ちょっと待って、ラ・テ

オジサンのこころに響いた番組の、あの場面、あの言葉、あの人の表情。 毎日、放送される多くのラジオ、テレビ番組の中から、選りすぐって取りあげ、 聞いていない人、見ていない人が自分のなかで再生して、その番組の感動や楽しさを味わうことができる、そんなことの役にたてればと思います。 ついつい流される日々のなかで、ちょっと立ち止まって、日常を一歩離れて、考えてみるためのラジオ、テレビ。だから「ちょっと待って、ラ・テ」。

2015年09月

TOKYO FMはじめ全国ネットのラジオ番組、
「福山雅治のスズキ トーキングF.M.」が、放送1000回を迎えたことは、
7月19日に、このブログにも書いたが、それを記念した公開録音の模様が
先週、20日の番組で放送された。

まず、最初のところで驚かされたのが、福山が登場したときの客席からの
歓声の大きさである。
そんなことは当たり前ではないかと言うなかれ、今回のお客は、
実は50代以上に限定されているのだ。
その、オジサン、オバサンたちの、いつもの福山のコンサートと変わらないと
言っていい歓声に、いつもスタジオで福山とともにしゃべっている、
構成作家の今浪さんが、
「ちょっとビックリしました」と言ってたくらいなのだ。

それに対して、福山雅治は、
「これが"限定マジック”なのです」と言う。
「一切、まわりを気にする必要がない、ということです」
たしかに、20代、30代のファンに囲まれていたら、
こういうノリはできないかもしれない。

そんな雰囲気の中で、公開録音は始まった。
まず、出席確認を年代別にとった。
「50代の方」 ハーイという声。「圧倒的多数ですか、きょうは。では60代の方」
ハーイという野太い声。
「ありがとうございます。では、70代という方」
「イエーイ」と女性の声。
「お若い! では80代ですよという方」
何か声が聞えたが、何を言ったかは不明。しかし、福山はうれしそうに、
「お若い!ちなみに80何才ですか?82才、お若い!」

高齢化社会がマイナスのイメージで語られることの多い今日、
福山雅治の番組を聞いているだけでなく、公開録音にまで出かけて行く
70代、80代の高齢者がいるということに、ニッポンまだまだ行けるぞ、と思う。続きを読む

伊藤蘭3「キャンディーズ」といえば、中高年世代にとっては、自分の青春の思い出のなかに必ず残っている、永遠のアイドル、と言っていいのではないだろうか。 
19日のNHKテレビ「土曜スタジオパーク」のゲストは、そのキャンディーズのメンバー、伊藤蘭。この日の夜、放送の「鬼と呼ばれた男 松永安左ェ門」の番宣のための出演だったが、公開放送のスタジオには、キャンディーズのデビュー以来のファンだというオジサンもいて、司会者に促されて、持参したデビューアルバムのカセットを掲げて見せた。

そのカセットが発売されたのは、1973年だから、42年前のことだ。
つまり、オジサンは40年以上前から「追っかけ」を続けているということになるのか。 すごい、と言うしかない。
タレント冥利につきる、というのはこういうことを言うのだろう。

例えば、舟木一夫、沢田研二、といったスターたちにも、それこそ、
何十年にわたって、というファンが少なくないらしい。
松田聖子のコンサートには、母娘そろって行くという親子も、たくさんいるという
ことを聞いたことがある。

そのなかでも、「キャンディーズ」というアイドルグループは、何か、別格というと
正確な表現ではないが、「みんなキャンディーズが好きだった」あるいは、
「時代の象徴としてのアイドル」という形容の仕方があう、と思う。
そして、芸能界にも、若かりし頃、キャンディーズのファンだったという人は多い。

「鬼と呼ばれた男 松永安左ェ門」で主役の安左ェ門を演じた、吉田鋼太郎は、
きょうの番組のビデオメッセージで、自分がキャンディーズのファンだった
ということを”告白”した。
それによると、当時、部屋には大きなポスターが貼ってあり、
銀座の楽器店(おそらく山野楽器だろう)にレコードを買いにいったとき、
たまたま、キャンディーズが来ているということを知り、
屋上の会場に行って、ミニライブを見た。
大きく手を振ったが、たぶんそのとき、蘭ちゃんも手を振ってくれた、と思う、
と楽しそうに話していた。続きを読む

20150913_2053275日土曜日の「SONGS」は美輪明宏さんの歌と瀬戸内寂聴さんとの対談で構成されていた。対談は、7月から8月にかけて長崎県美術館で開催された「瀬戸内寂聴展~これからを生きるあなたへ」の関連イベントとして企画された美輪明宏さんとのトークショーを収録したものだが、これが、なかなか、聞きものだった。

ふたりが初めて会ったのが50年前、というのも驚きだが、そのときのことを寂聴さんがハッキリと覚えていることもちょっと驚きだった。
当時、作家として注目されていた寂聴さんは雑誌の企画で美輪さんの自宅を訪れた。

「たしか新宿だったと思うんですけど、アパートに住んでらしたの。
一間のアパートでね、そのまんなかに天蓋付きのダブルベッドがドンとあるの。
そしてね、ちいちゃい鏡台があるんです。その鏡台の上に化粧品がずらっと
並んでいるんですね。
それでね、こんな小さい鏡台からあんな美しい人が生まれるんだと思って、
私は、つくづく眺めたんですよ」

このトークショーのタイトルは、「戦後70年、これからを生きるあなたへ」と
つけられていたが、話は戦中の日本のことになり、
軍部が、「バイオリン」は敵性用語だから使ってはならぬと言い、
なんと言えばいいのかと聞くと、
「ひょうたん型糸こすり機」って言ったと。
そして、寂聴さん、
「今ね、あの時代にだんだん似てきているんですよ。
だから、このまま行ったらね、あの作家には書かすなとか、
この作家にはこういうものを書けとか、そういう世の中になると思います。
だからね、私はほんとに怖いと思います」

終戦から一年後、夜の街で商売する女性からの新聞への投書をもとに作詞された
「星の流れに」。
菊地章子の歌で80万枚をこえる大ヒットとなった。
美輪さんは19歳のときに、この曲をカバー、以来60年間歌い続けている。
「当時の女性たちの供養だと思って歌っている」というコメントに続いて、
美輪明宏の歌う「星の流れに」。
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imageNHK Eテレ、5日土曜日の夜10時「SWITCHインタビュー 達人達」は、宮沢りえと、彼女が「今、いちばん共演したい人」というリリー・フランキーの対談。
予想どおり、番組はリリー・フランキーの珠玉の名言が連発され、宮沢りえは、聞き役のような立場になってしまっていた。

ここでは、その名言の数々を、前後の話までつけ加えると、まだるっこいので、名言を中心に抜き出し、余計な解説を加えずに記すということにする。

「芝居の役作りで、(監督に)奥歯4本抜いてくれないかと言われたら抜く。 
 どこかで、抜いてくれないかと言われたいんでしょうね。
 それだけ、本気で(監督は、この作品に取り組んでいるんだ)」

「心中してもいいですよ、と言われたい。そういうロマンチックなことを求めている。
 監督さんにそう言われたら頑張れる」

「よく女の人で、私、楽しそうに仕事している人が好きっていう人がいるけれど、
 その女の人、不幸になるなって思う。
 だっておれ、楽しそうに仕事している人イヤですもん。
 もっと苦しみもがけばいいのにって」

「人は弱ったときに、一番手前の幸せにしがみつこうとする。
 でも、星って輝いている星ほど近くにいるから輝いているのであって、
 遠い星ほど暗いから、人は憧れないけれど、
 いちばん手前で輝いているものは、いちばんいぶかしいというか、
 人の前でキラキラして、”どうも星でございます”みたいなやつが
 いちばん怪しい」

「安心とか安定とかいう言葉の無責任さを信じた人が、
 次に言う言葉は、”裏切られた”」

「シーソーはつりあっているのが安定している、ということではない。
 シーソーは傾いているから安定している
  傾いているから動かない。 傾きっぱなしだったら超安定だ」

「先のことなんて誰にもわからない。 こうしたらこうなるだろう、
 この人とならこうなるだろうと思っていても、その通りになった人は
 ひとりもいない。
 でも、そのことにおびえて、どんどん小さくなっていく」

「だってリハウスのコマーシャルを見て、これは相当なタマが出てきたと
 思ったけど、そのとき神様が、きみは20何年後に、シアターコクーンで
 この子とトークをする、と言われても、わけわからないですよ。 
 先のことは誰にもわからない」



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一週間前になるが、先週金曜日8月28日の深夜0時、
TBSラジオ「菊池成孔の粋な夜電波」は、「メッセージお待ちしています」番組
全盛のラジオ界にあって、パーソナリティの魅力と、それを十分に発揮する
番組コンセプトの設定によって、いまどき稀有なスピリットに満ちた番組だった。

聴取率調査週間おなじみの企画で、リスナーが番組パーソナリティの菊地成孔に
送ったメールをもとに、彼が選りすぐりの1曲を選び、
それをリスナーにプレゼントするという「ミュージックプレゼント」。

今回は、選曲を依頼できるのは女性限定で、まず冒頭、いきなり、7月に
バンコクで性別適合手術を受けて女性の体になったという「ゆかにゃん」さんからの
メール。
自分には、大切な女性がいる。彼女のおかげで人生を肯定できるようになった。
飛行機と空旅が好きな彼女に素敵な曲を送ってください。

このようなメールを読んだあと、菊地氏が、番組初のアシスタントとして
スタジオにいる林みなほアナウンサーに、
このメールは信用に足るか、と問いかける。

それは、番組リスナーの中には、簡単に言うと「作り話」を送ってくるやつが
いるから、そこに注意しないといけない、ということを言われて、
林アナウンサーは、信用する、と答える。
菊地氏は、ワンワード、メールの中のある言葉を見て、その一点で、
これは本物、と判断したと言う。

その言葉は、「飛行機」で、メールは「ヒコーキ」とカタカナで書かれていた、
そのカタカナにやられたと。 

そんな話のあと、菊地成孔、渾身の選曲。

  「ジェット機のサンバ」 アントニオ・カルロス・ジョビン

その曲のおわり、BGMにして菊地氏がメッセージを送る。

「ラジオネームゆかにゃんさんと、その大切な方に、この曲が届きますよう。
そして、わが国が海を越えなくても、安全で優秀な性別適合手術を受けられる
国になりますよう。 
リオデジャネイロには、その名も、アントニオ・カルロス・ジョビン空港が
存在します。
快適な空の旅を。 それは人生の素晴らしいレスト。
どんな過酷な人生にも素晴らしいレストがインクルードされています」

 ※アントニオ・カルロス・ジョビンは「ボサノバの父」と呼ばれる、
   20世紀のブラジル音楽を代表する作曲家。

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