愛車は他社製でもOK!ダイハツが高齢者運転支援で“地方の足”守る

2020年まで全国行脚イベント

ダイハツが実施した健康安全運転講座

ダイハツが実施した健康安全運転講座


 いくつになっても、元気で安全運転を―。ダイハツ工業は、高齢ドライバーが健康で元気に安全運転できるよう支援し、高齢者の交通事故低減にも結びつける活動を始めた。販売会社、地方自治体、理学療法士協会、地域社会の4者協働で、地域の高齢者に運転機能低下を防ぐ運動を伝授。安全運転講習も行う。活動は系列販売店に加え、趣旨に賛同する業販店にも広げる。2020年までに全国的な活動へ育成する。

 26日、系列の三重ダイハツ販売・松阪船江店(三重県松阪市)に近隣の57―79歳の男女約20人が集まった。平均年齢69歳。目当ては、住民自治協議会が案内した地域イベント「健康安全運転講座」だ。

 軽自動車に乗る70代男性は「愛車は他社製で少し悩んだが、せっかくの機会と思い来ました」と照れ笑いした。

 同イベントはダイハツ販売店を拠点に、産官学民連携で開く。恒例イベント化を狙い、同じ店舗で少なくとも年に2回は実施。自治体や自治協議会などが主体となって参加者を募り、取りまとめる。

 イベントでは簡単な体力測定を行い、理学療法士が認知機能や筋力、腰、肩といった機能のチェックと低下を防ぐ運動を指導。日本自動車連盟(JAF)による運転姿勢や死角などの運転講習のほか、敷地内で軽自動車の安全運転支援機能も体験する。

 参加した70代女性は「教えてもらった運動を家でもやる」と笑顔。一方、70代男性はイベントはとても良いと評価しつつ、体験した支援機能は「便利だが、我々の世代は機械に頼ることに抵抗がある」と苦笑いする。

 三重ダイハツ販売の20代女性社員は、「車屋さんにしかできない取り組みで、地域社会と関われるのが新鮮」とやりがいを感じている。

 16年度の試行を経て17年度から三重県、静岡県、広島県にある販売会社の複数店舗で本格スタート。和歌山県でも始まる予定だ。

 軽自動車は地方の足であり、欠かせない存在。高齢ユーザーも多い。超高齢化社会の日本では、健康寿命の延伸が喫緊の課題だ。

 26日のイベントに参加した三井正則ダイハツ工業社長は「高齢者の元気な安全運転を支援するのはダイハツの役目だ。地域の人々が笑顔になり、日本が元気になる手伝いをしたい」と話す。

 社会問題化した高齢ドライバーの事故低減に向け、運転免許返納や自動運転が注目されている。だが「生活の足」を奪う前に、地域社会で高齢者の自立と尊厳を守る取り組みがあってしかるべきだ。高齢者との接点が多い、ダイハツならではの活動として全国への広がりが期待される。

日刊工業新聞2017年5月30日 

素晴らしいことだと思います。