こんなに変わる慰謝料の額
信号のある交差点での事故です。
相手は普通車で右折。
お客様は、大型バイクで直進。
信号は双方青色です。
過失割合は、紆余曲折があり最終的に85:15でした。
相手保険会社はA社。
お客様の保険会社は弊社契約でS社です。
お客様の怪我は、全身打ち身。右手指1本骨折(簡易ギプス使用)股関節異常で、全治2ヶ月の診断です。
若いこともあり、お医者様も驚く44日間で快復されました。
その間の実通院日数は5日間です。
で・・・
3ヶ月ほどしたときにA社から承諾書のご案内というのが送られてきました。
事前にお客様にこんな封書が送られてきたら必ず見せてくださいとお願いしていたので、現物をお預かりしました。
損害賠償の内容という書類と、人身損害に関する承諾書が入っており、署名捺印の上返送しろとありました。
承諾書とありますが、実質の示談書ですね。
これがなんの相談もなく、淡々と金額が決まったので返送してくれたら、その金額を支払うと。
事前に案内してなかったら、お客様は示談書と知らずに返送してしまうところだとおっしゃってました。
その内容は・・
治療費 86,936円
交通費 1,836円
休業損害 59,992円
慰謝料 42,000円
(算定の根拠は日額4,200円×実通院日数5日間(重複あり)×2倍)
損害額合計 190,758円
責任負担額 0円
(自賠責保険の支払範囲なので過失割合は関係しません)
既払い額(治療費) 83,796円
最終お支払額 106,962円
話には聞いてましたが、酷いものです。
お客様もご不満です。
弁護士費用をお付けいただいてるので、弁護士の手配をしました。
S社なので、弁護士は希望の先生を指定できます。
ご指名の弁護士がないかとお聞きしましたが弊社に一任するとのことです。
ここは交通事故に詳しく、過去にも実績のあるU先生にお願いすることにしました。
お医者様と同じく弁護士も専門があります。
すべての分野に詳しいというのはほぼ不可能でしょう。
過去に、弁護士を入れたのに、人身傷害の保険金額よりも補償が少ないというケースもありました。
依頼して、約2月。
確定した金額が次の通りです。
治療費 142,096円
交通費 1,836円
休業損害 59,992円
慰謝料 392,000円
(算定の根拠は赤本別表Ⅰ)
損害額合計 595,918円
責任負担額 89,388円
(任意保険の支払範囲に入りますので過失割合が影響してきます)
既払い額(治療費) 138,956円
最終お支払額 367,574円
治療費まで値切っていたんですね。
お医者様が保険会社によっては診療拒否をするというのも頷けます。
それが原因で十分な治療が受けられないという懸念もあります。
慰謝料なんて約10分の1。
過失相殺がないような、完全被害事故だともっともらえたということになります。
弁護士特約は絶対につけましょう。
ただし、特約をつけていてもなかなか使わせてくれない保険会社もあるとか。
使わせてくれても、保険会社が決めた弁護士しか駄目とか言う話も聞きます。
一度ご加入の保険会社に問い合わせをしたほうが良いかもしれません。
(弊社がお勧めしている、T社S社は両社とも希望の先生を入れることが出来ますのでご安心ください。)
過失割合分を引いても手取りが約3倍になったので、お客様には喜んでいただけました。
当然すべての事故にあてはまる案件ではありませんが、参考にはなると思いますので読んでいただけました幸いです。