ヘルタースケルター(2012年公開中、アスミック・エース)夢売るふたり(2012年公開中、ギャガ)

2012年09月10日

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(2012年公開中、東宝)

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
私の持論は、映画たるもの、続編であってもテレビから派生したものであっても、その一作だけを観た観客を楽しませるべきだと思う。一方で、過去の作品をネタにした自己パロディや、内輪受け的な要素を完全に否定するわけでもない。



いわずと知れた人気テレビドラマから15年、テレビ特番、劇場映画にスピンオフ、果ては未使用の脚本をゲーム(DS)に使うなど、続編のうまみ(興業的にも、ストーリーも)を活用してきた「踊る」シリーズ。映画の定石を全く無視し「この映画を観に来た人は、踊るシリーズが好きなんでしょ? 全部観て、細部まで覚えて来てるよね?」というスタンスで作られている。そんなことでいいんですか。いいんです。

いくつかの映画レビューを読んで驚いたのは、過去作を全く観ないまま、FINALだけを観て酷評している人がいること。私の持論に沿えば、それでもいいのだけれど、「踊る」シリーズは、もはやそういうものではない。過去作を復習すること。それが強要される、悪い意味でなく。「そんなことまでしたくないや」という人は映画館に来てもらわなくていいし、そのまま来た人には細部の小ネタを理解してもらわなくても結構。作り手側はそういうスタンスに立っている。

このシリーズに感情移入しやすいのは、実際の世界と同じ早さで、時間が経過していくこと。テレビドラマが始まった時、私より1歳上だった青島俊作は、今も同じく1歳上。フィクションの話なのに、地球上のどこかに「踊る」の世界があって、常に彼らは事件を追っている。その中の一部が切り取られ、時々、映像化されて私たちの前に姿を見せるーそんな感じを抱く。だから、同窓会に行く前に卒業アルバムをチェックするがごとく、劇場で会う前に、昔のことをちゃんと思い出しておかねばならないのは道理。

今作、いろんな感想があると思う。君塚良一の脚本は手放しで褒めるものでもないし(シリアスシーンで現実離れした設定だったり)、本広克行監督は独り善がりな演出をしたりする。クライマックスのVFXは、まさかの「とほほ」な出来だったし、誘拐犯の配役もベストとは思えない。

けれど。

それでいいのだ。楽しむために観に行く。だから、観終わったら楽しい。「もっとこうすればいいのに」という感想は抱かない。さっきも書いたように「踊る」の世界は、どこかに実在しているものだから、変更を要求したりできないんだよね。

★★★★★星5つ。批評する気ゼロ。観たい人だけどうぞ。映画だと思って観ない方が楽しめるよ。

「FINAL」とタイトルが付いているけど、そのうち、番外的に復活するだろうと予想しておく。ありそうなのがテレビCM。今から15年後だと、青島は59歳。白髪が増えた「署長 青島俊作」シリーズのCMがあったら話題になるでしょ。うん、観たい。


goodkage3 at 13:00│Comments(0)TrackBack(0) 星5 

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