ちょっと待って、ラ・テ

オジサンのこころに響いた番組の、あの場面、あの言葉、あの人の表情。 毎日、放送される多くのラジオ、テレビ番組の中から、選りすぐって取りあげ、 聞いていない人、見ていない人が自分のなかで再生して、その番組の感動や楽しさを味わうことができる、そんなことの役にたてればと思います。 ついつい流される日々のなかで、ちょっと立ち止まって、日常を一歩離れて、考えてみるためのラジオ、テレビ。だから「ちょっと待って、ラ・テ」。

2015年05月

一週間前のことになるが、中谷防衛大臣が閣議後の記者会見で、
翌週から審議が始まることになっている「安保法制法案」について、
「自衛隊員のリスクは増大しない」と発言、
その日の夜のテレビ各局のニュース、翌日の新聞は、それを大きく
取り上げた。

その夜10時、TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」でも、
「Daily News Session」のひとつとして取り上げたが、
その話のなかで、荻上チキ氏が「防衛省のホームページには
その会見の詳細が載っている」と言ったので、
ラジオを聞きながら防衛省のホームページを開いてみた。
 
初めての防衛省ホームページ訪問である。
まず左上の省庁名のところが「防衛省・自衛隊」となっているのに
おっと思う。 そうか、防衛省イコール自衛隊なのね。
「報道資料」⇒「記者会見」と入っていくと、「防衛大臣記者会見概要」とあり、
当日、5月22日の会見が文字おこしされ掲載されていた。
ご丁寧に時間まで書いてある。
すぐ横には、同じ内容のものがPDFで添付してあり、A4サイズで
12枚になっていた。

それを読んでみると、問題の「リスクは増大しない」という
発言に対して、記者が意外にしつこく 聞いているのが わかる。
どこの新聞社なのか、またはテレビ局なのか、社名は書かれていないので、
わからないし、1社の記者が繰り返し聞いているのか、複数の記者なのかも
文面から読み取ることはできない。

会見の終わり近く、リスクの話題からオスプレイの安全性についての
質問と大臣の答えにかわっていたがある記者が、あらためて、という感じで
発言している。
「繰り返しで恐縮なのですけれども、大臣、常々、国民にわかりやすく
説明したいとおっしゃっていますけれども、やっぱりどう考えても任務が
増えるのに、リスクが増えないという論理って、いまいち分からないのですけれども。
それは、国民に理解してもらえるとお考えでしょうか」

ここまで書いてあると「概要」というより「詳細」と言っていいのではないかと
思うが、いずれにしても、官邸の官房長官の会見や、たまにある総理の
会見では、いわゆる大新聞の記者が2つ3つの質問をして、
用意されていたかのような答えを総理や官房長官が答える。
それにまた突っ込んで聞く記者もいない、場内には記者たちの打つ
パソコンのキーの音が響いているというのに比べれば、
この防衛省担当記者のしつこさは、まだ日本のジャーナリズム精神の
一端は、現場には残っているのか、と安堵する気持ちになった。

続きを読む

27先日の日曜日24日の「NHKのど自慢」で、「歴史的」と言っていい事件は起きた。この日は、四国の四万十市からの生放送。いつものように出場者がそろってステージに出てくる。続いてゲストの吉幾三と市川由紀乃が登場。そして司会の小田切千アナウンサー。 元気にあいさつを始めた。
「きょうは高知県四国市の○○スポーツセンター・・・」途中で横から何か
声が飛んだのか、小田切アナウンサーが「何?」という表情で聞き直す。そして、「おれ今、なんて言った?」
私も長いことNHKの番組を見たり聞いたりしてきたが、自分のことを「おれ」と言ったアナウンサーは小田切さんが初めてである。
それも驚いたが、それにもまして今年70周年をむかえる「のど自慢」で、司会のアナウンサーがその市町村名を間違えるということも、そうそうあることではないと思う。

誰でも間違いはあるし、小田切さんを責めるつもりもない。 
あの元気な司会は見ていていやみがないし、この日も、そのあと
ゲストの吉幾三に「きょうはどこから放送しているんだっけ?」と
突っ込まれても、「し、ま、ん、と、し」と切り返すなど
ある種の芸達者ぶりを発揮していた。

むしろ、以前、彼が「歌謡コンサート」の司会を担当していたときのほうが
見ていてイライラすることが多かった。
とにかく元気な司会で、この曲はもっとしっとりと紹介したほうがいいだろうと
思うこともしばしばで、よほどNHKにクレームの電話をしようかと思ったくらいだ。

ところがあるとき、「ラジオ深夜便」を聞いていたら、定時のニュースを
読むアナウンサーの声が、どうも小田切さんの声に似ているなあと思うのだが、
それにしては、深夜にふさわしい落ち着いたアナウンスと声で、いや違うだろと
思い直しているうちに、「以上、1時のニュース、小田切がお伝えしました」と
言って終わったのだ。

あれえ、やればできるじゃん。そりゃそうだ、プロだもの。
それは、昨年のことだから、小田切アナウンサーは「のど自慢」の担当に
なっていた。つまり、毎週、全国を飛び回っていながら、そのあいまに
泊まり勤務でニュースを読む仕事もしていた、ということだ。

NHK、ずいぶん人使いが粗いなあと思ったものである。
最近は、深夜の定時ニュースで彼の声を聞かないから、さすがに
泊まり勤務は無くなったのかもしれない。

「みなさまのNHK」にはいろいろな上司がいるだろうから、
今回の失態をきびしく注意する管理職もいたかもしれない。
それでも、反省はしながらも、あとには引きずらない性分、だろうと
勝手に想像するが、小田切千アナウンサーには一層の奮闘努力を
期待するとともに、エールを送りたい。


クリックお願いします。⇓

 
人気ブログランキングへ

(きのうの続き)
さて、NHK FMで毎週金曜の昼11時から放送している
「中村隼人の邦楽ジョッキー」(翌日土曜の朝5時から再放送)は、
15日と22日の2回にわたって林真理子がゲスト出演したのだが、
22日の番組で、林真理子からパーソナリティの中村隼人に質問があった。

それは、「あこがれの役はありますか」というものだった。それに答えて隼人は、
「ほんとにたくさんありますね。 たとえば、『(女殺)油地獄』の与兵衛という、
やんちゃな二枚目の役なんですけど、この与兵衛は演じてみたいなあって
思っていますね。
まあ、『油地獄』という話は、反抗期のいいとこのおぼっちゃんが
ちょっとおカネに困っちゃって、年上の女性に、おカネを貸してよって
せがむんですけども、ま、その女性は既婚なんですけど、おカネを貸してくれないから
ちょっと勢い余って殺してしまいおカネを盗んでしまうという、
もうほんとに、現代でも起こり得るというか、
何か時代にあってきている作品だと思うんです。
この役を、(片岡)仁左衛門のおじさまが、ずっとつとめられていて、
若いときにおっしゃっていて、「この役には年齢制限がある」ということを
おっしゃっていて、仁左衛門のおじさまが初めてこの役をつとめられたのは
19才のときで、そこから何十回も上演しているんですけど、
自分が19のときにやっていた、そのときよりもちろん技術はあるが、
そのときの初々しさというか、若々しさを出せなくなった、というよなうことを
書いていて、ああやっぱりスゴイな、
歌舞伎は70代でも10代の役をやりますけれども、
年齢制限のある役ってあるんだなって思って、それで、今、演じてみたい役って、
この与兵衛だなって思っています」

ここで林真理子と少しやりとりがあって、そのあと、隼人は、
「それで、この男の人、許せないっていうんじゃなくて、歌舞伎独特の愛嬌というか、
何かひどい奴なんだけれど、憎めないっていう愛嬌が出せれば、という
まあ、これは目標の話なんですけれど」
「そのときはぜひ着物を着て伺います」

林真理子は、この番組に出演して話をしているうちに、すっかり中村隼人の魅力に
まいってしまったようで、「そのときはぜひ着物を着て」発言にも
社交辞令ではない、チカラがこもっていた。
ご自身のブログにも「NHK- FMでイケメンと共演」というタイトルで書いている。

http://hayashi-mariko.kireiblog.excite.co.jp/201505/article_19.html

それにしても、きのうのブログに書いたように、中村隼人は、
質問する立場でも、質問に答える立場でも、ともにうまいのだということを
与兵衛の役をやってみたいというところから始まり、「女殺油地獄」の要点を話し、
片岡仁左衛門の「年齢制限」の話に持っていく流れの淀みなさが証明している。

「けれど」が多い、なんて言ったら昨今の放送局のアナウンサーなんぞ、
半分以上、職種を変えなくてはなりません。

つまり、頭の回転がいいということではないだろうか。
これから、「邦楽ジョッキー」のゲストとの対談は聞きのがせなくなってきた。



クリックお願いします。⇓


人気ブログランキングへ

けさ5時のNHK FM「中村隼人の邦楽ジョッキー」は、
先週に引き続き作家の林真理子がゲスト。
4月に前任の中村壱太郎からバトンを受けてスタートしたこの番組、
まだ2ヶ月たっていないのに、はやくも中村隼人という男の器量の一端が見えたような気がする。

けさのゲストとの会話のなかで、質問する立場でも、質問に答える立場でも、
ともにセンスを感じた。
もちろん、まだまだいかにも台本を読んでいるといった感じの部分も多いが、
たとえば、林真理子に出版業界独特の言葉を教えてもらう、というところで、
「カンヅメ」という言葉の話になった。

出版社が作家に原稿を書いてもらうために、逃がさないぞという意味もあって、
ホテルなどの部屋をとり、そこに閉じ込めるようなかたちにすることを「カンヅメ」
というわけだが、林真理子が昔の体験談を話したあと、中村隼人が、
「じつはカンヅメは、ぼくら、若い人でも最近は使っていて」と話し始めた。

「たとえば歌舞伎役者でいうと、いやぁきのうはセリフを覚えるためにカンヅメだったよとか、高校時代は、きのうはカンヅメで勉強したとか」
林真理子が聞く。「どっかに閉じこもる」
「部屋に閉じこもる。作家さんでいうと、"閉じ込められる”という意味だと思うんですけど、ぼくらは、"部屋に閉じこもる”という意味でカンヅメって使います」という話を、これは台本にはない部分だと思うが、林真理子の話を受けて、自分の話に展開させる、その自然な会話の流れが、「ムム、こやつ只者ではないな」と思わせるものがあった。
相手の言うことを聞くより自分のことを話す方がダイスキ!というやつは
そこいらじゅうにいるが、相手の言うことをよく聞いて、強引でなく自分のことに
話を持っていけるのは、才能である。

そして、さらに「隼人の聞き上手ぶり」が発揮される。
どうしても林さんに聞きたいことがあってと中村隼人は切り出す。
それは、もし自分が小説を書いている途中で、別の作家が同じような内容の作品を
発表してしまったら、どうするのか、というものだった。続きを読む

けさ3時過ぎからの「NHKラジオ深夜便」、「にっぽんの歌こころの歌」は、
さだまさし特集。
じつは昨夜早めに就寝し、3時半ごろ目が覚めてラジオのスイッチを入れると
さだまさしの「雨やどり」が流れてきた。
この曲が流行ったころラジオでよく聞いたが、それはライブの音源で、
お客さんの笑い声が入っているものだった。

しかし、昨夜の「雨やどり」は、笑い声が入っていないバージョンで、
珍しいなと思いながら聞いていた。
そしてそのあと聞こえてきたのは、「雨やどり」の歌詞を朗読する女性の声だった。
「ん?」 何だこれは、と思った。
NHKの女性アナウンサーでは、この声は聞いたことがないな、
大竹しのぶ? それにしては、ちょっと声が若いな、などと思いながら聞きながら、
次第に引き込まれて行った。

「雨やどり」は、さだまさしの多彩な才能の中の、「コミカル」の才能が
発揮された曲で、ほかの歌でもそうだが、歌詞が一遍の詩としても
十分な魅力を持っている。
その詩を、必要以上に演技せず、かといって淡々と読むわけでもなく、
聞く者のこころに真っ直ぐ入ってくる、見事な朗読。
しかも、朝の4時前という時間帯にぴったりの放送だった。

やはり大竹しのぶであった。
番組アンカーの迎康子さんが、「さだまさしさんの歌と大竹しのぶさんの詩の朗読で
"雨やどり"でした」というコメントに続いて紹介した曲は「風に立つライオン」
曲の前に、大沢たかおがこの曲に惚れ込み、さだまさしに小説化と映画化を勧めて
その映画化が実現して、撮影中、大沢たかおは、折にふれこの曲を聴いていて、
役と同一化して行った、と本人が言っている、というような話を
迎アンカーがして音楽に入った。

この曲は、朗読はなかったが、以前も書いたように(1月1日付け)
私にとっては大好きな曲で、思い入れもあるのだが、
けさも聴いていてあらためて「いい曲だなあ」と思うと同時に
映画のシーンが浮かんできてまたまた胸が熱くなってしまった。

続いての曲は「いのちの理由」。
まず朗読、そして歌、という順で聞かせた。

続きを読む

このページのトップヘ