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〈あらすじ〉
メイソン(エラー・コルトレーン)は、母オリヴィア(パトリシア・アークエット)と姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)とテキサス州の小さな町で生活していた。

彼が6歳のとき、母は子供たちの反対を押し切って祖母が住むヒューストンへの引っ越しを決める。

さらに彼らの転居先に、離婚してアラスカに行っていた父(イーサン・ホーク)が1年半ぶりに突然現れて・・。



製作国 アメリカ  BOYHOOD  (165分)

監督・脚本: リチャード・リンクレイター
出演: パトリシア・アークエット/エラー・コルトレーン/ローレライ・リンクレイター




こちらの作品、『ビフォア』シリーズのリチャード・リンクレイター監督が、6歳の少年とその家族の12年にわたる軌跡を綴った、人間ドラマです~~。

この映画の画期的なところは、主人公メイソンを演じたエラー・コルトレーンをはじめ、主要キャスト4人を、同じ俳優が12年間にわたって演じているということ。

メイソンの母親、オリヴィアに扮したパトリシア・アークエット、メイソンの姉サマンサには、監督の実娘ローレライ・リンクレイター

そしてオリヴィアと離婚していながら、子どもたちと会う機会を絶やさなかった父親に、イーサン・ホーク



12年にわたって、毎年数日ずつ撮影していたとのことですが、その都度脚本も書きかえるでしょうし、俳優たち、とくに子役のふたりは、駄々をこねて「辞める」と言い出していたかもしれない。

そしてその12年分のカットを、一本の映画に仕上げてゆく作業と、ギャンブル的要素の高い映画制作だったとも思うんですよね。



映画冒頭、芝生に寝転がる6歳のメイソンが映し出され、母親との他愛のない話で物語は幕を開けます。

その後も、他愛のない会話を中心に、とくにドラマティックなことも起こらないまま、淡々と話は進んでゆきます。



original



この映画の最大の魅力はなんといっても、主人公メイソンの成長でありましょう。

6歳の小さな子供が10歳となり、15歳となり、18歳になってゆく。

ふっくらとしたあどけなかった子どもが、頬も研ぎ澄まされ、精悍な大人になってゆく過程は、いまだかつて味わったことのない映画体験でした。

なによりも凄いと思うのが、このメイソンの成長の過程が、「物語」の中に収まっているということ。

とてつもなく贅沢な映画、という印象もあります。



165分という長い本編の中で、メイソンが高校を卒業し、いよいよクライマックスかというところで、「時間の経過」を意識したセリフが出てくるのですね。

これ以上ない説得力で、「人生は呆気ない」、「時間は一瞬の連続だ」というフレーズが、心に刻まれていく思いでした。

奇跡的な一本だと思います。 これ、ぜひともアカデミー賞とってほしいですね。



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