幼い頃の夢をみていた ような気がする。

遠くのほうで呼ぶ声が聞こえる。だんだん声が大きくなってきて眩しさにうっすら目を開けると見知らぬ天井がある。視界の両脇から嫁さんと看護師が覗きこんで俺の名前を呼んでいた。

あぁ、俺は今、腰の手術を終えて病室に搬送されてきたのだ。と気が付くのにそう時間はかからなかった。腰から背中にかけて重た〜い鈍痛に襲われていて身体のあちこちから管が出ている。そして麻酔による眠りから醒めて初めて目にしたのが嫁さんの顔だったのだ。初めて目にしたのが嫁さんの顔で良かったと思う。もしもう一方の看護師だとして、俺がカルガモなら一生その人についていくところでる。例のまな板の恋ちゃんならそれもアリ?かもしれないが、初めてお会いしたオバチャン看護師さんである。子供の頃、知らないオバチャンについていってはいけませんと教わった。まして一生ついていくなど、と考える間もなく意識が薄れ眠りに落ちた。まだ完全に麻酔が醒めてはいないのである。