【艦これ】ブサ督「イケメンに限るって……真理だよな」 前編
    2020年11月22日 コメント(0) 長編創作・SS 


    2以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:25:01 ID:Xw55B38o


    ―――――――――――







         ビュオオオオオオオッ…









    .




    3以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:26:02 ID:Xw55B38o

    北方鎮守府 食堂


         ズズッ ズルズルズルッ

    ブサ督「ふう……あ、間宮」

    ブサ督「天ぷらそばお代わり」

    間宮「はい。かしこまりました」

    ブサ督「おう」

         テク テク テク…

    ブサ督「…………」

         バサッ…(新聞広げ)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……イケメン提督、南方で快進撃)

    ブサ督(同海域の制圧間近……)




    4以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:26:59 ID:Xw55B38o

    ブサ督(…………)

    ブサ督(快進撃……ねぇ)

    ブサ督(そんなに上手く行ってるのなら)

    ブサ督(俺のところの艦娘を出向させたのは何故なんだよ……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(しかも大本営に出向させた艦娘の安否を聞いても答えないし)

    ブサ督(なんで軍部に居る俺が新聞でしか戦況把握出来ないんだよ……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……だが)

    ブサ督(俺に出来る事なんて、現状維持が精一杯)

    ブサ督(どうしたもんかな……)




    5以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:28:37 ID:Xw55B38o

        ガチャンッ

    ブサ督「!」

    利根「…………」

    ブサ督「ビックリした、利根か……」

    ブサ督「せめて、座る前にひとこと声を」

    利根「話しかけるな」

    ブサ督「…………」

    利根「他に席が空いてなかったから座っただけじゃ」

    ブサ督「…………」

    間宮「お待たせしました、ブサイク提督」

    間宮「追加の天ぷらそばです」

         コトッ

    ブサ督「ありがとう、間宮」

    間宮「いえ」




    6以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:29:39 ID:Xw55B38o

    利根「…………」

    ブサ督「……さて、熱い内に食うか」

         ズズッ ズルズルズルッ

    ―――――――――――

    執務室


    ブサ督「天龍、遠征ご苦労」

    天龍「……おう」

    ブサ督「そうだ、良かったらお茶でも」

    天龍「んじゃ、下がらせてもらうぜ」




    7以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:30:41 ID:Xw55B38o

    ブサ督「……そうか」

    天龍「ふん……」

         ガチャ キィ パタン

    ブサ督「…………」

    大淀「これで……本日の仕事はお終いですね」

    ブサ督「そ、そうか」

    ブサ督「なら大淀、時間まで――」

    大淀「少し早いですが、私も上がってよろしいでしょうか?」

    ブサ督「……そうだな」

    ブサ督「もういいぞ、大淀」

    大淀「ありがとうございます、ブサイク提督」

    大淀「失礼します」

    ブサ督「ああ……」




    8以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:31:28 ID:Xw55B38o


    ―――――――――――


    ブサ督「はあ……」

    ブサ督「…………」

    ブサ督(……なんで俺、ブ男に生まれたんだろ)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……イケメン提督ほどで無くていいから)

    ブサ督(並みの顔で生まれたかった……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(かーちゃんに孫は諦めるって言われたくらいだし)

    ブサ督(鏡見て自分でも女だったら絶対に避けるわって思うレベルだしなぁ……)




    9以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:32:21 ID:Xw55B38o

    ブサ督(…………)

    ブサ督(もう寝よう……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(せめて……夢の中でくらい)

    ブサ督(モテたいなぁ……)

    ブサ督(…………)


    ―――――――――――

    艦娘兵舎 談話室


    利根「今日はツいておらんかった」

    筑摩「あらあら利根姉さん、不機嫌ですね〜」

    筑摩「どうしたんですか〜?」




    10以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:33:36 ID:Xw55B38o

    利根「食堂でブサイク提督の隣に座る羽目になってのう」

    筑摩「あらまあ……それは災難でしたねぇ」

    利根「うむ」

    利根「いつも通り、気持ちの悪い いやらしい目つきで」

    利根「我輩を見てきてのう……」

    利根「ああもう……思い出すだけで虫唾が走る!」

    筑摩「ほんと、気持ち悪いですよね〜」


    天龍「まったく……なんであんなのが指揮官なんだか」

    天龍「俺は遠征要員じゃねーっての!」

    天龍「ブ男なのは別にしても仕事くらいちゃんとしろってんだ!」

    天龍「つーか、俺を戦いに使え!」

    大淀「…………」




    11以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:34:44 ID:Xw55B38o

    天龍「なあ、大淀。お前もそう思うだろ?」

    大淀「……仕事はきちんとしてますよ? あの人」

    天龍「え?」

    大淀「天龍さんを前線に出さないのは」

    大淀「一定の練度に達していないからで、他意はないって言ってました」

    天龍「…………」

    天龍「で、でも、それならもっと演習でも何でもやらせてくれりゃあ」

    大淀「それも物資不足でしょうがない所はあるんですよ」

    大淀「だから天龍さんに遠征を頑張ってもらってるんだと思います」

    天龍「…………」

    大淀「けど……秘書艦の立場から言わせて貰うと」




    12以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:35:27 ID:Xw55B38o

    大淀「やっぱり作戦は拙いですよね」

    天龍「だよな!」

    大淀「先日もなぜ途中で進撃を中止して引き上げたのか」

    大淀「大淀には理解できません」

    大淀「あのまま行けば、おそらくあの海域は手中に収められたはず」

    天龍「……かぁ〜」

    天龍「マジで良いとこ無しの無能なのかよ……あいつ」

    大淀「それに太ってて脂ぎってますし……」

    大淀「生理的に受け付けないです……」

    天龍「はあ……」

    天龍「イケメン提督の鎮守府へ出向した連中が羨ましいぜ……」

    大淀「いまごろ、どうしているんでしょうね……」




    13以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:37:13 ID:Xw55B38o


    ―――――――――――


    大本営


    大将「……またこんなに戦力を失ったのか」

    イケ督『いや、お言葉なんですが』

    イケ督『増援で来た艦娘たちの動きが悪くて……』

    イケ督『いつもの様な生きの良い艦娘ならここまで酷くは』

    大将「練度を考えんか! このバカ者!」

    イケ督『そ、そんな事を言われましても』

    イケ督『深海棲艦の奴ら、最近活発に行動するようになってまして』

    イケ督『そこかしこから沸いてくるんですよ……』

    大将「…………」




    14以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:38:16 ID:Xw55B38o

    大将(ちっ……この無能め)

    大将(報道で海軍の顔として役に立っているのは良いが)

    大将(その他は並以下の対応力しかない)

    大将(下手に地位を与えているから、参謀の言う事もまったく聞かんし)

    大将(どうしてくれようか……!)

    イケ督『……大将閣下?』

    大将「!」

    大将「……何でもない」

    イケ督『左様ですか』

    イケ督『それで、これからどうすれば良いでしょう?』

    大将(できるなら今すぐ死ね!と言ってやりたいわ!)

    大将「……そうだな」

    大将「…………」




    15以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:39:19 ID:Xw55B38o

    大将「とにかく、今は現状維持に努めておけ」

    大将「無闇やたらに出撃をせず、艦娘の練度を少しでも上げる事に徹しろ」

    イケ督『はあ……報道にはどう説明しましょう?』

    大将「進撃し続けて疲弊しているので、しばらく休養するとでも言えばよかろう」

    イケ督『分かりました』

    大将「くれぐれも大損害を被った事は言うなよ?」

    イケ督『了解です』

    大将「では……今後の方針が決まり次第、追って連絡する」

    イケ督『はい。失礼します』

         ブッ… ツー ツー

    大将「…………」




    16以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:46:48 ID:Xw55B38o

    ―――――――――――

    数日後

    北方鎮守府 執務室

         ジリリリリンッ ジリリリリンッ

         ガチャ

    ブサ督「はい……ブサイク提督ですが」

    ブサ督「これは大本営の……はい……はい……」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……は?」

    ブサ督「ちょっと待ってください」

    ブサ督「こちらの戦力もぎりぎりなので、今、練度の高い艦娘に抜けられては……」

    ブサ督「い、いえ、その重要性は分かります」

    ブサ督「しかし先月もイケメン提督の鎮守府に派遣したばかりではないですか?」

    ブサ督「…………」




    17以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:47:57 ID:Xw55B38o

    ブサ督「……で、ですが、いくら何でも急な話で酷すぎるのでは」

    ブサ督「こんなに頻繁に我が鎮守府から戦力を持っていくのはあんまりです」

    ブサ督「それに」

    ブサ督「出向した我が鎮守府の艦娘はどうして居るのですか?」

    ブサ督「なぜ連絡をさせてもらえないので?」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……ええ、ですからその重要性は理解しています」

    ブサ督「私が言いたいのは、我が鎮守府は」

    ブサ督「無限に戦力の出る魔法の壷などではないということで――」

    ブサ督「っ!」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「反逆罪ですと?」




    18以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:48:47 ID:Xw55B38o

    ブサ督「失礼を承知で申しますが」

    ブサ督「何と言われようとも、これ以上イケメン提督の鎮守府に」

    ブサ督「我が鎮守府の艦娘を差し出す事は出来ません」

    ブサ督「これは相対的な……ええ、ですから」

    ブサ督「防衛の為に必要最低限の戦力という意味で」

    ブサ督「我が鎮守府はぎりぎりの状態なんです」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……無理です」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「では言い直しましょう。不可能です」

    ブサ督「何と言われ様ともこれ以上、戦力低下されての戦線維持は自分に不可能です」

    ブサ督「無い袖は振れません」




    19以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:49:38 ID:Xw55B38o

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……左様ですか」

    ブサ督「そういう事でしたらいっその事」

    ブサ督「私とイケメン提督を入れ替えてみてはいかがでしょう?」

    ブサ督「あなたのおっしゃる通りなら」

    ブサ督「我が鎮守府の現在の戦力で北方海域は」

    ブサ督「イケメン提督の手腕で平定できるのでしょう?」

    ブサ督「無能な私と違って」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「無理を言うな?」

    ブサ督「さっきからそれを言ってるのは大本営直属のあなたの方だ」

    ブサ督「…………」




    20以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:50:43 ID:Xw55B38o

    ブサ督「でしたら」

    ブサ督「あなたが指揮をとってみたらいいのでは?」

         ブッ… ツー ツー

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……へっ。切りやがったか」

         チンッ

    ブサ督「…………」

    ブサ督「愛宕……高雄……飛龍……蒼龍……」

    ブサ督「扶桑……山城……妙高……足柄……」

    ブサ督「計8人」

    ブサ督「今、生きてるのか……死んでるのかすら」

    ブサ督「大本営は教えてくれない」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「元気で……居てくれてるといいのだが……」




    21以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:51:35 ID:Xw55B38o


    ―――――――――――


    西方鎮守府 執務室


         ジリリリリンッ ジリリリリンッ

         ガチャ

    フツ督「はい、こちら西方方面艦隊鎮守……」

    フツ督「ああ、これは大将閣下」

    フツ督「どうされました?」

    フツ督「…………」

    フツ督「……ほう。左様ですか」

    フツ督「増援の要請は理解しましたが、現在、西方方面にて」

    フツ督「深海棲艦どもが不穏な動きを見せていまして」

    フツ督「…………」




    22以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:52:27 ID:Xw55B38o

    フツ督「はい、緊急性は理解しております」

    フツ督「こちらとしても出来るだけ早く増援を送れるよう努力していきますが」

    フツ督「なにとぞ、大将閣下にもその辺りをご理解していただきたく」

    フツ督「…………」

    フツ督「はい、現在情報収集に全力を挙げているところで」

    フツ督「西方鎮守府の艦娘総動員、という有様でして」

    フツ督「南方への増援は少々お時間をいただきたいのです」

    フツ督「…………」

    フツ督「はっ……まことに申し訳ありません」

    フツ督「これからは大将閣下のご期待に添えるよう、一層粉骨砕身努力して参ります」

    フツ督「それでは」

         チンッ…

    フツ督「…………」




    23以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:53:27 ID:Xw55B38o

    龍田「今の……大本営からかしらぁ?」

    フツ督「ああ」

    龍田「うふふ」

    龍田「深海棲艦の不穏な動き、ねぇ」

    フツ督「ウソは言ってないだろ?」

    龍田「確かに」

    龍田「でも全力で、とか、艦娘総動員、とかはぁ?」

    フツ督「言葉のあやってやつさ」

    龍田「うふふ」

    龍田「日本語って、便利よねぇ」

    フツ督「だな」




    24以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 08:54:19 ID:Xw55B38o


    ―――――――――――

    大本営


    大将「クソがっ!」

    大将「どいつもこいつも使えない奴らめ!」

    大将「はあ……はあ……」

    大将「…………」

    大将(……ようし)

    大将(癪に障るが、あのブ男の言う通りにしてやろう)

    大将(くくく……せいぜい後悔しろ)

    大将(この私に逆らった事をな……!)




    27以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/22(土) 13:11:19 ID:0av8z7Jc
    そんなに嫌なら整形しろ




    28以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 00:59:09 ID:S6Rj0msw
    >>27
    整形費用が8桁&一生メンテナンス費用も掛かるので断念しました。




    29以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 00:59:54 ID:S6Rj0msw

    ―――――――――――

    さらに数日後

    北方鎮守府 執務室


         バサッ…(新聞広げ)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(イケメン提督、快進撃の疲れから休養……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(戦線拡大による戦力不足を起こしてたりしてな)

    ブサ督(そんな事は無いと思いたいが……果たして)

         コン コン

    ブサ督「お……入れ」




    30以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:00:41 ID:S6Rj0msw

         ガチャ

    利根「……失礼するぞ」

    ブサ督「哨戒任務から帰ったか。お疲れさん」

    利根「これが報告書じゃ」つ(報告書)

    ブサ督「お、おう」

    ブサ督「海の様子はどうだっ」

    利根「それ(報告書)に書いておる。読めばわかる」

    ブサ督「そ、そうか……」

    利根「ではな」

         ガチャ キィ パタン

    ブサ督「…………」




    31以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:01:23 ID:S6Rj0msw

    ブサ督(き、気を取り直そう)

    ブサ督(…………)つ(報告書)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……うん)

    ブサ督(今のところ、異常は無いみたいだな)

    ブサ督(一安心だ)

    ブサ督「ふう……」

         コン コン

    ブサ督「お……入っていいぞ」

         ガチャ

    ブサ督「金剛に比叡か」

    比叡「…………」

    金剛「……演習、終わったネー」




    32以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:02:15 ID:S6Rj0msw

    ブサ督「お疲れ」

    ブサ督「空母との連携は上手くn」

    比叡「問題ありません」

    金剛「赤城、加賀と一緒にいつも通りのメニューをこなしたネー」

    ブサ督「そ、そうか。 それは良かった」

    ブサ督「出来ればくわしく聞かせ」

    比叡「少々疲れましたので、下がらせてください」

    ブサ督「……ん」

    金剛「それじゃ失礼するネー、ブサイクテートク」

    ブサ督「ああ……」

         パタン

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……はあ」

    大淀(いつもながら……無様ですね)




    33以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:03:06 ID:S6Rj0msw

    大淀「…………」

    大淀「あ、そういえば……」

    大淀「…………」 ゴソゴソ…

    大淀「あった」

    大淀「すみません、ブサイク提督」

    ブサ督「ん?」

    大淀「今朝、大本営から書状が届いていたのを失念していました」

    ブサ督「書状? 大本営から?」

    大淀「はい。 これがそれになります」つ(書状)

    ブサ督「……?」つ(書状)




    34以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:08:35 ID:S6Rj0msw

         ビリッ ガサガサ…

    ブサ督「…………」

    ブサ督「ッ!?」

    大淀「どうされました?」

    ブサ督「…………」

    大淀「提督?」

    ブサ督「……出向命令だ」

    大淀「ああ、艦娘の」

    ブサ督「違う」

    大淀「え?」

    ブサ督「俺への、だ……」




    35以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:09:13 ID:S6Rj0msw

    大淀「あら」

    大淀「出向先はどこなんですか?」

    ブサ督「南方方面艦隊鎮守府……となっている」

    大淀「……え?」

    大淀「その鎮守府はイケメン提督が着任しているのでは……?」

    ブサ督「そのイケメン提督と入れ替え、となっている」

    大淀「!」

    大淀(という事は……イケメン提督がここにいらっしゃる!?)

    大淀(きゃー!///)

    大淀「そ、それで……いつ、なんですか?」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「今日から一週間後……となってる」

    大淀「左様ですか」




    36以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:10:14 ID:S6Rj0msw

    大淀「良かったですね、提督」

    ブサ督「……え?」

    大淀「だってイケメン提督が平定した後の海域を守るだけなんですから」

    大淀「これほど楽な出向も無いですよ」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「大淀、聞いてくれ」

    大淀「さて、これからいろいろと準備しないといけませんね」

    大淀「まずは……」

    ブサ督「大淀!」

    大淀「ひっ」 ビクッ

    ブサ督「…………」

    ブサ督「怒鳴ったのは謝る」

    ブサ督「でも聞いてくれ」




    37以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:10:56 ID:S6Rj0msw

    大淀「はあ……」

    ブサ督「大淀に……いや」

    ブサ督「ここの艦娘ほぼ全員に俺が良く思われてないのは分かっている」

    大淀「…………」

    ブサ督「だから、信じてもらえないかもしれない」

    ブサ督「ただの僻(ひが)みと思うかもしれない」

    ブサ督「それでも、ひとこと言っておく」

    大淀「…………」

    ブサ督「イケメン提督の指揮には疑問が生じる」

    大淀「…………」




    38以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:11:46 ID:S6Rj0msw

    ブサ督「大淀も知っているだろうが」

    ブサ督「勝っていながら、何故戦力を欲しがるのか」

    ブサ督「また、俺は何度と無く出向した艦娘の安否を大本営に尋ねているが」

    ブサ督「曖昧に対応されて一向に答えてくれない」

    大淀「…………」

    大淀「……何がおっしゃりたいのでしょうか?」

    ブサ督「だから、そこから推測すると」

    ブサ督「新聞報道はでたらめで、実際には相当の被害を受け」

    ブサ督「それを覆い隠すため、世間受けのいい」

    ブサ督「イケメン提督を前面に出しているんじゃないかと思う」

    大淀「…………」

    ブサ督「つまり」




    39以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:12:19 ID:S6Rj0msw

    ブサ督「この出向話は、イケメン提督の失態を」

    ブサ督「全部俺に押し付けるための辞令ではないかと俺は思うんだ」

    大淀「…………」

    大淀「……すみませんが」

    大淀「ちょっと信じがたい推測ですね」

    ブサ督「…………」

    大淀「戦力についても戦闘行為があったのなら損害は付き物ですし」

    大淀「こう言っては大変失礼ですが」

    大淀「ブサイク提督が大本営に失態を押し付けられる……」

    大淀「もっと言いますと、嫌われる原因を作っているのも」

    大淀「問題なのではないでしょうか?」

    ブサ督「…………」




    40以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:13:15 ID:S6Rj0msw

    大淀「いずれにしても」

    大淀「辞令が下った以上、出向は確定していますし」

    大淀「準備をなさった方がよろしいのでは?」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……そうか」

    ブサ督「確かに……その通り、だな」

    大淀「わかってもらえましたか」

    ブサ督「では、その準備は大淀に一任する」

    ブサ督「必要な事があれば言ってくれ」

    大淀「了解です」

    大淀「それでは、ちょっと失礼しますね」

    ブサ督「ああ……」




    41以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:13:49 ID:S6Rj0msw

         ガチャ キィ パタン

    ブサ督「…………」

    ブサ督(なんか……もう)

    ブサ督(どうでも良くなってきたな)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(あとは……)

    ブサ督(俺の推測がまったくの見当違いである事を)

    ブサ督(祈るのみ……か)

    ブサ督(…………)




    42以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:14:50 ID:S6Rj0msw

    ―――――――――――

    一週間後

    北方鎮守府 執務室


    大淀「忘れ物は無いですか?」

    ブサ督「……ああ」

    大淀「それでは、南方鎮守府でも頑張ってくださいね」

    ブサ督「分かっている」

    ブサ督「それからな、大淀」

    大淀「はい」

    ブサ督「…………」 ゴソゴソ…

    ブサ督「これを渡しておく」つ(書類)




    43以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:16:08 ID:S6Rj0msw

    大淀「これは……?」つ(書類)

    ブサ督「俺が考えた防衛作戦の一覧だ」

    ブサ督「状況や地形、戦力等で分類してある」

    大淀「は?」

    ブサ督「もし……万が一」

    ブサ督「イケメン提督の指揮に疑問が生じたら」

    ブサ督「参考にしてくれ」

    大淀(…………)

    大淀(この人は……どこまで見栄っ張りで僻(ひが)み根性丸出しなんでしょう)

    大淀「……了解しました」

    大淀「そうだ、最後に質問してもよろしいでしょうか?」

    ブサ督「なんだ?」




    44以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:16:48 ID:S6Rj0msw

    大淀「いつだったかの侵攻作戦」

    大淀「突然撤退を指示されて腑に落ちなかったのですが」

    大淀「どういう意図があったのでしょう?」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「あの作戦目的の泊地は、危険だと判断しただけだよ」

    ブサ督「侵攻の道中も抵抗が少なかったし……」

    ブサ督「泊地付近には無数の孤島や岩礁が存在する」

    ブサ督「自分が敵の立場なら、敵を誘い込んで」

    ブサ督「一気に包囲殲滅するのに最適な場所だと思ったんだ」

    大淀「え……」

    ブサ督「攻められて困る場所ってのは、たいてい抵抗が強くなる」

    ブサ督「これは戦術・戦略の基本だよ」

    大淀「…………」




    45以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:17:49 ID:S6Rj0msw

    ブサ督「もっとも……それを利用する奴もいるだろうから」

    ブサ督「一概に言い切れないところではあるがな」

    大淀「…………」

    ブサ督「納得したか?」

    大淀「は、はい」

    ブサ督「そうか」

    ブサ督「それじゃあな……」

    大淀「…………」

         ガチャ キィ パタン

    大淀「…………」




    46以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:18:29 ID:S6Rj0msw

    大淀「…………」

    大淀「…………」つ(書類)

    大淀「…………」つ(書類)

    大淀「……まあ」

    大淀「保険はあっても困らない……ですよね」

    大淀「たぶん必要ないでしょうけど」

    大淀「…………」

    大淀「この引き出しの奥にでもしまっておきましょう」

         ごそごそ

    大淀「うん」

    大淀「これでよし、と」

    大淀「さ、歓迎会場に行かなくちゃ!」




    47以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:19:18 ID:S6Rj0msw

         テク テク テク

    ブサ督「…………」

         デー、イケメン提督ッテー

         キャー キャー

    ブサ督「…………」

         テク テク テク

    ブサ督「…………」

    ブサ督「!」

    ブサ督「…………」

    ブサ督(……イケメン提督、歓迎会会場)

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……へっ」




    48以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:20:17 ID:S6Rj0msw

         テク テク テク

    ブサ督「…………」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「あ……」

    ブサ督「金剛、比叡……」

    金剛「それでもう楽しみデー……あ」

    比叡「ブサイク提督……」

    ブサ督「…………」

    金剛「何かご用ですカー?」

    ブサ督「……そうだ」

    比叡「いったい何用です?」

    ブサ督「……今さっき、大淀に」

    ブサ督「俺が考えた防衛作戦の一覧を渡しておいた」




    49以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:20:57 ID:S6Rj0msw

    金剛「はあ……」

    比叡「左様ですか」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……もし、イケメン提督の指揮に疑問が」

    金剛「たぶん無いと思うネー」

    比叡「ええ。私もそう思います」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……そうか」

    金剛「それじゃ、南の鎮守府でも頑張ってくだサイネー」

    比叡「さようなら、ブサイク提督」

    ブサ督「……ああ」




    50以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:21:48 ID:S6Rj0msw

    ―――――――――――

    北方鎮守府 正面玄関付近


         テク テク テク

    ブサ督「…………」

         テク テク テク… ピタ

    ブサ督「…………」

    ブサ督(見送りも無し……か)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……南方鎮守府でも)

    ブサ督(こんな扱いなんだろうな……たぶん)

         テク テク テク…




    51以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:22:39 ID:S6Rj0msw


    ―――――――――――


    北方鎮守府

    イケメン提督 歓迎会会場


         ポンポンッ ポンッ

    大淀「イケメン提督、北方方面艦隊鎮守府へようこそ!」

    大淀「艦娘一同、心待ちにしておりました!」

    イケ督「おおっ、これはこれは……」

    イケ督「こんなに熱烈な歓迎をして貰えて嬉しいよ」

    イケ督「ありがとう」 ニコッ

    大淀「い、いえ///」




    52以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:23:33 ID:S6Rj0msw

    金剛「イケメンテイトクー!」

    金剛「私は金剛ネー!」

    金剛「これからどんどん活躍するから、期待してくだサーイ!」

    比叡「もう、お姉さまったら、子供みたいにはしゃいで……」

    イケ督「ははは、まあいいじゃないか」

    イケ督「もちろん当てにさせてもらうよ」

    天龍「おい! 俺も活躍させろよ!?」

    天龍「前の提督の下じゃ遠征ばかりさせられて、もううんざりなんだよ!」

    イケ督「ああ、安心してくれ天龍」

    イケ督「必ず君の期待に答えよう」

    天龍「うっしゃあ!」

         ハハハハハハ…




    53以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:24:08 ID:S6Rj0msw

    長門「…………」

    陸奥「…………」

    翔鶴「…………」

    瑞鶴「…………」

    鈴谷「…………」

    熊野「…………」

    利根「ん?」

    利根「何じゃお主ら。 見たところ艦娘のようじゃが」

    利根「イケメン提督の艦娘か?」

    長門「……ああ」

    利根「そうか。 ならばこれからは仲間じゃな」

    利根「我輩は利根じゃ。 よろしく頼む」




    54以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:24:46 ID:S6Rj0msw

    長門「……よろしく。 長門だ」

    利根「ほう。 かの有名なビック7とはお主の事……」

    長門「すまないが」

    利根「!」

    長門「疲れたので部屋を用意してもらいたい」

    利根「そ、そうか」

    利根「それは気が効かずに済まない事をした」

    利根「大淀!」

    大淀「はい?」

    大淀「利根さん。 何でしょう?」

    利根「こやつらはイケメン提督直属の艦娘なのじゃが」

    利根「疲れていると言うので部屋へ案内しようと思ってな」

    利根「部屋番号を……」

    大淀「……私は何も聞いてませんが」




    55以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:25:30 ID:S6Rj0msw

    利根「……何?」

    大淀「ですから、新しい艦娘が来る、などとは聞いていませんが……」

    利根「そうなのか?」

    長門「…………」

    利根「しかし……現にああして来ているのだし」

    利根「何かの手違いではないのか?」

    大淀「かもしれませんね……」

    大淀「ともかく、イケメン提督に事情を聞いて」

    イケ督「私がどうかしたのかい?」

    利根「おう、イケメン提督。 実は……」




    56以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:26:24 ID:S6Rj0msw

    ―――――――――――

    イケ督「ああ、そうだったか」

    イケ督「確かに急遽決まったからね……」

    イケ督「連絡が追いつかなかったのだろう」

    利根「やはりか」

    イケ督「さっそく迷惑をかけてしまって申し訳ない」

    イケ督「事情が事情だから、急ごしらえの部屋でも」

    イケ督「私の艦娘は文句を言わないだろう」

    イケ督「彼女達の部屋を用意してくれるかな?」

    大淀「はい。 分かりました」

    大淀「お安い御用です」

    イケ督「頼もしいね。 これからもよろしく頼むよ」

    大淀「はい///」




    66以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:24:31 ID:f96qigYE

    望月「…………」

    望月「ねえ、天龍」

    天龍「あん?」

    望月「ブサイク司令官の送別会はいつやったの?」

    天龍「やるわけねーだろ、んなもん」

    望月「えっ」

    天龍「来る日も来る日も遠征、哨戒、演習ばっかで」

    天龍「前線に立たせてくれねーし」

    天龍「たまーに出撃したかと思えばすぐ撤退命令出すし」

    天龍「そんな腰抜けで、おまけにブ男な司令官の送別会なんて必要ないない」

    望月「…………」




    58以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:28:05 ID:S6Rj0msw


    北方鎮守府 正面玄関付近


         ビュオオオオオオ…


    望月「…………」

    文月「望月」

    望月「……文月」

    文月「こんなところで何してるの?」

    文月「風邪引いちゃうよ? 中に入ろう?」

    望月「…………」

    望月「……そうだね」

         ギィ… パタン

    望月「…………」




    59以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:28:35 ID:S6Rj0msw

    望月「ねえ、文月」

    文月「うん?」

    望月「ブサイク司令官って……」

    望月「そんなにダメな司令官だったのかな……?」

    文月「……さあ」

    文月「文月には分からない」

    望月「……そう」

    文月「…………」

    文月「でも文月は、嫌いじゃ無かったよ」

    望月「!」

    望月「ほんと?」




    60以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 01:29:34 ID:S6Rj0msw

    文月「うん」

    文月「……天龍の前じゃ言えないけどね」

    文月「艤装の事とか相談したら、ちゃんと聞いてくれたし」

    文月「時々飴ちゃんくれるし」

    望月「ふふふ、そうだね」

    望月「よくくれたね、飴ちゃん」

    文月「あはは」

    望月「…………」

    文月「…………」

    望月「また……会えるよね?」

    文月「うん。きっと会えるよ」

    望月「うん……そうだよね」




    63以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/26(水) 08:49:03 ID:URh41WPU
    続きがきになる




    68以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:26:53 ID:f96qigYE


    ―――――――――――


    3日後

    南方鎮守府 正面玄関付近


    ブサ督「はあ……はあ……はあ……」

    ブサ督「ふうぅぅぅ……」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「あっつうぅぅ……」

    ブサ督「デブには辛い地域だ……」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「はい、出迎えも特に無し、と……」




    69以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:28:27 ID:f96qigYE


    ―――――――――――


    南方鎮守府内


         テク テク テク

    ブサ督「…………」

    ブサ督(……建物の構造はだいたい同じだな)

    ブサ督(という事は執務室は……)

    ブサ督「!」

    ブサ督(第一艦娘発見!)

    ブサ督(……などとお茶らけた雰囲気は出せない様子)

    ブサ督「…………」 コホン

    ブサ督「あー……そこの艦娘」




    70以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:29:31 ID:f96qigYE

    ?「……ん?」

    ?「誰……なのです?」

    ブサ督「本日付でここの司令官に任命されたブサイク提督だ」

    ?「ああ……そういえば、そんな話ありましたね」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「すまないが執務室まで案内を……」

    ブサ督「おっと、その前に君の名前を教えてくれ」

    ?「……電(いなずま)といいます」

    ブサ督「そうか、よろしくな、電」

    電「執務室ですね……」

    電「こちらになります」

    ブサ督「…………」




    71以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:30:31 ID:f96qigYE


    ―――――――――――


    南方鎮守府 執務室前


    電「このお部屋が執務室になります」

    ブサ督「ありがとう」

    電「いえ」

    電「それでは……」

         テク テク テク…

    ブサ督「あ……」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「まあいいか……」

         ガチャ




    72以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:32:32 ID:f96qigYE

    ??「!?」

    ??「誰だ!?」

    ブサ督「御挨拶だな……」

    ブサ督「本日付でここの司令官に任命された」

         キィ… パタン

    ブサ督「ブサイク提督だ」

    ??「ああ……あんたが後任の」

    ブサ督「……お互い色々思うところがあるみたいだが」

    ブサ督「とりあえず名前を教えてくれないか?」

    ??「そうだね……それは失礼だったねブサイク提督」

    ??「私は川内」

    川内「ここの秘書艦をやってる」




    73以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:34:27 ID:f96qigYE

    ブサ督「そうか」

    ブサ督「では……何か言いたい事があるのなら言ってみてくれ」

    川内「……言いたい事?」

    ブサ督「そうだ」

    川内「…………」

    川内「く……くくく」

    川内「ふふ……ふふふふっ……」

    川内「あははははははははははっ!」

    ブサ督「…………」

    川内「じゃあ、言わせて貰うけどね」

    川内「地獄へようこそ!としか」

    川内「言いようが無いね!」




    74以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:35:26 ID:f96qigYE

    ブサ督「…………」

    ブサ督「そうか……」

    川内「そうか? そうか、だって?」

    川内「そんな言葉で返せる余裕がお有りの様で」

    川内「羨ましく思うよ!」

    ブサ督「俺に余裕が有る様に見えるのか」

    川内「…………」

    ブサ督「どうやら俺は、イカサマ師の才能があるみたいだな……」

    川内「…………」

    ブサ督「……では、現状報告を頼む」

    川内「……了解」




    75以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:36:31 ID:f96qigYE


    ―――――――――――


    ブサ督「…………」

    ブサ督「…………」

    ブサ督(……覚悟は)

    ブサ督(それなりにしていた……)

    ブサ督(だが……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(だがっ!)

         ダンッ!

    川内「……ふん」

    川内「机にあたっても現状は変わらないよ」

    ブサ督「まさか……ここまで酷いとはな……」




    76以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:38:24 ID:f96qigYE

    ブサ督(ほぼ南方海域全域に広がる戦線)

    ブサ督(無計画と言うしかない無謀な侵攻……)

    ブサ督(損耗率は6割に達し)

    ブサ督(あらゆる物資が底をつきかけている……!)

    ブサ督(こんな状況でどうしろと言うんだ!!)

    川内「…………」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……川内」

    川内「何?」

    ブサ督「補充で来た北方鎮守府の艦娘は」

    ブサ督「どうなったか分かるか?」




    77以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:39:47 ID:f96qigYE

    川内「…………」

    川内「悪いけど知らない」

    川内「あたしも前回の作戦前に来た補充の艦娘だからね……」

    ブサ督「そうか……」

    ブサ督「…………」

    ブサ督(配置・未配置の艦娘の中に)

    ブサ督(あの8人の名前は……無い)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(そういう……こと、なのだろうな……)

    川内「…………」

    川内「……大事な艦娘だったのかい?」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「もう……わからん」




    78以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:40:54 ID:f96qigYE

    川内「わからない?」

    ブサ督「今は……いろんな感情が渦巻いてて……」

    ブサ督「悲しいのか、悲しくないのか」

    ブサ督「空しいのか、腹立ってるのか……」

    ブサ督「もう……訳がわからん」

    川内「ふうん……そう」

    川内「ともかく、現状は今、説明した通り」

    川内「あんたはここの司令官。 命令には従う」

    ブサ督「……頼もしいお言葉で」

    川内「あの顔だけ提督よりマシなら、もうそれでいい」

    川内「よろしく頼むよ、ブサイク提督」

    ブサ督「……出来るだけ期待に答えよう」




    79以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:42:07 ID:f96qigYE

    ブサ督「では、さっそくだが」

    ブサ督「鈴谷と熊野を連れてきてくれ」

    川内「……居ないよ」

    ブサ督「……は?」

    川内「その二人だけじゃない」

    川内「鈴谷、熊野、戦艦の長門と陸奥、正規空母の翔鶴、瑞鶴の計6人は」

    川内「顔だけ提督が北方鎮守府に連れて行った」

    ブサ督「…………」 クラッ…

    川内「…………」

    ブサ督「……めまいがした」

    川内「きっと……暑さのせいだね」

    ブサ督「そうだったなら、どれだけいいか……」




    80以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:44:22 ID:f96qigYE

    ブサ督「……はあ」

    ブサ督「もう嘆いてもしょうがない」

    ブサ督「現在のこの鎮守府で一番索敵能力に長けているのは?」

    川内「たぶんあたしか、暁かな……」

    川内「暁は改二だし……」

    ブサ督「よし、暁を呼んで来てくれ」

    川内「了解」

         タッ タッ タッ…

    ブサ督「…………」




    81以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:46:34 ID:f96qigYE

    ―――――――――――

    大本営 大将の部屋


         ジリリリリンッ ジリリリリンッ

    大将「ん……電話か」

         ガチャ

    大将「私だ」

    大将「…………」

    大将「ああ、南方鎮守府からか」

    大将「構わん。 繋げ」

    大将「…………」

    大将「やあ、ブサイク提督」

    大将「そろそろ掛かってくる頃だと思っていた」

    大将「南方鎮守府の居心地はどうかね?」

    大将「ハッハッハッ!」




    82以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:48:02 ID:f96qigYE

    ブサ督『……笑っていられるのも今の内だけです、大将閣下』

    大将「何?」

    ブサ督『あなたが私を敗軍の将として糾弾する為に』

    ブサ督『今回の人事を仕組んだのは分かりますが』

    ブサ督『このままだと、私の首だけでは済まない可能性が高い』

    大将「…………」

    大将「ふん。 何が言いたい?」

    ブサ督『簡単に説明しますとね』

    ブサ督『現在の南方鎮守府は、主力艦娘不在』

    ブサ督『残存戦力は軽巡級・駆逐級艦娘二十数人という有様』

    ブサ督『おまけにあらゆる物資が底をつきかけている』

    大将「!?」

    ブサ督『こんな状況では、南方鎮守府は陥落寸前と言う外ありません』




    83以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:49:45 ID:f96qigYE

    大将「ま、待て!」

    大将「主力艦娘が不在とはどういう事だ!?」

    大将「それに物資もそこそこは……」

    ブサ督『秘書艦の話だと、イケメン提督が連れて行ったとの事です』

    ブサ督『推測ですが物資もついでに持って行ったのでしょう』

    大将「」

    ブサ督『現状の把握はできましたか?』

    大将「あの……無能めがぁっ!」

    ブサ督『……その辺の認識は一致するところですが、大将閣下』

    ブサ督『私の言いたい事は ご理解いただけましたか?』

    大将「う、うむ……」




    84以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:51:29 ID:f96qigYE

    ブサ督『さしあたり、物資の補給を大至急お願いします』

    ブサ督『特に燃料と弾薬・食料は絶対に急がせてください』

    ブサ督『鋼材とボーキサイトは多少遅れても構わないですが……』

    ブサ督『それでもなるべく急いで手配をしてください』

    大将「わ、分かった」

    大将「だが……どんなに急いでも最低4〜5日程度は掛かる」

    大将「それまで持つのか?」

    ブサ督『約束なんて出来ませんよ』

    ブサ督『深海棲艦たちが浮かれてバカンスでもしてくれる事を』

    ブサ督『祈っててください』

    大将「…………」

    ブサ督『それでは……補給物資が届くのをお待ちしています』




    85以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:52:44 ID:f96qigYE

         ブッ… ツー ツー

    大将「…………」

    大将「…………」

    大将「……くそがああああっ!!」

         ガチャン!

    大将「はあ、はあ、はあ……」

    大将「ちっ……」

    大将(だが、あのブ男の言う通りだ)

    大将(仮に南方鎮守府が敵に奪取されたら)

    大将(南方海域全域を失うも同然……)

    大将(当然そうなったら……責任者である私にも批判が……)

    大将「……クソッ」




    86以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:54:03 ID:f96qigYE

         チンッ…

    ブサ督「ふう……」

    川内「上手く行ったの?」

    ブサ督「たぶんな」

    ブサ督「だが物資が届くまで4〜5日はどうしても掛かる」

    川内「考えたんだけどさ」

    川内「遠征で何とかならない?」

    ブサ督「遠征にまわす余剰戦力も時間も無い」

    川内「でも、だいぶ戦線を切り捨てたんでしょ?」

    川内「もういっそのこと全部捨てて鎮守府に立てこもったら?」

    ブサ督「それも一つの手だが」

    ブサ督「それだと敵の戦力も集中してしまう恐れがある」




    101以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 18:52:03 ID:h6NDFXQo

    ブサ督「そうさせないため、ゲリラ戦を展開する必要があるんだよ」

    ブサ督「少数が多数の敵を打ち破るのは容易じゃない」

    ブサ督「戦線を引っ掻き回す事で時間も稼げるしな」

    川内「へえ……いろいろ考えてるんだね」

    ブサ督「とは言っても……」

    ブサ督「それに敵さんが乗ってくれればの話」

    ブサ督「大軍が猪突猛進して、この南方鎮守府を目指してきたら」

    ブサ督「それでゲームセット。 お終いだ」

    ブサ督「尻尾巻いて逃げるしかない」

    川内「そう……」

         コン コン

    ブサ督「おう。 入ってくれ」




    88以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:56:37 ID:f96qigYE

         ガチャ

    電「失礼します」

         キィ パタン

    川内「来たね、電」

    電「何かご用ですか?」

    川内「うん」

    川内「あたし、これから任務に出る」

    川内「だから電に秘書艦をやって欲しいんだ」

    電「……電が、ですか?」

    川内「ああ」

    川内「安心して、電」

    川内「今度来たブサイク提督は見た目キモイけど、割とまともだよ」




    89以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:57:50 ID:f96qigYE

    ブサ督「…………」

    電「えと……川内さん、いくら何でも言っていい事と悪い事が」

    ブサ督「……別にいい、電」

    ブサ督「自分がブ男なのは毎朝、顔を洗う時に嫌でも自覚するしな……」

    電「は、はあ……」

    川内「じゃ、ブサイク提督」

    川内「川内、暁と共に出撃します!」

    ブサ督「ああ……」

    ブサ督「頼んだぞ」

         ガチャ キィ パタン

    ブサ督「…………」

    電「…………」




    90以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 07:58:55 ID:f96qigYE

    電「あの……ブサイク司令官さん」

    ブサ督「ん?」

    電「勝算がお有りなのですか?」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「逆に聞いてしまうが……」

    ブサ督「どうしてそんな質問をするんだ?」

    電「その……」

    電「川内さん、いつもと違って明るい表情でしたので」

    ブサ督「そうか……」

    ブサ督「それからさっきの質問だけどな」

    ブサ督「勝算なんてまったく無い」

    電「え……」




    91以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 08:00:03 ID:f96qigYE

    ブサ督「これから俺が川内達に指示する作戦は」

    ブサ督「時間稼ぎのかく乱戦法だからな」

    ブサ督「最初から『勝ち』なんてものは捨てている」

    ブサ督「だから、勝算なんてものは無くていいんだよ」

    電「…………」

    ブサ督「理解できないか?」

    電「いえ……でも、だとすると……」

    ブサ督「すると?」

    電「ブサイク司令官さんのせいじゃないとしても……」

    電「これまでの艦娘の犠牲は……なんだったのだろう、と……」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……そうだな」




    93以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 09:53:02 ID:7KPiSmkU
    乙、信賞必罰が狂うと組織人こそ箍が外れてダメになるよな




    95以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 15:28:15 ID:qTFmPJy6
    言動がまともで階級からして最低限の身綺麗さはあるだろう提督の容姿に対するヘイトが高すぎるんじゃが、艦娘はブサイクに親を殺されでもしたんか……

    取り敢えず駆逐艦ちゃん達だけでも生還してくれ……続き待機




    96以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/29(土) 17:07:08 ID:Evb.NmIQ
    こんな艦娘をだれが作った




    98以下、名無しが深夜にお送りします :2020/08/30(日) 02:26:34 ID:xHznyaBg
    世の中そんなもんだからね…辛いけど仕方ないネ




    103以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 18:53:35 ID:h6NDFXQo


    ―――――――――――


    北方鎮守府 軍港


    金剛「さぁて!」

    金剛「張り切って行くネー!」

    比叡「はい、金剛お姉さま」

    利根「うむ。 我輩たちの門出を祝うかの様な快晴じゃの!」

    筑摩「そうですね、利根姉さん」

    イケ督「そろっている様だな」

    金剛「あ、イケメンテイトク!」

    金剛「金剛の力、よ〜く見ててネー!」

    イケ督「ははは、期待してるよ」




    104以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 18:54:15 ID:h6NDFXQo


    第一戦隊

    金剛 比叡 利根 筑摩 赤城 加賀


    第二戦隊

    長門 陸奥 鈴谷 熊野 翔鶴 瑞鶴


    イケ督「そっちも問題ないか?」

    長門「……ええ」

    陸奥「しっかりと休養を取りましたから」

    イケ督「よし」

    イケ督「では、これより、北方深海棲艦泊地奪取作戦を開始する」

    イケ督「抜錨せよ!」




    105以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 18:55:59 ID:h6NDFXQo

         オオー!

    大淀「…………」

    大淀「あの、イケメン提督」

    イケ督「ん? 何かな?」

    大淀「作戦立案の時にも意見具申しましたが……」

    大淀「あの泊地周辺は孤島と岩礁が多数存在し」

    大淀「敵が伏兵を敷くには最適と思われます」

    大淀「どの様な対処法をお考えになられたのですか?」

    イケ督「ああ、その事か」

    大淀「はい」




    106以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 18:56:39 ID:h6NDFXQo

    イケ督「それについては問題ない」

    イケ督「伏兵には伏兵で対抗するまでさ」

    大淀「……はい?」

    イケ督「ははは! まあ大船に乗ったつもりで」

    イケ督「どっしり構えていればいいんだよ」

    大淀「はあ……」

    大淀「…………」


    ―――――――――――


    南方海域 某戦線


         ザザザザザザ…

    雷「くっ……!」

    雷「しつこい!」




    107以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 18:59:11 ID:h6NDFXQo

         ドォンッ ドォンッ!

         ドガァンッ

    雷「はあっはあっ……」

    雷「何とかなったけど……もう弾薬が……」

    雷「このままじゃ……どうにもならない」

         ザザザザザザ…

    雷「はっ!?」

    雷「いけな――」

         ドォンッ ドォンッ!

         ドガァンッ

    雷「…………」

    雷「……あれ?」




    108以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:00:11 ID:h6NDFXQo

    川内「雷(いかづち)、大丈夫?」

    雷「えっ、川内!?」

    雷「どうして秘書艦のあなたがここに?」

    川内「説明すると長くなるから、かいつまんで言うよ」

    川内「新しく来た後任のブサイク提督の命令」

    雷「ブサイク提督?」

    川内「見た目キモイけど、今度のはマシそうよ」

    川内「拡大しすぎた戦線をある程度切り捨てる事になった」

    川内「雷はここから撤退して」

    川内「ここは放棄」

    雷「りょ、了解」




    109以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:01:09 ID:h6NDFXQo

    川内「ここの駐留部隊は燃料・弾薬、食料を優先して」

    川内「持てるだけ持って南方鎮守府へ帰って!」

    川内「じゃ、伝えたからね!」

         ザザザザザザ…

    雷「あっ、ちょっと!……もう」

    雷「…………」

    雷「ブサイク提督、ね……」

    雷「見た目キモイって……どんなよ」




    110以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:02:11 ID:h6NDFXQo


    ―――――――――――


    南方海域 某戦線2


    暁「ここは私達の戦隊が引き受けるわ」

    暁「あなた達は出来るだけ物資を持って」

    暁「南方鎮守府へ向かって」

    由良「了解」

    由良「でも……イケメン提督がそんな命令を?」

    暁「ううん、これは後任のブサイク司令官の命令よ」

    由良「ブサイク司令官……」

    暁「ちょっと……ううん、かなりお顔がアレな人だけど」

    暁「信頼できる人だと思うわ」

    由良「ふうん……」




    111以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:03:18 ID:h6NDFXQo


    ―――――――――――


    南方鎮守府 作戦室


    電「切り捨てた海域に駐留していた艦娘が」

    電「続々到着しています」

    ブサ督「よし」

    ブサ督「損傷軽微な艦娘を優先して入渠させてくれ」

    電「えっ」

    ブサ督「高速修復材が無い」

    ブサ督「あれ無しで大破・中破の艦娘を入渠させたら、時間が掛かりすぎる」

    ブサ督「中破・大破している艦娘は機関の修理だけに留めて待機」

    電「りょ、了解です」




    112以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:04:27 ID:h6NDFXQo

    ブサ督「物資の方はどうだ?」

    電「少々お待ちください」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「…………」

    電「……各部隊、それなりの物資を持って帰ってくれてますが」

    電「焼け石に水……というところなのです……」

    ブサ督「それでも御の字だ」

    ブサ督「無いよりずっといい」

    電「はあ……」

         ピピー ガガッ

    電「!」




    113以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:05:26 ID:h6NDFXQo

    電「…………」

    電「川内さんから入電なのです」

    川内『こちら川内』

    川内『命令された切り捨て海域をすべて回ったわ』

    川内『戦闘も多少行って損害は軽微。残弾は4割ってところよ』

    川内『これからの指示をちょうだい』

    ブサ督「ほう……早いな」

    ブサ督「川内の戦隊は北緯△□〇東経□△□の離島付近で待機」

    ブサ督「しばらくそこで駐留偵察しつつ4時間ごとに定時連絡してくれ」

    電「こちら作戦室」

    電「川内さんの戦隊は北緯△□〇東経□△□の離島付近で待機」

    電「繰り返します」




    152以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/03(木) 19:37:45 ID:VFDwcKBI

    電「川内さんの戦隊は北緯△□〇東経□△□の離島付近で待機」

    電「しばらくそこで駐留偵察しつつ4時間ごとに定時連絡せよ、との事です」

    川内『北緯△□〇東経□△□の離島……ああ、あれね』

    川内『川内、了解』

    川内『離島で待機、駐留偵察しつつ4時間ごとに定時連絡する』

    川内『川内、通信終了』

    電「作戦室、通信終了」

         ブッ…

    ブサ督「ふう……」

    ブサ督「一息つきたいところだな」

    電「暁からの連絡がまだなのです」

    ブサ督「分かってる。冗談だ」




    115以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:06:57 ID:h6NDFXQo

    電「上手く行ってるといいのですが……」

    ブサ督「大丈夫さ」

    電「……何か根拠が?」

    ブサ督「あればいいんだけど……単なる勘」

    電「はあ……」

         ピピー ガガッ

    電「!」

    電「こちら作戦室……暁からの入電なのです!」

    ブサ督「よし」

    暁『こちら暁』

    暁『命令された……』




    116以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:07:53 ID:h6NDFXQo


    ―――――――――――


    北方深海棲艦泊地水域付近


         ザザザザザザザザ…

    利根「なんじゃ」

    利根「せっかく張り切って来たのに他愛ないのう」

    金剛「まったくネー」

    金剛「一撃で沈むのばかりで退屈デース!」

    比叡「赤城さん、索敵に反応はありますか?」

    赤城「……今のところ感無しです」

    赤城「加賀さんの方は?」




    117以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:09:01 ID:h6NDFXQo

    加賀「…………」

    加賀「こちらも上空から見た限りでは敵影無しね」

    加賀「五航戦の方はどうかしら?」

    金剛「聞いてみるネー!」

    金剛「こちら第一戦隊旗艦・金剛」

    金剛「第二戦隊、応答するネー?」

         ピピー ガガッ

    長門『……こちら第二戦隊旗艦・長門』

    長門『どうした?』

    金剛「敵・泊地海域付近にて索敵するも敵影を確認できてないネー」

    金剛「第二戦隊の方はどうなってるか、教えて欲しいデース」

    長門『了解。 確認する』




    154以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/03(木) 19:39:35 ID:VFDwcKBI

    金剛「…………」

    長門『…………』

    長門『こちら第二戦隊旗艦・長門』

    長門『こちらの索敵でも敵影は確認できず』

    長門『繰り返す。 こちらの索敵でも敵影は確認できず』

    金剛「OK! 長門サーン、協力に感謝するネー!」

    金剛「では、これより第一戦隊は」

    金剛「予定通り、敵・泊地に突撃を慣行するネー!」

    長門『了解。 第二戦隊も予定通り突撃を慣行する』

    長門『お互い幸運を』

    金剛「通信アウト!」

         ブッ…




    119以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:10:36 ID:h6NDFXQo

    金剛「さぁーて、みなサーン?」

    金剛「用意はいいですカー?」

    利根「言われるまでも無いわ」

    筑摩「準備完了しています♪」

    比叡「いつでも行けます、金剛お姉さま!」

    赤城「慢心せずに行きましょう」

    加賀「発艦準備、完了」

    金剛「それじゃあ……レッツゴー!ネー!」




    120以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:11:32 ID:h6NDFXQo

         ザザザザザザザザ…

    金剛「見えた!」

    金剛「泊地棲姫ネー!」

    比叡「あれを片付ければ、我々の勝利です! 金剛お姉さま!」

    赤城「第一次攻撃隊発艦……」

    利根「待て!」

    加賀「?」

    加賀「どうしました?」

    利根「……筑摩、お主の方はどうじゃ?」

    筑摩「ええ、利根姉さん……私も気づきました」

    利根「金剛! 今すぐ反転して逃げるのじゃ!」

    金剛「ホワイ!?」




    121以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:12:25 ID:h6NDFXQo

    利根「我輩らは囲まれておる! それもざっと見て30隻!」

    利根「まだ増えつつある!」

    金剛「」

    利根「赤城、加賀!」

    利根「攻撃機はすべて今来た方向に使うのじゃ!!」

    利根「急がんと間に合わんぞ!!」

    赤城「金剛さん、いいですか?」

    金剛「……わ、分かったデース。 許可しマース!」

    金剛「全艦180度回頭! イケメン提督にも撤退を打診しておくネー!」

         ピピー ガガッ

    金剛「こちら第一戦隊!」




    122以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:13:35 ID:h6NDFXQo

    金剛「北方深海棲艦泊地海域に侵攻するも」

    金剛「こちらをはるかに上回る数の敵艦に包囲されんとせり!」

    金剛「第一戦隊は遺憾ながら撤退を……」

    金剛「あ!?」

    比叡「第二戦隊が……突っ込んで行く!?」

    利根「……そうか、あやつらの索敵能力では」

    利根「まだ気がついておらんのじゃ!」

         ピピー ガガッ

    金剛「第二戦隊! 私たちは凄い数の敵艦に囲まれて居るネー!!」

    金剛「今すぐ反転して、この海域から脱出してくだサーイ!!」




    123以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:14:27 ID:h6NDFXQo

    長門『……何!?』

    長門『くっ……第二戦隊! 反転180度!』

         ザザザザザザザザ…

    利根「ダメじゃ……あそこまで進入してしまっては……」

    金剛「今助けに……」

    筑摩「いけません! 金剛さん!」

    筑摩「私たちの位置でも逃げ切れるかどうか、厳しいんです!」

    筑摩「いま第二戦隊のところへ行くなんて……」

    筑摩「自殺行為です!!」

    金剛「……っ」

    比叡「金剛お姉さま……」

    金剛「…………」




    124以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:15:33 ID:h6NDFXQo

    金剛「……第一戦隊」

    金剛「進路……そのまま……」

    利根「…………」

    筑摩「……ありがとう、ございます」

    赤城(…………)

    赤城(……どうして……こんな事に……)

    加賀(五航戦……)

    金剛(…………)

    金剛(許して……)

    金剛(許してくだサーイ……)




    125以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:16:18 ID:h6NDFXQo

    北方鎮守府 作戦室


    大淀「大変です! イケメン提督!」

    大淀「やはり……あの泊地周辺に大規模な伏兵が潜んでいた模様です!」

    大淀「第一、第二戦隊、共に撤退を打診してきました……」

    イケ督「…………」

    イケ督「……撤退だと?」

    大淀「はい」

    大淀「総数は不明ですが……」

    大淀「すでに40隻以上の敵艦に囲まれていると」

    イケ督「そうか……それでは致し方ないな」




    126以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:16:58 ID:h6NDFXQo

    大淀「それも……第二戦隊は逃げ遅れた模様で」

    大淀「おそらく逃げ切れないだろうと……」

    イケ督「…………」

    イケ督「大淀」

    大淀「はい?」

    イケ督「しばらく席を外す」

    大淀「えっ!?」

    イケ督「心配するな」

    イケ督「すぐ戻る」

    大淀「は、はあ……」

         ガチャ キィ パタン

    大淀「…………」




    127以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:17:47 ID:h6NDFXQo

         ザザザザザザザザ…

    天龍「……結局遠征かよ」

    天龍「はあ……」

    天龍「…………」

    天龍「金剛たちは今頃……ど派手に暴れてんだろーなぁ」

    天龍「はあ……」

         ピピー ガガッ

    天龍「ん? 通信?」

    天龍「珍しいな……」

    天龍「ほい。 こちら遠征艦隊・旗艦天龍」

    イケ督『やあ、天龍』

    イケ督『遠征の調子はどうかな?』




    128以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:18:48 ID:h6NDFXQo

    天龍「調子も何も……今朝出たばかりだから」

    天龍「まだ何にも成果は無いぜ」

    イケ督『ははは、そうだった。 すまない』

    天龍「で? そんなくだらない話の為に通信したのか?」

    イケ督『実はね』

    イケ督『現在、金剛たちが攻略中の泊地なんだが』

    イケ督『少しばかり敵の数が多くて少々苦戦してるんだ』

    天龍『何!? 金剛たちは大丈夫なのか!?』

    イケ督『ああ、そこは問題ないよ』

    イケ督『でもさ、天龍を実戦に使うって言っておきながら』

    イケ督『遠征に回してしまった罪滅ぼしをしたくてね』




    129以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:20:00 ID:h6NDFXQo

    天龍「!」

    天龍「という事は……これからその泊地へ向かえって事なのか?」

    イケ督『うん』

    イケ督『どうだろう? やってくれるかい?』

    天龍「う〜ん……けど今引き連れてるのは」

    天龍「まだ練度の低い駆逐級ばかりだしなぁ……」

    天龍「危なくないのか?」

    イケ督『それは大丈夫だと思う』

    イケ督『まあ天龍が行くまでに片がついてるかもしれないけどね』

    天龍「…………」




    130以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:20:55 ID:h6NDFXQo

    天龍「……よし」

    天龍「そういう事なら引き受けよう」

    イケ督『ありがとう。 助かるよ』

    イケ督『では、天龍の現在位置を教えてくれ』

    天龍「おう」

    天龍「ええと……北緯○○○東経△△△の位置だ」

    イケ督『了解……その位置からだと』

    イケ督『…………』

    イケ督『おお、ちょうど真北に進めばいいね』

    天龍「そうか。 そいつは分かりやすくて助かるな」

    イケ督『じゃ、すまないけど頼んだよ』

    イケ督『帰ったら、金剛たちと一緒に祝杯を上げよう』

    天龍「おう! 楽しみにしてるぜ!」

         ブッ…




    131以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:21:44 ID:h6NDFXQo


    ―――――――――――


         ドォンッ! ドォンッ!

    金剛「くっ……3時にまた増援!」

    金剛「ファイヤー!!」

         ドォンッ! ドォンッ!

    利根「次から次へと……! 7時からも来ておるぞ!」

    比叡「弾幕を張ります!」

    筑摩「対空戦闘、用意!」

         ダダダダダダダ!

    赤城「戦闘機の準備はまだ!?」

    加賀「この状況では……準備できても発艦が……!」




    132以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:22:56 ID:h6NDFXQo


    ―――――――――――


         ドォンッ! ドォンッ!

         ドガァンッ!

    翔鶴「きゃあああああああっ!」

    瑞鶴「翔鶴姉!?」

    瑞鶴「翔鶴姉ぇぇっ!!」

    長門「くそぉっ!」

         ドォンッ! ドォンッ!

    陸奥「はあっはあっ……!」

    鈴谷「!」

    鈴谷「2時! 急降下してくる!」




    133以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:23:36 ID:h6NDFXQo

    熊野「対空……」

    鈴谷「だめ! 避けて!」

         ドガッ! ズガァン!

         ズガァアアンッ!!

    長門「ぎっ……ああああああっ!!」

    陸奥「長門!?」

    長門「がはっ………うっ…」 ビチャビチャ…

    陸奥「長門、しっかりして!」

    長門「……陸奥……旗艦を……委譲する」

         ゴプ…

    長門「ここからの……指揮を……」

         ゴプ… ゴププ…

    陸奥「長門……長門ぉぉぉぉぉぉっ!!」




    134以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:24:22 ID:h6NDFXQo


         …………


         戦いの中で……沈むのだ……

         あの光ではなく……


         本望……だな………


         …………

         ………

         ……

         …




    135以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:25:03 ID:h6NDFXQo

    陸奥「うううっ……!」

    陸奥「ウアアアアアアッ!!」

         ドォンッ! ドォンッ!

    瑞鶴「翔鶴姉っ! ほら、しっかり捕まって!」

    翔鶴「いいのよ……瑞鶴……もう……」

         ゴプ…

    翔鶴「……あなたは……生き延び……て……」

         ゴプ… ゴププ…

    瑞鶴「翔鶴姉っ!? 翔鶴姉っ!!」

    瑞鶴「いやああああああああああああっ!!」




    136以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:25:47 ID:h6NDFXQo


         …………



         ああ……私……

         また、逝くのね……

         …………

         矢矧さん……秋月さん……

         後は……お願い……


         …………

         ………

         ……

         …




    137以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:26:45 ID:h6NDFXQo

    鈴谷「はあっ……はあっ……」

    鈴谷「長門と翔鶴が……沈んだみたいね……」

    熊野「まあ……わたくし達も……」

    熊野「時間の問題、という感じでしょうけど……」

    鈴谷「気の滅入ること言わないでよ」

    熊野「ふふ……わたくし達の運もこれまでと、諦めま……」

    熊野「……ん?」

    陸奥「はあっはあっ……」

    陸奥「……?」

    陸奥「…………」

    陸奥「攻撃が……やんだ……?」




    138以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:27:45 ID:h6NDFXQo

    金剛「どういうこと……!?」

    利根「分からん……分からんが」

    利根「奴ら、一目散に泊地へと撤退しとるぞ!」

    利根「こちらも急いで引き上げるのじゃ!」

    筑摩「ええ、利根姉さん!」

         ピピー ガガッ

    金剛「!」

    金剛「こちら第一戦隊旗艦・金剛!」

    陸奥『繋がっ【ガガガッ】……こ【ピピー】は……』

    陸奥『第二戦隊臨【ガガッ】艦・陸【ピー】損傷激し【ガガッ】救助を要【ピピー】る』

    金剛「良かった! 第二戦隊も生きてたネー!」

    金剛「でも音声が悪いネー……救助要請しているみたいデース」

    金剛「利根サーン、位置は分かりますカー?」




    139以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:28:46 ID:h6NDFXQo

    利根「すまぬ、金剛。 我輩の電探、損傷しておってな……」

    利根「筑摩、そっちはどうじゃ?」

    筑摩「はい、利根姉さん」

    筑摩「大丈夫です。 第二戦隊の識別信号をキャッチしました」

    利根「そうか! あの攻撃で、みなが無事なら……」

    筑摩「それが……利根姉さん」

    筑摩「識別信号……4人しか確認できません……」

    利根「…………」

    利根「……そうか」

    赤城「…………」

    加賀「…………」

    比叡「…………」




    140以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:29:27 ID:h6NDFXQo


    ―――――――――――


    北方深海棲艦泊地水域


         ザザザザザザザザ…

    天龍「……やけに静かだなぁ」

    天龍「もう戦闘は終わっちまったのか……?」

    天龍「…………」

    天龍「お」

    天龍「ありゃあ軽巡級のホ級じゃねーか!」

    天龍「いただきだぜ!」

    文月「天龍!」

    天龍「ん?」




    141以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:30:12 ID:h6NDFXQo

    文月「3時から……ル級が来てる!」

    天龍「な!? 戦艦級だと!?」

    文月「それも3隻!」

    天龍「」

    天龍「じょ、冗談じゃねぇ!」

    天龍「そんなの相手に勝てるか!」

    天龍「撤退するぞ!」

    天龍「180度回頭! 機関最大!」

    文月「りょ、了解!」

         ピピー ガガッ

    天龍「おい! イケメン提督!」

    天龍「これはどういう事だ!?」




    142以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:31:25 ID:h6NDFXQo

         ガガガー ピー

    天龍「クソッ!」

    望月「!」

    望月「6時から敵機!」

    望月「多すぎて数えられない! 何機いるのっ!?」

    天龍「とにかく飛ばせ!」

    天龍「回避しながら南西に進路を取るんだ!」

         ヒュウウウウウウウ……

         ドォンッ ドォンッ!

    文月「きゃあああああっ!」

    天龍「文月!?」

    天龍「……くそがあああああああああああああああっ!!」




    143以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:32:20 ID:h6NDFXQo


    ―――――――――――


    数時間後

    北方鎮守府 軍港


    イケ督「よく戻ってくれた、みんな」

    金剛「イケメンテイトク……」

    金剛「期待に答えられず、すみまセーン……」

    イケ督「何を言うんだ、金剛」

    イケ督「今回は私の失態だ」

    イケ督「今は何も考えず、ゆっくり休んでくれ」

    金剛「イケメンテイトク……///」

    イケ督「他のみんなも無事でよかった」

    イケ督「どうか、ゆっくり休んでくれ」

    比叡「はい……イケメン提督///」




    144以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:33:02 ID:h6NDFXQo

    陸奥「…………」

    イケ督「おお、陸奥」

    イケ督「よく帰って来てくれた」

    イケ督「長門と翔鶴は……残念だったが」

    陸奥「……いえ」

    イケ督「今はゆっくり休んでくれ」

    陸奥「……そうさせてもらいます」

    陸奥「イケメン提督」 ギロッ

    大淀「!?」 ゾクッ

    大淀「…………」




    145以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/02(水) 19:33:52 ID:h6NDFXQo

    大淀(今……陸奥さん)

    大淀(イケメン提督の事を……睨んだ?)

    大淀(…………)

    大淀(ううん、気のせい)

    大淀(きっと気のせいよね)

    大淀(きっと……)

    大淀(…………)




    150以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/03(木) 13:19:42 ID:UyDtfpRc

    既にプロパガンダにされてるから
    何かしら理由作らないと切り捨てられないんだろうな…




    162以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 18:52:53 ID:1FY1/Z.A


    ―――――――――――


    南方鎮守府 作戦室


         ムシャ ムシャ

    ブサ督「ふう……」

    伊良湖「これをどうぞ。 麦茶です」

    ブサ督「ありがとう、伊良湖」

         ゴク ゴク ゴク…

    ブサ督「ぷはっ……ふう」

    ブサ督「あ、麦茶はお代わりを頼む」

    伊良湖「はい」

         コポコポコポ…

    伊良湖「でも……食料を放出して良かったんですか?」




    163以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 18:54:04 ID:1FY1/Z.A

    ブサ督「腹が減っては戦は出来ぬ」

    ブサ督「どの道、大本営が約束した補給が間に合わなかったら」

    ブサ督「お手上げなんだから構わんさ」

    ブサ督「精神力も腹が満たされてこそ発揮できるもんだよ」

    伊良湖「はあ……」

    ブサ督「伊良湖も不安だろうけど食っとけ」

    ブサ督「出来たら、おにぎり以外のメニューを振舞って欲しい」

    伊良湖「ははは……努力します」

    ブサ督「気楽にやってくれたらいいさ」




    164以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 18:55:12 ID:1FY1/Z.A

    ブサ督「さて……仕事に戻るかな」

    伊良湖「それでは、失礼しますね」

    ブサ督「おう」

         キィ… パタン

    ブサ督「電、川内と暁からの連絡は?」

    電「今のところ、定時連絡ばかりなのです」

    ブサ督「ふむ……」




    165以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 18:56:18 ID:1FY1/Z.A

    ブサ督(…………)

    ブサ督(こちらの損耗率は約6割強)

    ブサ督(イケメン提督はどれだけ敵を損耗させてくれたんだろう……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(俺が敵の司令官なら……)

    ブサ督(とっくの昔に撤退の様子からしておかしい事に気がつく)

    ブサ督(今までの指揮官とは、まったく異質なものを感じるだろう)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(それを敵の罠と見て、侵攻速度を緩めるか)

    ブサ督(反対に好機と見て、早めるか……)

    ブサ督(そろそろ答えが出るはず)

    ブサ督(…………)




    166以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 18:57:38 ID:1FY1/Z.A

         ピピー ガガッ

    ブサ督「!」

    電「!」

    電「こちら作戦室。 どうぞなのです」

    川内『こちら川内』

    川内『敵艦隊を補足』

    川内『艦種……イ級3……ホ級1……』

    川内『ポイント○○○から真北に向かって侵攻中』

    川内『指示されたし』

    ブサ督「……真北?」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「よし、川内の戦隊はもうしばらく待機」




    167以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 18:59:19 ID:1FY1/Z.A

    電「……こちら作戦室」

    電「川内さんの戦隊は、もうしばらくその場で待機しててください」

    川内『了解』

         ブッ…

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……おいおい」

    ブサ督「まさか……これって」

         ピピー ガガッ

    ブサ督「!」

    電「!」

    電「こちら作戦室。 どうぞ」

    暁『こちら暁』

    暁『敵艦隊を補足』




    168以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:00:22 ID:1FY1/Z.A

    暁『艦種……イ級4……ホ級1……』

    暁『ポイント△△△から……東に向かって侵攻中みたいよ』

    暁『これからどうしたらいいか、指示をちょうだい』

    ブサ督「東……クソッ」

    電「司令官さん……?」

    ブサ督「…………」

    電「…………」

    ブサ督「……よし」

    ブサ督「暁の戦隊もその場で待機」

    電「はい」




    169以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:03:17 ID:1FY1/Z.A

    電「こちら作戦室。 暁の戦隊はその場で待機してください」

    暁『暁、了解』

         ブッ…

    電「…………」

    電「それで、どうされますか? ブサイク司令官さん」

    ブサ督「……まいった」

    ブサ督「こりゃ相手は相当の手練れだ……」

    電「え……」

    ブサ督「電、川内に連絡」

    電「は、はい……」




    170以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:04:20 ID:1FY1/Z.A

         ピピー ガガッ

    川内『こちら川内』

    ブサ督「ブサイク提督だ」

    ブサ督「川内、おそらくもうすぐ」

    ブサ督「敵の主力部隊がそこを通る」

    川内『!』

    ブサ督「だがまともに戦うな」

    ブサ督「最適と思える瞬間に魚雷攻撃を一斉射お見舞いしてやれ」

    ブサ督「戦果確認はしなくて良い。 その後はすぐに鎮守府へ帰還しろ」

    ブサ督「いいな? 繰り返すぞ」

    ブサ督「主力部隊が現れたら、魚雷を一発お見舞いしてすぐ帰って来い」

    ブサ督「分かったか?」

    川内『川内、了解』

    川内『必ず帰るよ』




    171以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:06:14 ID:1FY1/Z.A

         ブッ…

    ブサ督「よし、次は暁だ」

    電「了解です」

         ピピー ガガッ

    暁『こちら暁』

    ブサ督「ブサイク提督だ」

    ブサ督「暁、食料は手元にどれだけある?」

    暁『え……1日分』

    暁『切り詰めれば2日ってところね』

    ブサ督「……ふむ」

    ブサ督「暁、少し酷なことを言うが」

    ブサ督「何とか3日、そこで待機して欲しい」




    172以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:07:16 ID:1FY1/Z.A

    暁『3日……』

    ブサ督「もちろん敵が通りかかっても手を出してはいけない」

    ブサ督「息を潜めて、敵の同行だけを知らせて、その場に3日待機して欲しい」

    ブサ督「出来るか?」

    暁『……何だか分からないけど3日ね?』

    暁『了解したわ』

    ブサ督「すまないな……もちろん定時連絡は頼む」

    暁『レディに任せときなさい』

    暁『じゃ……』

         ブッ…

    ブサ督「ふう……」




    173以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:09:50 ID:1FY1/Z.A

    電「あの……ブサイク司令官さん」

    ブサ督「なんだ?」

    電「手練れって……どういう事なのですか?」

    ブサ督「それじゃあ……また逆に聞いてしまうが」

    ブサ督「電は川内たちが報告してきた敵艦隊は何だと思う?」

    電「……電は艦隊構成から斥候か先遣隊かと思いました」

    ブサ督「ああ、その通りだ」

    ブサ督「俺もそう思う」

    電「はあ……」

    ブサ督「ではもう一つ」

    ブサ督「敵はなぜ二つの侵攻ルートを進んでいる?」

    電「え……」

    電「えと……」




    174以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:10:52 ID:1FY1/Z.A

    電「……海図を見る限り、南方鎮守府を包囲殲滅するため」

    電「なのでしょうか?」

    ブサ督「そうだな」

    ブサ督「俺もそう思ってしまう」

    電「……あの」

    電「何が言いたいのでしょうか?」

    ブサ督「川内に言ったんだけどな」

    ブサ督「今の南方鎮守府において、一番やられると困るのは」

    ブサ督「大艦隊で猪突猛進して来られる事だ」

    電「……そうですね」




    175以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:11:46 ID:1FY1/Z.A

    ブサ督「だが、敵はそうせず、わざわざ艦隊を2つに分けた」

    ブサ督「何故だと思う?」

    電「う〜ん……」

    電「…………」

    電「……電には分かりません」

    ブサ督「考えられる理由は3つ」

    ブサ督「1、大艦隊を組めるほどの戦力が無い」

    ブサ督「2、1を装ってワザと艦隊を分割させ、こちらを引っ張り出そうとしている」

    ブサ督「3、敵を警戒して分割し損耗率を上げないようにしている」

    電「!」

    電「…………」

    電「……ブサイク司令官さんは、どれだとお思いなのですか?」




    176以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:13:14 ID:1FY1/Z.A

    ブサ督「願望込みで1と3だと思ってる」

    電「願望込みなのですか……」

    ブサ督「まあ理由もちゃんとある」

    ブサ督「俺は南方海域の戦線を広げすぎていると判断して」

    ブサ督「かなりの部分を切り捨てた」

    電「…………」

    ブサ督「だが、これは敵から見るとどうだろう?」

    ブサ督「敵は去ったが、どこかに伏兵が残っているかもしれない」

    ブサ督「そう思ったら、ある程度の戦力は分散して配置しないといけなくなる」

    電「…………」

    電「あ……」




    177以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:14:20 ID:1FY1/Z.A

    ブサ督「それに」

    ブサ督「イケメン提督の戦い方を推奨はしないが」

    ブサ督「彼が与えたダメージもそれなりにあっただろう」

    ブサ督「その辺りを考慮すると……」

    電「敵は引いた……」

    電「もしかするとチャンスかもしれない」

    電「でも、侵攻に回せる戦力は……」

    ブサ督「そう」

    ブサ督「俺もそういう結論に達した」

    電「はわわ……たったあれだけの情報で」

    電「そこまで判断していたなんて……ですが」

    電「それでも最初の手練れという意味が電には分かりません」




    178以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:16:52 ID:1FY1/Z.A

    ブサ督「……これは決して川内や暁を馬鹿にするわけじゃないんだが」

    ブサ督「なぜ、川内たちは敵を発見できたと思う?」

    電「……それはブサイク司令官さんが」

    電「ある程度の侵攻ルートを予測していたからなのでは?」

    ブサ督「お褒めに預かり光栄だが」

    ブサ督「俺は別の可能性を考えた」

    電「というと?」

    ブサ督「確かに俺は侵攻ルートを推測したが」

    ブサ督「それは敵からも当然考えて当たり前のこと」

    ブサ督「俺が敵の立場なら、本気でそのルートを通る場合」

    ブサ督「もっと穏便に、静かに、目立たないように探ろうとする」

    電「……え?」




    179以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:19:37 ID:1FY1/Z.A

    ブサ督「これが利根や筑摩だったら……」

    ブサ督「いや、もっと索敵能力の高い艦娘だったなら疑わなかったんだろうが」

    ブサ督「川内たちが艦種まで正確に伝えてきた事が」

    ブサ督「逆に引っ掛かった」

    電「…………」

    ブサ督「敵は俺の推測ルートに乗っかり」

    ブサ督「ワザと発見され、どう出てくるか様子を見ているんだと思う」

    電「…………」

    電「ええ!? で、でも」

    電「し、深海棲艦がそこまで考えるでしょうか!?」

    ブサ督「違っていると良かったんだけどな……」

    ブサ督「北方鎮守府で指揮官やってて何となくだが」

    ブサ督「段々手ごわくなって来ているのを肌で感じたんだよ」




    180以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:20:40 ID:1FY1/Z.A

    電「…………」

    ブサ督「敵はこちらの指揮官がどういう人物か」

    ブサ督「前と代わらない無能か、手ごわい相手なのか」

    ブサ督「今回の侵攻で見極めようと出方を伺っていると思う」

    電「では……ブサイク司令官さんは」

    電「川内さんに与えた指示で、どう思われたいと思っているので?」

    ブサ督「戦力が整っていれば無能のフリするんだが……」

    ブサ督「あえてどっちつかずにした」

    電「というと……?」

    ブサ督「俺が敵の指揮官なら……」




    181以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:24:27 ID:1FY1/Z.A

    ブサ督「最初の斥候に攻撃を仕掛けたら無能」

    ブサ督「後から通る主力艦に攻撃したらまあまあ有能」

    ブサ督「あえて全部無視したら、侵攻先に罠を貼っていると予測できるので有能」

    ブサ督「と、思うな」

    電「でもブサイク司令官さんの対応は」

    電「川内さんの戦隊のみの魚雷攻撃だけ……」

    ブサ督「さて、敵さんはどう判断するかな?」

    電「……後から来る主力艦隊に攻撃しているから」

    電「無能ではないけど、片方しか攻撃してない……それも一斉射のみ」

    電「侵攻ルートを予測できてなかったのか、あえてそうしたのか……」

    電「それとも偶然だったのか……」

    電「はわわ……頭がこんがらがってしまいますっ」

    ブサ督「ははは……」

    ブサ督(…………)




    182以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:26:19 ID:1FY1/Z.A

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……だが、もう一つ)

    ブサ督(こちらが探りを入れてきた、と思う可能性もある)

    ブサ督(そうだとしたら、どう判断するか……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(苦し紛れの苦肉の策と判断し、攻撃してくるか)

    ブサ督(それとも自軍の戦力が整うまで待つか……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(今の状況では後者を望むが)

    ブサ督(それはそれで厄介な話ではあるな……はあ)




    183以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:27:51 ID:1FY1/Z.A


    ―――――――――――


    西方鎮守府 執務室


         バサッ…(新聞広げ)

    フツ督「…………」

    フツ督「……ん?」

    フツ督(イケメン提督休養後、北方鎮守府へ……)

    フツ督(北方海域平定へ意欲……ね)

    フツ督(もっと大人しくしてりゃいいのに……)

    フツ督(…………)

    フツ督(…………)

    フツ督(……ちょっと待て。 という事は……あいつは……?)




    184以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:28:55 ID:1FY1/Z.A

    フツ督「龍田」

    龍田「はぁい。何かしらぁ?」

    フツ督「大至急、南方海域への偵察部隊を編成してくれ」

    龍田「南方海域ぃ?」

    龍田「イケメン提督がボロボロにしたままでしょ?」

    フツ督「おそらく状況が変わっているはず」

    フツ督「あいつなら……あいつの立場なら」

    フツ督「何かしら手を打って戦況を変えているはずだ」

    龍田「……ふうん」

    龍田「誰だか知らないけれど」

    龍田「ずいぶん信頼してる様で、ちょっと妬けるわぁ」




    185以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:29:55 ID:1FY1/Z.A

    フツ督「とにかく情報が欲しい」

    フツ督「急いでくれ」

    龍田「りょうかぁ〜い」

         スタ スタ スタ…

         キィ… パタン

    フツ督「…………」

    フツ督「よし」

    フツ督「必要になるかもしれない」

    フツ督「出撃準備もしておこう」




    186以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:30:58 ID:1FY1/Z.A


    ―――――――――――


    翌日の昼ごろ

    北方鎮守府 執務室


         ジリリリリンッ ジリリリリンッ

    イケ督「む、電話か」

         ガチャ

    イケ督「こちら北方鎮守府……ああ」

    イケ督「これはこれは……少々お待ちください」

    イケ督「大淀」

    大淀「はい?」

    イケ督「すまないが席を外してくれ」

    大淀「え……あ、はい」

    大淀「分かりました」




    187以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:32:07 ID:1FY1/Z.A

         ガタタ…

         ガチャ キィ パタン

    イケ督「…………」

    イケ督「お待たせしました、大将閣下」

    イケ督「それで、何のご用でしょう?」

    大将『何の、ではない! 貴様……』

    大将『なぜ勝手に南方鎮守府の主力艦娘を連れて行った!?』

    大将『それに物資もだ!』

    大将『おかげで南方鎮守府そのものが危機に晒されておるのだぞ!?』

    イケ督「ああ、その事ですか」

    大将『その事だと……貴様』




    188以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:34:16 ID:1FY1/Z.A

    イケ督「まあまあ落ち着いてください」

    イケ督「黙ってそうした事は謝ります」

    大将『謝って済む問題ではないわ!』

    イケ督「ですから落ち着いてください」

    イケ督「いったい何故そんなに怒っておられるので?」

    イケ督「勝手に戦力を持って行ったのは、北方海域を平定する為ですよ?」

    大将『な……』

    イケ督「兵力は集中運用するのが最も効率的ですからね」

    イケ督「確かに南方鎮守府は敵に奪取されるかもしれませんが」

    イケ督「そんなもの北方海域を制圧した後」

    イケ督「また取り返せばいいだけです」

    大将『』




    189以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:35:17 ID:NzTcPBjw
    馬鹿だコイツ




    190以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:35:36 ID:1FY1/Z.A

    大将『き、きき、貴様……!』

    イケ督「はい?」

    大将『本気で……本気でそう思っているのか……!?』

    イケ督「はい。 いたって本気ですが?」

    大将『…………』

    大将『……もうよい』

    大将『貴様の無能振りにはもう愛想が尽きた』

    イケ督「…………」

    大将『少々世間受けが良いから使ってやったのに増長しおって……!』

    大将『もう我慢ならん。 貴様の艦隊司令官としての任を解く!』

    イケ督「……ほう」




    191以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:36:33 ID:1FY1/Z.A

    大将『正式な辞令は数日後、書簡にて通知する』

    大将『覚悟しておけ……!』

         ブッ…

    イケ督「…………」

    イケ督「やれやれ……」

    イケ督「覚悟しておけ、か」

    イケ督「…………」

    イケ督「くくく……」

    イケ督「はっはっはっ!」

    イケ督「ふふふ……」

    イケ督「…………」

    イケ督「それは……あんたの方だ、大将閣下!」




    193以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:54:17 ID:QB9mTc1U
    乙乙


    あれ、天龍達は・・・?




    194以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/05(土) 19:56:05 ID:lwomTUtg

    ブサ提文章だけ見るとイケメンですね




    195以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/06(日) 01:22:00 ID:RpkCA0S2
    乙ん
    ここの天龍と龍田は特に繋がりは無いんだろうか……それとも……




    197以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:38:20 ID:w3PJMt.c

    ―――――――――――

     文月は…こんなとこじゃ…
      終わらないんだ… から……


         ドォンッ! ドォンッ!


        あ、あれ……なんだろう。
         海が……暗いよ? なにも見えない……
          どうして……

    少しは…役に…
    立てたのか…にゃ…


         ガガガガガガガッ!


        ブサイク司令官、本当はね…
         楽し…かった…よ…

     桜の丘で……
     会おう……




    198以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:39:51 ID:w3PJMt.c

    天龍「うああああっ!!」

    天龍「はあっ、はあっ……」

    天龍「はあっ……」

    天龍「…………」

    天龍「…………」

    天龍「……くそっ」

    天龍「…………」

    天龍「……何で……俺は……」

    天龍「生きてんだよ……」

    天龍「…………」

    天龍「…………」




    199以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:40:50 ID:w3PJMt.c

    天龍「文月……皐月……」

    天龍「睦月……望月……菊月……」

    天龍「…………」

    天龍「敵(かたき)は……」

    天龍「必ず取ってやるからな……!」

    天龍「あの……クソ野郎……」

    天龍「絶対に……」

    天龍「絶対に……!」

    天龍「絶ッッ対に!」

    天龍「許……さねぇ……!」

    天龍「必ず……この俺の手で……」




    200以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:41:43 ID:w3PJMt.c










         ブ   チ   コ   ロ   ス  !!









    .




    201以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:42:32 ID:w3PJMt.c


    ―――――――――――


    北方鎮守府 執務室


    大淀「…………」

    大淀「あの、イケメン提督」

    イケ督「ん?」

    イケ督「何かな、大淀?」

    大淀「遠征に向かった天龍さんの部隊ですが」

    大淀「帰投予定日を2日も超えています」

    イケ督「……心配なところだな」

    大淀「はい」

    大淀「こんな事は初めてなので……ご指示をお願いします」

    イケ督「…………」




    202以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:44:30 ID:w3PJMt.c

    イケ督「ふむ」

    イケ督「ならば捜索隊を出すか?」

    大淀「そ、そうですね」

    大淀「それが良いかと思います」

    イケ督「じゃあ、その件は大淀に一任しよう」

    大淀「……えっ?」

    大淀「私に……ですか?」

    イケ督「何か問題か?」

    大淀「いえ……そうではありませんが」

    イケ督「うん。大淀なら安心して任せられる」

    イケ督「頼んだよ」

    大淀「は、はい」




    203以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:45:38 ID:w3PJMt.c

    大淀「それでは、さっそく利根さんと筑摩さんに連絡を……」

    イケ督「待て」

    イケ督「その二人は主戦力だ。捜索隊には使うな」

    大淀「えっ」

    大淀「し、しかし、彼女たち二人は最上の索敵能力を持っています」

    大淀「捜索にこれ以上の適任は居ないかと……」

    イケ督「何を言うんだ、大淀」

    イケ督「だからこそ主力から外せない」

    大淀「で、ですが!」

    イケ督「彼女達ほどでないにしろ、索敵に長けた艦娘は他にも居るだろう?」

    大淀「そ、それは……そうですが」

    イケ督「なら問題は無い。そうだな?」




    204以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:46:44 ID:w3PJMt.c

    大淀「せ、せめて、どちらか一人だけでも……」

    イケ督「大淀」

    大淀「…………」

    イケ督「私だってね、こんな事は言いたくないんだ」

    イケ督「だが、戦況は常に絶えず変化している」

    イケ督「そんな中、利根と筑摩がどれだけ重要な役割を担っているか」

    イケ督「賢い大淀なら……分かるだろう?」

    大淀「……はい」

    イケ督「なら……心苦しいが」

    イケ督「そういった事も考慮して、行動して欲しい」

    大淀「…………」

    大淀「分かり……ました」




    205以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:49:04 ID:w3PJMt.c

    イケ督「うん」

    イケ督「大淀は理解があって助かるよ」

    イケ督「では、改めて捜索の件は君に一任する」

    大淀「…………」

    大淀「了解です」

    大淀「それでは……すぐ捜索隊を編成して出航させて来ます」

    イケ督「ああ、ごゆっくり」

         ガチャ キィ パタン

    イケ督「…………」

    イケ督「よし、次の攻撃目標はここにしよう」

    イケ督「今度こそ金剛達には頑張ってもらわないとな」

    イケ督「損傷は高速修復材を使って直せばいいし、どんどん攻めて行こう」




    206以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:50:15 ID:w3PJMt.c


    ―――――――――――


    北方鎮守府 廊下付近


         テク テク テク…

    大淀「…………」

    大淀(……ブサイク提督だったら)

    大淀(どうするかな……?)

    大淀(…………)

    大淀(…………)

    大淀(利根さんと筑摩さん……捜索に加えてくれたかな……?)




    207以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:51:03 ID:w3PJMt.c

    大淀(…………)

    大淀(…………)

    大淀「……ううん」

    大淀「居ない人の事なんて考えてる場合じゃない」

    大淀「イケメン提督の言ってる事は正しい……」

    大淀「きっと……正しい」

    大淀「…………」

    大淀「早く捜索隊を編成して、天龍さん達を探さないと!」

         タッ タッ タッ…




    208以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:52:22 ID:w3PJMt.c


    ―――――――――――


    南方鎮守府 作戦室


    川内『こちら川内』

    電「はい、こちら作戦室」

    川内『ちょうど10分、約30m、北西へ流された』

    ブサ督「…………」 カキカキ…

    ブサ督「……よし」

    ブサ督「こんなものでいいだろう」

    ブサ督「川内、ご苦労だった。これくらいでいい」

    電「川内さん、ご苦労様です」

    電「これくらいで良いそうです」




    209以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:54:03 ID:w3PJMt.c

    川内『了解……ふう』

    川内『それでこの後は?任務終了なら鎮守府へ帰投かい?』

    ブサ督「電、代わってくれ」

    電「はい」

    ブサ督「川内、ご苦労だが近くの離島……そうだな」

    ブサ督「その位置からだと真東にある島で停泊、待機しててくれ」

    川内『待機か……艦娘使いが荒いね』

    ブサ督「すまんな」

    川内『別にいいけど……でもこんな海流調査に何の意味があるのさ?』

    ブサ督「ようやく戦う準備ができた」

    ブサ督「そう思っててくれ」




    210以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:55:03 ID:w3PJMt.c

    川内『戦う準備ね……了解』

    川内『川内戦隊、ポイント〇〇△△の離島で待機する』

    ブサ督「定時連絡は忘れるなよ」

    川内『分かってる。通信終了』

    ブサ督「通信終了」

         ブッ

    ブサ督「ふう……」

    電「お疲れ様です、ブサイク司令官さん」

    ブサ督「ああ……出来れば休みたいところだが」

    ブサ督「もう少しデータをまとめないといけなくてな……」

    電「そ、そうなのですか……」

    ブサ督「あー……甘いものが食いたい」

    電「あればお渡しするのですが……」




    211以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:56:04 ID:w3PJMt.c

    ブサ督「無いものねだりだ。気にしないでくれ」

    電「…………」

    ブサ督(……あれから3日)

    ブサ督(そろそろ敵に何らかの動きがあるはず)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……大本営からの補給は間に合うだろうか)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……データのまとめをするか)

         ピピー ガガッ

    電「!」




    212以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:57:11 ID:w3PJMt.c

         ガチャ

    電「こちら作戦室」

    暁『こちら暁……!』

    暁『大変よ、電! ブサイク司令官に繋いで!』

    ブサ督「ブサイク提督だ」

    ブサ督「どうした?」

    暁『40隻くらいの深海棲艦が、この前と似たルートで東進してるわ……!』

    ブサ督「……!?」

    ブサ督「40隻……本当か?」

    暁『ええ』

    ブサ督(……どういう事だ?)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(いや、理由を考えてる場合じゃないな)




    213以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:58:16 ID:w3PJMt.c

    ブサ督「よし、暁」

    ブサ督「その40隻の艦隊が過ぎ去った後」

    ブサ督「西方方面艦隊鎮守府へ向かってくれ」

    暁『……え!?』

    ブサ督「そして鎮守府の司令官に南方海域で」

    ブサ督「実弾演習を要請してもらいたい」

    暁『実だ……へ? 演習!?』

    ブサ督「そう言えば向こうは分かってくれる」

    ブサ督「暁、ご苦労だった」

    ブサ督「西方鎮守府に付いたら休養してくれ」

    暁『待ちなさいよ、ブサイク司令官!』

    暁『40隻なのよ!?40隻!!』

    暁『南方鎮守府はどうなるの!?』




    214以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 19:59:24 ID:w3PJMt.c

    ブサ督「何とかなるさ」

    暁『でも……40隻もの深海棲艦が相手なのよ!?』

    暁『ひとたまりもないんじゃないの!?』

    ブサ督「おちつけ、暁」

    暁『!』

    ブサ督「まあ……来たばかりの司令官だから信用ないのはしょうがないが」

    ブサ督「暁に与えた任務は、かなり重要なんだ」

    暁『……演習要請が?』

    ブサ督「そうとも」

    ブサ督「それも出来るだけ早くしてくれると助かる」

    暁『…………』




    215以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 20:00:54 ID:w3PJMt.c

    暁『……分かったわ』

    暁『ええと……南方海域で実弾演習を要請すればいいのね?』

    ブサ督「ああ。あってるぞ」

    暁『了解……ブサイク司令官』

    暁『ヤバくなったら逃げるのよ?』

    ブサ督「もちろん」

    暁『暁、通信終了』

         ブッ…

    電「…………」

    電「あの……本当に何とかなるのですか?」

    ブサ督「無理だな」

    電「えっ……」




    216以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 20:02:21 ID:w3PJMt.c

    ブサ督「前にも言ったが」

    ブサ督「恐れてた通り、大軍が猪突猛進して来たわけだから」

    ブサ督「勝ち目なんてあるわけ無い」

    電「…………」

    電「……その割に何故かブサイク司令官さんには」

    電「余裕がある様に電には見えるのですが……」

    ブサ督「……ま、これで大まかな方針が決まったからな」

    ブサ督「後は……運しだいの部分はあるが、希望もある」

    ブサ督「電もそう思っててくれ」

    電「はあ……」




    217以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/09(水) 20:03:58 ID:w3PJMt.c

    ブサ督「それでは部隊編成を行う」

    ブサ督「電も前線に出てもらう事になるが……大丈夫か?」

    電「が、頑張ります!」

    ブサ督「期待してる」

    電「は、はい!」

    ブサ督「ははは」

    ブサ督「…………」

    ブサ督(謎は残るが……何とかなる、か……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(さて、上手く行ってくれるといいが……)




    221以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/10(木) 04:52:57 ID:UhGBVauQ

    イケメン提督は本当に大本営から湯水のように戦力・資源を提供されていないと戦線維持も出来ないレベルだったか




    222以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/10(木) 09:11:10 ID:wSwGnIuI



    ここまで遠慮無く戦力と使い潰すとは、逆に清々しい程の下衆である




    223以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:18:59 ID:iXxKarrw


    ―――――――――――


    大本営 大将の執務室


    大将「ふう……これで後は」

         ワー ワー

    大将「ん……?」

    大将「何やら騒がしいな……」

    大将「何事だ?」

         バタン!

    中尉「た、大変です!大将閣下!」

    大将「どうした中尉。いったい何事だ?」




    224以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:21:35 ID:iXxKarrw

    中尉「今朝の新聞、とんでもない事が書かれているんです!」

    中尉「ご覧ください!」つ(新聞)

    大将「とんでもない事?」つ(新聞)

         大将、横領疑惑。数年前から着手か?

    大将「!?」

    大将「な、何だこれは!?」

    中尉「ともかく事実確認がしたい、とかで」

    中尉「ブンヤどもが押し寄せているんです!」

    大将「…………」

    大将「……!」

    大将(この……内容は!)

    大将(あの、無能の仕業かぁぁぁっ!!)




    225以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:22:26 ID:iXxKarrw

    中尉「大将閣下、いかがしましょう?」

    大将「!」

    大将「そ、そうだな……」

    大将「いずれ記者会見を開く、とでも言ってブンヤどもを下がらせろ」

    大将「それに従わないなら今後の取材は一切受けんと言え!」

    中尉「わ、分かりました」

    中尉「その様にします。では!」

         パタン タッ タッ タッ…

    大将「…………」

    大将「やってくれたな、あの無能め……!」

    大将「これまでの事が水泡に帰す事すら分からんのか!」

    大将「とはいえ、どうするか……」




    226以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:24:22 ID:iXxKarrw


    ―――――――――――


    北方鎮守府 執務室


    大淀「…………」

    イケ督「いやはや……軍部の恥だね」

    イケ督「国民の皆さんに申し訳ないよ」

    大淀「…………」

    イケ督「大淀?」

    大淀「!」

    大淀「は、はい、すみません、イケメン提督」




    227以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:25:15 ID:iXxKarrw

    イケ督「どうかしたのかい?」

    大淀「いえ……大したことでは」

    イケ督「まあそう言わずに。言ってごらん?」

    大淀「…………」

    大淀「……では、お言葉に甘えて」

    イケ督「うん」

    大淀「その……上手くは言えないのですが」

    大淀「記事に書かれてる期日や時間がやたらと正確なので」

    大淀「どこからこの様な話が出てきたのだろう……と」

    大淀「気になりまして……」

    イケ督「……なるほど」

    イケ督「意外と高官が新聞に漏らしたのかな?」

    大淀「…………」




    228以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:26:08 ID:iXxKarrw

    大淀(違う)

    大淀(本質はそこじゃない)

    大淀(私の記憶通りなら……横領の額が桁違いに多くなった時期と)

    大淀(イケメン提督が新聞を賑わせる様になった時期が)

    大淀(ちょうど同じくらいになる……!)


         「新聞報道はでたらめで、実際には相当の被害を受け」

         「それを覆い隠すため、世間受けのいい」

         「イケメン提督を前面に出しているんじゃないかと思う」


    大淀「…………」

    イケ督「大淀?」

    大淀「!」

    大淀「す、すみません!」




    229以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:27:17 ID:iXxKarrw

    イケ督「いや、いいんだ」

    イケ督「調子が悪いなら休むといい」

    大淀「……そうですね」

    大淀「すみませんが、医務室でちょっと休んできます」

    イケ督「ああ。お大事に」

    大淀「では……失礼します」

    イケ督「ああ」

         ガチャ キィ パタン

    イケ督「…………」

    イケ督「……ふん」

    イケ督「大将もざまあないな……ククク」




    230以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:28:16 ID:iXxKarrw


    北方鎮守府 廊下付近


    大淀「…………」

         ガヤ ガヤ

    大淀「…………」

    摩耶「でさー、やっぱりイケメン提督は違うよなー♪」

    鳥海「これで私たちもようやく前線へ行けますね」

    大淀「…………」

    大淀「えっ?」

    大淀「ちょ、鳥海さん、摩耶さん」

    摩耶「ん?」

    鳥海「あら、大淀さん。どうかしました?」




    231以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:29:34 ID:iXxKarrw

    大淀「あの……今、前線へ行くとか聞こえたのですが?」

    鳥海「ええ。イケメン提督に言われまして」

    大淀「そ、そんなまさか!?」

    摩耶「まあ……沈んだ艦娘の代わりっつーのは」

    摩耶「ちょっと引っかかるけどな」

    鳥海「来たばかりで余り話す機会もありませんでしたが……」

    鳥海「長門さん、翔鶴さんの抜けた穴を見事、埋めて見せます」

    大淀「い、いえ、そういう事では無くて」

    大淀「あなた方の防空能力は、北方鎮守府の最後の砦と……」

    摩耶「んなのブサイク提督が勝手に言ってた事だろ?」

    大淀「!!」




    232以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:30:43 ID:iXxKarrw

    鳥海「私も少々飼い殺しにされてる気がしてたので」

    鳥海「今回の抜擢は嬉しく思ってます♪」

    大淀「…………」

    摩耶「話はそれだけか?」

    大淀「…………」

    大淀「……はい」

    大淀「呼び止めてすみませんでした……」

    摩耶「ん。別にいーぜ、こんくらい」

    摩耶「じゃあなー」

    鳥海「では、失礼しますね、大淀さん」

         テク テク テク…

    大淀「…………」




    233以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:31:16 ID:iXxKarrw

    大淀「…………」

    大淀(……本当に)

    大淀(このままで……いいのかしら)

    大淀(…………)

    大淀(…………)

    大淀(ブサイク提督……)

    大淀(…………)

    大淀(…………)




    234以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:33:33 ID:iXxKarrw


    ―――――――――――


    南方鎮守府 作戦室


    ブサ督「…………」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「…………」

         ピピピ… ピピピ…

    ブサ督「!」

         ガチャ

    電『こちら電戦隊』

    電『ブサイク司令官さん、聞こえますか?どうぞ』

    ブサ督「こちらブサイク司令官」

    ブサ督「良く聞こえるぞ、電。どうぞ」




    235以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:34:29 ID:iXxKarrw

    電『全艦娘、配置につきました』

    電『いつでも作戦行動可能です』

    ブサ督「よし」

         ピッ

    ブサ督「こちらブサイク提督。全艦娘に次ぐ」

    ブサ督「もう間もなく敵艦隊が現れると思われる」

    ブサ督「現在の状況は絶望的だが、それは君達のせいじゃない」

    ブサ督「すべては……我々司令部の無能のせいだ」


    全艦娘『…………』


    ブサ督「なので、今作戦は今、君らが持っている弾薬が尽きるか」

    ブサ督「敵の勢いを殺せないと俺が判断した瞬間」

    ブサ督「遺憾ながら南方鎮守府を放棄し、本土への撤退を持って」

    ブサ督「作戦の終了とする」




    236以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:36:14 ID:iXxKarrw

         ザワッ…

    ブサ督「さっきも言ったが、これは君達に責任は無い」

    ブサ督「すべての責任は俺を含めた司令部にある」

    ブサ督「気にせず命令に従って、自分の命を第一に考えて欲しい」


    全艦娘『…………』


    ブサ督「では、確認作業に入る」

    ブサ督「第一戦隊旗艦、川内。専用回線で応答せよ」

         ピピッ ブー

    川内『こちら第一戦隊旗艦、川内。どうぞ』

    ブサ督「よし。よく聞こえるぞ」




    237以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:37:16 ID:iXxKarrw

    ブサ督「続いてA島観測要員、専用回線で応答せよ」

         ピピッ ブー

    伊良湖『は、はい。こちらA島観測要員の伊良湖です』

    ブサ督「よし、良く聞こえるぞ、伊良湖」

    ブサ督「任務内容を復唱せよ」

    伊良湖『は、はい』

    伊良湖『ええと……川内さんが相手にした深海棲艦の位置を逐一報告せよ』

    伊良湖『です』

    ブサ督「よし。難しい任務だが、一つ頼む」

    伊良湖『頑張ります』

    ブサ督「では第二戦隊旗艦、五十鈴。専用回線で応答せよ」

         ピピッ ブー

    五十鈴『こちら第二戦隊旗艦、五十鈴。どうぞ』




    238以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:38:07 ID:iXxKarrw

    ブサ督「よし。問題無く聞こえる」

    ブサ督「続いてB島観測要員、専用回線で応答せよ」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……B島観測要員、専用回線で応答せよ」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「…………」

    ブサ督(くそっ)

         ピピッ ブー

    ブサ督「!」

    雷『こちらB島観測要員、雷(いかづち)。即応出来なくてごめ……済みません』




    239以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:39:07 ID:iXxKarrw

    ブサ督「聞こえるぞ」

    ブサ督「何かあったのか?」

    雷『問題はあったけど、解決したわ。以後、気を付ける』

    ブサ督「よし」

    ブサ督「任務内容を復唱せよ」

    電『五十鈴戦隊が相手にした深海棲艦の位置を逐一報告せよ、よ』

    ブサ督「うん、あってる」

    ブサ督「頼むぞ、雷」

    雷『了解。任せて』

    ブサ督「それでは第三戦隊旗艦、由良。専用回線で応答せよ」

         ピピッ ブー

    由良『こちら第三戦隊旗艦、由良。どうぞ』

    ブサ督「よし、感度良好。続いてC島観測要員……」




    240以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:39:56 ID:iXxKarrw


    ―――――――――――


         ザザザザザザザ…

    暁「…………」

    暁「……お腹空いたなぁ」

    暁「って!」

    暁「暁はレディなのよ!」

    暁「お腹空いたなんて言わないっ!」

         ザザザザザザザ…

    暁「…………」

    暁「……ん?」

         ヒュルルルルル…

    暁「何の音……?」




    241以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:41:01 ID:iXxKarrw

         ドォンッ! ドォンッ!

    暁「きゃああああ!」

    暁「こ、この衝撃は……砲撃!?」

    暁「」

    暁「あれは……タ級!?」

    暁「うそ、どうしてこんなところに戦艦級が!?」

         ドォンッ! ドォンッ!

    暁「きゃあああああっ!!」

    如月「応戦しましょう!」

    暁「!」

    暁「ダメ!こっちの装備じゃ歯が立たない!」




    242以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:41:54 ID:iXxKarrw

    暁「それよりも全速力でここを離脱するの!」

    暁「相手は戦艦級、必ず振り切れるわ!」

    如月「わ、分かった!」

         ドォンッ! ドォンッ!

    如月「きゃあああああっ!」

    暁「わああああああああっ!」

    暁「だ、大丈夫!」

    暁「とにかく回避しながら――」

         ドガァッンッ!

    如月「ああああっ!!」

    暁「如月!!」




    243以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:42:43 ID:iXxKarrw

    暁「ほら、捕まって!」

    暁「如月!」

    如月「うっ……うう……」

    暁「っ……」

    暁「見捨てない……見捨てないんだから!」

         ドォンッ! ドォンッ!

    暁「きゃあああああっ!」

    暁「はあっ……はあっ……」

    暁「うっ……!?」

    暁(今の至近弾で……損傷した!?)

    暁(速度が……出ないっ)

    暁「くっ……」

    暁「…………」




    244以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:43:28 ID:iXxKarrw

    暁「……指揮権を三日月に移譲するわ。如月もお願い」

    三日月「!?」

    暁「口答えは無しよ!他のみんなを引き連れて西方鎮守府に向かいなさい!」

    暁「早く!」

    三日月「で、でも!」

    暁「向こうに着いたらブサイク司令官の要請をお願いして」

    暁「ついでに私の救出部隊も頼むわ」

    三日月「……っ」

    三日月「全艦……三日月に続いて!」

         ザザザザザザザザ…

    暁「……頼んだわよ、三日月」

         ドォンッ! ドォンッ!

    暁「ぐっ……!」




    245以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:44:27 ID:iXxKarrw

    暁「はあっはあっ」

    暁「暁は……暁は!」

         ドォンッ! ドォンッ!

    暁「……タダでは……終わらないんだからっ」

         ドガァッンッ!

    暁「ぎっ……!!」

    暁「…………」

    暁「……うっ……」

    暁「…………」

    暁「ははは……やっぱり、無理……かぁ……」

    暁「……でも……任務は……きっと……」




    246以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:45:23 ID:iXxKarrw

         ブロロロロロロ…

    暁「…………」

    暁「……え?」

    暁「…………」

    暁「この……発動機音は……」

    暁「友軍?」

         ドンッ ドドンッ ボボボンッ!

    暁「……いったい、どこから」

    三日月「暁!」

    暁「三日月?」

    三日月「大丈夫!?」

    暁「うん……大破したけど……何とか」




    247以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:46:24 ID:iXxKarrw

    暁「それよりもこの友軍は……?」

         ピピッ ガガッ

    フツ督『こちら西方方面艦隊司令官、フツメン提督』

    フツ督『そちらの所属は?』

    暁「!!」

    暁「こ、こちら、南方方面艦隊所属艦娘、暁」

    暁「救援、感謝します!」

    フツ督『なぁに。間に合って良かった』

    フツ督『それよりも状況を教えてくれないか?』

    暁「は、はい。それについて、ですが」

    暁「ブサイク司令官から言伝があります!」

    フツ督『言伝……分かった、合流しだい聞くとしよう』




    248以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 17:47:52 ID:iXxKarrw

         ブッ…

    フツ督「…………」

    龍田「どうしたの?」

    フツ督「ん?」

    フツ督「少し……不思議に思ってな」

    龍田「タ級の事?」

    フツ督「さすが龍田。見抜いてたか」

    龍田「ここら辺は私たちの勢力圏内」

    龍田「イ級くらいならともかく、タ級が、それも単独で居るなんて」

    龍田「どうにも腑に落ちないわぁ」

    フツ督「そうなんだよな……どうにも引っかかる」

    フツ督「……ま、考えるのは後にするか」

    フツ督「とにかく暁たちとの合流を急ごう」

    龍田「はぁ〜い」




    251以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 18:11:15 ID:dX7QT/hM
    イケメンの皮をかぶったクズ野郎だったか




    252以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/12(土) 18:44:51 ID:w1oTGm8o



    クズなのは指揮ぶりからとっくに解ってたけど、コレはソレ以上のクズ




    256以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:47:43 ID:vnzcfz4M


    ―――――――――――


    北方鎮守府 執務室


    大淀「……また出撃ですか」

    イケ督「ああ」

    イケ督「ここで確実に止めを刺さないといけないからね」

    大淀「…………」

    大淀「あの……」

    イケ督「うん?」




    257以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:48:25 ID:vnzcfz4M

    大淀「ここの所、出撃が頻繁に行われて」

    大淀「主力艦娘の皆さんの疲労度が増しています」

    大淀「出撃の重要性は分かりますが」

    大淀「休養を取らせるべきかと……」

    イケ督「…………」

    イケ督「まあ……大淀の言いたい事は分かる」

    イケ督「だが、これは北方海域平定の為に必要な出撃なんだ」

    イケ督「金剛達にはすまないが……もうひと踏ん張りしてもらいたい」

    大淀「…………」

    大淀「……分かりました」

    大淀「それでは、金剛さん達に命令を伝えてきます」

    イケ督「よろしく頼む」




    258以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:50:39 ID:vnzcfz4M


    北方鎮守府 廊下付近


         テク テク テク…

    大淀「あ……金剛さん」

    金剛「……ん?」

    金剛「大淀……」

    大淀「…………」

    金剛「出撃デスカー?」

    大淀「……はい」

    金剛「了解ネー」

    金剛「イケメンテイトクの為に……金剛は頑張るヨー!」

    大淀「…………」




    259以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:51:39 ID:vnzcfz4M

    大淀「これが……命令書になります」

    金剛「OK!」

    金剛「それじゃ、準備して行ってくるネー!」

         スタ スタ スタ…

    大淀「…………」

    ―――――――――――

    大淀「陸奥さん」

    陸奥「……大淀か」

    陸奥「出撃命令?」

    大淀「……はい」

    陸奥「了解した」

    陸奥「命令書を」

    大淀「…………」




    260以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:52:34 ID:vnzcfz4M

    陸奥「……大淀?」

    大淀「あの!」

    陸奥「……何?」

    大淀「…………」

    大淀「……イケメン提督の指揮に」

    大淀「疑問を……感じた事はありますか?」

    陸奥「!」

    大淀「…………」

    陸奥「…………」

    陸奥「……それを聞いてどうするの?」

    大淀「……分かりません」




    261以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:53:34 ID:vnzcfz4M

    大淀「ですが……ここの所の出撃頻度はさすがに異常です……!」

    大淀「このままでは、疲労の抜けない艦娘に損害が……!」

    陸奥「大淀……」

    陸奥「…………」

    陸奥「…………」

    陸奥「……場所を変えましょう」

    大淀「!」

    大淀「は、はい!」

    ―――――――――――

    大淀「この部屋は誰も使っていませんので」

    大淀「大丈夫だと思います」

    陸奥「そう……」




    262以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:54:23 ID:vnzcfz4M

    陸奥「それでさっきの話だけど……」

    大淀「はい」

    陸奥「イケメン提督の指揮に疑問なんてありまくりよ」

    大淀「…………」

    大淀「……やっぱり、そうですか」

    陸奥「ええ」

    陸奥「……でも驚いたわ」

    大淀「え?」

    陸奥「北方鎮守府に来た時、あれだけあのクズを歓迎してたから」

    陸奥「半分くらい艦娘が死なないと気が付かないと思ってた」

    大淀「なっ……いくら何でもそれは……」




    263以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:55:42 ID:vnzcfz4M

    陸奥「無いと言い切れるのなら謝るけど」

    陸奥「南方に居た頃、新聞報道に洗脳された多くの艦娘が」

    陸奥「疲れ切った体で笑いながら、あのクズの命令に従い散って逝ったわ」

    陸奥「ちょうど……今の金剛達の様にね」

    大淀「…………」

    陸奥「でも……そんなこと言いながら」

    陸奥「私たちもそうだった」

    大淀「…………」

    陸奥「勝っているハズなのに居なくなる仲間達」

    陸奥「勝利してるのにどんどん激しくなる深海棲艦たちの攻撃」

    陸奥「おかしいと気が付いた時には……もう半分くらいになってたのよ」

    大淀「…………」




    264以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:56:36 ID:vnzcfz4M

    大淀「……ブサイク提督の……言う通りだったんですね」

    陸奥「ブサイク提督?」

    大淀「北方鎮守府の前の指揮官だった人です」

    大淀「南方鎮守府と入れ代わりに……」

    陸奥「ああ……」

    大淀「イケメン提督の指揮には疑問があると」

    大淀「新聞報道は虚偽である可能性が高いと……言ってました」

    陸奥「へえ……それはすごい」

    陸奥「きっと……優秀な指揮官なんだろうね」

    大淀「…………」

    陸奥「さて……状況の確認ができたのはいいけど」

    陸奥「これからどうするつもりなの?」




    265以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:58:22 ID:vnzcfz4M

    大淀「…………」

    大淀「……責任転嫁、だと承知して言いますが」

    大淀「陸奥さん達は、どうしてこの事を私達に教えてくれなかったんですか?」

    陸奥「……さっきも言ったけど」

    陸奥「あのクズをあれだけ歓待して迎え入れたのを見て」

    陸奥「無駄だと判断しただけ」

    大淀「ですが!」

    陸奥「じゃあさっきの……ブサイク提督?」

    陸奥「そいつがあのクズを見抜いてたにもかかわらず」

    陸奥「あなたはどうしたの?」

    大淀「っ!!」




    266以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 20:59:54 ID:vnzcfz4M


         「……すみませんが」

         「ちょっと信じがたい推測ですね」


    大淀「…………」

    陸奥「……それが答えよ」

    陸奥「もういいかしら? 命令書を渡して」

    大淀「…………」

    大淀「……陸奥さん」つ(命令書)

    陸奥「何?」

    大淀「無駄かもしれません……が」

    大淀「この作戦行動中、金剛さん達に今の事を」

    大淀「説明してあげてくれませんか……?」

    陸奥「…………」




    267以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:00:43 ID:vnzcfz4M

    陸奥「…………」

    陸奥「……分かった」

    大淀「…………」

    陸奥「知ったところで……何ができる、という事でもないけどね」

    大淀「…………」

    大淀「……それでも」

    大淀「それでも、お願いします……!」

    陸奥「…………」つ(命令書)

    陸奥「じゃ……行って来る」

    大淀「……はい」

         ガチャ キィ パタン

    大淀「…………」




    268以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:08:12 ID:vnzcfz4M


    ―――――――――――


    南方鎮守府近海 諸島群海域


    雷「……!」

    雷「来た……敵艦隊よ!」

         ザザザザザザ……

    五十鈴「すごい数ね……見えてるだけで、ざっと30隻ってとこかしら」

    五十鈴「こちら五十鈴」

    五十鈴「作戦室、応答を」

         ピピー ガガッ

    ブサ督『こちら作戦室』

    ブサ督『どうぞ』




    269以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:08:49 ID:vnzcfz4M

    五十鈴「敵艦隊を補足」

    五十鈴「距離、約5500」

    五十鈴「速度、約20」

    ブサ督『……各艦娘に次ぐ』

    ブサ督『まず、敵艦隊からの航空攻撃を』

    ブサ督『それぞれの担当離島を利用して、全力回避せよ』

    五十鈴「……軽く言ってくれるわね」

    五十鈴「五十鈴、了解!」

    ―――――――――――

    川内「川内、了解!」

    ―――――――――――

    由良「由良、了解!」

    ―――――――――――




    270以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:10:00 ID:vnzcfz4M


    南方鎮守府 作戦室


    ブサ督「電、何度も言ってるが」

    ブサ督「お前の戦隊は中破、大破した艦娘で構成されている」

    ブサ督「絶対に前へ出るな」

    ブサ督「指定されたポイント以外に向かってはダメだぞ」

    電『分かっています』

    電『ご指示をください』

    ブサ督「よし。 魚雷装填」

    電『魚雷装填……よし!』

    ブサ督「目標、西南西方向」




    271以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:10:48 ID:vnzcfz4M

    電『西南西……え?』

    電『あ、あの……深海棲艦は居ませんが?』

    ブサ督「以後、口答えはするな」

    電『は、はい』

    ブサ督「秒読み……5,4,3,2,1」

    電『…………』

    ブサ督『魚雷発射』

    電『魚雷発射!なのです!』

         シュボボボボボンッ

         シャアアアアア……

    ブサ督「よし」

    ブサ督「ポイント【ベータ】へ向かえ」

    電『りょ、了解なのです』




    272以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:12:29 ID:vnzcfz4M


    ―――――――――――


    西方鎮守府 執務室


    フツ督「……左様ですか」

    フツ督「では、私もそちらへ向かいます」

    フツ督「……はい……はい」

    フツ督「ええ、その時はよろしくお願いします」

         チンッ

    フツ督「やれやれだ……」

    龍田「面倒ごと?」

    フツ督「ああ。とびっきりのな」




    273以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:13:29 ID:vnzcfz4M

    フツ督「残念だが、しばらくここを空ける事になりそうだ」

    フツ督「龍田。君にも来てもらう」

    龍田「ここの運営はどうするの?」

    フツ督「表向きは……そうだな、阿賀野に一任、としておくよ」

    龍田「裏は?」

    フツ督「あいつの為に骨を折ってやるんだ」

    フツ督「ブサイク提督に任せる」

    龍田「……どうやって連絡を取るの?」

    フツ督「ま、そこは蛇の道は蛇」

    フツ督「いろいろと手は打っておいた」

    龍田「そういう根回し、あなた本当に好きよねぇ」




    274以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:14:12 ID:vnzcfz4M

    龍田「でも彼、今、大変なんじゃないの?」

    フツ督「たぶん大丈夫だ」

    フツ督「魚雷の魔術で翻弄してる頃だろう」

    龍田「魚雷の魔術?」

         ガサゴソ ガサゴソ

    フツ督「ええと……あの書類は……あ、あったあった」

    龍田「ねえ、魚雷の魔術って?」

    フツ督「……簡単に言うと、だな」

    フツ督「魚雷が目標を狙うんだよ」

    龍田「は……?」

    龍田「意味が分からないんだけど?」




    275以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:14:59 ID:vnzcfz4M

    フツ督「……敵からするとな」

    フツ督「あさっての方向に行ってるハズの魚雷が」

    フツ督「何故かこっちへ向かって当たりに来るんだよ」

    龍田「……ますます意味が分からないわね」

    龍田「それはなに?」

    龍田「つまり魚雷に意思があって追ってくるという事?」

    フツ督「そうそう」

    フツ督「そんな感じ」

    龍田「どんな新技術なのよ」

    フツ督「違う違う。そうじゃない」

    フツ督「あくまで【そう思える】って事だよ」

    龍田「……てことは」

    龍田「何かタネがあるって事かしら?」

    フツ督「正解」




    276以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:16:14 ID:vnzcfz4M

    フツ督「諸島群海域でしか使えないが」

    フツ督「それなりの高さのある離島に観測員を置き」

    フツ督「海上の艦娘と敵との相対距離やら速度やらの情報を元に」

    フツ督「三角測量やら何やら使って、敵の行動予測して」

    フツ督「後方からの遠距離魚雷攻撃を当ててくるんだよ」

    龍田「…………」

    龍田「……ちょっと待って」

    龍田「それって複数の敵を相手にしたら不可能じゃない?」

    龍田「観測員や艦娘だって数が増えたら」

    龍田「とんでもない情報量になる」

    龍田「それに海流も不確定要素に……」

    フツ督「ところがだ」

    フツ督「あいつはそれを……可能にしてるんだよ」




    277以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:17:50 ID:vnzcfz4M

    ―――――――――――

    五十鈴『新たな目標!ル級!1時方向!距離約4500!速度約20!』

    雷『五十鈴、目標変更!南南西距離約6000!速度約20!』

    川内『右舷……3時方向にイ級!距離約3400!速度20!』

    伊良湖『あっ川内さん方向転換……えっと、南東……いえ、東南東方向』

    伊良湖『距離……5600……ぐらい。速度は……20くらいです!』

    由良『回避急いで!』

         ドォンッ! ドォンッ!

    由良『えっ!?』

    由良『目の前の深海棲艦に……魚雷が命中した模様!』

    由良『ル級、ネ級轟沈!』




    278以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:18:37 ID:vnzcfz4M

    ブサ督「……由良、ポイント【デルタ】へ移動」

    ブサ督「川内、魚雷装填。目標4時方向」

    川内『装填完了!』

    ブサ督「秒読み。5,4,3,2,1」

    ブサ督「魚雷発射」

    川内『てー!』

         シュボボボボボンッ

         シャアアアアア……

    ブサ督「川内、ポイント【ガンマ】へ移動せよ」

    川内『川内了解!』




    279以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:19:50 ID:vnzcfz4M

         ドォンッ! ドォンッ!

    五十鈴『えっ!?』

    五十鈴『私たちを追ってた深海棲艦たちから爆発音!』

    ブサ督「…………」

    五十鈴『……空母級のヲ級、ヌ級轟沈!』

    ブサ督「五十鈴戦隊、魚雷装填」

    五十鈴『了解、魚雷装填!』

    ブサ督「目標方向、6時」

    ブサ督「秒読み……5,4,3,2,1」

    ブサ督「発射!」

    五十鈴『魚雷発射!』

         シュボボボボボンッ

         シャアアアアア……

    ブサ督「五十鈴、ポイント【イオタ】へ移動せよ」




    280以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:20:59 ID:vnzcfz4M

    ブサ督(……くそ)

    ブサ督(時間が無かったから仕方ないが……海流の誤差が結構ある)

    ブサ督(このままじゃ、やはり尻尾巻いて逃げるしかなさそうだな)

    ブサ督(せめて補給が間に合っていれば……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(いや、無いものねだりしても仕方ない)

    ブサ督(問題はタイミング)

    ブサ督(引き際を間違えない様にしないと)




    281以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:22:14 ID:vnzcfz4M

    ―――――――――――

    龍田「……そんなまねが出来るなんて」

    龍田「聖徳太子も真っ青ね」

    フツ督「ああ、同感だ」

    フツ督「本人いわく」

         「こんなもの訓練すれば誰でも出来る」

    フツ督「らしいが……俺は2部隊でも無理だった」

    龍田「でしょうね」

    フツ督「一度でも聞き間違ったり、計算ミスったりしただけで」

    フツ督「立て直す暇もなく大混乱」

    フツ督「あいつの頭の中身がどうなってるのか」

    フツ督「本気で知りたくなった」

    龍田「知っても理解できないでしょ」

    フツ督「……まあその通りなんだけど酷いな」




    282以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:23:31 ID:vnzcfz4M

    龍田「それにしても」

    龍田「まるで……ええと、ブサイク提督?」

    龍田「その彼と戦った事があるみたいな口ぶりね?」

    フツ督「あいつに頼まれて模擬戦やったんだ」

    フツ督「……ところで俺のお気に入りのシャツ知らない?」

    龍田「昨日洗濯に出して、今日干したままでしょ」

    フツ督「うっ……そうだった」

    龍田「生乾きでいいなら今から取ってくれば?」

    フツ督「そこまで思い入れねーよ」

    フツ督「仕方ない……今回は別ので我慢だ」




    283以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:24:22 ID:vnzcfz4M

         ガサゴソ ガサゴソ

    フツ督「ふう……こんなもんか」

    龍田「それで? どんな模擬戦だったの?」

    龍田「種明かしされた後は勝てたとか?」

    フツ督「……そんな甘いもんじゃなかったよ」

    龍田「あらら」

    フツ督「駆逐級艦娘二人編成の変則艦隊構成で」

    フツ督「あいつは3部隊、こっちは6部隊で行ったんだが」

    フツ督「一度目はコテンパン」

    フツ督「種明かしされてからもコテンパンだったよ」

    龍田「目を潰せばいいじゃない」

    フツ督「それは俺も真っ先に考えた」

    フツ督「でもな……」




    284以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:25:05 ID:vnzcfz4M

    フツ督「どの島に観測員が居るか、瞬時に分かるか?」

    龍田「あ……」

    フツ督「それに」

    フツ督「こっちが目を潰そうと躍起になってるのを」

    フツ督「あいつが放っておくと思うか?」

    龍田「…………」

    フツ督「ま、あくまで駆逐級艦娘での話だからな」

    フツ督「種明かしされて空母級が居れば」

    フツ督「さすがに勝てたかもしれないが……」

    フツ督「空母級無しだと、俺の腕じゃ5倍の戦力が無いと勝てる気がしない」

    龍田「……でも」

    龍田「深海棲艦相手だと、また違って来るんじゃないの?」




    285以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:26:36 ID:vnzcfz4M

    フツ督「それは俺も思った」

    フツ督「深海棲艦はダメージを受けても沈まない限り」

    フツ督「こちらへ向かって来る」

    龍田「あれホント怖いわよねぇ」

    フツ督「ところがだ」

    フツ督「あいつは事も無げに」

         「そっちの方が読みやすい」

    フツ督「と言い返して来た」

    龍田「まあ一理あるけど……」




    286以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:27:19 ID:vnzcfz4M

    フツ督「模擬戦の時、どこから魚雷が飛んでくるか分からんから」

    フツ督「艦娘の方が速度落としたり、回避行動したりで」

    フツ督「魚雷は当てにくくなる」

    龍田「そうよね」

    フツ督「ところがそうなったら」

    フツ督「相対してる艦娘部隊の砲撃のいい的になっちまう」

    龍田「あらら……」

    フツ督「どっちにも気を付けてられないし」

    フツ督「どっちかに気を付けてたら、気を付けてない方でやられちまう」

    フツ督「今思い出してもブルっちまうわ、あれ」

    龍田「……すごい人なのね」




    287以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:28:25 ID:vnzcfz4M

    フツ督「そうとも」

    フツ督「あいつの才能を埋もれさすのは」

    フツ督「皇国にとって大きなマイナスでしかない」

    龍田「……そこは大事な友とか」

    龍田「綺麗ごと言っておいた方が良くない?」

    フツ督「そういうの俺のキャラじゃないからなー」

    フツ督「あくまで持ちつ持たれつ、さ」

    龍田「はいはい。そういう事にしといてあげる」

    フツ督「そいつはどうも」

    フツ督「さて、俺の方は出発準備ができたが?」

    龍田「私は少々の着替えと日用品があれば問題ないわ」

    フツ督「そうかい」

    フツ督「演習部隊もそろそろ始めてる頃だし……行くとするか」




    288以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:29:47 ID:vnzcfz4M


    ―――――――――――


    南方海域 西南部


         ザザザザザザザザ…

    イタリア「…………」

    ローマ「…………」

    イタリア「ホントに大した敵が居ませんね」

    ローマ「姉さん……油断大敵です」

    イタリア「油断なんかしてませんよ……」

    ローマ「私はまだ、フツメン提督を完全に信用してませんから」

    ローマ「それに管轄外の地域に進出して演習なんて」

    ローマ「規律に違反してないかヒヤヒヤしてます」




    289以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:30:40 ID:vnzcfz4M

    西方鎮守府 演習艦隊

    第一戦隊

    イタリア(戦艦) ローマ(戦艦)
    ポーラ(重巡) ザラ(重巡)
    リベッチオ(駆逐) アクイラ(空母)

    第二戦隊

    ビスマルク(戦艦) プリンツ・オイゲン(重巡)
    レーベレヒト・マース(駆逐) マックス・シュルツ(駆逐)
    U‐511(潜水艦) グラーフ・ツェッペリン(空母)


    イタリア「友軍のピンチなのだから」

    イタリア「固いこと言わなくてもいいんじゃないかしら?」

    ローマ「そういう問題ではありません」

    ローマ「そもそも規律というのは……」




    290以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:32:10 ID:vnzcfz4M

    ビスマルク「二人とも、そのくらいに」

    ビスマルク「今のところ情報通りに進めてるけど警戒して」

    ビスマルク「ここは敵の勢力圏よ」

    プリンツ・オイゲン「そうですよ」

    プリンツ・オイゲン「実弾演習してて、うっかり南方海域に入っちゃって」

    プリンツ・オイゲン「うっかり敵に遭遇しちゃったんですから♪」

    ビスマルク「……そういうのは腹黒フツメン提督に任せればいい」

    ビスマルク「とにかく、敵が総出で南方鎮守府に構っている今」

    ビスマルク「我々が敵の横腹を突く」

    ビスマルク「敵が引き返して来たら、こちらも撤退」

    ビスマルク「うっかり退路を断たれる、なんて事の無い様に」

         オオー!




    291以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:32:58 ID:vnzcfz4M

    ―――――――――――

    ブサ督「発射!」

    電『魚雷発射!なのです!』

         シュボボボボボンッ

         シャアアアアア……

    ブサ督「よし、ポイント【アルファ】へ移動せよ」

    電『了解なのです!』

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……電の戦隊の魚雷残弾は、あと3斉射)

    ブサ督(敵の損害は約3割……)

    ブサ督(他の部隊も残弾がそろそろ厳しいしダメージも蓄積している)

    ブサ督(……潮時だな)




    292以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:34:03 ID:vnzcfz4M

    ブサ督「よし」

    ブサ督「五十鈴戦隊、ポイント……」

    雷『!!』

    雷『深海棲艦艦隊の後方に新たな艦影!』

    ブサ督「……チッ」

    ブサ督(ここに来て新たな増援か……)

    ブサ督(だが……これで……)

    雷『待って! あれは……』

    雷『天山艦攻!?』

    雷『ブサイク司令官!友軍よ!!』

    ブサ督「…………」

    ブサ督「は……?」




    293以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:35:00 ID:vnzcfz4M

         ヒュウウウウウウウ……

         ドォンッ ドォンッ!

    五十鈴『えっ、何!? 艦攻!?』

    川内『味方!? どこから!?』

    由良『友軍が来てくれたの!?』

         ピピー ガガッ

    ??『こちら元・北方方面艦隊所属艦、高雄』

    ブサ督「!?」

    高雄『説明は後でします』

    高雄『高雄、愛宕、飛龍、鳳翔の4名』

    高雄『ブサイク提督の指揮下に入る許可をお願いします』

    ブサ督「……りょ、了解。許可する」




    294以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:36:21 ID:vnzcfz4M

    ブサ督「臨時で入った艦隊を以降、高雄戦隊と呼称する」

    高雄『了解です』

    ブサ督「高雄戦隊、そのまま前進し敵艦隊の背後を突け」

    高雄『わかりました』

    ブサ督(……くそったれ!)

    ブサ督(フツメン提督からの増援だろうが、タイミングが最悪だ!)

    ブサ督(完全に撤退の機運を逃した……)

    ブサ督(もうこうなったら……腹を括るしかない!)

    ブサ督「……五十鈴、川内、由良戦隊に次ぐ」

    ブサ督「先の作戦は忘れて自由に戦ってくれ」

    ブサ督「ただし、むやみに突っ込むな」

    ブサ督「自分の身を第一に考えて行動せよ!」




    295以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:37:27 ID:vnzcfz4M

    五十鈴『了解!』

    川内『了解!』

    由良『了解!』

    ブサ督「電の戦隊は……心苦しいだろうが、ポイント【アルファ】で待機」

    電『了解なのです』

    ブサ督「各離島観測員は状況を報告せよ」

    伊良湖『状況!? えっと、あの……』

    伊良湖『み、味方の戦闘機が、敵艦を攻撃してて……』

    雷『不意を突かれた深海棲艦は大混乱を起こしてるわ!』

    雷『あっ、ル級、ホ級、イ級、轟沈!』

    雷『続いて空母級のヲ級二隻轟沈!』




    296以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:38:31 ID:vnzcfz4M

    ブサ督(くそっ……!)

    ブサ督(この勢いはそう長く続かない!)

    ブサ督(早く……早く撤退しろ!)

    ブサ督(もう4割はやられたはずだ!)

    ブサ督(そろそろ本拠地付近で異変が起こっている頃だろ!)

    ブサ督(撤退してくれないと……こちらの弾薬が……!)

    ―――――――――――

    川内「はあっはあっ……」

    川内(まずい……もうすぐ砲弾が尽きる)

    川内(魚雷もあと一斉射……!)

    ―――――――――――

    五十鈴「このっ!」

    五十鈴「てー!!」




    297以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:39:34 ID:vnzcfz4M

    ―――――――――――

    由良「はあっはあっ……」

    由良「魚雷……斉射ー!」

         シュボボボボボンッ

         シャアアアアア……

         ドォンッ! ドォンッ!

    由良「よし!」

    由良(……今ので打ち止めだけど)

    ―――――――――――

    高雄「目標、右舷のル級!」

    高雄「斉射!てー!」

         ドォンッ ドォンッ!ドォンッ!




    298以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:40:38 ID:vnzcfz4M

    愛宕「パンパカパーン!」

         ドォンッ ドォンッ!ドォンッ!

    飛龍「友永隊!頼んだわよ!」

    友永妖精「らじゃー」

         ブロロロロロロッ……

    鳳翔「制空権確保!」

    鳳翔「第二次攻撃隊、発艦準備!」

         ヒュウウウウウウウ……

         ドォンッ ドォンッ!

    ―――――――――――

    ブサ督(……まだか)

    ブサ督(まだ、なのか……!)




    299以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:41:49 ID:vnzcfz4M

    雷『!!』

    雷『ブサイク司令官!』

    雷『敵が、南方向へ撤退し始めたわ!』

    ブサ督「!!」

    ブサ督「……よし」

    ブサ督「高雄戦隊、そのまま追撃」

    ブサ督「だが深追いはするな」

    ブサ督「だいたい30分程度で切り上げろ」

    高雄『高雄、了解』

    ブサ督「他の戦隊は しばしその場で待機」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「各戦隊……被害報告」




    300以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:42:30 ID:vnzcfz4M

    川内『こちら川内』

    川内『大破1、中破3、小破2』

    川内『轟沈無し』

    ―――――――――――

    由良『こちら由良』

    由良『大破無し、中破5、小破1』

    由良『轟沈無し』

    ―――――――――――

    五十鈴『こちら五十鈴』

    五十鈴『大破3、中破3』

    五十鈴『轟沈……無し!』

    ―――――――――――




    301以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:43:50 ID:vnzcfz4M

    ブサ督「……こちらブサイク提督」

    ブサ督「各艦娘に次ぐ」

    ブサ督「全戦隊、轟沈無し」

         !!

    ブサ督「繰り返す」

    ブサ督「全戦隊、轟沈無し!」


         ワアアアアアアアッ!


    ブサ督「みんな……良くやってくれた」

    ブサ督「B島観測要員である雷」

    ブサ督「すまないが、あと6時間そこで警戒監視を続けてくれ」

    ブサ督「時間が来たら交代要員を送る」

    雷『分かったわ、ブサイク司令官』




    302以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/14(月) 21:45:13 ID:vnzcfz4M

    ブサ督「それ以外は……」

    ブサ督「速やかに南方鎮守府へ帰還せよ」


    艦娘『了解!』


    ブサ督「作戦室、通信終了」

         ブッ…

    ブサ督「…………」

    ブサ督「ふううううううううっ……」

    ブサ督「はあ……」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「一つの戦いが……終わったな」




    310以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 16:49:10 ID://0jZsIc


    ―――――――――――


    南方鎮守府 執務室


    ブサ督「高雄、愛宕、飛龍……」

    ブサ督「よく生きていてくれた」

    高雄「……そうですね」

    愛宕「あの人の指揮下になって、良い事なんて一つもありませんでした」

    飛龍「ブサイク提督がいかに優秀だったか……骨身に染みました」

    ブサ督「君は……純粋にフツメン提督からの増援か」

    鳳翔「そうなります」

    鳳翔「よろしくお願いします、ブサイク提督」




    311以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 16:50:40 ID://0jZsIc

    高雄「それから、ここへ来る途中」

    高雄「暁の部隊がタ級に襲われているのを発見し」

    高雄「撃退しました」

    ブサ督「何!?」

    ブサ督(という事は……俺が西方へ連絡する事を予測した奴が)

    ブサ督(深海棲艦に居る……!?)

    ブサ督「……暁たちは無事なのか?」

    高雄「暁と如月が大破してましたが」

    高雄「今は西方鎮守府で手当てを受けていると思います」

    高雄「おそらく一両日中にはこちらに向かって来るかと」

    ブサ督「そうか……良かった」

    ブサ督(危いところだった……ツキがあったな)




    312以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 16:51:50 ID://0jZsIc

    ブサ督「それにしてもどういった経緯で西方に?」

    高雄「……酷い戦闘でした」

    高雄「倒しても倒しても出てくる深海棲艦に」

    高雄「私と愛宕は扶桑さんと山城さんに庇われて」

    高雄「何とか戦闘海域から離脱できたんです」

    ブサ督「……そうか」

    飛龍「私も……似た様な状況です」

    飛龍「妙高と足柄が庇ってくれたんですが……」

    飛龍「それでも蒼龍が……」

    ブサ督「…………」

    高雄「……あの戦闘の後」

    高雄「私たちは西方海域に行く事を決意しました」




    313以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 16:53:22 ID://0jZsIc

    高雄「南方鎮守府に戻っても……またあの男に使い潰されるだけ」

    高雄「それならば、と」

    高雄「西方海域の離島とかで一時的に身を潜める事にしたんです」

    ブサ督「…………」

    高雄「もうお分かりでしょうが」

    高雄「私たちは程なくフツメン提督に見つかり」

    高雄「彼の一存で艤装の修理と怪我の手当てを受け」

    高雄「そして秘密裏に今まで滞在させてもらう事になったんです」

    ブサ督「そうか……」

    ブサ督「あいつに……大きな借りが出来たな」

    高雄「あと、フツメン提督から伝言があります」

    ブサ督「ん?」




    314以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 16:55:01 ID://0jZsIc

    高雄「まずはこれを」

    ブサ督「これは……通信機と西方海域の海図か」

    高雄「もしかしたらお前の頭脳が必要になるかもしれない」

    高雄「その為の保険だ」

    高雄「……との事です」

    ブサ督「あいつらしいな……」

    ブサ督「何故かこういう鼻は良く効く奴なんだよ」

    高雄「そうなんですか」

    ブサ督「ははは」

    高雄「…………」

    高雄「あのっ……ブサイク提督」

    ブサ督「うん?」




    315以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 16:55:56 ID://0jZsIc

    高雄「今まで……失礼な態度を取ってすみませんでした」

    愛宕「私からも謝ります。ごめんなさい」

    飛龍「これまで……すみませんでした」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……顔を上げてくれ」

    高雄「…………」

    愛宕「…………」

    飛龍「…………」

    ブサ督「わだかまりが無い……と言えばウソになるが」

    ブサ督「でも、そんなわだかまり以上にお前たちとまた会えた事が」

    ブサ督「嬉しく思うよ」

    高雄「ブサイク提督……」




    316以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 16:56:50 ID://0jZsIc

    ブサ督「それに変わりなく元気そうで良かった」

    高雄「ブサイク提督は……少し痩せましたね」

    高雄「日にも焼けてますし」

    ブサ督「ここに来てから碌なもん食ってないからな……」

    ブサ督「早く大本営からの補給が届いて欲しいよ」

         コン コン

    ブサ督「ん、入ってくれ」

         ガチャ

    電「失礼します」

         キィ パタン

    電「先ほど、大本営からの補給物資が届きました」

    ブサ督「噂をすれば、ってやつか」




    317以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 16:58:05 ID://0jZsIc

    電「はい?」

    ブサ督「何でもない」

    ブサ督「続けてくれ」

    電「は、はい」

    電「えと……こちらが目録になります」つ(目録)

    ブサ督「おう」つ(目録)

    ブサ督「では各自、艦体の修理と補給を済ませておくように」

    ブサ督「もちろん高速修復材の使用も許可する」

    電「はい」




    318以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 16:59:06 ID://0jZsIc

    ブサ督「それと……彼女たちに部屋を用意してやってくれるか?」

    電「了解なのです」

    ブサ督「頼む」

    ブサ督「それじゃ……また食事時にでも会おう」

    高雄「はい」

    愛宕「分かりました」

    飛龍「了解です」

    鳳翔「それでは、また」

         ガチャ キィ パタン

    ブサ督「…………」

    ブサ督「ふう……」

    ブサ督「…………」




    319以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:00:23 ID://0jZsIc


    ―――――――――――


    大本営 記者会見場


         ガヤ ガヤ

    中尉「……えー、新聞記者の皆さん」

    中尉「ご静粛にお願いします」

         …………

    中尉「それでは、時間になりましたので記者会見を始めます」

    中尉「質問などは後に受付けますので」

    中尉「まずは、大将閣下のお話をお聞きください」

         …………

    中尉「それでは……大将閣下、どうぞ」




    320以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:01:18 ID://0jZsIc

    大将「……あー」

    大将「先ほどご紹介にあずかりました、大将です」

    大将「早速ですが……先日、大々的に報道された」

    大将「横領疑惑報道の件でございますが」

    大将「結論から言いますと……事実でございます」

         ザワッ…!

    大将「しかしながら、その経緯に至った理由に関して」

    大将「新聞報道では説明が成されておりませんので」

    大将「これからご説明させていただきます」

         …………




    321以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:02:42 ID://0jZsIc

    大将「まず……多大な額の横領となっておりますが」

    大将「私的に流用したわけでなく」

    大将「あくまで予算配分の都合上そうなってしまった面が強く」

    大将「結果的に横領になってしまった、という側面がございます」

         …………

    大将「特に南方方面の戦費拡大は」

    大将「今年の予算配分を大きく超えるものであり」

    大将「追加予算を組むにしても時間が掛かりすぎてしまいます」

         …………

    大将「その様な煩雑な工程を踏んでいては」

    大将「前線への補給や増援も遅れがちになってしまうため」

    大将「この様な形を取り、それを新聞報道された」

    大将「という経緯かと思われます」




    322以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:03:37 ID://0jZsIc

    大将「しかしながら……皇国国民の皆さまに対し」

    大将「期待を大きく裏切る行為と捕らえられても仕方なく」

    大将「また、予(あらかじ)め説明しなかった事も」

    大将「私の不誠実な部分と指摘されても否定できません」

         …………

    大将「よって」

    大将「私はそれらの責任を取り、本日をもって」

    大将「自らの職を辞する決意を固めました」

         ザワッ…!

    大将「私からは以上です」




    323以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:04:43 ID://0jZsIc

    中尉「大将閣下、ありがとうございました」

    中尉「それでは……質問を受付けます」

    中尉「質問のある方は挙手を願います」

    中尉「……では、そこの記者さん。どうぞ」

    A「〇×新聞のA記者です」

    A「えー先ほど南方方面の戦費拡大とおっしゃられましたが」

    A「それは戦況が悪化している、という事なのでしょうか?」

         …………

    大将「……申し訳ありませんが」

    大将「その質問はいささか軍事機密に関しますので」

    大将「お答えできません」




    324以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:05:50 ID://0jZsIc

    A「しかし、ですね」

    A「南方方面は、かのイケメン提督が管轄していた地域です」

    A「イケメン提督と言えば、連戦連勝で名を馳せた人物」

    A「なのに戦費が拡大しているというのは、どういう事なのでしょうか?」

         …………

    大将「……ならば少しだけお答えしますと」

    大将「激しい戦い方をすれば、それだけ消費も激しくなる」

    大将「戦争というものは、そういうものだ、という事です」

    A「で、ですが!」

    中尉「はい、ありがとうございました」

    中尉「では、次の方……はい、そこのあなた。どうぞ」




    325以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:07:12 ID://0jZsIc

    B「□〇新聞のB記者です」

    B「常勝のイケメン提督であっても戦費拡大は防げなかったのであれば」

    B「他の指揮官はもっと酷いのでしょうか?」

         …………

    大将「その質問もいささか軍事機密に関しますので」

    大将「お答えできません」

         …………

    B「しかし、大将閣下のお話を総合しますと」

    B「そういった結論に至るのではないでしょうか?」




    326以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:08:11 ID://0jZsIc

    大将「敵である深海棲艦の動向は、非常に分かりづらく」

    大将「神出鬼没で何が切っ掛けで戦闘を仕掛けてくるのかも不明確です」

    大将「今回はたまたま南方方面が活発になった」

    大将「現時点では、そうとしか説明できません」

    B「…………」

    中尉「はい、ありがとうございました」

    中尉「それでは……はい、そこのあなた。どうぞ」

    C「△△新聞のC記者です」

    C「先ほどのお話の中で――」




    327以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:09:14 ID://0jZsIc


    ―――――――――――


    その日の夜

    南方鎮守府 執務室


    フツ督『――というわけで』

    フツ督『我らが大将閣下殿は』

    フツ督『電撃辞任する事になった』

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……内地ではそんな事になってたのか」

    ブサ督「しかし、権威主義の塊みたいなあの大将が」

    ブサ督「よく辞任なんて道を選んだな」




    328以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:10:30 ID://0jZsIc

    フツ督『もう八方ふさがりだったんだろう』

    フツ督『栄光ある皇国海軍艦娘艦隊の看板に傷をつけず』

    フツ督『かつ、自分も守れてイケメン提督を辞めさせるにはどうしたらいいか?』

    ブサ督「…………」

    フツ督『今辞めれば残りの人生、楽に暮らして行ける年金は貰えるし』

    フツ督『自分が泥を被る事で海軍の威光も傷つかず』

    フツ督『世論的にも金を食いつぶした原因である』

    フツ督『イケメン提督に不信感を与えられる、という算段じゃないかな』

    ブサ督「……なるほど」

    ブサ督「イケメン提督の首を切りやすくしたわけか」

    フツ督『ところが……そこで誤算が二つ生じた』

    ブサ督「誤算?」




    329以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:11:46 ID://0jZsIc

    フツ督『一つはイケメン提督の人気は想像以上に高く』

    フツ督『新聞も大将の方ばかり批判している事』

    ブサ督「…………」

    フツ督『……もう一つはお前だ』

    ブサ督「……は?」

    フツ督『新聞ではほとんど取り上げられなかったが』

    フツ督『軍部は、大将がお前からの補給要請を』

    フツ督『第一級ですんなり受諾した事に不信感を抱いてるんだよ』

    ブサ督「…………」

    フツ督『もちろん状況は分かっているし』

    フツ督『イケメン提督への不信感とは比べ物にならないくらい小さい』

    フツ督『……が、どう転ぶかは、まだ分からん』




    330以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:12:49 ID://0jZsIc

    フツ督『そこでだ』

    フツ督『しばらくの間、お前には負傷療養で姿をくらませて欲しい』

    ブサ督「負傷療養か……」

    フツ督『俺の伝手で何とか協力者を集めて』

    フツ督『お前の立場を固める為の時間がどうしてもいる』

    ブサ督「そうか……」

    ブサ督「期間はどれくらいになる?」

    フツ督『1週間……いや2週間あれば完璧だな』

    ブサ督「2週間か……まあ長期休暇とでも思えばいいか」

    ブサ督「先の防衛作戦で怪我して離島で療養している、と」

    ブサ督「艦娘たちにしらばっくれてもらおう」




    331以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:13:50 ID://0jZsIc

    フツ督『ああ、そうしててくれ』

    フツ督『それから俺が留守の間、西方鎮守府の防衛もよろしく』

    ブサ督「へいへい」

    フツ督『じゃ……そうだな、1週間後、中間報告を兼ねて必ず連絡を入れる』

    フツ督『それまで静かにしていてくれ』

    ブサ督「分かった」

    フツ督『……あとな』

    ブサ督「うん?」

    フツ督『お前さんの事だ……』

    フツ督『俺からの増援なんて無くても何とかしたんだろうが』

    フツ督『どうするつもりだったんだ?』

    ブサ督(あの増援……到着したタイミングは最悪だったけどな)

    ブサ督「……普通に南方鎮守府を諦めるつもりでいた」




    332以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:15:00 ID://0jZsIc

    フツ督『俺が知りたいのはその後だ』

    フツ督『タダで南方鎮守府をくれてやるつもりは無かったんだろう?』

    ブサ督「……撤退後は」

    ブサ督「とりあえず南方鎮守府に来る予定だった補給船団と合流し」

    ブサ督「お前に頼んだ演習部隊迎撃の為に」

    ブサ督「深海棲艦がどれだけ戦力を振り向けるか」

    ブサ督「それを見て、判断するつもりだった」

    フツ督『…………』

    ブサ督「もちろん必要最低限しか残さないのなら」

    ブサ督「せん滅するつもりではあった」

    フツ督『……それを見込んでの演習要請か』




    333以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:16:16 ID://0jZsIc

    フツ督『お前の事だから何か考えがあるのだろうと思って』

    フツ督『出せるだけ出したんだが、良かったよ』

    ブサ督「その点はもちろん感謝してる」

    ブサ督「……それとな」

    フツ督『ん?』

    ブサ督「今回の事もそうだが……高雄たちの事」

    ブサ督「本当にありがとう」

    フツ督『……元々大将閣下直々に要請されてた事だし』

    フツ督『ついこの前偶然見つけて手当しただけの事さ』

    フツ督『まあ気にするな……と言っても無理か』

    ブサ督「俺にできる事で、何か礼をさせてくれ」

    フツ督『…………』




    334以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:17:13 ID://0jZsIc

    フツ督『……じゃあ』

    フツ督『今度、美味いダルマをご馳走してくれ』

    ブサ督「そんなもんじゃ俺の気が済まない」

    フツ督『なら二本だ』

    フツ督『美味いダルマを二本、そして朝まで付き合え』

    フツ督『それでどうだ?』

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……分かった」

    フツ督『美味いダルマ、楽しみにしてるぞ』

    ブサ督「任せてくれ」

    フツ督『通信終了』

    ブサ督「通信終了」

         ブッ…




    335以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:18:12 ID://0jZsIc


    ―――――――――――


    翌日

    北方海域 某所


         ザザザザザザザザ…

    長良「…………」

    長良「……そろそろ定時連絡しないと」

         ピピー ガガッ

    長良「こちら天龍遠征隊・捜索班」

    長良「北方鎮守府、応答願います」

    大淀『こちら北方鎮守府、執務室』

    大淀『どうぞ』




    336以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:19:35 ID://0jZsIc

    長良「残念だけど……今回も良い報告は出来ないわ」

    長良「残骸すら発見出来ない」

    大淀『……そうですか』

    長良「それでね……大淀」

    長良「これだけ広範囲を捜索して見つからないんじゃ……」

    大淀『…………』

    大淀『……最後にもう一度だけお願いしてもよろしいでしょうか?』

    長良「…………」

    長良「……分かった」

    長良「最後にもう一度だけ探してみる」

    大淀『ありがとうございます』

    大淀『それが終わったら……帰途に就いてください』




    337以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:21:10 ID://0jZsIc

    長良「ええ……そうするわ」

    長良「長良、通信終了」

         ブッ…

    長良「みんな、ご苦労だけど」

    長良「もう一度だけ捜索するわ」


    艦娘「…………」


    長良「今度は少し北寄りのルートで捜索してみよう」

    長良「それで何も見つからなかったら……」

    長良「捜索を打ち切って帰投するわ」

    長良「もうひと踏ん張り、お願いね」

    長良「…………」




    338以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:21:58 ID://0jZsIc


    ―――――――――――


    北方鎮守府 軍港


    大淀「…………」

    大淀「…………」

         ザザザザザザザザ…

    大淀「……あ」

    大淀「金剛さん!比叡さん!」

    大淀「他の皆さんも……お帰りなさい!」

    金剛「…………」

    大淀「……お疲れさまでした」

    大淀「入渠の準備はできてます」

    大淀「高速修復材の用意もしてますよ」




    339以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:22:56 ID://0jZsIc

    金剛「…………」

    大淀「……金剛……さん?」

    金剛「…………」

    大淀「……あれ?」

    大淀「…………」

    大淀「陸奥さん……は?」

    金剛「…………」

    金剛「……沈んだネ」

    大淀「っ!!」

    大淀「そ……そん…な……」

    金剛「……イケメンテートクは?」

    大淀「……今、新聞記者が大勢取材に来てて」

    大淀「その対応に追われています」

    金剛「そう……」




    340以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:24:00 ID://0jZsIc

    金剛「とりあえず……入渠して来マス」

    金剛「その後で……話をシマショウ」

    大淀「…………」

    大淀「……はい」

    ―――――――――――

    金剛「……以上が今回の任務報告ヨ」

    金剛「何とか目的地の奪取には成功したネ」

    大淀「はい」

    金剛「…………」

    金剛「それで……陸奥サンからイケメンテートクの評価を聞きマシタ」




    341以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:25:01 ID://0jZsIc

    大淀「……はい」

    比叡「金剛お姉さまと同様……私も最初は信じられませんでした」

    比叡「この戦いは確実に勝利に近づいていると」

    比叡「いずれ南方と同じように平定できると思い」

    比叡「戦ってきました」

    大淀「…………」

    利根「……いつかの戦闘よりはマシじゃったが」

    利根「今回もけっこうな数の伏兵と遭遇してな」

    利根「何とか力でねじ伏せ、撃滅には成功したが……」

    大淀「…………」




    342以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:26:25 ID://0jZsIc

    加賀「……正直」

    加賀「これが常勝と名高い人の戦略なのか?と」

    加賀「薄々は……感じていました」

    大淀「…………」

    赤城「私は……今でも本当にそうなの?という疑いはありますが」

    赤城「私を庇って沈みゆく陸奥さんの……」

    赤城「最後の言葉が……忘れられそうにありません」


        「これが……あのクズを…信じてしまった……結果…よ」


    大淀「…………」

    利根「……のう、大淀」

    利根「最近吾輩は……ブサイク提督が居った頃ばかり思い出す」

    大淀「…………」




    343以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:27:37 ID://0jZsIc

    利根「何でじゃろうな……?」

    利根「あの頃は勇ましく戦いたくて仕方無く」

    利根「それをさせてくれぬブサイク提督が」

    利根「憎くてしょうがなかったというのに……」

    利根「あの頃頻繁にやらされていた哨戒任務が」

    利根「今は懐かしくてしょうがないのじゃ……」

    筑摩「利根姉さん……」

    大淀「…………」

    大淀「……大本営に相談してみましょう」


    一同「!」


    大淀「ずっと考えて来た事です」

    大淀「何か……何か方法は無いものか、と」




    344以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:28:53 ID://0jZsIc

    利根「それで何かが変わるのか?」

    大淀「分かりません……ですが」

    大淀「内地では、大将閣下が横領していた事を認め」

    大淀「電撃辞任した、という大きな変化があったんです」

    利根「なんと……」

    利根「あの新聞報道は事実じゃったのか……」

    大淀「はい」

    大淀「今、イケメン提督が記者に囲まれているのも」

    大淀「その関係なんです」

    利根「なんじゃ?」

    利根「イケメン提督も横領しておったのか?」




    345以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:29:50 ID://0jZsIc

    大淀「いえ……そうではありません」

    大淀「新聞は……空いた大将閣下のポストに」

    大淀「常勝イケメン提督が行くのでは?と」

    大淀「書き立てているんです……」

    利根「……世も末じゃのう」

    大淀「ですので、その辺りも含めて」

    大淀「大本営に相談してみるのが一番いいのではないかと」

    加賀「…………」

    加賀「他にいい案はあるのかしら?」


    一同「…………」


    加賀「なら……決まりね」




    346以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:31:04 ID://0jZsIc

    大淀「ただ……大本営へのホットラインは」

    大淀「執務室に限られてるのが厄介なところです」

    利根「イケメン提督が邪魔になるか……」

    利根「それならば吾輩らで奴を誘(おび)き出せばよいのでは?」

    金剛「……その役」

    金剛「私がスるヨ。きっと適役ネ」

    大淀「では……お願いします」

    大淀「他の皆さんもフォローをしていただければ……」

    筑摩「言われるまでもありませんよ、大淀さん」

    加賀「……顔に出ないかしら」

    赤城「加賀さんなら大丈夫ですよ」

         ハハハ…




    347以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:32:06 ID://0jZsIc


    ―――――――――――


    天龍「はあっ……はあっ……」

    天龍「……ぐっ……」

    天龍「…………」

    天龍「……死ねる…か……」

    天龍「…………」

    天龍「……こんな……ところで……」

    天龍「死んで……たまるか……!」

    天龍「……はあっ……はあっ……」

    天龍「………………はあっ………」

    天龍「…………はあっ…………はあっ…………」

    天龍「…………」




    348以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:32:56 ID://0jZsIc

         ド ク ンッ

    天龍「ぐっ!?」

    天龍「がっ……があああああああああっ!!」

    天龍「あ……がっ……」

    天龍「……っ」

    天龍「…………」

    天龍「…………」

    天龍「…………」

    天龍「…………」

    天龍「………ロス」

    天龍「コロス……」




    349以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:33:46 ID://0jZsIc

    天龍「コロス……コロス……」

    天龍「コロス、コロス、コロス」

    天龍「コロス、コロス、コロス、コロス、コロス」

    天龍「コロス、コロス、コロス、コロス、コロス、コロス、コロス」

     コロス コロス コロス コロス コロス コロス…
        コロス  コロス コロス……    コロス
    コロス… コロス コロス… コロス   コロス コロス 
        コロス コロス……
     コロス コロス   コロス……     コロス……
        コロス…  コロス   コロス… コロス…
     コロス コロス     コロス… コロス コロス コロス…
    コロス コロス    コロス  コロス……
     コロス コロス    コロス……  コロス コロス コロス…
    コロス コロス コロス コロス
             コロス コロス コロス コロス…




    350以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/17(木) 17:34:30 ID://0jZsIc








         アノ……クソヤロウ……

         コ  ロ  ス  …







    .




    357以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:41:10 ID:705eIlN.


    ―――――――――――


    西方海域 とある離島の砂浜


         ザザーン… ザザーン…


    ブサ督「…………」

    ブサ督「……どうしてこうなった」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「…………」

    ブサ督(うん、確かに離島で療養とは言ったけど)

    ブサ督(それはあくまで建前であって)

    ブサ督(本当に離島で過ごしたいわけじゃ)

    ブサ督(無いんだけど……)




    358以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:42:16 ID:705eIlN.

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……高雄に話したのがまずかったのかな)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(そういう事でしたら私たちが使っていた島がお勧めです)

    ブサ督(とか言い出して……)

    ブサ督(あれよあれよ、という間にここへ連れて来られた)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(いや……そこまでは良しとしよう)

    ブサ督(問題は……)

    ブサ督(何で俺は今ひとりなんだって事)

    ブサ督(…………)




    359以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:42:54 ID:705eIlN.

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……高雄に話したのがまずかったのかな)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(そういう事でしたら私たちが使っていた島がお勧めです)

    ブサ督(とか言い出して……)

    ブサ督(あれよあれよ、という間にここへ連れて来られた)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(いや……そこまでは良しとしよう)

    ブサ督(問題は……)

    ブサ督(何で俺は今ひとりなんだって事)

    ブサ督(…………)




    362以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:46:42 ID:705eIlN.

    ブサ督(確かにここは西方鎮守府のテリトリーだけど……)

    ブサ督(俺、最弱のイ級にだって勝てないよ?)

    ブサ督(たぶんワンパンだよ?)

    ブサ督(……海にさえ入らなきゃいいんだけどさぁ……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(それでも誰か一人くらい)

    ブサ督(護衛で来てくれても……いいんじゃないかなぁ……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督「……はあ」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「まあ……」

    ブサ督「それを口にしなかった俺にも落ち度はあるか……」

    ブサ督「はあ……」




    363以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:47:41 ID:705eIlN.

    ブサ督「…………」

    ブサ督(とりあえず2週間とか言ってたが)

    ブサ督(食料、飲料生成装置、医薬品、その他、電池などの雑貨も)

    ブサ督(余裕をもって、ひと月分あるから)

    ブサ督(サバイバルする必要はないけど……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(なんだかなぁ……)

    ブサ督(…………)

    ブサ督(……ほんと、ため息しか出ない)

    ブサ督(…………)




    364以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:48:52 ID:705eIlN.


    ―――――――――――


    南方鎮守府 談話室


         ガヤ ガヤ

    電「…………」

    電「いまごろ……ブサイク司令官さんは」

    電「どうしているのでしょうか……」

    暁「極秘任務よ」

    暁「それは私たちが考えても仕方ないわ」

    暁「わざわざ高雄に向かって離島で療養なんて言い出すんだから」

    暁「何らかの思慮遠謀があるのよ」




    365以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:50:14 ID:705eIlN.

    電「……ここを出る時、ブサイク司令官さんが」

    電「とても悲しそうな顔をしていた様に思えたのですが」

    暁「……信じるしかないわ」

    暁「私に重要な任務を託した様に」

    暁「きっと……何かブサイク司令官にしか出来ない事があるのよ」

    電(……そういう意味ではないのです)

    由良「……きっとそうね」

    由良「あんな見事な魚雷戦術を駆使できるのだもの……」

    由良「戦略上、重要な何かが……」

    由良「ブサイク司令官の双肩にかかっているのよ」

    暁「ええ……」

    電(……本当にそうなのでしょうか)




    366以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:51:13 ID:705eIlN.


    ―――――――――――


         ザザーン… ザザーン…


    ブサ督「…………」

    ブサ督「……もう夕方か」

    ブサ督「うう〜ん……」 ノビー…

    ブサ督「…………」

    ブサ督「晩飯の用意でもするか……」

         ザッ… ザッ… ザッ…

    ブサ督「……ん?」

    タ級「…………」

    ブサ督「」

    ブサ督(せ……戦艦級の……タ級!?)

    タ級「…………」




    367以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:52:14 ID:705eIlN.

    ブサ督「……う」

    ブサ督「うわわわわわわわわわわわわわわっ!?」

    タ級「…………」

    ブサ督(……終わった)

    ブサ督(俺の人生……)

    ブサ督(予想通り……童貞のまま)

    ブサ督(終わった……!)

    タ級「…………」

    ブサ督「…………」

    タ級「…………」

    ブサ督「…………」




    368以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:53:11 ID:705eIlN.

    ブサ督「……?」

    タ級「…………」

    ブサ督「…………」

    タ級「…………」

    ブサ督「……えと」

    ブサ督「な、何か……用……なのか…な?」

    タ級「…………」

    タ級「……そういう訳ではない」

    ブサ督(しゃ、しゃべった!?)

    ブサ督「…………」

    タ級「…………」

    ブサ督「……とりあえず」

    ブサ督「座らないか?」




    369以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:54:19 ID:705eIlN.

    タ級「…………」

         ストン

    ブサ督(……向こうもこちらの言葉を理解してる)

    ブサ督(驚いた……)

    ブサ督(俺は、世界で初めて)

    ブサ督(深海棲艦とコミュニケーションを取ったのかもしれない)

    タ級「…………」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「……これから飯を食うんだが」

    ブサ督「お前も食うか?」

    タ級「メシ……とは何だ?」

    ブサ督「え」




    372以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:58:45 ID:705eIlN.

    ブサ督「食事……って分かるか?」

    タ級「いや」

    タ級「……栄養摂取作業……の事か?」

    ブサ督「……そうだ」

    タ級「もらおう」

    タ級「グレッズが何を摂取しているのか興味がある」

    ブサ督「……ぐれっず?」

    タ級「お前たちの事だ」

    タ級「我々ディルプはお前たちの事をグレッズと呼称している」

    ブサ督「……ほう」

    ブサ督(深海棲艦は自分たちをディルプと呼んでいるのか)

    ブサ督「ま……話は食いながらしよう」




    373以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 12:59:53 ID:705eIlN.

    ―――――――――――

    ブサ督「……口に合うか分からんが」

    タ級「……これは何だ?」

    ブサ督「袋詰めのビーフシチュー……つっても分からんよな」

    ブサ督「そういや、深海棲艦……いや、ディルプは」

    ブサ督「普段どんなものを食っ……摂取してるんだ?」

    タ級「主にプランクトンの死骸だ」

    タ級「あれを凝縮して、ブロック状にしたものを摂取している」

    ブサ督「プラ……ちょっと遠慮したくなるな」

    タ級「そうか?」

    タ級「このビーフ……何やらも何か生き物の死骸ではないのか?」

    ブサ督「……言われてみれば確かにそうだ」




    374以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:00:52 ID:705eIlN.

    タ級「…………」

    タ級「では……摂取する」

    ブサ督「お、手づかみとはワイルド……」

    ブサ督「あ、スプーンの使い方が分からないのか?」

    タ級「む?」

    ブサ督「これはこうやって使うんだ」

    ブサ督「俺の真似をしてみるといい」

    タ級「分かった」

    タ級「では……今度こそ摂取する」

    ブサ督「ああ。いただきます」

         モグ…

    タ級「!」




    375以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:01:58 ID:705eIlN.

         モグモグモグ ゴクン

    タ級「な、なんだこれは!?」

    ブサ督「口に合わなかったか?」

    タ級「い、いや……どう言えばいいのか分からん」

    タ級「分からんが!」

         モグモグ ゴクン

         モグモグ ゴクン

    タ級「摂取が……止まらない!」

    ブサ督「……その様子だと」

    ブサ督「旨いみたいだな」

    タ級「旨い?……この感覚は旨い、というものなのか?」

    ブサ督「たぶん」

    タ級「旨い……旨い!」




    376以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:03:19 ID:705eIlN.

    ―――――――――――

    タ級「ふう……」

    ブサ督「お粗末様でした」

    タ級「……グレッズは普段、こんな旨いものを摂取しているのか」

    ブサ督「普段はもっと旨いものを摂取してるぞ」

    タ級「な、なに!?」

    ブサ督「これは袋詰め……んと、保存用に作られている物だからな」

    ブサ督「偽物……とまでは言わないが旨さは控えめにしてある」

    タ級「……信じられない」

    ブサ督「あと……他の食い物もある」

    タ級「他?」




    377以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:04:39 ID:705eIlN.

    タ級「ビーフ……何やら以外の生き物も摂取すると?」

    ブサ督「それもそうだが……やり方次第で別の旨さがあるって事だ」

    タ級「……違う旨いがある、という事か?」

    ブサ督「そうなるな」

    タ級「…………」

    タ級「非常に興味がある」

    ブサ督「気持ちは分かるんだけど、数に限りがあるんでな」

    ブサ督「また飯時に……ええと、明日の朝、ご馳走しよう」

    タ級「……そうか」

    ブサ督(あからさまにがっかりしてる……)

    タ級「…………」




    378以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:06:06 ID:705eIlN.

    タ級「……お前は他のグレッズとは違うな」

    ブサ督「……まあ顔についてはそうだろうな」

    タ級「違う。そうではない」

    タ級「何と言うか……体形がかなり違う」

    ブサ督「体形?……ああ艦娘とか?」

    タ級「艦娘?」

    ブサ督「戦っている戦闘員の事をそう呼んでいる」

    タ級「そうだ。その艦娘というグレッズと、だいぶ体つきが違う」

    ブサ督「それは男と女の違いだな……」

    ブサ督「ん?……ディルプに男は居ないのか?」

    タ級「少なくとも私はお前の様なものを見た事が無い」

    ブサ督「……そうなのか」

    ブサ督「じゃあ、深海……ディルプはどうやって増えるんだ?」




    379以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:07:31 ID:705eIlN.

    タ級「私には分からない」

    タ級「上が言うには、勝手に生まれてくるとか言っていたが……」

    ブサ督(上が居るのか……)

    タ級「グレッズはどうやって増えるのだ?」

    ブサ督「……へ?」

    タ級「男……とか言ったな?」

    タ級「つまり、お前のような存在がグレッズの増殖に必要という事か?」

    ブサ督「そ」

    ブサ督「そ、その、通りなんだが……相手の女と合意が……ごにょごにょ」

    タ級「?」

    ブサ督「そ、そう言えば!」

    ブサ督「名前! 名前を聞いていなかったな!」




    380以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:08:37 ID:705eIlN.

    タ級「名前?」

    ブサ督「ディルプみたいな種族とか全体を指すのではなく」

    ブサ督「個人や個体の名称の事だ」

    タ級「ああ……個体名の事か」

    ブサ督「俺の名前はブサイク提督」

    ブサ督「君は?」

    タ級「私はディルプでスリーオブエイトと呼ばれていた」

    ブサ督「スリーオブエイト?……数字で呼ばれていたのか」

    タ級「私の様な自我を持つ個体はディルプでは珍しいからな」

    タ級「ナンバーズとして区別されている」

    ブサ督「珍しい?」

    ブサ督「という事は……ディルプのほとんどは自我が無いのか?」




    381以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:09:47 ID:705eIlN.

    タ級「ああ」

    ブサ督(……なるほど)

    ブサ督(それでダメージを喰らっても構わず前進して来るのか)

    ブサ督「……それにしても」

    ブサ督「名前が数字、というのは味気ないな」

    タ級「気に入らないのか?」

    ブサ督「まあ……端的に言えば」

    ブサ督「我々は普通、君みたいな綺麗な女の子には」

    ブサ督「花の名前とか付けたりするんだ」

    タ級「花……とは?」

    ブサ督「植物が実を付け……いや、これじゃ分かりづらいな」




    382以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:10:51 ID:705eIlN.

    ブサ督「ええと……」

    ブサ督「ああ、ほら。 そこにある黄色いやつ」

    ブサ督「そういうのを総称して花と呼んでいる」

    タ級「これか……」

    タ級「この花の名前は何と言うのだ?」

    ブサ督「すまん。ちょっと分からない」

    タ級「そうか……」

    タ級「では……お前が知っていて好きな花の名前は?」

    ブサ督「…………」

    ブサ督「桜だな」

    タ級「桜……どんな花だ?」




    383以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:12:05 ID:705eIlN.

    ブサ督「春になると、樹木いっぱいに淡いピンク色の花をつける植物で」

    ブサ督「一つ一つは、そこの花くらいの大きさだが」

    ブサ督「それはもう見事で……とても綺麗なんだ」

    タ級「…………」

    タ級「では……私は桜、と名乗ろう」

    ブサ督「え」

    タ級「不満か?」

    ブサ督「い、いや……そうじゃないが」

    タ級「なら……別に構わないだろう?」

    ブサ督「……ああ」

    ブサ督「よろしく、桜」

    桜「よろしく、ブサイク提督」




    384以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:13:54 ID:705eIlN.


    ―――――――――――


    大本営 元帥の執務室


         コン コン

    元帥「む?」

    フツ督「お久しぶりです元帥閣下」

    フツ督「フツメン提督です」

    元帥「おお、着いたのか」

    元帥「どうぞ、入ってくれ」

    フツ督「失礼します」

         ガチャ キィ パタン

    元帥「長旅、ご苦労だった。そこのソファにでも掛けてくれ」




    385以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:15:05 ID:705eIlN.

    フツ督「ではお言葉に甘えて」

    フツ督「龍田、君も座ると言いい」

    龍田「はぁい。失礼します」

         ストン

    フツ督「いやぁさすが内地、しかも帝都は違いますね」

    フツ督「人込みで少々酔いました」

    元帥「そうか」

    フツ督「それでは、さっそく本題に入りますが……」

    フツ督「ブサイク提督の件はどうなりました?」

    元帥「そちらは貴様の根回しがあれば、おそらく問題ないだろう」

    元帥「ただ、やはり一度、ブサイク提督には大本営に来てもらう必要がある」

    元帥「南方鎮守府着任当時の状態を本人が文書付きで提示せねば」

    元帥「納得できぬ者も多い」




    386以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:18:00 ID:705eIlN.

    フツ督「まあ……妥当なところですね」

    元帥「問題はイケメン提督の方だ……」

    元帥「これを見てくれ」

         バサ バサ…

    フツ督「……イケメン提督、大将職へ意欲?」

    フツ督「横領撲滅の急先鋒……」

    フツ督「……何ですかこれ?」

    元帥「見ての通りだ」

    元帥「大将……いや元大将の毒が効きすぎて」

    元帥「手が付けられん状況になっている」




    387以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:19:51 ID:705eIlN.

    フツ督「……民衆の人気が高いと聞いていましたが」

    フツ督「新聞がそれに乗っかってる感じですか」

    元帥「知り合いによると」

    元帥「イケメン提督の話題は発行部数に多大なる影響があるそうだ」

    フツ督「…………」

    元帥「この状態で奴の首を切ってみろ……」

    元帥「海軍への民意は一気に悪くなる」

    元帥「かといって、奴のやらかした事を暴露しても結果は同じだ」

    フツ督「……その場合は奴を道連れに出来ますけどね」

    元帥「逆だ。海軍が奴に道連れにされるのだ!」

    フツ督「…………」




    388以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:21:19 ID:705eIlN.

    元帥「……すまん」

    元帥「少々声を荒げてしまったな」

    フツ督「いえ」

    龍田「…………」

    フツ督「何とか奴の方から辞任する様もって行く事は出来ないですか?」

    元帥「……実は」

    元帥「その方向で海軍も検討を始めている」

    フツ督「癪に障りますが……それが無難なところですね」

    元帥「納得など到底無理だがな……」

    元帥「だが奴の持つ海軍の機密事項がどれだけあるか」

    元帥「あやつの行動を鑑みると、うかつに刺激すれば」

    元帥「藪蛇になりそうでな……」




    389以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:23:27 ID:705eIlN.

    フツ督「やはり……新聞へ情報を提供したのは彼ですか」

    元帥「……残念ながら証拠は掴めなかった」

    元帥「元大将もさぞかし手を焼いた事だろう」

    フツ督「飼い犬に手を噛まれるどころか」

    フツ督「喉笛噛み切られてますからね」

    元帥「今度は海軍そのものが食い散らかされそうだ……」

    龍田「…………」

    元帥「何かいい方法は無いだろうか?」

    フツ督「考えてみますが……余り期待しないでください」

    元帥「そうか……来たばかりで疲れているだろう」

    元帥「とりあえず、用意したホテルで休養してゆっくり考えてくれ」

    フツ督「ありがとうございます」




    390以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:24:58 ID:705eIlN.


    ―――――――――――


    帝都 大通り付近


         ガヤ ガヤ

    龍田「……ねえ」

    フツ督「ん?」

    龍田「私を連れてきた理由って……処理かしら?」

    フツ督「……まだそうと決まった訳じゃない」

    龍田「やらされる可能性はあるのね」

    フツ督「……残念ながらな」

    龍田「そっか……」

    フツ督「…………」




    391以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:26:35 ID:705eIlN.


    ―――――――――――


    北方鎮守府 執務室前


    大淀「…………」

    大淀(さて、金剛さん)

    大淀(心の準備はいいですか?)

    金剛(大丈夫ネ……)

    金剛(いつも通り、元気ハツラツ金剛出来マース!)

    大淀(では……ノックして扉を開けます)

    金剛(了解ネー!)




    392以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:27:40 ID:705eIlN.

         コン コン

    大淀「入ります」

         ガチャ…

    イケ督「ああ、大淀か」

    イケ督「それと……金剛も一緒か」

    イケ督「任務ご苦労」

    金剛「ヘーイ! イケメンテートクゥ!」

    金剛「任務達成した金剛にご褒美……」

    金剛「へ?」

    大淀「イケメン提督、その荷物は?」

    イケ督「いやね」

    イケ督「ちょっと大本営まで行かなきゃならなくてね」

    大淀「出頭命令が出たので?」




    393以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:29:54 ID:705eIlN.

    イケ督「まあそんなとこかな」

    イケ督「そんな訳で私はこれから出かけるから」

    イケ督「北方鎮守府はしばらく大淀達に任せるよ」

    大淀「はあ……」

    イケ督「すまないね」

    イケ督「金剛も悪いな」

    イケ督「また今度埋め合わせをさせてもらうよ」

    金剛「は、はい」

    金剛「北方鎮守府は任せてくだサーイ!」

    イケ督「それじゃ、またな」

         ガチャ キィ パタン

    大淀「…………」

    金剛「…………」




    394以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:31:11 ID:705eIlN.

    ―――――――――――

    利根「せっかく意気込んだというのに……」

    利根「拍子抜けじゃのう」

    大淀「ま、まあ、釈然とはしませんが……」

    大淀「結果的に良かったと思いましょう」

    大淀「それでは……」

         プルルルル… プルルルル…

         ガチャ

    大淀「こちらは北方鎮守府、執務室」

    大淀「秘書艦の大淀です」

    大淀「艦娘艦隊の責任者の方をお願いします」




    395以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:33:31 ID:705eIlN.

    通信使『こちら大本営・艦娘艦隊窓口』

    通信使『現在、総責任者の不在によりお繋ぎできません』

    大淀「え」

    大淀「で、では、どなたか……責任のあるお方で構いません」

    大淀「お繋ぎ願えませんか?」

    通信使『少々お待ちください』

    大淀「…………」

    大淀「…………」

    通信使『お待たせしました』

    通信使『現在、責任者不在であり、その他の方も多忙の為』

    通信使『大変申し訳ないのですが』

    通信使『お取次ぎする事が出来ません』




    396以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:35:05 ID:705eIlN.

    大淀「そ、そんな!」

    大淀「…………」

    大淀「で、では……南方鎮守府のブサイク提督はいかがでしょう?」

    通信使『少々お待ちください』

    大淀「…………」

    大淀「…………」

    通信使『お待たせしました』

    通信使『ブサイク提督は先日、南方鎮守府防衛作戦で負傷され』

    通信使『離島で療養中との事で、お取次ぎできません』

    大淀「な……」

    通信使『申し訳ありませんが、また日を改めてご連絡ください』

    通信使『では……失礼します』




    397以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:36:21 ID:705eIlN.

         ブッ…

    大淀「え、ちょっと待っ」

    大淀「……切れました」

    利根「……色よい返事は聞けなかった様じゃの」

    大淀「…………」

    大淀「……それから」

    大淀「ブサイク提督、南方鎮守府の防衛戦闘で負傷されたそうです」

    利根「悪い事は重なるのう……」

    大淀「参りました……もうお手上げです」

    大淀「大本営も混乱状態なのかもしれません」

    利根「…………」




    398以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:37:21 ID:705eIlN.

    利根「くよくよしても仕方ない」

    利根「飯でも食って、たっぷり寝て」

    利根「英気を養う事が、今の吾輩らに出来る事じゃろう」

    大淀「…………」

    大淀「……そうですね」

    大淀「せっかくですから、羽を伸ばしましょう」

    大淀「…………」


    ―――――――――――


    北方鎮守府 食堂


    利根「それにしても……ブサイク提督が防衛作戦で負傷とはの」

    利根「それだけ南方は……酷い状況だった、という事か」




    399以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:39:11 ID:705eIlN.

    大淀「そう推測せざるを得ません……」

    大淀「今後は……イケメン提督の命令に対し」

    大淀「どう対処していけばいいのか……」

    利根「頭の痛い問題じゃのう……」


         ドォンッ! ドォンッ!

         ドガアァァァァァンッ!!


    大淀「!?」

    利根「!?」

    利根「何じゃ!? 今の爆発音は!?」

    大淀「執務室の方向から聞こえてきました!」




    400以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:40:35 ID:705eIlN.

    ―――――――――――

         タッ タッ タッ…

    比叡「今の爆発、執務室ですか!?」

    利根「分からぬ!」

    利根「それを確かめに走っておるのじゃ!」

    金剛「まさか……深海棲艦が攻めて来た!?」

    大淀「この角を曲がれば……ああっ!?」

    ??「…………」

    利根「あれは……チ級……?」

    利根「いや、違う……」

    ??「……ドコダ」

    大淀「えっ……!?」

    大淀(深海棲艦が言葉を!?)




    401以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:42:12 ID:705eIlN.

    ??「あの……クソヤロウ……」

    ??「ドコだ……?」

    利根「クソ野郎……とは」

    利根「イケメン提督の事か?」

    ??「ソウだ……トネ……」

    利根「!?」

    利根「な、なぜ、吾輩の名前を知っておる!?」

    ??「言エ……アノ……くそヤロウは……」

    ??「ドコダ……!!」

    大淀「…………」

    大淀「ま……まさか……」

    大淀「て……天龍……さん?」




    402以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:44:04 ID:705eIlN.

    利根「!!」

    比叡「!?」

    金剛「!?」

    利根「そうじゃ……あの顔、どこか見覚えがあると思ったが」

    利根「天龍!」

    利根「いったい……お主に何があったのじゃ!?」

    天龍?「…………」

    天龍?「あの……クソヤロウに……」

    天龍?「深海棲艦泊地へ……イケと……命令……ぐっ……」

    天龍?「がああああああああああっ!!」

    利根「!?」

    大淀「!?」




    403以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:45:18 ID:705eIlN.

         ドンッ

    大淀「ひっ!」

    天龍?「言え……オオよド……」

    天龍?「あの……クソヤロウは……ドコダ!!」

    大淀「こ、ここには……居ませんっ」

    大淀「大本営にっ……」

    天龍?「…………」

         バッ!

    利根「あっ!」

    利根「ま、待つのじゃ! 天龍!」

    金剛「追いかけるネー!」

    比叡「私も行きます!」

         タッ タッ タッ…




    404以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:47:00 ID:705eIlN.

    利根「……なんという事じゃ」

    利根「いかに恐ろしかったと言えど」

    利根「イケメン提督の居場所を教えてしまうとは……」

    大淀「……すみません」

    利根「あの様子だと……何日かかろうとも」

    利根「おそらく大本営へ向かうであろうな……」

    利根(途中の防衛網に引っかかれば、間違いなく)

    利根(深海棲艦として処理される……)

    大淀「…………」

    利根「……じゃが、この事は」

    利根「大本営に報告せねばな」




    405以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:48:06 ID:705eIlN.

    大淀「え……」

    利根「それが艦娘である吾輩らの責務じゃ」

    利根「皇国国民に危害を加える可能性も否定できんしのう」

    大淀「…………」

    大淀「……わかり……ました」

    大淀「執務室へ向かいましょう」


    ―――――――――――


    北方鎮守府 執務室


    利根「何たる事じゃ……」

    大淀「やはり……あの時の爆発音はここだったんですね」




    406以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:49:22 ID:705eIlN.

    利根「……いや、もっと深刻じゃぞ」

    大淀「え……」

    利根「こっちを見てみよ」

    大淀「…………」

    大淀「!!」

    大淀「そんな……作戦室まで!」

    利根「しかもご丁寧に広域通信機も電探も破壊されておる」

    利根「追跡を防ぐ為か……手際のよい事じゃ」

    大淀「すぐに明石さんを呼んできます!」

         タッ タッ タッ…

    利根「…………」

    利根(これ以上……何事も起こらねば良いが……)




    407以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 13:50:57 ID:705eIlN.

    ―――――――――――

         ザザザザザザザザ…

    長良「メーデー!メーデー!」

    長良「こちら天龍遠征隊・捜索班!」

    長良「北方鎮守府、応答して!」

         ピピピー ガガー

    長良「大淀! 返事して!」

         ガガガー ピー

    長良「どうして……どうして!」

    長良「メーデー!メーデー!」

    長良「大規模な深海棲艦艦隊に追撃を受けてる!」

    長良「誰か……誰か助けて!」

    長良「誰かぁぁっ!!」




    409以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 14:02:03 ID:0LAFl0Z.



    あれ、艤装を装着したら普通の艦娘同士で無線通信できるのでは?




    411以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 14:06:19 ID:705eIlN.
    >>409
    後で出てきますが艦娘同士では短距離通信しかできない設定です。




    413以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 21:49:07 ID:xq5SkuHg
    天龍はブサイクに逆恨み特攻するかと思いましたがイケメンにいきましたか




    414以下、名無しが深夜にお送りします :2020/09/22(火) 23:48:14 ID:5FPhT8oc

    色々とややこしい事になってきて先の展開が気になる


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    【艦これ】ブサ督「イケメンに限るって……真理だよな」 後編
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