自動運転車のハッキング事故、盗難車事故と同じ - ただし「アップデート」の注意義務

Security NEXT によりますと

国土交通省は、自動運転中の車が事故を起こした際の自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づく損害賠償責任のあり方について検討を行い、報告書を取りまとめた。

同省では、2016年11月に「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」を設置。2020年から2025年ごろまでを、自動運転車と非自動運転車が混在する過渡期と想定し、責任関係を含め、法制度の在り方について検討。

今回取りまとめた報告書では、過渡期にレベル1からレベル4までの自動運転システム搭載車で生じた事故において、自賠法に基づく損害賠償責任について考え方を示した。レベル5は対象外となる。

自賠法では、自動車所有者を含めた運行供用者が、「構造上の欠陥」や「機能の障害」による事故などを含め、無過失責任を負担しているが、自動運転システムの欠陥が事故の原因となった場合も、当面は従来とおりの責任を維持することが妥当とした。


理由としては、運行供用者が運行を支配しており、利益も帰属することや、被害者救済などを挙げている。また保険会社により自動車メーカーなどに対する求償権行使の実効性確保に向けたしくみを検討すべきとした。

「ハッキング」に起因する事故の損害については、第三者が保有者に無断で自動車を操縦した場合、保有者による運行の支配や利益が失われ、運行供用者に責任は発生しないと説明。無関係な第三者が盗難車で起こした事故と同様に、被害者保護の観点から政府保障事業で対応することを適当とした。

ただし、自動車の保有者が必要なセキュリティ対策を講じており、保守点検義務違反が認められない場合に限られる。

従来より、運行供用者には自動車の点検整備に関する注意義務が課されており、自動運転システムのソフトウェアアップデートや自動運転システムの要求に応じて自動車を修理することなども、運行供用者の注意義務に挙げた。


また自動運転システムの欠陥が原因でハッキングされ、政府保障事業で対応した場合、政府が損害の補填後に自動車メーカー等に対して求償することも考えられるという。

一方、自動運転中の自損事故については、現行の自賠責保険と同様に運転者を「他人」とは扱わず、補償の対象外とし、任意保険で対応することが適当とした。

さらに地図情報やインフラ情報など、外部データの誤りや通信の遮断によって生じた事故の場合も、「構造上の欠陥」「機能の障害」であり、責任が生じる可能性があることを指摘している。

今後は、自動運転技術の進展や自動運転車の普及状況、海外での議論なども踏まえつつ、2020年代前半を目処に検証することが必要とした。


参考にしてください。