ポツポツと大粒の雨が降り、街道を行く人々もその雨の中をゆっくりと歩いています。沖合いには何艘もの小舟が出て漁をしており、海が荒れている気配はありません。梅雨時のぐずついた空模様のようです。
画題の虎ヶ雨とは「曾我物語」の兄曾我十郎の恋人だった「虎御前」がこの宿の遊女で、彼の死を悲しみ涙したことが由来となり、その命日の陰暦の5月28日に降る雨のことを指すそうです。
大磯S
歌川広重の東海道五十三次
「大磯・虎ヶ雨〈おおいそ・とらがあめ〉」


【ツボコメ】
この作品では、雨もシャドーボックスで表現できないかといろいろ考えてみました。一、二、本の線ならそのままプリントを切り抜くのですが、さすがにこれだけ本数が多いととても無理です。そこで黒糸を張ってみるとか、前面のガラスに線を描くとか、半日ぐらい試行錯誤しながら真剣に考えてみましたが、フトあることに気付いて諦めました。というのは、細い線の場合下絵と重なって見えるのはほんの一点でしかなく、おそらくほとんど二重に見えてしまうことになるからです。つまり両目で見た場合やちょっと視点をずらしただけでもずれが生じ、むしろ目障りでしかないと言うことです。まったく半日も無駄に使って…もっと早く気付くべきでした




 ステレオグラムショー
毎回の作品を裸眼立体視で見ていただくコーナーです。
(わかりにくい方は一回目の説明をご覧ください)

【平行法】
大磯LR

【交差法】
大磯RL

(それぞれ画像をクリックすると別のウィンドウに大きく表示されます)