2010年08月18日

ハセガワアユムくんに、ライナーノーツ書いてもらいました。

jacket僕の友達のなかでも、とりわけ音楽に造詣が深く、そんでもって書く文章もなんとなくレコード屋のポップみたいと勝手に僕がおもいこんでいるハセガワアユム氏に、今回のZOKKY CDのライナーノーツを書いてもらいました(実際アユムくんは、元レコ屋の店員だったらしい)。いや、かなりまじめに音楽面のみならずZOKKYのコンセプトについても紹介してくれてるので、ZOKKY初心者のかたにとっては、これ相当わかりやすいかも(当事者の僕が書くより客観的だろうとおもうし)

というわけで、こちら全文紹介しちゃいますので是非ぜひ読んでみてくださいね。

あ、ちなみに8月26日からシアタートラムで上演されるキリンバズウカ「ログログ」にて、このCDご試聴いただけますー♪(もちろんその場で購入可能)実際どんな音になってるか、あなたのその耳でお確かめくださいませ。岡田あがさの芝居観たあとは、レディアガのCDをお土産にどうぞ的な。

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[ライナーノーツ 〜ZOKKYに関する考察〜]

 ZOKKYは小林タクシーが個人で「覗き部屋演劇」を公開しているユニットだ。一つの丸い穴からその部屋を覗き、それを5分間のあいだ、ひとり占め出来る。料金は一回500円。演劇がいくら観客のために目の前で行われる行為だとしても、こんな豪華なひとときはなかなか無い。
 作風のスタイルを言えば、スネークマンショーのような、またはコマーシャルビデオのような「ちょっとシュールでオシャレでムフフな」展開で進む面白さがあるのに、わざわざそれらに必ずと言っていいほど、いかがわしいシモネタが混入されている。ある一篇は、コンドーム専門店のCMを想定したという逸話のある作品だが、出だしから「生で会いたい」を「生で入れたい」と聴き間違える主婦が出て来るし、逢い引きには頭からすっぽりコンドームを被った男がやって来る。このコンドームを被ってる俳優は、ぼくの劇団にも出演をお願いしたこともあるし、とてもキャリアのある名優なのに、一度も本当の顔を出さず最後までコンドームを貫き通す。なんて贅沢! さらにもう一編では、これまた某過激売れっ子劇団で重要な役を演じたりしてるほどの女優が「あなたのお乳が飲みたいの」と牛の乳を終始絞っては喜んで飲んでいる(浴びている?!)またも贅沢!!

 とにかく、このZOKKYというコンセプトは「おバカでゴージャス」というフレーズに尽きるだろう。この「おバカ」さは、いかがわしさ溢れるタイトルからユーモアが嗅ぎ取れる上に、小劇場ファンはついつい苦笑してしまうだろう。群雄割拠の小劇場で活躍している劇団名と作品名が全てシモネタにリアレンジされているという仕組みなのだ。元ネタの劇団名を省略してみても「Mrs.fucktions、箱箱(パコパコ)円舞曲、劇団スクール水着、失禁蝶々、エロムモリブデン、妄想組曲、ニュウリンバズウカ、性年団リンク・竿☆組、ヌキバカ」と圧倒的だ。読み上げるだけで笑いが加速度的に止まらないラインナップになっている。個人的に「性年団リンク・竿☆ 組」がもうダブルでヤバい。「青年団」→「性年団」は判るが、「青☆組」→「竿☆組」はどう考えてもおかしい。竿どっから出て来たんだ(笑) むしろ、このパロディの標的になってること自体が「モノマネやパロディされることは有名人の証」というように誇らしい事かもしれないし、これら全てに怒られず使用許可が取れているのは、タクシー氏の人徳もあるが、近年俳優として異常なほど活躍しているスターアクションの功績が説得力に繋がっているんだろう。このために彼は日々、色んな劇団で好演しているんじゃないかと勘ぐりたくなる。余計な邪推かな。はは。

 そしてそんなパロディは、ZOKKYのテーマソングを唄う歌手をプロデュースするところまで飛び火する。スタッフの間では「レディアガ」と愛称で呼ばれ、あなたが手に取っているこのCDがそれだ。ヴォーカルを担当してるのは、小劇場に留まらない活躍をしている女優・岡田あがさ。彼女はタクシー氏と共演した飲尿ミュージカル(またシモネタだけども傑作!)で素敵な美声を震わせていたが、スレンダーで色白、ゴスな佇まいすらする彼女にR&Bを歌わせるなんて、ある意味彼女自身へのパロディでもあるんだけど、パロディから想像もつかないような化学変化を起こしてしまっているのが本盤の面白いところだ。
 驚愕すべきはその本格的な音づくりだろう。グッと来るR&Bだ。僕はデモトラックを初めて聴いたとき、あまりの完成度の高さに安室奈美恵の新曲のデモかと思うほど驚いた。だけど聴こえて来るのは「暗い小部屋のなか/待っている/真っ赤っかな欲望のゼリー/誰もがうらやむ」と、ZOKKY以外ナニモノでもない歌詞なので二度驚いてしまった。この楽曲達は、タクシー氏が愛聴していたAmerieの大ヒットアルバム『Touch』の“ドラムが跳ねているのに、負けないような高級感とセクシーさを感じられる”点に魅力を感じ、そのアプローチが持ち込まれている。イメージとしては“六本木の間接照明で照らされているようなラグジュアリーさ”だそうだ。うーん、ゴージャス。そしてその希望を叶えたトラックを制作したのが、Wise(from Teriyaki Boyz)や、Spontaniaなどに楽曲提供をしているSTELF。いわく「どれだけ真剣にふざけられるか?」を念頭に制作し、レコーディングまで行った。

 「六本木のようなゴージャスさ」と「どれだけ真剣にふざけられるか?」。まさしくZOKKYのコンセプトとして僕が見いだしたキーワードと一致する。このCDは、いつもより一段と真剣に「おバカでゴージャス」だ。9月に行われる<のぞき部屋演劇祭>でもそのレベルアップは共振しているに違いない。ここまでおバカをやられた日にゃ、こちらもおバカにならねば損というもの。500円玉握りしめて、いい大人たちが覗き部屋を真剣に観に行こう。

text ハセガワアユム(MU)
http://www.mu-web.net/


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