カズマ「おい、落ち着けめぐみん!トニー!この車は持つのか!?」

    トニー「戦車砲を打ち込まれても耐えられるようにできている!」







    278 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:19:03.92 ID:1qti0fwX0

        メギギィ…
           ピシッ…


       〔車体強度62%〕


    アクア「車がひしゃげ始めてるんですけど!?窓にもヒビが入ってるんですけど!?」

    トニー(一体どんな生物だ・・・!)

    ウィズ「鋼鉄製の車体を力だけで曲げ、なおかつ空を飛ぶモンスターなんて・・・」

    カズマ「めぐみん!サンルーフから何か見えないか!?」

    めぐみん「少し待ってください!揺れてて動きが・・・!あっ、見えそうです!確認し・・・」







    279 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:20:36.88 ID:1qti0fwX0

        グルルルル…
         ギョロッ…

    めぐみん「ド、ドドド、ドラ・・・」サァッ…

    ドラゴン「ゴァァアアアアアアアッッ!!」ビリビリ…

    めぐみん「ドラゴンですぅぅぅうううっ!!!!」

    カズマ「ドラゴンンンンンン!!?なんでそんな怪物がいるんだよ!」

    ウィズ「どうやらここはもうヴォーミアの近くみたいですね・・・!思っていた以上にこの乗り物の速度が速かったようです・・・!この辺のモンスターはとても強力ですよ!」

    カズマ「マジかよ!もうそんなとこまで来てたの!?ていうか、大丈夫なのかこれ!?もう地上から相当離れてるぞ!」

    ドラゴン「グルァァァァァアッ!!」ググッ…


           メキメキ…


        〔車体強度 41%〕


    ゆんゆん「窓ガラスが・・・!こ、このままじゃ危ないです!もし割れた窓から中にブレスなんて吐かれようものなら・・・!」







    280 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:22:11.06 ID:1qti0fwX0

    めぐみん「ひっ・・・!ゆんゆん!何とかしてください!!」

    ゆんゆん「落ち着いてよめぐみん!なんでそんなにパニックになってるの!?」

    めぐみん「私が逆境に弱い事くらいは知ってるでしょう!?こんな爆裂魔法も打てない状況じゃ私もう本当にただの一般人!!大体、なんでドラゴンに狙われてるんですか!?こんなおいしくもなさそうな物を狙うなんて・・・」

    ウィズ「ドラゴンは光物が好きで、よく金品や綺麗な鎧などを集めています。ですので・・・その・・・」チラッ…

    トニー「・・・」フイッ…

    トニー「鏡面仕上げに・・・すべきじゃなかったな・・・」ボソッ…

    カズマ「お前かぁぁぁあああああああ!!お前ふざけんなよ!?何してくれてんの!?」

    トニー「高級車はピカピカにしてこそだろ!!」

    カズマ「うるせえ!!大体カラーリングからしておかしいんだよ!なんでお前の鎧と同じにしてるんだ!どんだけ目立ちたがり屋なんだよ!!走る棺桶じゃねぇか!!あれだ、お前バカだろ!頭は良くても根っこはバカだろ!!」

    トニー「その棺桶の中でくつろいでたくせにつべこべ言うな!!」







    281 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:23:20.02 ID:1qti0fwX0

    ダクネス「おい!喧嘩してる場合じゃないぞ!!窓ガラスが・・・!」

         ピシッ…
          ピキキッ…

        〔車体強度19%〕

    カズマ「うおおっ!?馬鹿なことやってるうちに車体強度が大変なことに・・・!トニー!何とかしてくれ!」

    トニー「車体表面に電流を流せ!」

    フライデー『電気系統、損傷』

    カズマ「銃とか火炎放射器とか付いていないのか!?」

    フライデー『銃火器系統、損傷』

    カズマ「なんなら使えるんだ!」

    フライデー『エアコンは快調です』

    カズマ「なめんな!!」







    282 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:24:37.01 ID:1qti0fwX0


    トニー「こうなったら僕が直接外に出て戦う!」バッ

    ダクネス「お前は今鎧を着ていないではないか!どうするつもりだ!」

    トニー「この車に搭載してある!」

    ダクネス「一体・・・何を言っているんだ・・・?」

    トニー「アクア!運転席から離れろ!」ダッ

    アクア「わ、わかったわ!」サッ
       
        ミシィッ…
         ベキベキ…


        〔車体強度9%〕


    アクア「わ、わあああああーっ!!トニー!トニー!!なんでもいいから早くしてえええええっ!!」

    トニー(間に合えよ・・・!)バッ

     
       ピッ ピピッ







    283 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:25:24.56 ID:1qti0fwX0

    ドラゴン「ゴァァァアアッ!!」


        ベゴンッ!
          ボゴッ…
     ギギギギ…


       〔車体強度1%〕


    カズマ・アクア「「もう駄目だあああああああ!!」」









    トニー「スーツ装着」ピッ…







    284 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:26:33.77 ID:1qti0fwX0

         ガシャンッ
         ウィーンッ
        ウィィイッ ガキンッ

    ゆんゆん「なんですか・・・あれ・・・」

    ウィズ「ソ、ソファが変形してる・・・!」

       ガコガコガコ…   
        ガキキッ… 

    めぐみん「お、おおお・・・!!」

         ガシンッ…
          カンッ

    トニー「ぶちのめすぞ」キュィィィィンッ


        バリィィィィイインッ!!


    ゆんゆん「トニーさんが窓突き破って出て行ってしまいましたよ!?大丈夫なんですか!?」

    めぐみん「ふふふ、心配いりませんよ。彼の鎧は空を飛ぶのです」

    ゆんゆん「え、えぇ・・・?」

    ウィズ「何度か見せてもらった事がありますが・・・いまだに信じられないです」







    285 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:27:59.27 ID:1qti0fwX0


    ----------------------------------


    車外


    ドラゴン「グルル…」

    トニー「僕の愛車を離してもらおうか、トカゲ野郎」

    ドラゴン「・・・」ボゥッ…

    トニー「君口から火を噴けるのか?」

    フライデー『ボス、ドラゴンの口に膨大な熱エネルギーが集まっています。対抗措置を』

    トニー「口から何かを撃とうとしている奴への反撃なんて一つしかないだろう」ジャキッ

    トニー「アクア、聖書のヨナを知っているか?」

    アクア『えっ!?あの人の真似はやめておいた方が・・・』







    286 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:28:34.20 ID:1qti0fwX0


    トニー「突っ込むのは僕じゃなくてミサイルだけどな」パシュゥゥゥゥッ

        ズガァァアアアッ!

    ドラゴン「ギェァアアアアッ!?」グラッ

        ポロッ…

    フライデー『車が落下します!』

    トニー「わかってる!!」ドシュゥゥゥウウッ!!

        ガシッ
         グググッ…

    めぐみん『トニー!聞こえてますか!?ドラゴンはどうなりましたか!?』

    トニー「ドラゴン?あぁ、あのトカゲなら一杯食わされて慌てて帰っていったよ。今降ろしてやるからな」

         シュゴゴゴゴ…

          ガシャンッ

           スタッ

    アクア「いたた・・・もっとゆっくり降ろしてよ・・・」ガチャッ







    287 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:32:44.04 ID:1qti0fwX0

    トニー「フライデー、車はまだ走れそうか?」

    フライデー『不可能です。もう動けません』

    カズマ「バニルの忠告通り、ゆんゆんとウィズを連れてきて正解だったな。帰れなくなるところだった」

    ウィズ「ギリギリですが、なんとかヴォーミアにたどり着くことができましたね」

    カズマ「全員車から出たし、作戦をもう一度説明するぞ。ゆんゆん、念のため確認しておくが、テレポートはもう習得済みなんだよな?」

    ゆんゆん「はい、最近ようやくですが・・・」

    カズマ「よし、まずはここをテレポートの転送先に登録。あとはウィズの姿を消す魔法と、俺の潜伏を使って敵から隠れつつ、千里眼で誘拐された人たちを探す。見つけたら後はゆんゆんがひたすらテレポートで行方不明者をアクセルへと飛ばしていく」

    カズマ「ゆんゆんの魔力が切れたら俺がドレインタッチでアクアからゆんゆんに魔力を供給する。そうして全員をテレポートで救出させたら後は簡単。そのまま姿を隠してロキを探し出し、不意打ちでめぐみんとウィズの爆裂魔法とトニーの最大火力を叩き込む。ここまでしたらさすがに倒せるだろ。何か質問は?」

    トニー「特にないが・・・よくもまぁ、こんなえげつない作戦が立てられるもんだ。ロキは何も分からないまま集めた労働者を根こそぎ奪い返され、さらに爆裂魔法を撃ちこまれるなんてな・・・」

    カズマ「なんだよ!さっき説明した時は“良い作戦だ”って言ってただろ!」







    288 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:33:49.64 ID:1qti0fwX0

    トニー「いや、確かに良い作戦ではあるんだが・・・僕の知り合いにもこういう時作戦を立案する奴がいてな。彼が聞いたら顔をしかめそうだ」

    めぐみん「カズマはいつも狡すっからくてえげつない作戦を立てますよ?そのうち慣れます」

    ダクネス「安全に倒せるなら手段を問わないからな。この男は」

    アクア「言ったって治らないわよ?」

    ゆんゆん・ウィズ「・・・」

    カズマ「お前ら好き放題言いやがって・・・!ほら!さっさと行くぞ!ドラゴンとの戦闘で大きな音も立てちまったしな、モンスターが寄って来る前に作戦を始めるぞ!ウィズ頼む!」

    ウィズ「は、はい!・・・あの、ここって本当は危険なモンスターがたくさんいるはずなんですよ・・・あれだけ大きな騒ぎを立てて、敵感知にまだ反応がないですか?本来なら、もうすでに多くのモンスターがこっちに向かって来ててもおかしくはないはずですが・・・」

    カズマ「・・・確かに、全くないな」







    289 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/15(水) 00:34:59.21 ID:1qti0fwX0

    めぐみん「考えられる理由としては二つですね。一つはたまたま運よくモンスターが居なかった。もう一つは、あらゆるモンスターが近付かないほどの強力な存在が近くにいるか・・・あの、これは気のせいだといいんですが・・・トニー、さっきのドラゴンと戦ってて何か気が付きませんでしたか?」

    トニー「・・・?いや、特に何も気が付かなかったが」

    めぐみん「さっきは言う暇がなかったんですが・・・車の中でドラゴンと目が合った時、心なしかドラゴンの目が焦っているかのような、何かを恐れているかのような目をしていたように感じていたんですよ」

    ゆんゆん「・・・つまり、さっきのドラゴンは何かから逃げていたってこと・・・?だ、だとしたら---」



            ザッ…





    「どこかで見た顔があるかと思えば・・・」


    「「「「「「!!」」」」」


    ロキ「三年ぶりか?スターク。世界は狭いな」

    トニー「・・・やぁ、トナカイ君」







    294 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:45:46.51 ID:dPro6pw20

    カズマ「な・・・なんで敵感知が・・・!」

    ロキ「敵感知?ふっ、いいか小僧。お前達は私にとって虫ケラと変わらない。いちいち敵視するとでも?」

    カズマ(こいつ!俺の大嫌いなタイプだ!)

    ロキ「うん・・・?」チラッ

    アクア「・・・?な、なに・・・?」

    ロキ「ほぉ、水の精か。この世界でも変わった仲間を連れているようだな」

    アクア「せ、精!?水の精じゃなくて水の女神なんですけど!!」

    ロキ「信仰心の力が無ければ存在さえできない程度の存在が神を名乗るな。神の格が下がるだろ?」

    アクア「きぃぃいいいーっ!!」ジタバタ







    295 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:46:28.83 ID:dPro6pw20

    ウィズ「アクア様!落ち着いてください!」

    めぐみん「・・・もう爆裂魔法を撃ってもいいですか?正直、これ以上この男の罵倒を黙って聞いていられる自信がありません。大体、あの岩の上から私達を見下して登場なんて演出が気に食わないです。ああいうのは選ばれし紅魔族である私の役です」

    カズマ「後半何言ってるか理解できなかったけどやっちまえ!」

    ロキ「おっと、そんなことをしていいのか?お前たちがせっかく探しに来た人間共が塵になるぞ?」

      ゾロゾロ…

    ダクネス「あれは・・・!誘拐された人たちか!?」

    めぐみん(セシリーお姉さんもいる・・・!)

    ダクネス「その人たちを離せ!それでも神を自称する男か!聞いてあきれる!人質を取って好き放題攻撃するのだとしても、私は決して屈しないぞ!」

    カズマ「ここだけだとかっこいいんだけどなぁ・・・」

    トニー「・・・いうな」







    296 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:47:36.06 ID:dPro6pw20

    ロキ「歯向かう前に話を聞け。私はこの世界を平和にしようとしているのだぞ?まず第一に私の圧倒的な」

    セシリー「ハァハァ・・・ロキ様・・・!八頭身の美しい長身にその下すような視線はあまりにも似合いすぎです・・・そして、細いかと思いきや以外にも引き締まっていてがっしりとした体・・・美しさすら感じます・・・ハァハァ・・・」ペタペタ

    ロキ「・・・まず第一に私の圧倒的な力を見せつ」

    アクシズ教徒A「ロキ様・・・!あぁ、ロキ様・・・時折見せる不敵さと知性が合わさった笑みが大変うつくしゅうございます・・・私は男ですが、あなたのその知性あふれる表情の中に愛嬌も感じられる甘いマスクの虜です・・・ハァハァ・・・」ペタペタ

    ロキ「触るな!なんなんだお前達は!私から離れろ!ぐっ・・・離れろと言っているだろ!」ブンッ

    カズマ「・・・なぁ、あれ放っておいてもいいんじゃないか?」

    めぐみん「私もそんな気がしてきました」

    アクア「うわぁぁぁぁああん!カズマさぁぁぁぁぁああん!!私の可愛い信者たちが取られたぁぁぁあああ!!」ビェェ

    カズマ「今はむしろ都合が良い。このまま放置で」

    アクア「そんなの嫌よ!!取り返すの手伝って!!」







    297 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:48:43.19 ID:dPro6pw20

    ゆんゆん「でもおかしいね・・・あのアクシズ教徒が他の神を信仰しだすなんて・・・」

    めぐみん「えぇ、アクシズ教徒は狂信的な信仰心を持っていると聞きますから、確かにおかしいです。というより、高レベルの冒険者たちまでもが跪いているのは一体どういうことなのでしょうか・・・まるで本当にロキを信仰しているかのようです・・・」

    ウィズ(跪いている人たちから、本来持っているものとは違う魔力を感じる・・・まるで何かの魔法をかけられているかのような・・・これは・・・まさか・・・)

    ウィズ「・・・使いましたね?禁呪とされている魔法を」

    カズマ「禁呪?どういうことだ?ウィズ」

    ウィズ「問答無用で対象の心を支配し、意のままに操る凶悪な服従の洗脳魔法。数百年前に封じられた禁呪です・・・私がリッチーになろうとしたときに名前だけ見た魔法ですが、まさかあれだけの規模で扱えるなんて・・・」

    ロキ「この世界の禁呪程度、私からすれば初級魔法と何ら変わらない。実に私向けの、使い勝手がいい魔法なので使わせてもらってるよ」

    ウィズ「せめて、戦いとは関係のない市民たちは解放してあげてください!彼らには何の罪もありません!」

    ロキ「魔王軍幹部のお前が何故人間の味方をする?」

    ウィズ「ど、どうして私の正体を・・・!?」

    ロキ「自己紹介がまだだったな」







    298 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:49:29.10 ID:dPro6pw20







    ロキ「我が名はロキ。魔王軍幹部の一人にして悪戯の神」

    トニー「・・・プッ」

    ロキ「・・・何がおかしい?」

    トニー「おい、聞いたか?ロキはこの世界を支配するなんて大層な野望掲げてるくせに魔王の下についているだとさ。しかも自分をイタズラの神だなんて名乗っているぞ!ひょっとして卑下してるのか?神様ジョークは分かりにくいな!」

    ダクネス「おい、笑うなトニー・・・失礼だぞ・・・ププッ・・・!」プルプル…

    カズマ「宴会芸の神よりしょうもない肩書だな・・・プッ」

    ゆんゆん「や、やめましょうよ・・・かわいそうですよ・・・」

    アクア「ちょっと!何怒らせるようなこと言ってるのよ!」

    カズマ「どうしたアクア、いつもならお前も混じって相手を煽るだろうに」







    299 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:50:13.83 ID:dPro6pw20

    アクア「相手が相手でしょ!!格上の神を倒すときは下手に出て、高慢な態度を利用して隙を突くのよ!!」

    めぐみん「アクアも既に取り返しのつかないこと言ってますよ?」

    ロキ「・・・私が魔王軍に付いているのは、この洗脳魔法を教えることと引き換えに魔王軍に協力を頼まれたからだ。私から進んで魔王軍に下ったわけではない。この魔法の力を使って配下を増やし・・・そして魔王諸共この国を乗っ取る」

    ロキ「この国の支配が終われば・・・大した武力を持たない他の国は抵抗もせず降伏するだろう・・・世界征服までもう目前だ」ニヤ…

    カズマ「ウィズ、あんなこと言ってるぞ。今の内に魔王にチクって来いよ」

    ウィズ「えっ!?た、たしかに・・・そうすべきなのでしょうか・・・」

    ロキ「・・・お前はそんな嫌がらせ程度にしかならないことを良く実践する気になるな」

    カズマ「うるせーな!イタズラの神に言われたってなんとも思わねーよ!!いいか、よく聞けよ!嫌がらせとはいえ、このことを魔王にバラされたら面倒なことになるのは確かだろ?だから、お前が誘拐した人間を半分解放しろ。そしたら黙っておいてやらないこともない」

    ロキ「・・・」

    カズマ「恨むなら自分を恨めよ?あんなふうに自分からドヤ顔で計画を明かすお前が悪いんだからなぁ!」

    ロキ「そんな脅しが通用するとでも?ここでお前たちを殺せば何の問題もあるまい。わざわざ計画を語ったのもお前たちがここで死ぬからだ」

    カズマ(やっぱりそう来たか・・・!)







    300 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:51:06.03 ID:dPro6pw20

    ロキ「それに、もう手遅れだ。手駒として連れてきた人間の中にはまるで役に立たない平民もいたんでね」

    ロキ「そいつらは処分した」

    カズマ「え、今なんて」

    ロキ「処分したと言ったんだ。役に立たない人間など、置いて何の得がある?使えない平民は皆冒険者に殺させ---」






       「『カースド・クリスタルプリズン』」


           パ キ ィ ン ッ !


    ロキ「ッ!?」バッ

       
        パキキ…


    ロキ「・・・冒険者たちごと私を氷漬けにするつもりだったのか?」

    ウィズ「いいえ?私の得意なこの魔法なら絶対にあなただけを凍らせて粉々に砕くことができる自信があったので・・・」

    ロキ(なんだ・・・?急に様子が・・・?)







    301 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:51:58.17 ID:dPro6pw20

    ウィズ「魔王軍幹部になったんですよね?なら、魔王さんから私について何も聞かなかったんですか?」

    ロキ「老いぼれの話を聞くのにはうんざりしててね」

    ウィズ「あなたが戦闘に携わる物以外の殺傷をしなければ・・・私は敵対するつもりはありませんでした」

    ウィズ「ですが・・・役に立たないから殺した・・・?それも、洗脳した冒険者を使って・・・?」

    ウィズ「あなたは神と言う尊い存在でありながら、何故そうも人を踏みにじるのですか!?」

    ロキ「私が神だからこそ、それが弱者の定めというものだ!!『インフェルノ』ッッッ!!」

           ゴ ゥ ッ !


    カズマ「おいなんだありゃ!!!トニー!ロキって上級魔法使えんのか!?」

    トニー「僕と同じだ!便利だと思ったからスキルを取った僕と同じで、あいつも使えると思ったからこの世界の魔法を取ったんだろうよ!」

    ゆんゆん「あんなの見たことないですよ!上級魔法の威力じゃないです!あれほどの炎なんて・・・」







    302 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:53:01.02 ID:dPro6pw20

    めぐみん「カ、カズマ!どうしますか!?私の爆裂魔法ならあの炎も相殺できると思いますが・・・」

    カズマ「お前は撃ったら動けなくなるだろ!まだダメだ!」

    ダクネス「あれを受けたら・・・私はどうなってしまうのだ・・・?」

    カズマ「炭になるわ!!畜生!まともな奴がいねぇ!ゆんゆん!ウィズ!ここはいったん撤退だ!テレポートを頼む!もう時間がない!!」

    ウィズ「わかりました!ゆんゆんさん!準備は良いですか!?」

    ゆんゆん「はいっ!」

    アクア「っ!」バッ

    カズマ「は!?おいアクア!なんで前出てんだ!!戻ってこい!」

    アクア「嫌よ!自分の信者を救うこともできずに、ここで逃げ帰ったら次から私はどんな顔して信者の子達に会えって言うのよ!」

    トニー「そんなワガママ言ってる場合じゃ無い!もう炎がすぐそこまで来てるんだぞ!」







    303 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:57:14.67 ID:dPro6pw20

    カズマ「アクアはトニーが抱えて飛んでくれ!俺たちはテレポートで飛---」

    アクア「この世に在る我が眷属よ・・・!」ズズズ…

    カズマ「---ぶ・・・?」

    アクア「水の女神、アクアが命ず・・・!」

    アクア「『セイクリッド・クリエイトウォーター』ッッッ!!!」


       ゴ バ ッ !
      バシャァァァアアッ!!


    カズマ「うぉおおおおおおお!?」

    ゆんゆん「凄い・・・!あの業火を真正面から止めてる・・・!」


      ズドドドドド…


    アクア「うぉりゃぁぁぁああああっっっ!!」ググッ…

    トニー「良いぞアクア!その調子だ!」

    ロキ「水の精ごときが・・・!調子に乗るな!」

    カズマ(うん・・・?今なら・・・)コソッ…







    304 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:58:56.17 ID:dPro6pw20

    アクア「さぁ、観念して私の信者たちを返してちょうだい!!」

    ロキ「後でお前の目の前で殺してや・・・」

    カズマ「『スティール』ッッッッ!!」パシッ



      「「「「「「えっ」」」」」



    ロキの杖「」

    カズマ「ふへへ・・・」ニヤッ

    カズマ「いぇえええええええい!!馬鹿みたいに魔法を撃ってる間、潜伏でこっそり近付いてるとも知らずにめでたい奴だな!!なーにが神だ!ざまあみろ!!人間舐めてっからこんな目に合うんだよ!!所詮はイタズラの神だな!!ばぁあああああああああか!!!」ゲラゲラ

    カズマ「今だアクア!杖が無ければ魔法の威力は半減だ!やっちまえ!!」


      「「「「「「「・・・」」」」」」」


    カズマ「お、おい・・・どうしたんだよ、魔法のぶつけ合いまでやめちまって・・・」

    ダクネス「・・・今のは無いぞ」

    めぐみん「美味しいところを持っていくという考えは紅魔族の私にはわかります。ですがこれは・・・」

    アクア「あんたね、さすがに今のは邪魔するべきじゃなかったと思うの」







    305 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 22:59:31.74 ID:dPro6pw20

    トニー「・・・いや、君はこれ以上ない位うまく隙を突いて敵の武器を奪ったんだ。よくやった。気にするな」

    カズマ「なんだよお前ら!俺がせっかく勝機をみつけてやったってのに!もういい、ウィズ!この杖をぶっ壊してくれ!そのあとロキは数に物言わせてぶちのめそうぜ!」

    ロキ「・・・」

    めぐみん「杖を取られたと言うのになぜあの男は普通に立っているのでしょう・・・?」

    トニー「・・・変だな。正面にいるロキから生体反応を感じない」

    ダクネス「なに・・・?カズマ!何かおかしいぞ!こっちに戻ってこい!」

    ウィズ「カズマさん!戻ってきてください!カズマさんが奪った杖はおそらく偽物です!」

    カズマ「え」

      ドスッ…

    カズマ「がっ・・・!?」ゴボッ…

    めぐみん「カズマあああああああ!!」

    ロキ「本気で私を出し抜けるとでも思ったのか?」グリッ…

    カズマ「ぅ・・・」ボタボタ….

    ロキ「哀れな男だな」ブンッ

      ドシャッ…

    ゆんゆん「そんな・・・カズマさんが・・・!」







    307 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 23:00:37.69 ID:dPro6pw20

    アクア「ロキが・・・二人・・・?」

    ウィズ「・・・さっきまでロキさんが立っていたところからは何の生気も感じられず、カズマさんが持っている杖からはなんの魔力も感じられませんでした・・・おそらく幻影の類です・・・」

    トニー「・・・」

    ロキ「ほら、このゴミはお前らのだろう?返してやろう」ドカッ

       ズシャァッ…
        ゴロゴロ…

    ダクネス「貴様・・・!大切な仲間を串刺しにした挙句足蹴にするなど・・・!絶対に貴様を殺してやる!!」

    めぐみん「私にやらせてください。あの邪神気取りは爆裂魔法で塵にしないと気が済みません」

    トニー「いや、駄目だ」

    めぐみん「そんな!どうしてですか!?」

    トニー「作戦は失敗し、カズマが殺された!一度撤退すべきだ!」

    めぐみん「うぅ・・・!」

    アクア「でも・・・!」

    トニー「ゆんゆん!アクアとめぐみんとダクネス、そしてカズマの遺体を連れてアクセルにテレポートしてくれ」

    ゆんゆん「は、はい!」








    308 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/18(土) 23:01:17.29 ID:dPro6pw20

    トニー「ゆんゆんがテレポートするまでの時間は僕とウィズが稼ぐ」

    ロキ「帰れると思っているのか?」ユラッ…

    ウィズ「サポートします!『カースド・ライトニング』ッ!」ヴァチチッ…

           ズァッ!

    ロキ「無駄だ!」パァンッ

    ウィズ「『ライトニング・ストラ・・・」

    ロキ「邪魔なアンデッドだ・・・!『クリムゾン・レーザー』ッ!」ドゥッ

    ウィズ「!」

    トニー「僕が打ち消す!」ヴァゥゥンッ

          バチィンッ

    アクア「うぅぅ・・・何もできずに帰るなんて・・・!」

    トニー「早く行け!」ヴァゥゥンッ







    320 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/21(火) 19:55:43.46 ID:+j2AjjkS0

    ダクネス「だが・・・!」

    トニー「行け!冷静じゃない頭で戦って、僕らまでやられたらカズマの死が無駄になる!良いから行け!」

    ダクネス「・・・」

    アクア「・・・必ず戻ってくるわよ」

    めぐみん「・・・わかり・・・ました・・・!ゆんゆん、お願いします」ギリッ…

    ゆんゆん「うん!トニーさん!ウィズさん!必ず戻ってきてください!『テレポート』ッ!」

           フッ…

    トニー「よし、アクアたちは脱出に成功したな。ウィズ、僕が隙を作ってすぐ君の方へ飛ぶ。テレポートの用意をしておいてくれ」

    ウィズ「準備します!気を付けてください!」

    トニー「あんたは相変わらず人を怒らせるのが得意なんだな。ロキ」キュィィィン…

    ヴァゥゥンッ!

    ロキ「お前こそ、変わったのはスーツの見た目だけか?」パァンッ







    321 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/21(火) 19:59:15.17 ID:+j2AjjkS0

    トニー「どうだろうな。あんたで試してみるよ」ジャキッ

    ロキ「何度撃っても弾かれるだけだ」ス…

      パシュゥゥゥッ 
          ズガァァンッ
        

    ロキ「・・・?なんだ?地面など撃って・・・こんな爆煙を起こした程度で目くらましになるとでも?」

        シュゥゥ…

    ロキ「・・・」

      キュィィ…

    ロキ「丸わかりだ!!『ライト・オブ・セイバー』ッッッ!!」ブォンッ

         ズバンッ…
          ドサッ…

    ロキ(手ごたえありだ)ニヤ…







    322 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/21(火) 20:00:01.84 ID:+j2AjjkS0

    Mk45「」ガランッ… ヴァチチッ…
      
    ロキ「・・・!」

    ロキ(空だと・・・!?)

    トニー「ウィズ、面白いものが見れたな!僕を切ったと勘違いして舞い上がってるロキだ!ちゃんと撮ったか?フライデー」

    フライデー『はい。ちょうどいいタイミングで煙が晴れたので綺麗に撮れています』

    ウィズ「悪党相手とは言え、こういう嫌がらせはどうなのでしょう・・・」

    ロキ「・・・らしくない搦め手だな。誰かの影響か?」

    トニー「さぁな。だが、イタズラの神相手にこんな付け焼刃の搦め手が効くと分かってよかったよ。ウィズ、頼む」

    ロキ「小賢しい・・・!お前たちは私の前に、必ず敗れる!」

    トニー「そのセリフは前にも聞いた。次も僕らが勝つ、そしてカズマの仇は必ず取る。覚悟しろ、ロキ」

    ロキ「『エナジー・イグニ・・・」

    ウィズ「『テレポート』ッ!」

         フッ…








    323以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/21(火) 20:02:22.49 ID:HgTldE4R0
    マーク45が一撃で破壊されただと






    325 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:20:40.13 ID:BCiv1cx+0
    ......
    ....
    ..
    .


    カズマの屋敷



    トニー・ウィズ「・・・」ガチャッ…

    ゆんゆん「トニーさん!ウィズさん!無事だったんですね!」

    トニー「なんとかな・・・スーツが真っ二つにされたが・・・」

    ウィズ「申し訳ありません・・・逃げ帰るだけで精いっぱいでした・・・なんて情けない・・・」

    ゆんゆん「き、気にしないでください!あれは仕方なかったことだと思います・・・」

    トニー「なぁ、ゆんゆん・・・アクアはどこだ?」

    ゆんゆん「アクアさんなら・・・カズマさんの部屋に・・・」







    326 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:22:12.91 ID:BCiv1cx+0

    トニー「・・・ったく、バカな男だ、勝手に突っ走ってあんな間抜けな・・・」

    ダクネス「っ!トニー!」

    めぐみん「・・・おい、死んだ仲間を馬鹿にすると言うのなら私にも考えがある」

    トニー「あれはあまりにも無茶だった!作戦を話してくれさえすればいくらでもフォローのしようがあったはずだ!」

    ダクネス「どうしようもならない時だってある!失敗したことを責めるのはやめろ!」

    ウィズ「トニーさんもダクネスさんも落ち着いてください・・・!」オロオロ…

    ゆんゆん「めぐみんも!そんな目を赤くしないで!」

    めぐみん「・・・」フイッ…

    ダクネス「・・・そうだな。すまない、熱くなりすぎた。私は今回何もできなかった・・・前日にカズマが背中を押してくれたと言うのに・・・」

    めぐみん「私も・・・今回は何もしていないので、発言は控える事にします・・・まぁ、次こそは私とカズマであの似非邪神を粉砕してみせますよ」







    327 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:24:08.49 ID:BCiv1cx+0

    トニー「君はまだしも、カズマ?一体何を・・・」


      ガチャッ…


    カズマ「今回は死ぬほど恥ずかしい死に方したなぁ・・・ハァ・・・」

    アクア「実際死んだじゃない」

    トニー「!?!?!?!?」ガタタッ…

    アクア「・・・?どうしたのトニー?鳩が爆裂魔法を食らったような顔をして」

    カズマ「えっ・・・何この反応。なんでこんな・・・あっ、俺がリザレクションで何度でも蘇れるってこと知らない・・・?」

    トニー「なんで生きてる!?心臓を貫かれたハズだろ!?」

    カズマ「トニー、お前は本でこの世界の魔法について勉強したんじゃなかったのか?」

    トニー「リザレクションは知っている!だが、あんたは転生者として一度生き返っているだろ!?なんでまた・・・」

    カズマ「俺は何度でも生き返らせてもらえるんだよ。いや、本当は駄目なんだけどさ・・・」

    アクア「あんたが今ここに立っていられるのは、私のおかげってことを忘れない事ね!カズマ!」

    カズマ「いや、お前じゃなくてチート武器を貰っていたらそもそも死ぬことは無かったと思うんだけど?」

    トニー「・・・」ハァ...







    328 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:25:22.50 ID:BCiv1cx+0

    カズマ「なんだよ、死んだと思った俺が生きててガッカリなのか?」

    トニー「喜んでやれなくて悪かったな。僕の世界じゃ、心臓を貫かれて死んだ後に生き返る奴なんていなかったもんでね。あまりの展開に驚いていただけだ」

    ウィズ「本当は喜んでるはずですよ?さっきはロキさんに対してものすごく怒っていたんですから」

    トニー「・・・何も言うな」

    ウィズ「“カズマの仇は絶対に取る、覚悟しろ”って。あの時のトニーさんの目は本当に凄かったですよ?」

    トニー「・・・話聞いてたか?」

    アクア「おっさんのツンデレなんて需要ないわよ?」

    カズマ「えっ?俺知らないうちにおっさんとフラグを立ててたの?・・・トニー、俺はノーマルなんだ。お前の気持ちには答えられない。ごめんな」

    トニー「なんでそうなるんだ!僕にはペッパーがいるって言ってるだろ!勝手に誤解して勝手に振るな!」







    330 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:29:14.91 ID:BCiv1cx+0

    トニー「はぁ・・・ここに来てからため息ばかりついてるな・・・」

    めぐみん「それより、今はロキです。あの男の計画とコロナタイトがどう関係しているのかは分かりませんが、もし見つけてしまったのなら今すぐにでも手を打たねばなりません」

    アクア「あ、それなんだけどね・・・」ゴソゴソ…

    アクア「じゃん!これ、なんだと思う?」

    ウィズ「赤々と燃えているその鉱石は・・・まさか・・・!」

    アクア「そう!コロナタイトよ!」

    めぐみん「一体どこでそれを・・・?」

    アクア「なんかよくわからないんだけど、カズマの体の修復をしてる時にこれがカズマの手に握られていたのを見つけたの。にしても危なかったわねカズマ、もしコロナタイトがこの透明な容器に入っていなければ、機動要塞デストロイヤーの中に入った時みたいに手の皮が張り付いて・・・」

    カズマ「やめろやめろ聞きたくない聞きたくない!!」

    ゆんゆん「でもなんでコロナタイトが・・・?」







    331 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:30:34.36 ID:BCiv1cx+0

    カズマ「ロキの杖をスティールしようとしたとき、杖は取れなかったけど・・・代わりにとっちまったみたいでさ・・・どうしよう、コレ」

    めぐみん「ひとまずよかったじゃないですか。ロキの計画の邪魔をすることが出来たのですから」

    カズマ「いやいや・・・何が目的であれ、これってロキが探してたものなんだろ?もし盗られたことに気が付いたら、この街に取り返しに来るんじゃないかと思ってさ」

    トニー「よし、僕のラボで預かろう。それでいいよな?」

    ダクネス「それがいい。この街を火の海にするわけにはいかない」


         コンコン…


    ダクネス「・・・このタイミングで来客?」チャキッ…

    カズマ「まさか、もう取り返しに来たのか・・・?」







    332 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:31:19.39 ID:BCiv1cx+0

    ゆんゆん「凄い魔力も感じますよ・・・!警戒しましょう・・・!」ジリッ…

    アクア「っ・・・」ジリッ…

    ダクネス「全員下がって戦う準備をしろ。私が確認する!」スタスタ…


         バンッ!


    ダクネス「何者だ!」ジャキッ!








    クリス「ひっ・・・!ダ、ダクネス!あたしだよ!あたし!!」ビクッ…

    ダクネス「なんだ、クリスだったか」ホッ…

    クリス「もう!いきなり親友に剣を向けられるなんてびっくりだよ!」プンスカ

    ダクネス「はは・・・す、すまないクリス・・・うん?持ってきているそれはなんだ・・・?」

    クリス「これ?これはね・・・すべて神器だよ」

    ダクネス「なっ・・・!?い、いったん家に入れ!」







    333 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:33:03.52 ID:BCiv1cx+0
    ......
    ....
    ..
    .


    アクア「はい、クリス。お茶入れてきてあげたわよ」カチャッ…

    クリス「あ、ありがとうアクアさん・・・」

    クリス(お湯だ・・・)

    めぐみん「巨大な魔力を扉越しに感じると思ったら神器でしたか。それも二つも・・・一体なぜそんなものをクリスが・・・?」

    クリス「話せば長くなっちゃうんだけど・・・みんな知っての通り、あたしは敬虔なエリス教徒でね。ある日、エリス様からのお告げがあったんだ。“行方の知らない神器を悪用されると大変な事になる”って。それを聞いて私は・・・」

       ペラペラ…

    カズマ(トニーと言い、上手い具合に自分の境遇を隠しつつ理由付けをするもんだなぁ・・・)







    334 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:33:45.07 ID:BCiv1cx+0

    クリス「そんなわけで、私はいくらか神器を回収してるからキミ達がロキと戦いやすいように持って来たって訳さ!」

    めぐみん「・・・?何故クリスがロキの事を知っているんですか?」

    クリス「えっ?・・・あぁっ!そ、それはね?ほら、あたしって盗賊だから情報がすぐに入ってくるんだよね!お、驚いた?」ハハ…

    めぐみん「いくら何でも早すぎませんか?私たちがついさっき会ったばかりだと言うのに」

    クリス「っ!?そそそ・・・それは・・・」

    カズマ(エリス様は意外とアホなところがあるんだろうか・・・?)

    クリス「ほ、ほら、魔王軍幹部に新入りが入ったって情報を聞いてね!ちょうどキミたちが旅立った頃に名前だとか情報が入ってきたのさ!」

    めぐみん「そうでしたか・・・」

    クリス「そ、それよりさ・・・なんだか初めて見る顔がいるね?もう一人の紅魔族の子はギルドで良く一人で遊んでいるから知ってるけど・・・」

    ウィズ「私ですか?はじめまして!私はウィズと申します。この街で魔道具店の店長をやらせてもらっています。よろしくお願いしますね?」ニコッ







    335 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:35:22.50 ID:BCiv1cx+0

    クリス「こちらこそ、よろしく頼むよ!・・・ところで、顔が真っ白だけど大丈夫かい?なんだかまるで・・・」

    クリス「・・・アンデッドみたいだよ?」

    ウィズ「!?」ビクッ

    クリス「・・・?どうしたの・・・?」

    ウィズ「えーっと・・・その・・・」ダラダラ…

    カズマ「おっと!これはだなクリス!ウィズのお店は客が全く来なくて年中赤字だからウィズは食べるものが無くて栄養失調気味なんだよ!なっ?ウィズ!」

    ウィズ「は、はい!そうなんです!そ・・・そうなんです・・・」シュン…

    クリス「た、大変だね・・・今度何か買いに行くよ・・・」ポリポリ…







    336 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:36:19.52 ID:BCiv1cx+0

    クリス「あっ!エリス教徒の人たちが恵まれない人たちの為に炊き出しとかやってるから貰ったらどう?」

    ウィズ「えぇ!?いやいやとんでもないです!!」ブンブン

    カズマ(エリス教の炊き出しに並ぶアンデッドか・・・最悪の光景だな・・・とりあえず、クリスがウィズの正体を知ったら絶対に駄目だ・・・ここはトニーにでも話を振って・・・)

    カズマ「・・・トニー?何してるんだ?それにアクアも。クリスの話を聞いてなかったのか?」

    アクア「クリスの持って来た神器が気になってちょっと見てたのよ。それで、話?なんかしてたの?」

    クリス「いや・・・何でもないよ・・・で、トニーは一体何をしているの?」

    トニー「・・・改良の余地ありだな」

    クリス「えっ・・・?一体何を言ってるの?」







    337 ◆Ua1M3q7gGI :2018/08/28(火) 21:40:44.88 ID:BCiv1cx+0

    トニー「この神器二つを僕なりに改良してあげよう」

    クリス「駄目だよそんなことしたら!?神器なんだから下手にいじると罰が当たるよ!?」

    トニー「よーく観察してみたが・・・ところどころ改良できそうな点がいくらか見つかってね。安心しろよ、ちゃんと改良するから」

    クリス「い、いやいや・・・そういうことじゃなくって・・・!」

    トニー「素材は凄く良い。少し時間をくれれば、かなりいい武器が作れる筈だ」ウキウキ

    クリス「待って!?ねぇ、本当に待って!?神器ってのは神々が作ったとても神聖なもので・・・」

    トニー「さて諸君!僕のラボに集合だ!分娩室に招待しよう!」

    クリス「お願いだから待ってぇぇぇぇえええ!!!」







    339以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/28(火) 21:52:05.08 ID:0/s74fT5o

    伝説のアイテムが最新のテクノロジーと融合してラスボスを倒すための武器になるのは王道だから仕方ないね






    341以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/29(水) 17:36:59.28 ID:tz1FvGas0
    科学と魔法のハイブリッドとか最強だな






    343 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:42:22.62 ID:4e/hKFMI0
    ......
    ....
    ..
    .



    トニーのラボ


    めぐみん「神器を改造してそれ以上のアイテムを作る・・・?本気ですか?」

    トニー「冗談に聞こえるか?」

    めぐみん「・・・本気ですね。本気で冗談みたいなことをやるつもりですか」

    トニー「でも君だってなんだかんだワクワクす」

    めぐみん「勿論ですとも!一体何を作るつもりなんですか!?カッコイイものですよね!?」ズズィッ

    トニー「・・・そう来てくれると思った」

    ゆんゆん「神器をいじくりまわそうなんて考える人初めて見たかも・・・」

    ウィズ「そもそも加工すること自体可能なのでしょうか・・・?」








    344 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:43:23.26 ID:4e/hKFMI0

    トニー「元の形が完全になくなるほど変える気はないさ。それじゃぁ、いってみようか!」

    クリス「それあたしの決めセリフなのにーっ!」

    トニー「そうムスッとした顔をするな。この神器二つの説明を頼むよ」

    クリス「はぁ・・・色々と言いたいことがあるけど・・・説明するね」


        スチャッ…


    クリス「まずはこの弓。名は“魔弓レゴラス”」

    トニー「・・・この神器を作った奴は誰なんだ?絶対ロード・オブ・ザ・リング・・・」

    クリス「話を続けるね。この弓は、“放った矢が絶対に当たり、どんなものも撃ち貫く”っていう神器だったよ」

    ダクネス「すごいな・・・ん?“だった”?」

    クリス「神器は本来の持ち主でないと力を最大限発揮できないって話は知っているかな?」

    めぐみん「確か、カズマがあの魔剣使いから魔剣を奪った時もただの剣にしかならないとアクアに言われていましたよね」








    345 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:44:19.92 ID:4e/hKFMI0

    クリス「そう。この神器も例に漏れず力は制限されてしまっているよ」

    ダクネス「具体的には?」

    クリス「そうだね・・・絶対に当たるって力は無くなって・・・“強力な貫通力を持った弓”・・・ってところかな」

    トニー「・・・微妙じゃないか?当てられないなら意味が無いんだろ?」

    めぐみん「そうでもないでしょう。使う人によっては非常に強力になりえるのではないですか?例えば・・・運が極端に高く、それに伴って矢の命中率も高いような男が使えば・・・」チラッ…

    カズマ「・・・ふっ」キリッ…

    クリス「うん、この弓はカズマ君にあげる。最初からその予定だったんだ」

    カズマ「よっしゃぁ!マトモな神器を扱える日がとうとう来るなんてな!」

    アクア「ねぇ、その言い方だと私が役立たずな神器だって聞こえるんですけど」

    カズマ「そう言ってるんですけど」

    アクア「・・・」ブチッ


      ギャーギャー







    346 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:45:14.69 ID:4e/hKFMI0

    トニー「おい、僕のラボで暴れるな」

    クリス「それで・・・もうひとつなんだけど・・・これはダクネスに渡そうと思ってね」

    ダクネス「なぁ、これ・・・」

    クリス「・・・見ての通り、これは盾だよ。名は“聖盾ヴィヴラニオン”」

    トニー「聞いて良いか?本当にこの神器を作った奴は誰なんだ?さっきからピンポイントで・・・」

    クリス「話を続けるね。この盾は、元々は“どんな攻撃も自動で防ぎ、絶対に破壊されない”っていう力を持っていたよ」

    めぐみん「それで、今はどんな力を持っているんですか?」

    クリス「自動で攻撃を防ぐ力は使えないけど、頑丈さはかなりのものだと思うよ」

    ダクネス「なぁ・・・クリス・・・」







    347 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:46:28.43 ID:4e/hKFMI0

    クリス「言いたいことは分かるよ・・・でも、凄い力をもった神器だから・・・」

    ダクネス「・・・そうだな・・・アクシズ教徒のシンボルさえ彫られていなければ・・・すごくいい神器なんだろうな」

    アクア「これの元の持ち主についてとても気になるわ!どんな人だったの?」

    クリス「えっと・・・自由を愛するクルセイダーだったみたいだね・・・」

    アクア「ふふ・・・自由を尊ぶアクシズ教に魅せられたって訳ね!」

    カズマ「どっちかっていうと洗脳されたってほうが近いんじゃね?」

    トニー「破壊できない盾を持った自由を尊ぶクルセイダーか・・・なんだか既視感を感じるな・・・」

    クリス「ダクネスにはこの盾を装備してもらおうかと思ってるんだけど・・・どう?」

    ダクネス「エリス教のクルセイダーの私に、アクシズ教のシンボルが彫られた盾を背負えというのか!?」

    クリス「ごめん!こんなの本当にどうかしてるよね!でも、この盾の力は絶対に必要になると思うんだ!」

    カズマ(エリス教の御神体が自分の敬虔な信者にアクシズ教のシンボルが彫られた装備を渡す光景か・・・駄目だ・・・笑っちゃ駄目だ・・・)プルプル…

    トニー「ぷっ・・・くくくっ・・・・」プルプル…







    348 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:46:57.78 ID:4e/hKFMI0

    アクア「いいじゃない!これを機に二人共アクシズ教に改宗しちゃいなさいな!」

    ダクネス・クリス「「しない!」」

    ダクネス「だ、第一私はクルセイダーだぞ!剣で戦う職だ!盾の神器なんて・・・!」

    カズマ「でもお前剣あたらないじゃん」

    ダクネス「んんっ・・・/// い、いや・・・でも・・・」

    トニー「いいか、ダクネス。僕の話を聞け、必ずこの盾を装備したくなると約束しよう」

    ダクネス「へ・・・?」

    トニー「まず、君が剣のスキルを取らない理由はなんだった?」







    349 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:48:08.60 ID:4e/hKFMI0

    ダクネス「も、もちろん、剣を振るうが当たらず、力及ばずに圧倒されてしまうのが気持ちいいからだ!!」

    トニー「・・・だよな?そこで考えてみよう、君はこの盾を持ち、敵の前で構える」

    ダクネス「うむ・・・」

    トニー「当然敵は攻撃するわけだ。盾で身を守る君を、盾を打ち破って蹂躙するために」

    ダクネス「・・・ッ」ゴクリ…

    トニー「君は盾を構え続け、ひたすら耐える。だが・・・やがては崩され、そのまま敵に・・・」

    ダクネス「そ、そんな素晴らしいプレイが・・・!盲点だった!ありがとうトニー!」

    トニー「だろ?お役に立てて良かったよ」







    350 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:49:01.50 ID:4e/hKFMI0

    カズマ「トニーも段々こいつらの扱い方ってのがわかって来たな」

    トニー「わかりたくなかったけどな」

    クリス「・・・で、どう改造するつもりなんだい?」

    トニー「まず盾は二つに切り分ける」

    クリス「切り分ける!?さ、さすがにそれは駄目だよ!」

    アクア「そうよ!アクシズ教のシンボルが彫られているのにそれを切るなんてバチを当ててやるからね!」

    トニー「まぁ、落ち着け。ダクネスは攻撃が当てられない。それは皆知ってるだろ?だが、素手での戦いは例外だ。ダクネスが、ギルドで煽ってきた冒険者を素手で捕まえて締め上げるところを僕は見て考えた」

    トニー「・・・“この女、剣を持つんじゃなくて腕にはめた方が強いんじゃないか・・・?”ってね」







    351 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:49:44.62 ID:4e/hKFMI0

    カズマ「・・・天才か?」

    トニー「だろ?で、普段は盾だが、二つに割ることでガントレット型の武器に、またくっつけたら盾に戻るっていう新しい武器を作る予定だ」

    めぐみん「面白そうですね・・・!」

    アクア「でも真っ二つにするのは・・・いや、結局戻るからいいのかしら・・・?」

    クリス「うーん・・・」ポリポリ…

    トニー「そのまま使うよりきっと良くなるって僕が保証するよ」

    クリス「う、うん・・・それじゃぁ任せるよ」

    アクア「アクシズ教団のシンボルは消さないでよね?それだけは約束してよ?」







    352 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:51:23.96 ID:4e/hKFMI0

    トニー「はいはい。それじゃ早速・・・」

        ピピピ…

    フライデー『ボス、コロナタイトの分析が完了しました』

    トニー「結果は?」

    フライデー『破壊可能です』

    ウィズ「壊しちゃうんですか!?きわめて貴重な代物なのですが・・・」

    トニー「まだだ。どんな力を秘めているのか徹底的に解析してから決める」

    めぐみん「私は使うべきだと思いますよ。だって、燃えるじゃないですか!強力なエネルギーを秘めたアイテムを使うことによって邪神を打ち砕くなんて!」

    ゆんゆん「え、えぇ・・・ロキの計画が良くわからないけど・・・コロナタイトが使われちゃったら何が起こるかわからないでしょ・・・?あぶなくない・・・?」

    めぐみん「これだから変わり者のゆんゆんは・・・だからボッチなのですよ」

    ゆんゆん「な、なによ!!」







    353 ◆Ua1M3q7gGI :2018/09/02(日) 21:52:03.70 ID:4e/hKFMI0

    フライデー『あの・・・』

    トニー「静かにしろ。今フライデーが何かを言おうとしている」

    フライデー『構造分析と成分解析の結果、興味深いデータを発見しました。きっと気に入ると思います』

    トニー「なに?」

    フライデー『コロナタイトは、アークリアクターに大変酷似した性質を持っていました。つまり・・・』









    フライデー『スーツにコロナタイトを取り付け、エネルギー源として使用することが可能です』

    トニー「・・・面白い」







    362 ◆Ua1M3q7gGI :2018/10/20(土) 22:34:33.21 ID:qPAdyUI40

    めぐみん「これは、トニーの国の“カガク”の技術と私たちの国の魔術の融合ということですね!!ふわぁーっ!燃えてきましたよ!紅魔族の琴線にビンビン来る実験です!」

    トニー「僕もだ。歴史に残る実験になるだろうな」

    ダクネス「実験するのは良いが、ロキはどうするのだ?野放しにしておくつもりか?」

    トニー「大丈夫だ。ロキの位置は完全に把握出来ている」

    ダクネス「・・・一体どうやって?」

    トニー「トニー・スタークだからだ」

    ダクネス「真面目に答えろ!」

    トニー「行動に完全な偶然は無い。確率論を十分に把握し、心理の徹底的な理解、そして性格と合わせて計算すると変数を絞れる」






    363 ◆Ua1M3q7gGI :2018/10/20(土) 22:35:50.20 ID:qPAdyUI40
    ダクネス「な・・・なに?何を言っている?」

    トニー「僕も無数にあると想える変数を実現可能ないくつかに絞れる手法を58通知っている」

    ダクネス「えぇっと・・・真面目に答えろと言っておいてすまないが・・・その・・・もう少しわかりやすく・・・」

    アクア「?・・・??・・・???」

    カズマ「すごく難しいと思うけど、アクアにもわかるように言ってくれ」

    トニー「ロキに追跡装置を取り付けた」

    アクア「なぁるほど!追跡装置ね!トニーったらやるじゃない!」






    402 ◆Ua1M3q7gGI :2018/10/27(土) 21:31:54.67 ID:sUOx20V/0
    カズマ「ほぉー・・・追跡装置かぁ・・・あれ?今の長ったらしい説明と何の関係が・・・?」

    トニー「アクアも納得してるし、それで十分だろ?」

    カズマ「おい、俺は騙されないぞ!お前ちょっとそれっぽいこと言って知的ぶりたかっただけだろ!」

    トニー「知的なのは事実だしちゃんと説明しただろ?この話はここでお終い」

    ゆんゆん「あの・・・」

    トニー「どうした?」

    ゆんゆん「“ツイセキソウチ”って何でしょうか・・・?」

    トニー「あー・・・カズマとアクア以外は知らないか?」

    ゆんゆん・ウィズ・めぐみん・ダクネス「「「「・・・」」」」コクリ







    364 ◆G7gAhUxDx. :2018/10/20(土) 22:40:46.32 ID:qPAdyUI40
    めぐみん「おや?クリスは知っているのですか?」

    クリス「あっ・・・えっと・・・あたしも知らないから、教えてくれると助かるかな?」

    トニー「まぁ、簡単に言うと敵の位置が分かる道具だ」ピッ

        ヴンッ...

    めぐみん「この画面内で映っている赤い点がロキですか?」

    トニー「そういうこと。そして、これをマップ内に落とし込めば・・・」


       ピッ… ピッ…


    トニー「ほら・・・おっと、まだヴォーミアでピクニックしてるみたいだ」

    アクア「・・・なーんか、トニーが来てから便利になったのは良いけど・・・色々とオーバーすぎないかしら?」






    365 ◆Ua1M3q7gGI :2018/10/20(土) 22:42:33.76 ID:qPAdyUI40

    トニー「僕が付けた追跡装置は盗聴器としての役割も持っている。あ、盗聴器って言うのは、遠く離れたところにいる相手の会話を盗み聞きできる道具だ。悪用厳禁」

    ウィズ「いつの間に付けたんですか・・・?」

    トニー「僕のスーツが破壊される寸前に、発信機を射出してロキにくっつけた。当分気が付かないはずだ」

    ウィズ「なるほど、煙を上げたのは時間稼ぎだけじゃなくて、そういう意図もあったんですね!」

    カズマ「トニー・・・それさ・・・」

    トニー「あげないからな?思春期少年のおもちゃには過ぎた代物だ」

    カズマ「ま、まま、まだ何も言ってねーだろ!ちょっとギルドの酒場にくっつけて俺の陰口を言う奴とか見つけ出してやろうかと・・・」

    ダクネス「全く、この男は・・・」






    366 ◆G7gAhUxDx. :2018/10/20(土) 22:43:06.40 ID:qPAdyUI40

    クリス「それで、その盗聴器でロキから何か聞けたの?」

    フライデー『録音された音声があります。再生しますか?』

    トニー「いつ頃録音したやつだ?」

    フライデー『ボスとウィズ様がテレポートで撤退した直後の会話です。録音された会話内容からして、すぐさまコロナタイトを奪い返しに来る気は無いようです』

    トニー「会話内容を再生しろ」

    フライデー『了解しました。再生します』


        ザザァー…






    367 ◆Ua1M3q7gGI :2018/10/20(土) 22:44:57.07 ID:qPAdyUI40

    冒険者A『ロキ様、いかがなさいました?』

    ロキ『コロナタイトを盗まれた。あの小僧だ・・・!』

    冒険者A『追いますか?』

    ロキ『放っておけ、たった一つかすめ取られただけだ。それも、ただの小粒をな・・・計画に大きな支障は出ない』

    冒険者A『それでは・・・』

    ロキ『掘り続けろ。計画を実行に移すにはまだ量が足りん』

    冒険者A『はい。了解しました』

    ロキ『それと・・・警備をさらに厳重にしろ。二度と邪魔をさせるな』

    冒険者A『はい。了解しました』

        プツッ…






    368 ◆Ua1M3q7gGI :2018/10/20(土) 22:45:46.03 ID:qPAdyUI40

    フライデー『以上です』

    カズマ「おい・・・これってまさか・・・」

    クリス「ロキはコロナタイトを複数所持しているようだね。小石程度の大きさでも相当な力を秘めているはずだけど・・・一体何が目的なんだろう・・・」

    トニー「何であれ、まだ猶予があるって事だ。急いで取り掛かるぞ」

    めぐみん「そうですね。私もEXPを溜めて備えようと思います」

    トニー「へぇ、この国でも経験値をExperience pointの略語で読んだりするのか」

    めぐみん「えくすぺ・・・なんですかそれは?私が言っているのはExplosion Pointの事ですよ?」

    トニー「・・・国によって元の言葉が違うんだな」

    めぐみん「まあ私の造語ですが」

    トニー「・・・」






    369 ◆Ua1M3q7gGI :2018/10/20(土) 22:47:37.28 ID:qPAdyUI40

    めぐみん「単に、爆裂魔法のスキルポイントと言うのが長ったらしかったので略し・・・あっ、あっ、やめてください!眼帯を引っ張らないでください!」

    カズマ「トニー、いちいち突っ込んでたら身が持たないぞ」

    トニー「たまに君の要領の良さが羨ましくなる」

    アクア「それで、これから一体どうするの?信者が捕らえられているっていうのに、待機なんて無理なんですけど」

    トニー「良いかアクア、よく聞け」

    アクア「?」

    トニー「その気持ちは結構だが、気持ちだけじゃ人は救えない。試しに、君が今からロキの元へ行って全員を救えるヴィジョンが浮かぶか?」

    アクア「それは・・・」タジッ…

    トニー「浮かばないだろ?君が信者の事となると勇猛果敢なことは分かった。だが、ロクな作戦も立てずに突っ込んで君が殺されたら・・・残った信者はどうしていくんだ?」

    アクア「・・・」






    370 ◆Ua1M3q7gGI :2018/10/20(土) 22:48:59.82 ID:qPAdyUI40
    トニー「だから、備えられるだけの準備をして奴に挑むんだ。こっちだってただ黙って待つわけじゃない。君の信者は力を合わせて絶対に取り返す、だからもう少し我慢しろ。いいな?」

    アクア「う、うん・・・わかった・・・」

    クリス「さすが年長者だね、トニー」

    トニー「一番の年長者はアクアじゃないのか?」

    アクア「なんですってえええええええ!あんたさっきまともな話したと思ったらよくも言ってくれたわねこのヒゲニート!!」ワッ

    トニー「ただのジョークだよ。それじゃ僕はちょっとバニルと商談をしてくる」スタスタ…

    アクア「あんた逃げんじゃないわよ!今度こそ強力な天罰を当ててやるからね!」

    ダクネス「お、落ち着けアクア・・・それで、このタイミングでバニルと商談とは、一体何を仕入れるつもりなんだ?」

    トニー「そうだな・・・」








    トニー「この国で作れる、最高級の鎧の材料さ」



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     コメント一覧 (1)

      • 1. 金ぴか名無しさん
      • 2019年06月21日 17:38
      • このすば愛が強いのは結構だがトニーのいい所が頭良くて様々なものを開発できるだけの人になってるし世界観にトニー自身が合ってなさすぎて微妙に落ち着かない

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